正念場しょうねんばを迎むかえる米国べいこく景気けいき　～消費しょうひ者しゃマインドが示唆しさ

世界せかい経済けいざいは様々さまざまな試練しれんに直面ちょくめんしている。資源しげんや食料しょくりょうを中心ちゅうしんにインフレが進行しんこうし、半導体はんどうたいをはじめとする供給きょうきゅう制約せいやくは長引ながびき、欧米おうべいでは金融きんゆう引ひき締しめが開始かいしされ、ウクライナ情勢じょうせいも先行さきゆき不透明ふとうめいな状態じょうたいが続つづいている。そのような状況じょうきょう下かで、世界せかいは景気けいき後退こうたいに陥おちいるのではないかとの議論ぎろんが高たかまりつつある。とりわけ世界せかい最大さいだいの米国べいこく経済けいざいの景気けいき動向どうこうが注目ちゅうもくされる。

米国べいこくの景気けいき後退こうたいのサインとされるものは多岐たきにわたるが、筆者ひっしゃが長ながく観察かんさつしてきたマーケット関連かんれんの指標しひょうでは、株式かぶしき市場いちばでの株価かぶかの20％下落げらく（ナスダック指数しすうでは既すでに示現じげん）や、債券さいけん市場いちばでの長短ちょうたん金利きんりの逆転ぎゃくてん（米べい2年ねん国債こくさいと10年ねん国債こくさい利回りまわりで一時いちじ示現じげん）などが最近さいきんでは話題わだいとなった。これらは過去かこの経験けいけん則そくからは景気けいき後退こうたいを示唆しさするサインと言いえるが、現時点げんじてんでは部分ぶぶん的てきな現象げんしょうでもあり、「騙だまし」も多おおいことから判断はんだんは難むずかしい。

一方いっぽう、筆者ひっしゃは直近ちょっきんでは、景気けいきの先行せんこう指標しひょうのひとつであるカンファレンスボード消費しょうひ者しゃ信頼しんらい感かん指数しすうに注目ちゅうもくしている。同どう指数しすうの変化へんかを観測かんそくすると、過去かこの米国べいこくの景気けいき後退こうたい局面きょくめん入いりをよく当あてているように見みえるからだ。具体ぐたい的てきには、同どう指数しすうの1年ねん前まえとの比較ひかくで▲15ポイント以上いじょうの低下ていかを記録きろくしたタイミングの数すうヵ月かげつ後ごに、米国べいこくの景気けいきが山やまを越こえ、以後いご景気けいき後退こうたい局面きょくめんに転てんじたケースが多おおい。サインの発出はっしゅつがやや遅おくれたケースもあるが、遅おくれは最長さいちょうでも2ヵ月かげつにとどまっている（図表ずひょう参照さんしょう）。直近ちょっきんの2022年ねん4月がつ時点じてんの同どう指数しすうは107.3と水準すいじゅんは依然いぜん高たかめであるものの、1年ねん前まえ比ひでは▲10.2の低下ていかとなっている。そして、同どう指数しすうが今後こんご明確めいかくに回復かいふくしないならば、昨年さくねん6月がつピークの応おう当日とうじつが接近せっきんすることで1年ねん前まえ比ひが▲15以上いじょうの低下ていかとなるおそれがある。よって、同どう指数しすうから景気けいきを判断はんだんする場合ばあい、まさに正念場しょうねんばを迎むかえつつあると言いえよう。

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