ペロブスカイト太陽たいよう電池でんちの耐久たいきゅう性せいを向上こうじょう、キヤノンが高機能こうきのう材料ざいりょうを開発かいはつ：太陽光たいようあきら

　キヤノンは2024年ねん6月がつ18日にち、ペロブスカイト太陽たいよう電池でんちの耐久たいきゅう性せいおよび量産りょうさん安定あんてい性せいの向上こうじょうが期待きたいできる高機能こうきのう材料ざいりょうを開発かいはつしたと発表はっぴょうした。今後こんごさらなる技術ぎじゅつ開発かいはつを進すすめ、2025年ねんの量産りょうさん開始かいしを目指めざす方針ほうしんだ。

　次世代じせだいの太陽たいよう電池でんちとして期待きたいされているペロブスカイト太陽たいよう電池でんち。より大おおきな普及ふきゅうに向むけた課題かだいの一ひとつとして指摘してきされているのが耐久たいきゅう性せいだ。ペロブスカイト層そう（光ひかり電でん変換へんかん層そう）中ちゅうの結晶けっしょう構造こうぞうは、大気たいき中ちゅうの水分すいぶん、熱ねつ、酸素さんそなどの影響えいきょうを受うけやすく、性能せいのうが劣化れっかしやすいという弱点じゃくてんがある。また、大だい面積めんせきのペロブスカイト太陽たいよう電池でんちは量産りょうさん安定あんてい性せいが低ひくいという課題かだいも指摘してきされている。

　これらの課題かだいを解決かいけつする方法ほうほうの一ひとつとして、光ひかり電でん変換へんかん層そうを膜まくで被覆ひふくし、耐久たいきゅう性せいを高たかめるという手法しゅほうが注目ちゅうもくされている。そこでキヤノンは、複ふく合ごう機きやレーザープリンターの基幹きかん部品ぶひんである感光かんこう体たいの開発かいはつを通とおして培つちかってきた材料ざいりょう技術ぎじゅつを応用おうようし、光ひかり電でん変換へんかん層そうを被覆ひふくする高機能こうきのう材料ざいりょうを開発かいはつした。

ペロブスカイト太陽たいよう電池でんちと新しん開発かいはつの高機能こうきのう材料ざいりょうを積層せきそうした同どう電池でんちの構造こうぞう　出典しゅってん：キヤノン

　開発かいはつした材料ざいりょうは、従来じゅうらいは難むずかしかった高たかい光ひかり電でん変換へんかん効率こうりつを維持いじしながら光ひかり電でん変換へんかん層そうを厚あつく被覆ひふくできることが特長とくちょうだという。従来じゅうらいの被覆ひふく層そうは数すう十じゅうnm程度ていどであるのに対たいし、新しん材料ざいりょうは100〜200nmで被覆ひふくが可能かのうとしている。

新しん開発かいはつの高機能こうきのう材料ざいりょうを積層せきそうしたペロブスカイト太陽たいよう電池でんちの断面だんめん図ずのイメージ　出典しゅってん：キヤノン

　今後こんごキヤノンではペロブスカイト太陽たいよう電池でんちの量産りょうさんに取とり組くむ企業きぎょうとの協業きょうぎょうを目指めざして、2024年ねん6月がつに本ほん材料ざいりょうのサンプル出荷しゅっかを開始かいしし、2025年ねんの量産りょうさん開始かいしを目指めざす方針ほうしんだ。