日本にっぽんの感染かんせん症しょう対応たいおう力りょくは世界せかい18位い

世界せかい保健ほけん機関きかん（WHO）が新型しんがたコロナウイルス感染かんせん症しょうのパンデミックを宣言せんげんして2年ねん半はん近ちかくが経過けいかした。今回こんかいの経験けいけんを受うけて、感染かんせん症しょう対策たいさくに求もとめられる内容ないようが見直みなおされている。例たとえばジョンズ・ホプキンス健康けんこう安全あんぜん保障ほしょうセンター（JHCHS）等とうが作成さくせいする「グローバル・ヘルス・セキュリティ指数しすう」では、「予防よぼう」「追跡ついせき」「対応たいおう」「医療いりょうシステム」「キャパシティ・ビルディングや規範きはん」「リスク」の6つの視点してんから195カ国かこくの感染かんせん症しょう（生物せいぶつ学がく的てき脅威きょうい）への対応たいおう力りょく（制度せいどの有無うむなど）を評価ひょうかしているが、感染かんせん拡大かくだいを受うけて2021年ねんの公表こうひょう時じに構成こうせい指標しひょうを見直みなおした。

具体ぐたい的てきには、予防よぼう措置そちや備蓄びちく、接触せっしょく追跡ついせきに関かんする指標しひょうが拡充かくじゅうされたほか、非ひ医薬品いやくひん介入かいにゅう（NPI：国民こくみんへの効果こうか的てきな情報じょうほう発信はっしんやロックダウンなどの制限せいげん措置そち）に関かんする項目こうもくが追加ついかされた。これは、感染かんせん症しょう対策たいさくには医療いりょう体制たいせいだけでなく、行動こうどう制限せいげん措置そちを可能かのうにするための経済けいざい的てきな支援しえんや政府せいふに対たいする国民こくみんの信頼しんらい感かん等とうが不可欠ふかけつであることが教訓きょうくんとして得えられたためだ。

日本にっぽんのグローバル・ヘルス・セキュリティ指数しすうは100点てん満点まんてん中ちゅうの60.5点てんで、順位じゅんいは195カ国かこく中ちゅう18位い（前回ぜんかいの2019年ねんでは21位い）だ。「対応たいおう」において公衆こうしゅう衛生えいせいと政府せいふ当局とうきょく間あいだの連携れんけいが図はかられていることなどが評価ひょうかされた。一方いっぽう、「予防よぼう」や「医療いりょうシステム」が課題かだいだ。予防よぼうについては生物せいぶつ学がく的てき脅威きょういに対たいするトレーニングが不足ふそくしているのに加くわえ、日本にっぽんは人口じんこう当あたり獣じゅう医師いし数すうが少すくない。動物どうぶつ由来ゆらいの感染かんせん症しょうリスクが高たかまる中なかで動物どうぶつ疾病しっぺいの専門せんもん家かが感染かんせん症しょうを発見はっけん・予防よぼうすることが求もとめられる。医療いりょうシステムについては政府せいふが緊急きんきゅう事態じたいの間あいだに医療いりょう対策たいさくを取とりやすくするための制度せいどや国家こっか備蓄びちくを年次ねんじでレビューする体制たいせいの構築こうちくが不足ふそくしていることなどが課題かだいの背景はいけいにある。

コロナ禍かの収束しゅうそくは未いまだ目処めどが立たたない。また、気候きこう変動へんどうによる影響えいきょうの拡大かくだいや生物せいぶつ多様たよう性せいの喪失そうしつを受うけて新あらたなパンデミックの発生はっせいリスクも高たかまっているとみられ（※１）、足元あしもとではサル痘が世界せかい的てきな広ひろがりを見みせている。この点てん、グローバル・ヘルス・セキュリティ指数しすうの世界せかい平均へいきんは38.9点てん、最高さいこうでも米国べいこくの75.9点てんであり、JHCHS等とうは全すべての国くにで新あらたな感染かんせん症しょうへの備そなえが十分じゅうぶんでないと指摘してきしている。健康けんこうと経済けいざいへの悪影響あくえいきょうを最小限さいしょうげんにするためには、各国かっこくは予防よぼうを含ふくめた新あらたな感染かんせん症しょう（生物せいぶつ学がく的てき脅威きょうい）発生はっせいに向むけた対策たいさくを見直みなおして体系たいけい化かし、対応たいおう能力のうりょくの向上こうじょうを図はかる必要ひつようがあるだろう。

• （※１）和田わだ恵めぐみ「コロナ禍かを受うけて経済けいざい対策たいさくに求もとめられる生物せいぶつ多様たよう性せいの視点してん」（大和総研だいわそうけんコラム、2021年ねん12月13日にち）

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