認証にんしょう

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年齢ねんれい認証にんしょうから転送てんそう

認証にんしょう(にんしょう)とは、なにかによって、対象たいしょう真正しんせいせい確認かくにんする行為こういす。

法律ほうりつでの認証にんしょう[編集へんしゅう]

法律ほうりつうえもちいられる意味いみにおいては、ある行為こういまたは文書ぶんしょ正当せいとう手続てつづき方式ほうしきでなされたことをおおやけ機関きかん証明しょうめいすることをいう。

日本国にっぽんこく憲法けんぽう
行政ぎょうせいちょう認証にんしょう
認証にんしょう法人ほうじん設立せつりつは、所轄しょかつちょう認証にんしょうによる。認可にんか法人ほうじんより簡易かんいである。
公証こうしょうじん認証にんしょうける文書ぶんしょ証書しょうしょ

型式けいしき認証にんしょう[編集へんしゅう]

個々ここ製品せいひんたいして個別こべつ認証にんしょうするのではなく、型式けいしきたいして認証にんしょう[1]する。携帯けいたい電話でんわひとし通信つうしん機器きき自動車じどうしゃ電気でんき用品ようひんひとし同一どういつ規格きかく同一どういつ仕様しよう量産りょうさんされる工業こうぎょう製品せいひんたいして適用てきようされる。

認証にんしょう (セキュリティ)[編集へんしゅう]

認証にんしょう行為こうい[編集へんしゅう]

認証にんしょう行為こうい認証にんしょう対象たいしょうによって分類ぶんるいされ、認証にんしょう対象たいしょう人間にんげんである場合ばあいには相手あいて認証にんしょう本人ほんにん認証にんしょう、メッセージである場合ばあいにはメッセージ認証にんしょう時刻じこく場合ばあいには時刻じこく認証にんしょうぶ。 たん認証にんしょうった場合ばあいには相手あいて認証にんしょう場合ばあいおおい。

相手あいて認証にんしょう[編集へんしゅう]

相手あいて認証にんしょうとはあるひとひと自分じぶんたしかに本人ほんにんであると納得なっとくさせるをいう。 AがB自分じぶん本当ほんとうにAであること証明しょうめいするとき、BはAを認証にんしょうするとい、Aを認証にんしょうしゃ、Bを認証にんしょうしゃぶ。 認証にんしょうしゃ認証にんしょうしゃこと証明しょうめいしゃprover)、検証けんしょうしゃverifier)ともぶ(Aが本当ほんとうにAであることを「証明しょうめい」し、その証明しょうめいただしいかどうかをBが「検証けんしょう」するので)。

認証にんしょうしゃ認証にんしょうしゃ証明しょうめい納得なっとくした場合ばあい認証にんしょうしゃ認証にんしょうしゃ証明しょうめいを「受理じゅり」(accept)したといい、そうでない場合ばあいは「棄却ききゃく」(reject)したという。

相手あいて認証にんしょうはその目的もくてきによって分類ぶんるいされ、おもなものに資格しかく認証にんしょう属性ぞくせい認証にんしょうがある。資格しかく認証にんしょうとは、なんらかのサービスをけるさいにその資格しかくがあるかどうかを確認かくにんするためおこなわれる認証にんしょう行為こういことである。たとえば選挙せんきょけんがあること証明しょうめいするため投票とうひょうしょ入場にゅうじょうけん提示ていじしたり、コンピュータにログインする権限けんげんがあること証明しょうめいするためにIDコードとパスワードの入力にゅうりょくおこなったり、自動車じどうしゃ運転うんてん資格しかくがあること(すなわち免許めんきょっていること)を証明しょうめいするため免許めんきょしょう提示ていじおこなったりする。属性ぞくせい認証にんしょうとは認証にんしょうしゃ属性ぞくせい年齢ねんれい性別せいべつとう)の正当せいとうせい確認かくにんするためおこなわれ、れいとしてさけ煙草たばこ購入こうにゅうするさい成人せいじんであることを証明しょうめいする認証にんしょう行為こうい年齢ねんれい認証にんしょう)がある。

前述ぜんじゅつ選挙せんきょけんがあること保証ほしょうするため認証にんしょう行為こういは、投票とうひょうおこな資格しかくがあること証明しょうめいする資格しかく認証にんしょうであるのと同時どうじに、選挙せんきょけんがあるという属性ぞくせい証明しょうめいする属性ぞくせい認証にんしょうでもある。

また相手あいて認証にんしょうはその方法ほうほうによってCertificationサーティフィケーション)とAuthenticationオーセンティケーション)とに分類ぶんるいされる。 Certification認証にんしょうしゃ認証にんしょう場所ばしょ直接ちょくせつアクセスしておこな認証にんしょうことで、 それにたいAuthentication認証にんしょうしゃ認証にんしょう場所ばしょ直接ちょくせつアクセスすること遠隔えんかくから電子でんしてきける認証にんしょうことである。

なお、Certificationであっても認証にんしょうしゃほう認証にんしょう場所ばしょ直接ちょくせつアクセスするとはかぎらない(わりに認証にんしょう装置そうち認証にんしょうおこなう)。

Certification[編集へんしゅう]

Certificationおもつぎ目的もくてきおこなわれる。

  • なんらかの道具どうぐ計算けいさんかくばくだんとう)・書類しょるい施設しせつ計算けいさんしつ企業きぎょうのビル、軍事ぐんじ施設しせつとう)を利用りよう閲覧えつらん入場にゅうじょうするさい認証にんしょうしゃ利用りよう閲覧えつらん入場にゅうじょう権限けんげんがあること確認かくにんする。
  • Authentication事前じぜん準備じゅんびとくPKIにおける事前じぜん登録とうろく手続てつづき。認証にんしょうしゃなんらかの電子でんしデータ(ID、パスワード、公開こうかいかぎ口座こうざ番号ばんごう)を対応たいおうづける。

認証にんしょうしゃなんらかの権限けんげんしゃ(システム管理かんりしゃ市役所しやくしょ担当たんとうかん)や、権限けんげんしゃ代行だいこうしゃ門番もんばんとう)であることおおい。

Certificationしゅとしてつぎ方法ほうほうおこなわれる。

  • 知識ちしき:パスワードや個人こじん識別しきべつ番号ばんごう (PIN) など。そのパスワードやPINを所有しょゆうしゃ以外いがいらないことが前提ぜんていとなる。WYKWHAT YOU KNOW:あなたがっていること認証にんしょうともばれる。
  • 所有しょゆうぶつスマートカードトークンなど。アカウントの所有しょゆうしゃだけが必要ひつようなスマートカードやトークンをっていることが前提ぜんていとなる。WYHWHAT YOU HAVE:あなたがっているもの認証にんしょうともばれる。
  • 生体せいたいバイオメトリック認証にんしょう):本人ほんにん固有こゆう身体しんたい情報じょうほう指紋しもん声紋せいもん網膜もうまく虹彩こうさい特徴とくちょうなど)。WYAWHAT YOU ARE:あなたがなにであるか)認証にんしょうともばれる。

米国べいこくかく攻撃こうげき命令めいれい日本にっぽん銀行ぎんこうオンライン取引とりひき一部いちぶさき進行しんこう)などでは、パスワードのわりに乱数らんすうひょうもちいて認証にんしょうおこなう。たとえば、「うえから3だんひだりから4文字もじから、したに3数字すうじんでください」など。

Authentication[編集へんしゅう]

Authenticationとは、認証にんしょうしゃ認証にんしょう場所ばしょ直接ちょくせつアクセスせずに遠隔えんかくから電子でんしてきおこな認証にんしょうである。

Authenticationも、Certificationおなじくなんらかの道具どうぐ書類しょるい施設しせつ利用りよう閲覧えつらん入場にゅうじょうするさいに、認証にんしょうしゃ利用りよう閲覧えつらん入場にゅうじょう権限けんげんがあることを確認かくにんするためにおこなう。しかし、Authentication電子でんしてき行為こういなので、利用りようされる道具どうぐ施設しせつ電子でんしてきなもの(ウェブ・アプリケーション、リモート・サーバなど)である。

Authenticationなんらかの電子でんしデータ(パスワードや公開こうかいかぎ秘密ひみつかぎペア)をもちいておこなわれるので、事前じぜん認証にんしょうしゃ電子でんしデータとを対応たいおうづけておく必要ひつようがある。 認証にんしょうしゃ(の名前なまえ)と電子でんしデータとの対応たいおう関係かんけいれていないと、他人たにんになりすまして電子でんしデータを使つかったり、一人ひとり複数ふくすう電子でんしデータを使つかって一人ひとりやくおこなったりするという攻撃こうげきふせげなくなり、認証にんしょう行為こういまった意味いみをもたなくなってしまう。

したがって、認証にんしょうしゃ電子でんしデータとの対応たいおうを、確実かくじつ確保かくほする必要ひつようがある。 対応たいおうづけはCertificationとおしておこなわれる。 認証にんしょうしゃ認証にんしょうしゃ事前じぜんCertificationして本人ほんにんせい確認かくにんし、それによって認証にんしょうしゃ電子でんしデータとを対応たいおうづける。 Authenticationおこなさいに、認証にんしょうしゃ対応たいおうひょうから電子でんしデータをぎゃくきし、認証にんしょうしゃだれであるのかを特定とくていする。 認証にんしょうしゃ認証にんしょうしゃAuthenticateする方法ほうほうは、おおきくけて2とおりある。

だい1の方法ほうほうは、認証にんしょうしゃ認証にんしょうしゃに、秘密ひみつかぎをもっていることによってられるなんらかの能力のうりょく証明しょうめいおこな方法ほうほうである。だい2の方法ほうほうは、認証にんしょうしゃ認証にんしょうしゃに、認証にんしょうしゃ公開こうかいかぎ対応たいおうする秘密ひみつかぎ知識ちしき証明しょうめいおこな方法ほうほうである。

能力のうりょく証明しょうめいもちいたAuthentication代表だいひょうてきなものは、電子でんし署名しょめいもちいた方法ほうほうである。まず認証にんしょうしゃ乱数らんすう rえらび、r認証にんしょうしゃ送信そうしんする。認証にんしょうしゃrったら、rたいする電子でんし署名しょめい s作成さくせいし、s認証にんしょうしゃ送信そうしんする。認証にんしょうしゃsrただしい署名しょめいであるかかを確認かくにんする。srただしい署名しょめいであれば認証にんしょうしゃ証明しょうめい受理じゅりし、そうでなければ棄却ききゃくする。

知識ちしき証明しょうめいもちいた認証にんしょう方式ほうしきには、Schnorr提案ていあんしたSchnorr認証にんしょう英語えいごばん方式ほうしきなど、様々さまざま方法ほうほうがある。

メッセージ認証にんしょう[編集へんしゅう]

メッセージ認証にんしょうはメッセージの同一どういつせい保証ほしょうであり、コンピュータウイルス不正ふせい侵入しんにゅうとう使つかった破壊はかい行為こういによりメッセージが変更へんこうされていないこと保証ほしょうするため手続てつづきをメッセージ認証にんしょうという。メッセージ認証にんしょう代表だいひょうてき方式ほうしきメッセージ認証にんしょう符号ふごう(MAC)をもちいたものである。

メッセージたいしそのハッシュ計算けいさんし、を(よりセキュアな場所ばしょに)保管ほかんする。改竄かいざんされてべつのメッセージになっていた場合ばあいなのでメッセージが改竄かいざんされたことかる。

時刻じこく認証にんしょう[編集へんしゅう]

時刻じこく認証にんしょうとはある物事ものごとたしかにその時刻じこくにあった・こったこと保証ほしょうするためおこな認証にんしょう行為こういことである。 代表だいひょうてき方法ほうほうとしてタイムスタンプ[2]もちいた方法ほうほうがある。

リスクベース認証にんしょう[編集へんしゅう]

リスクベース認証にんしょうとは、ユーザーのIPアドレス、OS・ブラウザの種類しゅるいやバージョン、時間じかんとう環境かんきょう分析ぶんせきし、普段ふだんことなるアクセスにたいして、追加ついか認証にんしょうおこなうことにより、不正ふせいアクセスをふせ認証にんしょう方式ほうしきである。IPアドレスはIPヘッダ、OS・ブラウザの種類しゅるいやバージョンはHTTPヘッダUser-Agentより取得しゅとく可能かのう[3]であり、ユーザーの操作そうさ必要ひつようとしないパッシブ認証にんしょうとして、利便りべんせいたか[4]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ 型式けいしき認証にんしょう特定とくていくに製品せいひん販売はんばい許可きょかさい要求ようきゅうされるものであるため、もとめられる要件ようけんこくごとにことなる。
  2. ^ 電子でんし文書ぶんしょのハッシュをタイムスタンプない保存ほぞんすることで、その時刻じこくにデータが存在そんざいしたこと(存在そんざい証明しょうめい)と、確定かくてい時刻じこく以降いこうにデータのかいざんがおこなわれていないこと(完全かんぜんせい証明しょうめい)が可能かのうとなる。
  3. ^ リスクベース認証にんしょう特許とっきょ JP4616352, JP4746709, JP4964338, JP4918170, JP5216904, JP5456842, US8347368[1], US9021555[2], CN101167079[3]
  4. ^ 嘉藤かとう隆也たかや (2006ねん3がつ29にち). “Accuracy of user validation is improved without reducing user's convenience.”. アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく特許とっきょだい 8,347,368ごう. 2013ねん1がつ1にち閲覧えつらん

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]