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格差が一段と広がる台湾液晶セクター 2005年07月28日 | 大和総研 | 杉下 亮太

格差かくさ一段いちだんひろがる台湾たいわん液晶えきしょうセクター

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2005ねん07がつ28にち

  • 杉下すぎした 亮太りょうた

台湾たいわんには大型おおがた液晶えきしょうパネル(10インチ以上いじょう)を生産せいさんするメーカーが現在げんざい7しゃある。台湾たいわんメーカーの合計ごうけい出荷しゅっか数量すうりょうシェアは現在げんざい4わりえ、韓国かんこくメーカーとほぼかたならべている。ただし、サムスン・LGフィリップスLCDが規模きぼっている韓国かんこくことなり、台湾たいわん液晶えきしょうメーカーはほぼ分化ぶんかしている。これまでのところ、売上うりあげ規模きぼおおきく収益しゅうえきせいたかいのがAUえーゆーオプトロニクスとチーメイで、それ以外いがい下位かいメーカーと位置いちづけられている。そしてこの格差かくさ今後こんご一段いちだんひろがるものとかんがえられる。液晶えきしょう需要じゅようのけんいんやくがPCからテレビにうつりつつあることが背景はいけいである。

日本にっぽん市場いちば先頭せんとう液晶えきしょうテレビは普及ふきゅうはじまっており、06ねんになると液晶えきしょう需要じゅよう前年ぜんねん増分ぞうぶんはテレビようがPCよう上回うわまわるようになる見込みこみである。このため、台湾たいわん液晶えきしょうメーカーは各社かくしゃともテレビようパネル事業じぎょう推進すいしん余念よねんがないが、上位じょういメーカーでは軌道きどうはじめた一方いっぽう下位かいメーカーは停滞ていたい目立めだつ。テレビようパネルにはPCようことなる技術ぎじゅつ多数たすう要求ようきゅうされることがおおきな要因よういんである。また、テレビようパネルは画質がしつ改善かいぜん進行しんこうしているあたらしい製品せいひんであり、液晶えきしょうメーカーの技術ぎじゅつ開発かいはつりょくためされる分野ぶんやでもある。

液晶えきしょうメーカーの技術ぎじゅつ開発かいはつりょくは、優秀ゆうしゅうなエンジニアを確保かくほできるかがかぎであるのはいうまでもないが、それだけではなくテレビにたいする幅広はばひろくかつふか理解りかいと、部材ぶざいないせい進行しんこう度合どあいによる部分ぶぶんおおきい。テレビようパネルで台湾たいわんメーカーに先行せんこうする日本にっぽん韓国かんこくメーカーは、いずれもテレビメーカーとしての歴史れきしっている。カラーフィルターやドライバーICといった部材ぶざいについてはうちせいおこなっており、部材ぶざい段階だんかいからパネル開発かいはつおこなうことができる。このてん台湾たいわん上位じょういメーカーはグループ企業きぎょう液晶えきしょうテレビそのものを開発かいはつ製造せいぞうしており、またドライバーICやカラーフィルターのうちせいすすめている。さらにへんこういた研究けんきゅう開発かいはつにもんでいる模様もようである。

これにたいして、下位かいメーカーはおおむ上記じょうきのいずれのてんでも上位じょういメーカーにおくれをとっている。この結果けっか、テレビようパネルの品質ひんしつ上位じょういメーカーにおとり、大手おおてテレビメーカーからなかなか受注じゅちゅうできずにいる。上位じょういメーカーをいかけるべく、中華ちゅうかうつかんとクアンタディスプレイはだい6世代せだい(6G)工場こうじょうがこれからげる予定よていだが、テレビようパネル事業じぎょう進捗しんちょく次第しだいでは無駄むだ投資とうしとなってしまう。ハンスターは6G工場こうじょうプロジェクトそのものがまっており、つぎ一手いってえなくなっている。そのあいだ上位じょういメーカーは7G工場こうじょう投資とうし決定けっていしており、40インチちょうのテレビパネル生産せいさんまで視野しやれた。

このように、台湾たいわん液晶えきしょうセクターは技術ぎじゅつりょくによって格差かくさ一段いちだんひらはじめたようにえる。下位かいメーカーが上位じょういメーカーとおな路線ろせんはしりつつ、単独たんどくのこりをはかるのはますます困難こんなんになってきたといえる。従来じゅうらいからいわれているとおり、業界ぎょうかい再編さいへん必至ひっしだろう。

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