「スズキ・ハスラー」の新しんグレード「タフワイルド」登場とうじょう　第だい2の「スペーシア ギア」を狙ねらう？

「惜おしい部分ぶぶん」を見事みごとに補完ほかん

2024年ねん5月がつ24日にち、スズキが軽けいクロスオーバー「ハスラー」に一部いちぶ仕様しよう変更へんこうを行おこない、同時どうじに新しんグレード「タフワイルド」を設定せっていした。

一部いちぶ仕様しよう変更へんこうの内容ないようとタフワイルドの詳細しょうさいについては既報きほうの記事きじ（参照さんしょう）をご覧らんいただくとして、本稿ほんこうでは「柳やなぎの下したにドジョウはまだいるのか？」という点てんについて考察こうさつしたい。つまり、「タフで存在そんざい感かんのあるデザインに仕上しあげました」（スズキのプレスリリースより）というモデルがスズキだけでなく多おおくのメーカーからリリースされ続つづけているなか、この手ての仕様しようはまだ売うれるのか？　それともそろそろユーザーから飽あきられ、結果けっかとしてイマイチなセールスに終おわってしまうのだろうか？　ということだ。

まず個人こじん的てきな推察すいさつというか、ぶっちゃけ肌はだ感覚かんかくに基もとづくわが勘かんピューターは、今回こんかいのスズキ・ハスラー タフワイルドはけっこう売うれるのではないかとみている。なぜならば、タフワイルドは2代目だいめハスラーの「惜おしい部分ぶぶん」を見事みごとに補おぎなっているというか、修正しゅうせいした仕様しようのように思おもえるからだ。

筆者ひっしゃが思おもうに2代目だいめハスラーの惜おしい部分ぶぶんとは、内うち外装がいそうのビジュアルにおけるもの足たりなさだ。それは「土どっぽさ」や「道具どうぐっぽさ」といったアクティブ方面ほうめんの要素ようそである。もちろん軽けいクロスオーバーであるハスラーが、超ちょう本格ほんかくオフローダーのようなビジュアルである必要ひつようはない。というかそうしてしまったら、ハスラーは逆ぎゃくに敬遠けいえんされてしまうだろう。都会とかい派はのハスラーは「極端きょくたんに土どっぽくはない」ぐらいでちょうどいいのだ。

だが筆者ひっしゃが思おもうにこれまでのハスラーは、“土成どなり分ぶん”がほんの少すこしだけ足たりていなかった。というか「もうひと声こえの土ど感かんがあれば完璧かんぺきなのに！」というクロスオーバーであったように思おもう。

2024年ねん5月がつ24日にちに発表はっぴょうされた軽けいクロスオーバー「スズキ・ハスラー」の新しんグレードが「タフワイルド」（写真しゃしん）だ。その名なのとおりタフで存在そんざい感かんのあるデザインが特徴とくちょうと紹介しょうかいされる。FWD車しゃと4WD車しゃをラインナップする。

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標準ひょうじゅん仕様しようの「ハスラー」にはないルーフレールや「TOUGH WILD」エンブレムが目めを引ひく「タフワイルド」のリアビュー。ボディーサイズの全長ぜんちょう×全幅ぜんぷく×全高ぜんこう＝3395×1475×1680mmは他たグレードと同一どういつ。180mmの最低さいてい地上ちじょう高だかも変かわらない。

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「ハスラー タフワイルド」のエンブレム。特徴とくちょう的てきな「TOUGH WILD」のロゴやリベット留とめ風ふうのデザインにも、どことなく道具どうぐっぽさを覚おぼえる。

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「東京とうきょうオートサロン2023」や「TOKYO OUTDOOR SHOW 2024」に参考さんこう出品しゅっぴんされた「スズキ・スペーシア パパボクキッチン」。どうせなら「ハスラー タフワイルド」にもこれぐらいのアウトドア風味ふうみがあってもいい？

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ちょうどいいアウトドア感かん

標準ひょうじゅんグレードである「ハイブリッドG」と「ハイブリッドGターボ」は、2トーン外がい板いた色しょくの場合ばあい、ガンメタまたはオフホワイトのルーフ色しょくとスチールホイール、ボディー同色どうしょくのドアハンドルなどによって、土どっぽさではないが「ちょうどいい道具どうぐっぽさ」のようなものが生うまれている。

しかし上位じょういグレードである「ハイブリッドX」または「ハイブリッドXターボ」は、キラキラ輝かがやく切削せっさく加工かこう＆ブラック塗装とそうの15インチアルミホイールやメッキドアハンドルなどにより、「中途半端ちゅうとはんぱなアーバン感かん」が生うまれてしまっているのが惜おしいポイントだ（失礼しつれい！）。もしも筆者ひっしゃがハスラーのハイブリッドXまたはハイブリッドXターボを買かったなら、ソッコーでちょいタフ系けいの社外しゃがいホイールに交換こうかんするだろう。ついでにドアハンドルもD.I.Y.で黒くろく塗装とそうするかもしれない。

「ならば、道具どうぐ感かんのある標準ひょうじゅんグレードを買かえばいいじゃないか」と思おもうかもしれないが、そうすると今度こんどはシートとインパネガーニッシュにオフブルーまたはカーキベージュの差さし色しょくが入はいることになる。どちらの差さし色しょくも、「ちょうどいい土ど感かん」を求もとめる筆者ひっしゃからすると少々しょうしょうポップすぎるように感かんじる。だからといって黒くろ一色いっしょくとなる上級じょうきゅうグレードの内装ないそうも微妙びみょうにつまらないと思おもえてしまうため、「自分じぶんはどれを買かえばいいのだ！」という迷まよいがさく裂れつし、その後ご「買かうべきグレードがないから、今回こんかいはやめとくか」という冷静れいせいな結論けつろんに至いたってしまうのだ。

しかし今回こんかいの「タフワイルド」は、ハスラーの各かくグレードに漂ただよっていたそうした惜おしいポイントが見事みごとに修正しゅうせいというか、調整ちょうせいされている。微妙びみょうで絶妙ぜつみょうな“土ど感かん”を、全身ぜんしんにまとっている。そのため「『ジムニー』ほどの本格ほんかく的てきなアレはいらないが、なんとなく土どの香かおりがするキャンプやアウトドアアクティビティーに似合にあうデザインで、ちょっとした悪あく路ろぐらいなら走はしれるクルマが欲ほしいんだよね」という（筆者ひっしゃのような）ライトユーザー層そうには、確実かくじつに刺ささるはずなのだ。

2024年ねん5月がつ24日にちに一部いちぶ仕様しよう変更へんこうが行おこなわれた「ハスラー ハイブリッドX」。写真しゃしんの「バーミリオンオレンジ ソフトベージュ2トーン」が外そと板いた色しょくとして新しん設定せっていされた。

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「ハスラー タフワイルド」のインストゥルメントパネル。「マットカーキ」のインパネカラーガーニッシュとサテンメッキ調ちょうのエアコンルーバーアクセントで、標準ひょうじゅん仕様しよう車しゃと差異さい化かされている。

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はっ水みず加工かこうされたカーキステッチ入いりのファブリックシート表皮ひょうひが採用さいようされる「ハスラー タフワイルド」。アウトドアアクティビティーで使用しようしたウエアやグッズを気兼きがねなく積つみ込こめそうだ。

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専用せんようフロントグリルやメッキバンパーガーニッシュが目めを引ひく「ハスラー タフワイルド」のフロントフェイス。LEDヘッドランプは標準ひょうじゅん仕様しようの「ハスラー」と同どうデザイン・同どう機能きのうのものが採用さいようされる。

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タフ系けいモデルの人気にんきはまだ続つづく？

とはいえこの手ての土どっぽい仕様しよう、あるいはオフロードテイストをまぶしたモデルは、すでに各社かくしゃから星ほしの数かずほど（？）リリースされている。それゆえ、そろそろユーザーから「こういうのはもう飽あきた」と言いわれたとしても、決けっしておかしくないタイミングではある。かつてステーションワゴンがブームだったころ、「ワゴン」を名乗なのるクルマがあふれかえっていたころを思おもい出だす。

それを踏ふまえてハスラー タフワイルドのことを考かんがえてみても、筆者ひっしゃ個人こじんは「それでもけっこう売うれるんじゃないですか？」とは思おもう。前述ぜんじゅつのとおりタフワイルドの仕立したては絶妙ぜつみょうであり、なおかつアウトドアっぽいものや雰囲気ふんいきを求もとめるモメンタムは、まだまだ続つづいているようにみえるからだ。

このあたりは各かくメーカーによるチキンレースというか、「ババ抜ぬき」のようなものになるのだろう。最終さいしゅう的てきにはあるタイミングで1つまたは複数ふくすうのメーカーが盛大せいだいに“ババ”を引ひき、「アウトドアっぽい仕様しようを大量たいりょうにつくりましたが、ほとんど売うれずに在庫ざいこになっちゃいました」となることは目めに見みえている。歴史れきしは繰くり返かえすのだ。

だがそれはまだまだ先さきの話はなしだろう。“先さき”というのが数すう年ねん後ごなのか、それとも半年はんとし後ごとか1年ねん後ごなのかは、筆者ひっしゃにはわからない。そんなことが完璧かんぺきにわかるなら、その才ざいを生いかして何なんらかの予想よそうビジネスを始はじめて大おおもうけしたいものだが、残念ざんねんながらそんな能力のうりょくは筆者ひっしゃにはない。

だが、少すくなくとも「土どっぽい雰囲気ふんいきが大人気だいにんきの世界せかい線せんはまだしばらく続つづく」ということと、「ハスラー タフワイルドはまあまあ売うれるはず」という予想よそうについてだけは、ある程度ていど自信じしんを持もってベットできる。10万まん円えんぐらいなら、賭かけてもいい。

（文ぶん＝玉川たまがわニコ／写真しゃしん＝スズキ／編集へんしゅう＝櫻井さくらい健一けんいち）

メッキのバンパーガーニッシュは「ハスラー タフワイルド」の専用せんようアイテム。いっぽう標準ひょうじゅん仕様しよう車しゃのリアコンビランプエクステンションがメッキパーツなのに対たいして、タフワイルドでは同どうパーツがブラックになっている。このあたりのさじ加減かげんが絶妙ぜつみょうだ。

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基本きほんデザインは標準ひょうじゅん仕様しよう車しゃに準じゅんずるが、ブラックメタリック仕上しあげとなる「ハスラー タフワイルド」のアルミホイール。タイヤは165/60R15サイズで、こちらもサイズは標準ひょうじゅん仕様しよう車しゃと同おなじ。

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ドリンクホルダー付つきフロアコンソールトレーも「マットカーキ」でコーディネートされる。「ハイブリッドG」および「ハイブリッドGターボ」の同どうアイテムはブラックパール仕上しあげになっている。

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「タフワイルド」では、ドアトリムカラーガーニッシュをマットカーキとし、フロントドアトリムのクロスにはっ水みず加工かこうが施ほどこされている。

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