傅でん冠かんむり

傅でん冠かんむり
	大明だいめい禮れい部ぶ尚書しょうしょ兼けん東ひがし閣かく大だい學士がくし
籍せき貫ぬき	江西えにし承うけたまわ宣せん佈政使し司し南みなみ昌あきら府ふ進すすむ賢かしこ縣けん
族ぞく裔	漢かん族ぞく
原名げんめい	傅でん元もと範はん
字じ號ごう	字じ元もと甫はじめ，號ごう寄よせ菴
諡號しごう	忠ちゅう烈れつ
出生しゅっしょう	萬まん曆れき二に十じゅう三さん年ねん（1595年ねん）; 江こう西進せいしん賢かしこ縣けん
逝世	永えい曆れき元年がんねん（清せい順治じゅんじ三さん年ねん，1646年ねん）; 福建ふっけん汀なぎさ州しゅう
出身しゅっしん
	天啓てんけい二に年ねん壬みずのえ戌いぬ科か進士しんし及第きゅうだい;
著作ちょさく
	《寶たから綸樓集しゅう》;

傅でん冠かんむり（1595年ねん—1646年ねん），初はつ名な元もと範はん，字じ元げん甫はじめ，号ごう寄よせ庵あん。江西えにし进贤人ひと。明あかり末まつ政治せいじ人物じんぶつ，榜眼及第きゅうだい。崇たかし禎ただし年間ねんかん，官かん至いたり禮れい部ぶ侍さむらい郎ろう兼けん東ひがし閣かく大だい學士がくし，罷やめ歸き。隆りゅう武たけし時どき起用きよう，督とく師し江西えにし，事こと敗はい被ひ俘，堅けん拒こばめ投降とうこう，在ざい汀なぎさ州しゅう殉國じゅんこく。

生平おいだいら[编辑]

天てん启二に年ねん（1622年ねん）文ぶん震ふるえ孟はじめ榜進士し第だい二に人にん。授翰林院かんりんいん编修，充たかし经筵讲官，掌てのひら翰林院かんりんいん事こと。崇たかし祯十じゅう年ねん，调任实录馆副ふく总裁。崇たかし祯十じゅう年ねん（1637年ねん）秋あき，升ます任にん為ため禮れい部ぶ右みぎ侍さむらい郎ろう兼けん東ひがし閣かく大だい學士がくし。生活せいかつ奢おご靡，有ゆう姬ひめ妾わらわ數すう十じゅう名めい，夜夜よよ笙しょう歌か豪ごう飲いん。^[1]崇たかし祯十じゅう一いち年ねん（1638年ねん）八はち月がつ，因いん督とく师饷绝，罷やめ歸き。

隆りゅう武たけし元年がんねん（清きよし顺治二に年ねん，1645年ねん），隆りゅう武たけし帝みかど诏旨傅でん冠かんむり以尚なお书兼けん大だい学士がくし原はら官かん督とく师江西えにし。清しん兵へい攻おさむ陷おちい江西えにし，傅でん冠かんむり躲在邵武府ふ泰やすし寧やすし縣けん門人もんじん江こう亨とおる龍りゅう家か中ちゅう，亨とおる龍りゅう怕遭连累，與あずか子こ江こう養よう源げん把わ他た獻けんじ給きゅう清きよし軍ぐん。李り成しげる栋執と禮れい甚恭，並なみ勸すすむ他た投降とうこう，傅でん冠かんむり拒絕きょぜつ說せつ：“吾鄉あごう無む叩頭こうとう宰相さいしょう，但ただし有ゆう斷頭だんとう宰相さいしょう爾なんじ！”^[2]兩次りょうじ自じ杀未遂みすい。後こう押送おうそう至いたり汀なぎさ洲しゅう（今いま福建ふっけん长汀县）由ゆかり鎮將李り發はつ管かん押，清きよし廷下した令れい斬き決けつ。永なが曆れき元年がんねん（顺治三さん年ねん）十じゅう一いち月がつ二に十じゅう一いち日にち，傅でん冠かんむり整せい衣冠いかん南みなみ向こう拜はい曰：“负国无状，死し不足ふそく赎。”遂とげ就死^[2]。临刑前ぜん赋诗： “幻影げんえい落红尘，倏忽成なり今こん古いにしえ。名めい义重为山，以身弃如土ど。四顾环刀戟，展てん转不得とく死し。矢や念ねん终不移うつり，皎こう日び有ゆう如此。”《明あかり史し》有ゆう傳でん。^[3]^[4]清朝せいちょう追つい諡おくりな忠ちゅう烈れつ^[5]。

家族かぞく[编辑]

祖そ傅でん炯，官かん南京なんきん刑部おさかべ尚書しょうしょ。

著作ちょさく[编辑]

有ゆう《寶たから綸樓集しゅう》。

注釋ちゅうしゃく[编辑]

^ 温ゆたか睿临《南みなみ疆逸史し》载：“傅でん冠かんむり……崇たかし祯十年拜礼部尚书兼东阁大学士，逾年而罢。家いえ素もと隆たかし贵，性せい豪ごう侈，第だい宅たく宏ひろし丽，田た园极膏あぶら腴。后きさき房ぼう姬ひめ妾わらわ数すう十じゅう，每まい游ゆう诸姬院いん，作さく长夜饮，日にち旰始出で肃客。南都なんと既すんで亡ほろび，大兵だいひょう下か江西えにし。副将ふくしょう王おう体からだ忠ちゅう破やぶ进贤，悉掠其资财妇女おんな，毁家庙，发祖墓ぼ。冠かんむり乃与艾もぐさ南みなみ英えい起おこり兵へい，力ちから不ふ支ささえ，闻隆武たけ帝みかど立りつ于闽，因いん入にゅう闽。”
^ ^2.0 ^2.1 胡えびす蕴玉：《發はつ史し》
^ 《明あかり史し·卷まき二に六ろく四よん》：其后有ゆう傅でん冠かんむり。冠かんむり，字じ元もと甫はじめ，进贤人じん。祖そ炯，南京なんきん刑部おさかべ尚しょう书。天てん启二に年ねん，冠かん举进士し第だい二に，授翰林りん编修。崇たかし祯十じゅう年ねん秋あき，由ゆかり礼れい部ぶ右みぎ侍さむらい郎ろう拜はい尚なお书兼东阁大学だいがく士し。性せい简易，有ゆう章しょう奏そう发自御前ごぜん，冠かん以为揭帖，援笔判ばん其上。既知きち误，惶恐引罪，帝みかど即そく放ひ归。唐王とうのう时，命いのち以原官かん督とく师江西にし。嗜酒，或ある劾之，乃致仕ちし。大だい清しん下か江西えにし，冠かん走はし匿门人じん泰たい宁汪亨とおる龙家。亨とおる龙执而献之の有司ゆうし，杀之汀なぎさ州しゅう，血ち渍地，久ひさ而犹鲜。
^ 《明あきら季き南みなみ略りゃく·卷まき十じゅう一いち·傅でん冠かんむり不屈ふくつ》：公おおやけ諱いみな冠かんむり，字じ元もと父ちち，號ごう季き庵あん；江こう西南せいなん昌あきら府ふ進すすむ賢人けんじん。天啟てんけい壬みずのえ戌いぬ進士しんし，廷試第だい二人ふたり；授編修へんしゅう，纂修神しん、光ひかり兩朝りょうちょう「實錄じつろく」。丁ちょう憂ゆう歸き。起おこり復ふく，升ます侍讀じどく；歷れき左ひだり春はる坊ぼう左ひだり中ちゅう允まこと充たかし經けい筵むしろ日び講こう官かん、左ひだり諭さとし德とく右みぎ庶子しょし。戊つちのえ辰たつ、甲きのえ戌いぬ，分ふん考こう禮れい闈；歷れき國子くにこ監かん祭さい酒しゅ、詹事府ふ少しょう詹、禮れい部ぶ右みぎ侍さむらい郎ろう兼けん侍讀じどく學士がくし，掌てのひら詹事府ふ事ごと、仍掌翰林院かんりんいん事ごと。上うえ疏，言げん『欲よく施政しせい令れい，必治精神せいしん；欲よく致功能のう，必集才力さいりょく。欲よく精神せいしん之の四よん周しゅう，當とう明あかり體たい要よう；欲よく才力さいりょく之の畢出，當別とうべつ流りゅう品ひん』。因よし奏そう保ほ元氣げんき、辨べん人才じんさい、正せい紀綱きこう、信しん詔みことのり令れい四よん事こと；上じょう嘉納かのう之の。丁ちょう丑うし，升しょう禮れい部ぶ尚書しょうしょ兼けん東ひがし閣かく大だい學士がくし，入閣にゅうかく辨べん事ごと。戊つちのえ寅とら，以疾乞休；賜たまもの馳はせ驛えき、金きむ幣ぬさ歸き里さと。公おおやけ在ざい閣かく一いち季き，多た所しょ獻けんじ替がえ；以「溫室おんしつ」之の義よし不ふ著ちょ之の於書，世せい莫得而詳焉。
南京なんきん登極とうきょく，特旨とくし存そん問とい。其明年ねん，闖賊部將ぶしょう王おう體たい中ちゅう犯はん江南えな，破やぶ進すすむ賢けん，殺ころせ公孫こうそん鼎かなえ幹みき，掘ほ公おおやけ先さき墓はか；公こう奔入閩。閩中起おこり公こう原はら官かん，已やめ而辭任じにん。及大清きよし兵へい至いたり，公おおやけ走はし泰たい寧やすし門人もんじん江こう亨とおる龍りゅう家か，為ため江え之の仇かたき執と之これ，以獻於大おだい清きよし帥そち；不屈ふくつ，殺ころせ之これ。公おおやけ被ひ執と時とき，於石牛うし羊ひつじ中ちゅう作さく書しょ，以骸骨こつ托たく汀なぎさ州しゅう士民しみん，並なみ述じゅつ其奔竄、囚しゅう執と之これ狀じょう甚詳。所ところ著ちょ有ゆう「寶たから綸樓集しゅう」若干じゃっかん卷まき。
^ 《小しょう腆紀傳でん·卷まき25 》

參考さんこう書目しょもく[编辑]

《明あかり史し》卷まき264
李り世よ熊ぐま《傅でん相しょう公おおやけ傳でん》
黃き宗むね羲編へん《明文あきふみ海うみ》

[1] 温ゆたか睿临《南みなみ疆逸史し》载：“傅でん冠かんむり……崇たかし祯十年拜礼部尚书兼东阁大学士，逾年而罢。家いえ素もと隆たかし贵，性せい豪ごう侈，第だい宅たく宏ひろし丽，田た园极膏あぶら腴。后きさき房ぼう姬ひめ妾わらわ数すう十じゅう，每まい游ゆう诸姬院いん，作さく长夜饮，日にち旰始出で肃客。南都なんと既すんで亡ほろび，大兵だいひょう下か江西えにし。副将ふくしょう王おう体からだ忠ちゅう破やぶ进贤，悉掠其资财妇女おんな，毁家庙，发祖墓ぼ。冠かんむり乃与艾もぐさ南みなみ英えい起おこり兵へい，力ちから不ふ支ささえ，闻隆武たけ帝みかど立りつ于闽，因いん入にゅう闽。”

[胡蕴玉：《發史》-2] 2.0 ^2.1 胡えびす蕴玉：《發はつ史し》

[3] 《明あかり史し·卷まき二に六ろく四よん》：其后有ゆう傅でん冠かんむり。冠かんむり，字じ元もと甫はじめ，进贤人じん。祖そ炯，南京なんきん刑部おさかべ尚しょう书。天てん启二に年ねん，冠かん举进士し第だい二に，授翰林りん编修。崇たかし祯十じゅう年ねん秋あき，由ゆかり礼れい部ぶ右みぎ侍さむらい郎ろう拜はい尚なお书兼东阁大学だいがく士し。性せい简易，有ゆう章しょう奏そう发自御前ごぜん，冠かん以为揭帖，援笔判ばん其上。既知きち误，惶恐引罪，帝みかど即そく放ひ归。唐王とうのう时，命いのち以原官かん督とく师江西にし。嗜酒，或ある劾之，乃致仕ちし。大だい清しん下か江西えにし，冠かん走はし匿门人じん泰たい宁汪亨とおる龙家。亨とおる龙执而献之の有司ゆうし，杀之汀なぎさ州しゅう，血ち渍地，久ひさ而犹鲜。

[4] 《明あきら季き南みなみ略りゃく·卷まき十じゅう一いち·傅でん冠かんむり不屈ふくつ》：公おおやけ諱いみな冠かんむり，字じ元もと父ちち，號ごう季き庵あん；江こう西南せいなん昌あきら府ふ進すすむ賢人けんじん。天啟てんけい壬みずのえ戌いぬ進士しんし，廷試第だい二人ふたり；授編修へんしゅう，纂修神しん、光ひかり兩朝りょうちょう「實錄じつろく」。丁ちょう憂ゆう歸き。起おこり復ふく，升ます侍讀じどく；歷れき左ひだり春はる坊ぼう左ひだり中ちゅう允まこと充たかし經けい筵むしろ日び講こう官かん、左ひだり諭さとし德とく右みぎ庶子しょし。戊つちのえ辰たつ、甲きのえ戌いぬ，分ふん考こう禮れい闈；歷れき國子くにこ監かん祭さい酒しゅ、詹事府ふ少しょう詹、禮れい部ぶ右みぎ侍さむらい郎ろう兼けん侍讀じどく學士がくし，掌てのひら詹事府ふ事ごと、仍掌翰林院かんりんいん事ごと。上うえ疏，言げん『欲よく施政しせい令れい，必治精神せいしん；欲よく致功能のう，必集才力さいりょく。欲よく精神せいしん之の四よん周しゅう，當とう明あかり體たい要よう；欲よく才力さいりょく之の畢出，當別とうべつ流りゅう品ひん』。因よし奏そう保ほ元氣げんき、辨べん人才じんさい、正せい紀綱きこう、信しん詔みことのり令れい四よん事こと；上じょう嘉納かのう之の。丁ちょう丑うし，升しょう禮れい部ぶ尚書しょうしょ兼けん東ひがし閣かく大だい學士がくし，入閣にゅうかく辨べん事ごと。戊つちのえ寅とら，以疾乞休；賜たまもの馳はせ驛えき、金きむ幣ぬさ歸き里さと。公おおやけ在ざい閣かく一いち季き，多た所しょ獻けんじ替がえ；以「溫室おんしつ」之の義よし不ふ著ちょ之の於書，世せい莫得而詳焉。
南京なんきん登極とうきょく，特旨とくし存そん問とい。其明年ねん，闖賊部將ぶしょう王おう體たい中ちゅう犯はん江南えな，破やぶ進すすむ賢けん，殺ころせ公孫こうそん鼎かなえ幹みき，掘ほ公おおやけ先さき墓はか；公こう奔入閩。閩中起おこり公こう原はら官かん，已やめ而辭任じにん。及大清きよし兵へい至いたり，公おおやけ走はし泰たい寧やすし門人もんじん江こう亨とおる龍りゅう家か，為ため江え之の仇かたき執と之これ，以獻於大おだい清きよし帥そち；不屈ふくつ，殺ころせ之これ。公おおやけ被ひ執と時とき，於石牛うし羊ひつじ中ちゅう作さく書しょ，以骸骨こつ托たく汀なぎさ州しゅう士民しみん，並なみ述じゅつ其奔竄、囚しゅう執と之これ狀じょう甚詳。所ところ著ちょ有ゆう「寶たから綸樓集しゅう」若干じゃっかん卷まき。

[5] 《小しょう腆紀傳でん·卷まき25 》

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