中国ちゅうごくの参画さんかくが重要じゅうような地球ちきゅう環境かんきょう問題もんだい

2005年ねん2月がつに発効はっこうした京都きょうと議定ぎてい書しょによって、日本にっぽんや欧州おうしゅう等とうの先進せんしん諸国しょこくは、2008年ねん～12年ねんの間あいだに、二酸化炭素にさんかたんそ等とうの温室おんしつ効果こうか関連かんれんガスを合計ごうけいで1990年ねん比ひ5.2％（日本にっぽんは6％削減さくげん）の削減さくげん義務ぎむを負おうこととなった。先進せんしん諸国しょこくでは、最もっとも二酸化炭素にさんかたんその排出はいしゅつ量りょうが多おおい米国べいこくが参加さんかしていないなどの欠陥けっかんはあるが、1992年ねんの地球ちきゅう環境かんきょうサミットで提言ていげんされた「持続じぞく可能かのうな発展はってん」に向むけた取とり組くみが進すすみつつある。

これに対たいして中国ちゅうごくは、地球ちきゅう規模きぼでの環境かんきょう問題もんだいの論議ろんぎの中なかでは、依然いぜんとして「発展はってん途上とじょう国こく」と位置付いちづけられている。このため、京都きょうと議定ぎてい書しょ等とうの地球ちきゅう環境かんきょう保護ほごに向むけた国際こくさい的てきな取とり組くみに対たいして、明確めいかくな義務ぎむが課かせられていない。

この一方いっぽうで、中国ちゅうごくの地球ちきゅう環境かんきょうへのインパクトはきわめて高たかまっている。一いち例れいとして、石炭せきたん火力かりょく発電はつでん所しょの排気はいき等とうに含ふくまれる二酸化にさんか硫黄いおう（SO2）排出はいしゅつ問題もんだいが挙あげられる（図表ずひょう参照さんしょう）。二酸化にさんか硫黄いおうは酸性さんせい雨うとなって、中国ちゅうごく国内こくないのみでなく、日本にっぽん等とうの近隣きんりん諸国しょこくへの影響えいきょうが懸念けねんされる。

2001年ねんから実施じっしされている｢第だい十じゅう次じ五ごカ年かねん計画けいかく｣では、二酸化にさんか硫黄いおうの発生はっせい量りょうを2005年ねん末まつまでに1800万まんトン（うち工業こうぎょう由来ゆらいは1450万まんトン）に抑おさえることが目標もくひょうとして定さだめられている。しかしながら、2003年ねんの実績じっせきでは目標もくひょうをはるかに超過ちょうかしているのが現実げんじつである。

このような状況じょうきょうを踏ふまえて、2006年ねんから開始かいしされる「第だい十じゅう一いち次じ五ごカ年かねん計画けいかく」では、より厳きびしい環境かんきょう規制きせいの導入どうにゅうが予想よそうされる。しかし、中国ちゅうごくは地球ちきゅう環境かんきょう保護ほごに関かんする国際こくさい的てきな取とり組くみの対象たいしょう外がいとなっていることや、環境かんきょう規制きせいについては、必かならずしも外部がいぶからの監視かんし機能きのうは働はたらいていないのではという指摘してきもあることから、国際こくさい的てきな観点かんてんからは、一層いっそうの実効じっこう性せいの確保かくほが求もとめられよう

中国ちゅうごく国内こくないでの規制きせいの早期そうき導入どうにゅうは、国際こくさい的てきな環境かんきょう保護ほごへの取とり組くみの実効じっこう性せいを高たかめる上うえで重要じゅうようなことは言いうまでもない。環境かんきょう問題もんだいへの取とり組くみは、持続じぞく可能かのうな経済けいざい発展はってんを実現じつげんするための一翼いちよくとなろう。今後こんご、中国ちゅうごくも環境かんきょう対策たいさくに一層いっそうの力ちからを入いれてくることが予想よそうされる。この意味いみでは、中国ちゅうごくでの環境かんきょうビジネスは、成長せいちょうポテンシャルのあるセクターの一ひとつと位置付いちづけられよう。

（出所しゅっしょ）中国ちゅうごく国家こっか環境かんきょう保護ほご総局そうきょく「中国ちゅうごく環境かんきょう年報ねんぽう（2003年版ねんばん）」より作さく