【コラム】川本かわもと治おさむ

守まもって好機こうき生いかす戦たたかい方かた貫つらぬいた、新あたらしい歴史れきしつくれ

[ 2018年ねん6月がつ29日にち 16:00 ]

Ｗ杯だぶりゅーはいロシア大会たいかい１次じリーグＨ組ぐみ日本にっぽん０―１ポーランド（ 2018年ねん6月がつ28日にちボルゴグラード）

　こういう勝かち上あがり方かたも、西野にしのジャパンらしいかもしれない。１次じリーグ突破とっぱという当初とうしょの目標もくひょうは達成たっせいしたが、ひとつ間違まちがえば批判ひはんの嵐あらしに直面ちょくめんした可能かのう性せいもあっただけに、一番いちばんホッとしているのは監督かんとく自身じしんだろう。

　先発せんぱつを６人にんも入いれ替かえたのは、相当そうとうなギャンブルだった。過去かこ２戦せん出でてない選手せんしゅを決勝けっしょうトーナメント進出しんしゅつがかかる大事だいじな場面ばめんで起用きよう。だが、いい形がたを築きずいてきた１、２戦せんの流ながれに乗のれていない印象いんしょうだった。後半こうはんの失点しってんは、山口やまぐちのファウルで招まねいたＦＫからフリーの選手せんしゅに決きめられた。また、攻撃こうげき面めんでもチャンスらしいチャンスを作つくれなかった。残念ざんねんだったのは、局面きょくめんでのプレーでポーランドの選手せんしゅに劣おとっていたこと。ボールを取とりに行いったところを簡単かんたんにかわされ、カウンターから何なん度ども危あぶない場面ばめんを許ゆるした。終盤しゅうばんのボール回まわしを徹底てっていして危険きけん回避かいひを選択せんたくした戦術せんじゅつもかなりギャンブルだったが、何なにとかしのいだ。結果けっか的てきには、コロンビアに助たすけられる形かたちだし、川島かわしまのファインセーブがなければもう２、３点てん失うしなっていたかもしれない。いずれにせよ、西野にしのジャパンは「持もっている」ということを改あらためて痛感つうかんした。

　それでも過去かこ２戦せんと同様どうように、粘ねばり強づよく守まもって少すくないチャンスをものにするという戦たたかい方かたをしたのは良よかった。大会たいかい前まえの評価ひょうかは３連敗れんぱいという声こえも聞きかれるほど低ひくかったが、１勝しょう１分わけ１敗はいの勝かち点てん４は立派りっぱ。運うんも実力じつりょくのうちである。決勝けっしょうトーナメント１回戦かいせんはベルギーとの対戦たいせんが決きまった。ここまで勝かち上あがってくるチームはどこも強敵きょうてき。「持もっている」西野にしの監督かんとくがどういった布陣ふじんで対応たいおうするか注目ちゅうもくだ。セットプレーへの対策たいさくなど課題かだいは残のこったままだが、短みじかい準備じゅんび期間きかんで修正しゅうせいして新あたらしい歴史れきしをつくる戦たたかいに臨のぞんでほしい。（元げんジェフ市原いちはら強化きょうか部長ぶちょう）

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