工こう尺じゃく

《琴きん學がく入門にゅうもん》之の工こう尺じゃく

工こう尺じゃく者もの，以漢字かんじ書しょ譜ふ之の法ほう也。始はじめ於唐とう，盛もり於宋そう，日本にっぽん、越こし南みなみ、朝鮮ちょうせん、琉球りゅうきゅう亦また以此記き之の。自じ右みぎ至いたり左ひだり豎書，亦また可か橫よこ書しょ也。

音おと

工こう尺じゃく乃一易字記譜法，方言ほうげん不同ふどう則そく工こう尺じゃく亦また異こと。

基本きほん字じ

工こう尺じゃく	上うえ shàng	尺しゃく chě	工こう gōng	凡 fán	六ろく liù	五ご wǔ	乙おつ yǐ
簡譜	一いち	二に	三さん	（四よん）	五ご	六ろく	（七なな）
唱名しょうみょう	do	re	mi	（於fa與あずかfa♯間あいだ）	sol	la	（於ti♭與あずかti間あいだ）
日にち語ご	ル	人ひと	フ	り	久ひさ	ゐ

若わか為ため低音ていおん，則のり又また有ゆう：

工こう尺じゃく	合ごう hé	四よん sì	一いち yī
簡譜	五ご ‧	六ろく ‧	（七なな） ‧
唱名しょうみょう	sol	la	(於ti♭與あずかti間あいだ)
日にち語ご	ㄙ	マ	ㄧ

若わか為ため粵劇，則のり「士し」作さく「四よん」，「一いち」作さく「乙おつ」，「凡」作さく「反たん」。

全ぜん工こう尺じゃく

崑こん曲きょく

工こう尺じゃく	𪛚	𪛛	𪛜	𪛝	合ごう	四よん	一いち	上うえ	尺しゃく	工こう	凡	六ろく	五ご	乙おつ	仩	伬	仜	𠆩	𠆾	伍ご	亿
簡譜	一いち ‧	二に ‧	三さん ‧	四よん ‧	五ご ‧	六ろく ‧	七なな ‧	一いち	二に	三さん	四よん	五ご	六ろく	七なな	‧ 一いち	‧ 二に	‧ 三さん	‧ 四よん	‧ 五ご	‧ 六ろく	‧ 七なな
唱名しょうみょう	do	re	mi	fa	sol	la	ti	do	re	mi	fa	sol	la	ti	do	re	mi	fa	sol	la	ti

粵劇

工こう尺じゃく	佮	仕つかまつ	亿	仩	伬	仜	仮かり	合ごう	士し	乙おつ	上うえ	尺しゃく	工こう	反はん	六ろく	五ご	𢒼	生せい	鿈	𢓁	𢓉
簡譜	五ご ：	六ろく ：	七なな ：	一いち ‧	二に ‧	三さん ‧	四よん ‧	五ご ‧	六ろく ‧	七なな ‧	一いち	二に	三さん	四よん	五ご	六ろく	七なな	‧ 一いち	‧ 二に	‧ 三さん	‧ 四よん
唱名しょうみょう	sol	la	ti	do	re	mi	fa	sol	la	ti	do	re	mi	fa	sol	la	ti	do	re	mi	fa

讀音

此乃粵劇之の讀音也。

粵劇工こう尺じゃく字音じおん

工こう尺じゃく	合ごう	士し	乙おつ	上うえ	尺しゃく	工こう	反はん	六ろく	五ご
譜ふ讀	hɔː11	siː22	jiː22	sɑːŋ33	tsʰɛː55	kʊŋ55	fɑːn55	liːu55	wuː55
常つね讀	hɐp22	siː22	jyːt22	sœːŋ22	tsʰɛːk33	kʊŋ55	fɑːn35	lʊk22	ŋ̩13

工こう尺じゃく譜ふ一いち例れい

節奏せっそう

工こう尺じゃく之の節奏せっそう，以「板いた眼め」示しめせ。板いた眼め者しゃ，於工尺じゃく之の右みぎ，「、」、「×」為ため板ばん，「。」、「·」為ため眼め。

若わか右みぎ之の工こう尺じゃく，譯わけ為ため泰西たいせい唱名しょうみょう，則のり作さく（粗あら者しゃ重じゅう，粗そ而斜者しゃ輕けい）：

do do do sol la la sol   mi mi re re do