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「難病」なる範疇
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難病なんびょう」なる範疇はんちゅう

難病なんびょう/◇難病なんびょう」:文献ぶんけん

last update:20180615
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[メモ]
日常にちじょう使つかわれていた(きた)言葉ことばとしての「難病なんびょう
・スモン患者かんじゃ関係かんけいしゃ川村かわむら↓1969?〜)
・1971「べーチェットびょう患者かんじゃすく医師いしかい」…新聞しんぶん記事きじ全文ぜんぶん入手にゅうしゅ国会こっかい関係かんけいも…
・19720414 だい68かい国会こっかい衆議院しゅうぎいん社会しゃかい労働ろうどう委員いいんかい特定とくてい疾患しっかん対策たいさくかんするけん」。参考さんこうじんとして虎ノ門とらのもん病院びょういんちょう沖中おきなか重雄しげお、スモン調査ちょうさ研究けんきゅう協議きょうぎかい会長かいちょう甲野こうのれいさく帝京大学ていきょうだいがく教授きょうじゅ清水しみずたもつ東大とうだい教授きょうじゅ白木しらき博次ひろじ意見いけん陳述ちんじゅつ
・197210 厚生省こうせいしょう、「難病なんびょう対策たいさく要綱ようこう発表はっぴょう
 @原因げんいん不明ふめい治療ちりょう方法ほうほう確立かくりつであり、かつ後遺症こういしょうのこすおそれのすくなくない疾病しっぺい。  A経過けいか慢性まんせいにわたり、たん経済けいざいてき問題もんだいのみならず、介護かいごとういちじるしく人手ひとでようするため、家族かぞく負担ふたんおもく、また精神せいしんてきにも負担ふたんおおきい疾病しっぺい
 @〜おきちゅう/A〜白木しらきという系列けいれつ…?
 白木しらきにおいて:「難病なんびょう」のなかに「重心じゅうしん重症じゅうしょう心身しんしん障害しょうがい)」がある。「重心じゅうしん」は「白痴はくち」と「脳性のうせいまひ」をそなえた範疇はんちゅうということになっている。


川村かわむら 佐和子さわこほし だん 1986 「難病なんびょうへの取組とりくみ」『ジュリスト総合そうごう特集とくしゅう』444:58-63 ※
 東京とうきょう神経しんけい科学かがく総合そうごう研究所けんきゅうじょ社会しゃかいがく研究けんきゅうしつ国立こくりつ公衆こうしゅう衛生えいせいいん衛生えいせい行政ぎょうせい学部がくぶ ほし・たんじ

 「「難病なんびょう」という単語たんご意識いしきてきもちいたのは、わたしとしては昭和しょうわよんよんねんにスモン患者かんじゃかい結成けっせい参加さんかしていたころであったと記憶きおくしている。当時とうじのスモン患者かんじゃ激痛げきつうをともない反復はんぷくする胃腸いちょう障害しょうがいあしさきからうえぎょうする知覚ちかく異常いじょう(いわゆるシビレかんちかくの鈍麻どんまなど)、失明しつめいにおよぶ視覚しかく障害しょうがい生命せいめい危険きけんたいして、原因げんいん不明ふめい治療ちりょうほう確立かくりつという医療いりょう内容ないよう不備ふびにいらだちながら、自己じこ生命せいめいりょくをたよりに素手すででがんばっていた。その実態じったいはきわめて不幸ふこう状態じょうたいであったから、周囲しゅうい人々ひとびとからはおそれをいだかれていた。さらに患者かんじゃ発生はっせい家族かぞく地域ちいき医療いりょう機関きかんなどにかたよりがみられたため、ヴィールスなどで伝染でんせんせいゆうしくいるとの学説がくせつ提出ていしゅつされ、このふしゆうカな疾患しっかん解明かいめい仮説かせつとしてとあげられていた。スモンの伝染でんせんせつ患者かんじゃにとつては病気びょうき克服こくふく出発しゅっぱつてんであったが、健康けんこうじん社会しゃかいからは伝染でんせんびょう感染かんせんげんとしてみなされ、社会しゃかい生活せいかつ疎外そがいにみちたものとなり、多数たすう自殺じさつしゃをだすほど深刻しんこくであった。
 のちにスモンの原因げんいんはキノホルム(当時とうじ整腸剤せいちょうざいとして一般いっぱんてき服用ふくようされくいた薬剤やくざい)であることが解明かいめいされ、しかも、患者かんじゃおおくは主治医しゅじい処方しょほうにより服用ふくようしていた事実じじつがあきらかにされたのだが、この事情じじょう背景はいけいに、当時とうじのスモン患者かんじゃ医療いりょうたいする不信ふしん根底こんていにもち、その孤立こりつかんおおきいものであった。ここに患者かんじゃ全国ぜんこくてきにひとつの団体だんたいとして結集けっしゅうする凝集ぎょうしゅうりょくのつよさや社会しゃかい問題もんだい解決かいけつ共有きょうゆうしようとするカの原因げんいんがみいだせる。
 この患者かんじゃ社会しゃかい共有きょうゆうした問題もんだいせい簡単かんたんかつ明瞭めいりょうに、しかもありふれた言葉ことば表現ひょうげんしたいと当時とうじ患者かんじゃ役員やくいんかんがえ、いくつかの言葉ことばをえらび、かいから社会しゃかいへのメッセージにもちいた。このなかで、いくつもの単語たんご消去しょうきょされていき、「難病なんびょう」がヒットした。この言葉ことばは、スモン患者かんじゃかい結成けっせい並行へいこうして活動かつどう開始かいしされた「べーチェットびょう患者かんじゃすく医師いしかい」が、べーチェッぼくびょう患者かんじゃ以外いがい疾患しっかん救済きゅうさいもふくめて「難病なんびょう患者かんじゃ救済きゅうさい基本きほんほう」という法案ほうあんのの実現じつげん提案ていあんされたのだが、ここにももちいられている。
 全国ぜんこくスモンのかい役員やくいんたちがこの言葉ことばたいする社会しゃかい共感きょうかんつよ意識いしきしたのは、昭和しょうわよんねんさんがつ衆議院しゅうぎいん補正ほせい予算よさん委員いいんかいで、とき首相しゅしょう佐藤さとう栄作えいさく山田やまだ議員ぎいんがスモンの医学いがく研究けんきゅう推進すいしんとスモン患者かんじゃ医療いりょう助成じょせい制度せいど実現じつげん提案ていあんしたときの反響はんきょうによってであった。その、これらいわゆる「難病なんびょう対策たいさく」として発展はってんをみた。
 スモン患者かんじゃ・ベーチェット患者かんじゃが、現在げんざいきょうだっしたいがためにつかった「難病なんびょう」という言葉ことば中身なかみは、そのいちねんてどのように変化へんかしたであろうか。スモンにかんしては、前述ぜんじゅつしたとおり原因げんいんあきらかになり、患者かんじゃしん発生はっせいはなくなった。がすで発病はつびょうしていた病状びょうじょう原状げんじょうにもどすことはできない。とくにうしなった視力しりょくあかるさることはできない。重症じゅうしょう△058 すじ無力むりょくしょう従来じゅうらいこうコリンエステラーゼ療法りょうほうくわえ、早期そうき胸腺きょうせんぜん摘術や免疫めんえき抑制よくせい療法りょうほうなどがくわわり、このいち年間ねんかん医療いりょう進歩しんぽいちじるしい。呼吸こきゅうすじぐん急激きゅうげき脱力だつりょくによる急性きゅうせい悪化あっか症状しょうじょうもコントロールされるようになり、対応たいおう社会しゃかいてき、ネットワークも改善かいぜんしてきている。
 このように改善かいぜん進歩しんぽをみている疾患しっかんもあるが、本年ほんねん昭和しょうわろくいちねんよんがつ患者かんじゃ中心ちゅうしんとするかい日本にっぽんALS協会きょうかい)が発足ほっそくしたすじ萎縮いしゅくせいがわさく硬化こうかしょうなどは、いちねんいちにちのようにおもえる。この疾患しっかん壮年そうねん以上いじょう発病はつびょうするものおお運動うんどう関係かんけいするすじぐん選択せんたくてきにしかも全身ぜんしんにおよんで進行しんこうせい萎縮いしゅくする。その速度そくどはや場合ばあいには、発病はつびょうからいち−ニ年間ねんかんで、全身ぜんしんすじぐん萎縮いしゅくし、手足てあし動作どうさ移動いどうがえり、食物しょくもつ水分すいぶんみこみ、呼吸こきゅう動作どうさ排便はいべんなどの活動かつどう障害しょうがいされてしまう。進行しんこう遅延ちえんをみる場合ばあいには、いちねんをこえ、ねんちか闘病とうびょう生活せいかつをされる事例じれいもある。
 この疾患しっかん進行しんこうめる技術ぎじゅつにはいまだしょしい進歩しんぽはみられていないが、感染かんせんしょう肺炎はいえんなど)の予防よぼう早期そうき治療ちりょう徹底てっていおよび呼吸こきゅうすじぐん機能きのう障害しょうがいたいする人工じんこう呼吸こきゅう装着そうちゃく治療ちりょう看護かんご・ケアの充実じゅうじつとう延命えんめい効果こうかがあげられていると推測すいそくされている。
 この状況じょうきょう確認かくにんするために、筆者ひっしゃ昭和しょうわよんきゅうねん東京とうきょう府中ふちゅう病院びょういん開始かいしされ、昭和しょうわねんから開設かいせつにともなって東京とうきょう都立とりつ神経しんけい病院びょういん移行いこうされた、在宅ざいたく診療しんりょう対象たいしょう患者かんじゃからすじ萎縮いしゅくせいがわさく硬化こうかしょう患者かんじゃよんさんれいをえらび、けんびょう期間きかんかんする調査ちょうさおこなった。[…]」(川村かわむらほし[1986:58-59])

白木しらき 博次ひろじ 197105 「美濃部みのべ都政とせいにおける医療いりょう現状げんじょう将来しょうらいぞう――わがくににおける医学いがく医療いりょう荒廃こうはいへの危機ききとの関連かんれんで」,『都政とせい』1971-5:31-72 ※ *

 「本年ほんねんがつ医学いがく総会そうかいにおいて「重症じゅうしょう心身しんしん障害しょうがいしゃ)の問題もんだいてん」のシンポジウムがもたれた。その席上せきじょう島田しまだ療育りょういくえん小林こばやしひさげじゅ園長えんちょうによって、だいいち医学いがく健康けんこう保持ほじ増進ぞうしん医学いがくだい予防よぼう医学いがくだいさん治療ちりょう医学いがくだいよん医学いがくをリハビリテーションとすれば、そのいずれにも包含ほうがんされがた重症じゅうしょう医学いがくが、だい医学いがくとして、そのいずれにも包含ほうがんされがた重症じゅうしょう医学いがくが、だい医学いがくとして、登場とうじょうすることもかんがえられるのであって、リハピリテーションとは、べつ次元じげん生命せいめい保持ほじ医学いがくとしての立場たちば重症じゅうしょう心身しんしん障害しょうがいたいしては、もっと自然しぜんなありかたとして対応たいおうするであろう、との意見いけんがのべられた。
 ここで、小林こばやし園長えんちょうの、この重要じゅうよう提言ていげん詳細しょうさいろんずる余裕よゆうはないし、いちロに、社会しゃかい復帰ふっきが、きわめて困難こんなんか、それが不可能ふかのう難病なんびょうといっても、その内容ないよう次第しだいによって、社会しゃかい防衛ぼうえいろん社会しゃかい責任せきにんろん、そして、社会しゃかい福祉ふくしろんのなかで、それぞれ△041 どのように位置いちづけ、また、それによって、個々ここ対応たいおうのヴァラエティをどうかんがえてゆくか、幾多いくた難問なんもん山積さんせきしている。が、ようするに、医学いがく、また、医療いりょうは、疾病しっぺい予防よぼうからはじまって、福祉ふくしとの連続れんぞくせんなかにのみ存在そんざいするもので、医療いりょうは、それ自体じたい孤立こりつしてあるものではなく、予防よぼう医学いがく福祉ふくしとの緊密きんみつ連鎖れんさ一環いっかんとして、はじめて、その存在そんざい主張しゅちょうできるという認識にんしきを、明確めいかくしてゆかねぱならぬことにかわりはなかろう。」(白木しらき博次ひろじ[197105:41-42])
 このだいいちだい医療いりょうというはなし白木しらきほか文章ぶんしょうでもふくすうかいてくるが、小林こばやしひさげじゅ発案はつあんということでよいのか?

■1971

衛藤えとう 幹子みきこ 19931120 医療いりょう政策せいさく過程かてい受益じゅえきしゃ――難病なんびょう対策たいさくにみる患者かんじゃ組織そしき政策せいさく参加さんかしんやましゃ

 「この難病なんびょうというネーミングを概念がいねんし、社会しゃかい問題もんだい共有きょうゆうするじょう馴染なじやす言葉ことばとしておくしたのが、ベーチェットびょう患者かんじゃすく医師いしかい以下いか医師いしかい)である。難病なんびょうという言葉ことばが、ひろられることになったのは、よんろくねんがつどうかい難病なんびょう救済きゅうさい基本きほんほう試案しあんなるものを作成さくせいし、その全文ぜんぶん新聞しんぶん紙上しじょう掲載けいさい※されたことによる。これをに、メディアが『難病なんびょう』を慣用かんようとして使つかはじめた。」(衛藤えとう[1993:117])
 ※この全文ぜんぶんよう入手にゅうしゅ

■19720414 だい68かい国会こっかい衆議院しゅうぎいん社会しゃかい労働ろうどう委員いいんかい特定とくてい疾患しっかん対策たいさくかんするけん」。参考さんこうじんとして虎ノ門とらのもん病院びょういんちょう冲中重雄しげお、スモン調査ちょうさ研究けんきゅう協議きょうぎかい会長かいちょう甲野こうのれいさく帝京大学ていきょうだいがく教授きょうじゅ清水しみずたもつ東大とうだい教授きょうじゅ白木しらき博次ひろじ意見いけん陳述ちんじゅつ


白木しらき 博次ひろじ 1973 「市民しみん健康けんこう――環境かんきょう汚染おせんによる健康けんこう崩壊ほうかいへの危機きき」,岩波いわなみ講座こうざ現代げんだい都市とし政策せいさく] 都市とし社会しゃかい人間にんげん』269-304
 「「難病なんびょう」とは、昭和しょうわよんななねんよんがつ国会こっかいしゃろう委員いいんかいにおける筆者ひっしゃ証言しょうげんをもってすれば、原因げんいんあきら不明ふめいわず、その状態じょうたいぞう深刻しんこくさ、つまり、社会しゃかい復帰ふっき極度きょくど困難こんなんか、それが不可能ふかのうであるという事態じたいからみても、医療いりょう福祉ふくし、また社会しゃかいのいずれからも、疎外そがいされつづけているという現実げんじつをも加味かみした、医学いがくてき福祉ふくしがくてき・△298 社会しゃかいがくてき総合そうごう概念がいねんにほかならないといえる。したがって、厚生省こうせいしょうのように、もともとじゅん医学いがくてき視点してんから発想はっそうされた原因げんいん不明ふめい、これという治療ちりょうほうもなく、長期ちょうき療養りょうよう必要ひつようとする特殊とくしゅ疾患しっかん奇病きびょうてき概念がいねんが、そく難病なんびょう概念がいねんかんがえられてしまうわけにはいかない。」(白木しらき[1973:298-299])

木下きのした 安子やすこ 19780725 在宅ざいたく看護かんごへの出発しゅっぱつ――権利けんりとしての看護かんご,勁草書房しょぼう,304p. ISBN-10:4326798394 ISBN-13:978-4326798391 かけひん [amazon][kinokuniya] ※ n02. a02
 「厚生省こうせいしょう定義ていぎとはべつに、スモン患者かんじゃ発生はっせい、および救済きゅうさいをめぐって国会こっかい論議ろんぎがされているおり白木しらき博次ひろじ☆02ぜん東大とうだい教授きょうじゅは、衆議院しゅうぎいん社会しゃかい労働ろうどう委員いいんかいにおいて、難病なんびょうとはなにかをつぎのように説明せつめいしている
 1 原因げんいんあきら不明ふめいわない
 2 状態じょうたいぞう深刻しんこく
 3 社会しゃかい復帰ふっき極度きょくど困難こんなんであるか不可能ふかのうであること
 4 医療いりょう福祉ふくし社会しゃかいから疎外そがいされている
というものである。病気びょうき種類しゅるいではなくて、その患者かんじゃおちいっている、身体しんたいてき社会しゃかいてき状況じょうきょう深刻しんこくさをメドとしてかんがえるので、いわゆるせま昧の医学いがくてき定義ていぎではない。
 スモンの患者かんじゃが、しびれをはじめ、身体しんたいてき苦痛くつういためつけられ、なおかつ、ふたた社会しゃかい復帰ふっきできない下肢かし不自由ふじゆう失明しつめいなどになげき、さらにせまげきちをかけるように伝染でんせんびょうだ≠ニさわがれ、その結果けっか家主やぬしからてられ、パンからいにないで≠ニことわられる。こうした社会しゃかい疎外そがいが、身体しんたいてき苦痛くつうにもまして患者かんじゃいためつける。事実じじつ新聞しんぶん紙上しじょうにスモン患者かんじゃ自殺じさつ次々つぎつぎ報道ほうどうされ、スモン感染かんせんせつ否定ひていされた現在げんざいでさえ、一般いっぱん人々ひとびとよりたか自殺じさつりつである。
「(2) 白木しらき博次ひろじ市民しみん健康けんこう――環境かんきょう汚染おせんによる健康けんこう崩壊ほうかいへの危機きき岩波いわなみ講座こうざ現代げんだい都市とし政策せいさく] 都市とし社会しゃかい人間にんげんろくきゅうさんよんぺーじいちきゅうななさんねん。」

西谷にしたに ひろし 20061024 難病なんびょう治療ちりょう巡礼じゅんれいたびまことしん書房しょぼう,208p. ※ n02. md. [MD]
 「だい68かい国会こっかい衆議院しゅうぎいん社会しゃかい労働ろうどう委員いいんかいで「特定とくてい疾患しっかん対策たいさくかんするけん」がげられる。参考さんこうじんとして虎ノ門とらのもん病院びょういんちょう沖中おきなか重雄しげお、スモン調査ちょうさ研究けんきゅう協議きょうぎかい会長かいちょう甲野こうのれいさく帝京大学ていきょうだいがく教授きょうじゅ清水しみずたもつ東大とうだい教授きょうじゅ白木しらき博次ひろじ諸氏しょし意見いけん陳述ちんじゅつ
 このなかでとくに「難病なんびょう」の定義ていぎ問題もんだいになり、つぎのように整理せいりされた3)。
だい1概念がいねん原因げんいん不明ふめい治療ちりょうほう確立かくりつであり、かつ後遺症こういしょうのこおそれがすくなくない疾病しっぺい(れい:ベーチェットびょう重症じゅうしょうすじ無力むりょくしょう再生さいせい不良ふりょうせい貧血ひんけつ悪性あくせい関節かんせつリウマチ…おきちゅうによる医学いがくてき定義ていぎ)。
だい2概念がいねん経過けいか慢性まんせいにわたり、たん経済けいざいてき問題もんだいのみならず、介護かいごとういちじるしく人手ひとでようするために家庭かてい負担ふたんおもく、また精神せいしんてきにも負担ふたんおおきい疾病しっぺい(れい小児しょうにがん、小児しょうに慢性まんせいじんえん、ネフローゼ、小児しょうに喘息ぜんそく進行しんこうせいきんジストロフィー、人工じんこう透析とうせき対象たいしょうしゃなど…白木しらきによる社会しゃかいがくてき定義ていぎ)の2つの概念がいねんかびがってきた。」(西谷にしたに[2006])

白木しらき 博次ひろじ 197209 「環境かんきょう破壊はかいから健康けんこう破壊はかいへ――水俣病みなまたびょうはいまやいち地域ちいきびょうではない」,『世界せかい』322(1972-9):173-184 [2018b3]

 「[…]すくなくとも、現在げんざい水銀すいぎん農薬のうやくによって、つぎ世代せだい素質そしつ低下ていかしつつあるという証拠しょうこは、まだあがってはいないが、くには、うたがわしきは使用しようせず≠ニいうつよ態度たいどで、その使用しよう禁止きんし方向ほうこうにふみるべきであると警告けいこくした。コトパをかえると、当時とうじ明確めいかく哲学てつがくが、そこにあったわけではないにしても、この場合ばあいうたがわしきはばっせず≠ニいう刑法けいほうてき概念がいねんを、そこに適用てきようすべきではなく、また自然しぜん科学かがくてき視点してんからの因果いんがろんてき実証じっしょうをまつまでもなく、民法みんぽうてき概念がいねんというより、政治せいじてき勇断ゆうだんのものを、そこに適用てきようすべきであるとの勧告かんこくであった。
 しかもこの可能かのうせいは、人体じんたい実験じっけんつうじて、当時とうじ、すでに証明しょうめいされかけていた。なぜなら、当時とうじ、まだ決定的けっていてきではなかったが、胎児たいじせい水俣病みなまたびょう先天せんてんせい水俣病みなまたびょう)は、母親ははおや自身じしん発病はつびょうしていないか、軽度けいど神経しんけい障害しょうがいしかしめしていないのに、その母親ははおやからまれた幼児ようじは、大脳だいのう発達はったつ阻害そがいによる高度こうどせいうす白痴はくち)と、運動うんどう神経しんけい発達はったつ停止ていしにもとづく手足てあし運動うんどうマヒ(高度こうど脳性のうせいマヒ)とのダブル・ハンディキャップの児童じどうたちで、先天せんてんせい重症じゅうしょう心身しんしん障害しょうがいにほかならなかったからである。」(白木しらき[197209:174])
 「つまり、あきらかに先天的せんてんてき疾患しっかん欠陥けっかんをもち、社会しゃかい生活せいかつ適応てきおうできぬか、困難こんなん人達ひとたち膨大ぼうだい集団しゅうだん目前もくぜんにして、そこにぜん国家こっか予算よさん投入とうにゅうして、その医療いりょう福祉ふくし強化きょうかしようとしても、もはや対応たいおうしきれぬのは、明白めいはくである。筆者ひっしゃは、医学いがくには、だい1に健康けんこう増進ぞうしん医学いがくだい2に予防よぼう医学いがくだい3に治療ちりょう医学いがくだい4にリハピリテーション医学いがく、そして、 だい5に重症じゅうしょう医学いがくまた難病なんびょう医学いがくがあるとかんがえるものである。そして前述ぜんじゅつせいうす脳性のうせいマヒは、このだい5の医学いがくぞくするうえ、その対応たいおうには、膨大ぼうだい予算よさん人員じんいん必要ひつようとするし、現在げんざい、そのめん蓄積ちくせきがすくないわがくににおいて、前述ぜんじゅつのような事態じたい直面ちょくめんしたときの極度きょくど混乱こんらんぶりは、すでに現時点げんじてんにおいて、想像そうぞうにあまりあるものがある。」(白木しらき[197209:180])

■197210 厚生省こうせいしょう、「難病なんびょう対策たいさく要綱ようこう発表はっぴょう
 @原因げんいん不明ふめい治療ちりょう方法ほうほう確立かくりつであり、かつ後遺症こういしょうのこすおそれのすくなくない疾病しっぺい。  A経過けいか慢性まんせいにわたり、たん経済けいざいてき問題もんだいのみならず、介護かいごとういちじるしく人手ひとでようするため、家族かぞく負担ふたんおもく、また精神せいしんてきにも負担ふたんおおきい疾病しっぺい

川村かわむら 佐和子さわこ 197410 「難病なんびょう福祉ふくし」,『ジュリスト臨時りんじ増刊ぞうかん』572:321-326 *

 「昨今さっこん社会しゃかいてきさかんにもちいられる言葉ことばに「難病なんびょう」がある。厚生省こうせいしょう難病なんびょう対策たいさく設置せっちされ、昭和しょうわよんななねんいちがつには難病なんびょう対策たいさく要綱ようこう発表はっぴょうされた。そのなか難病なんびょうのカテゴリーとして、つぎ条件じょうけんがあげらている☆01
 @原因げんいん不明ふめい治療ちりょう方法ほうほう確立かくりつであり、かつ後遺症こういしょうのこすおそれのすくなくない疾病しっぺい。  A経過けいか慢性まんせいにわたり、たん経済けいざいてき問題もんだいのみならず、介護かいごとういちじるしく人手ひとでようするため、家族かぞく負担ふたんおもく、また精神せいしんてきにも負担ふたんおおきい疾病しっぺい
 みぎ規定きてい表現ひょうげんされているごとく、難病なんびょう全治ぜんち困難こんなんであり、後遺症こういしょうおおい、ふたた労働ろうどうりょくをとりもどす可能かのうせいがうすいばかりでなく、その家族かぞくへのまけ影響えいきょうもつよい。家庭かてい崩壊ほうかい社会しゃかい疎外そがい自殺じさついた場合ばあいすくなくない。さきにのべた「疾病しっぺい問題もんだい一時いちじてき欠損けっそん労働ろうどうりょく」として理解りかいする場合ばあいには例外れいがいてき存在そんざいとなるセあろう。  厚生省こうせいしょう難病なんびょうのカテゴリーにふくまれる疾病しっぺいなかからすうやましいき特定とくていし、当面とうめん行政ぎょうせい対象たいしょうとしている。この行政ぎょうせい措置そちは「特定とくてい疾患しっかん対策たいさく」とばれ、昭和しょうわよんなな年度ねんどにははち疾患しっかん特定とくていされた。特定とくていされた疾患しっかん全国ぜんこく疫学えきがく調査ちょうさおこなわれ、そのうちよん疾患しっかん医療いりょう自己じこ負担ふたんぶん公費こうひ負担ふたん対象たいしょうとされている。
 昭和しょうわよんなな年度ねんど特定とくてい疾患しっかん患者かんじゃ疫学えきがく調査ちょうさによる推定すいていでは全国ぜんこく難病なんびょう患者かんじゃすういちさんいちまんにんである☆02。この調査ちょうさ医療いりょう機関きかん申告しんこくによるものであるから、医療いりょうをうけていない潜在せんざい患者かんじゃふくめると実数じっすうさらおおいものとおもわれる。しかしぜん人口じんこう患者かんじゃ実態じったい福祉ふくし医療いりょう谷間たにま放置ほうちされ、患者かんじゃ実態じったい福祉ふくし医療いりょう谷間たにま放置ほうちされ、患者かんじゃ家族かぞく苦悩くのうしている実状じつじょうであるから、たとえ、少数しょうすうしゃ問題もんだいであってもこれを看過かんかすることは出来できない。
 難病なんびょうのカテゴリーにふくまれる疾患しっかんなかすじかみぬい疾患しっかんぐんもある。筆者ひっしゃはこれら疾患しっかんぐん医療いりょう専門せんもんとする神経しんけい内科ないかにおいて、医療いりょう相談そうだん担当たんとうしている。この業務ぎょうむのかたわら、この患者かんじゃ逮に対応たいおうするにふさわしい福祉ふくし業務ぎょうむかた課題かだい追究ついきゅうするために、昭和しょうわよんはちねんはちがつ東京とうきょう神経しんけい科学かがく綜合そうごう研究所けんきゅうじょ社会学部しゃかいがくぶもん木下きのした安子やすこ国立こくりつ公衆こうしゅう衛生えいせいいん衛生えいせい行政ぎょうせい学部がくぶ阪上さかうえ裕子ゆうことも自主じしゅ研究けんきゅうグループ「在宅ざいたく看護かんご研究けんきゅうかい」を組織そしきし、「在宅ざいたく患者かんじゃ訪問ほうもん調査ちょうさ」をはじめている。この研究けんきゅうについては後述こうじゅつする☆03」

宇尾野うおの 公義きみよし 197303 「いわゆる難病なんびょう概念がいねんとその対策たいさく問題もんだいてん」,『公衆こうしゅう衛生えいせい』37-3:186-192(42-48)

 「いわゆる難病なんびょうなる名称めいしょう医療いりょう従事じゅうじするがわよりもむしろ患者かんじゃともかいなどが医療いりょう福祉ふくしねがい,病因びょういん究明きゅうめい医療いりょう公費こうひ負担ふたんなどをうったえてくに地方自治体ちほうじちたいなどにびかける場合ばあいもちいられていたが,それがいつのにか一般いっぱんてき名称めいしょうとなってしまった。つまり@原因げんいん不明ふめいである,A適切てきせつ治療ちりょうほうがなく,死亡しぼうりつたかい,B長期ちょうき慢性まんせい経過けいかをとり,後遺症こういしょうのこす,C療養りょうよう高額こうがく費用ひようがかり,患者かんじゃ家族かぞく物心ぶっしん両面りょうめん負担ふたんおおきい,などのしょ条件じょうけんゆうする場合ばあい一応いちおう難病なんびょうとしてとりあつかわれるようにおもう。
 現在げんざい医学いがくだい健康けんこう増進ぞうしん医学いがくだい予防よぼう医学いがくだい治療ちりょう医学いがくだい4リハビリテーション医学いがく漸次ぜんじしてきたが,難病なんびょう対策たいさく福祉ふくし行政ぎょうせいとからんでまさだい5の医学いがくとしてひたぶる重要じゅうようせいしつつある。」(宇尾野うおの公義きみよし[1973:186])

川村かわむら 佐和子さわこ 197410 「難病なんびょう福祉ふくし」,『ジュリスト臨時りんじ増刊ぞうかん』572:321-326 *

 「社会しゃかい福祉ふくし事業じぎょう体系たいけいにおいては、従来じゅうらい疾病しっぺい問題もんだい一時いちじてき欠損けっそん労働ろうどうりょく問題もんだいとして、また身体しんたい障害しょうがい問題もんだい永続えいぞくてき欠損けっそん労働ろうどうりょくあいだだいとして位置付いちづけられてきた。この分類ぶんるいおこなう前提ぜんていには、疾病しっぺい治癒ちゆし、ふたた労働ろうどうりょくをとりもどし、社会しゃかい復帰ふっき出来できるとかんがえがあるものとかんがえられる。
 昨今さっこん社会しゃかいてきさかんにもちいられる言葉ことばに「難病なんびょう」がある。厚生省こうせいしょう難病なんびょう対策たいさく設置せっちされ、昭和しょうわよんななねんいちがつには難病なんびょう対策たいさく要綱ようこう発表はっぴょうされた。そのなか難病なんびょうのカテゴリーとして、つぎ条件じょうけんがあげられている☆01
 @原因げんいん不明ふめい治療ちりょう方法ほうほう確立かくりつであり、かつ後遺症こういしょうのこすおそれのすくなくない疾病しっぺい。  A経過けいか慢性まんせいにわたり、たん経済けいざいてき問題もんだいのみならず、介護かいごとういちじるしく人手ひとでようするため、家族かぞく負担ふたんおもく、また精神せいしんてきにも負担ふたんおおきい疾病しっぺい
 みぎ規定きてい表現ひょうげんされているごとく゜難病なんびょう全治ぜんち困難こんなんであり、後遺症こういしょうおおい、ふたた労働ろうどうりょくをとりもどす可能かのうせいがうすいばかりでなく、その家族かぞくへのまけ影響えいきょうもつよい。家庭かてい崩壊ほうかい社会しゃかい疎外そがい自殺じさついた場合ばあいすくなくない。さきにのべた「疾病しっぺい問題もんだい一時いちじてき欠損けっそん労働ろうどうりょく」として理解りかいする場合ばあいには例外れいがいてき存在そんざいとなるであろう。
白木しらき 博次ひろじ 197504 「重症じゅうしょう心身しんしん障害しょうがい総論そうろん――胎児たいじせい水俣病みなまたびょうとその周辺しゅうへん中心ちゅうしんに」,『神経しんけい研究けんきゅう進歩しんぽ』19(2), p205-214, 1975-04(重症じゅうしょう心身しんしん障害しょうがい<特集>)

 「すでに筆者ひっしゃ論文ろんぶん1)2)でふれたように、重症じゅうしょう心身しんしん障害しょうがいは、もともと医学いがくから発想はっそうされた概念がいねんとはいえない。むしろ重度じゅうどせいうす重度じゅうど脳性のうせいマヒをダブルにつため、日本にっぽんという特殊とくしゅ風土ふうどなかで、医療いりょう福祉ふくし双方そうほうから疎外そがいされつづけていた悪条件あくじょうけん発展はってんした社会しゃかいてき要請ようせい、とくに重症じゅうしょう家族かぞくたちのつよ要請ようせい運動うんどうにその主体性しゅたいせいがあった。この非情ひじょう現実げんじつ最近さいきん問題もんだいされつつある“難病なんびょうぐん”にもあてはまる。なぜなら筆者ひっしゃ見解けんかい3)4)によれば、難病なんびょうとは原因げんいん不明ふめい治療ちりょうほうもなく、長期ちょうき療養りょうようようする奇病きびょうまたは特殊とくしゅ疾患しっかんというより、むしろそれらをふくめて、原因げんいんあきら不明ふめい治療ちりょうほう有無うむわず、社会しゃかい復帰ふっき極度きょくど困難こんなん不可能ふかのううえ長期ちょうき慢性まんせい経過けいかする状態じょうたいぞう意味いみし、したがって医療いりょう福祉ふくし両面りょうめんから緊密きんみつ対応たいおうするほかはないからである。しかも“難病なんびょうぐん”は、医療いりょうからも福祉ふくしからも疎外そがいされつづけているという現実げんじつをふまえた医学いがくてき社会しゃかいがくてき福祉ふくしがくてき綜合そうごう概念がいねんに△205 △206()△207()ほかならぬからである。この視点してんからすると、重症じゅうしょう心身しんしん障害しょうがいも、まさにこの範疇はんちゅうぞくする。」

国立こくりつ療養りょうようしょ研究けんきゅうかい へん 19761020 国立こくりつ療養りょうようしょ総括そうかつへん〉』厚生省こうせいしょう医務いむきょく国立こくりつ療養りょうようしょ,732p. 4000+ ※ h01

 「スモンの問題もんだいはしはっし、原因げんいん不明ふめい治療ちりょう方法ほうほうもなく、ほとんどいち生涯しょうがい闘病とうびょう生活せいかつをつづけてかねばならない病気びょうきであって、さらに軽快けいかいしても、視力しりょく障害しょうがい手足てあし運動うんどう障害しょうがいなどで社会しゃかい職場しょくば復帰ふっきすることの困難こんなん病気びょうき、いわゆる難病なんびょうたいする対策たいさくが45ねんごろから社会しゃかい問題もんだいとなってきた。このため、昭和しょうわ47ねん7がつ厚生省こうせいしょう公衆こうしゅう衛生局えいせいきょく特定とくてい疾患しっかん対策たいさくしつもうけられ、これら難病なんびょうたいする原因げんいん究明きゅうめいや、治療ちりょう方法ほうほう解明かいめいなどの研究けんきゅうおよぴ患者かんじゃたいする医療いりょう補助ほじょなどの対策たいさくがとられることになった。
 昭和しょうわ47年度ねんどにはスモン、べーチェットびょう重症じゅうしょうすじ無力むりょくしょう全身ぜんしんせいエリテマトーデス、再生さいせい不良ふりょうせい貧血ひんけつ多発たはつせい硬化こうかしょう、サルコイドージス、難治なんじせい肝炎かんえん疾病しっぺい調査ちょうさ研究けんきゅう対象たいしょう疾病しっぺいとしてえらばれた。また、実質じっしつてき医療いりょう自己じこ負担ふたん軽減けいげんする目的もくてき治療ちりょう研究けんきゅう対象たいしょうとして、スモン、ぺーチェットびょう重症じゅうしょうすじ無力むりょくしょう全身ぜんしんせいエリテマトーデスの疾病しっぺい決定けっていし、調査ちょうさ研究けんきゅうとして2おく2,000まんえん治療ちりょう研究けんきゅうとして3おく1,000まんえん予算よさんされた。
 昭和しょうわ47ねん10がつ難病なんびょう対策たいさく要綱ようこうがまとめられ公表こうひょうされたが、その対策たいさく骨子こっしとなるところは、(1)調査ちょうさ研究けんきゅう推進すいしん、(2)医療いりょう施設しせつ整備せいび要員よういん確保かくほ、(3)医療いりょう自己じこ負担ふたん解消かいしょうを3ほんはしらとし、このほかさらに福祉ふくしサービスめんかんがえてくべきだとしている。
 この医療いりょう施設しせつ整備せいびについては、国立こくりつ施設しせつ中心ちゅうしん整備せいびし、これらは治療ちりょうとあわせて研究けんきゅう促進そくしんをはかり、医療いりょう従事じゅうじしゃ研修けんしゅう可能かのうなように研究けんきゅう研修けんしゅう施設しせつとうもあわせて、昭和しょうわ48年度ねんどから5箇年かねん計画けいかく整備せいびしてゆくとともに、医療いりょう従事じゅうじしゃ養成ようせいおこなうこととした。
 また、この難病なんびょう対策たいさくのーたまきとしておこな医療いりょう対策たいさく対象たいしょうとしては、前記ぜんき難病なんびょうのほか、腎不全じんふぜん小児しょうに慢性まんせいじんえん、ネフローゼ、小児しょうにぜんそくとう▽500 写真しゃしん ▽501 えておこなうこととなった。
 この方針ほうしんにしたがって国立こくりつ療養りょうようしょにおいても、これら難病なんびょうのうち、長期ちょうき慢性まんせいてき病状びょうじょう進行しんこうし、介護かいごあるいは生活せいかつ条件じょうけんとうについて、長期ちょうきにわたる配慮はいりょ必要ひつようなもの、および養護ようご学級がっきゅう併設へいせつにより教育きょういく必要ひつようなものとうについてその医療いりょうけることとして、昭和しょうわ48年度ねんどから昭和しょうわ52年度ねんどまでの5箇年かねん計画けいかくで、新築しんちく6,890しょう既存きそん建物たてもの転用てんよう5,200しょうけい12,090しょう難病なんびょう病床びょうしょう整備せいびすることとした。」([499-501])

木下きのした 安子やすこ 19780725 在宅ざいたく看護かんごへの出発しゅっぱつ――権利けんりとしての看護かんご,勁草書房しょぼう,304p. ISBN-10:4326798394 ISBN-13:978-4326798391 かけひん [amazon][kinokuniya] ※ n02. a02

 いち 難病なんびょうとはなに
 難病なんびょうという言葉ことば社会しゃかいてき使つかわれしたのはそうむかしのことではない。宇尾野うおの公義きみよし☆01都立府中病院とりつふちゅうびょういんふく院長いんちょうによれば「患者かんじゃともかいなどが医療いりょう福祉ふくしねがい、病因びょういん究明きゅうめい医療いりょう公費こうひ負担ふたんなどをうったえてくに地方自治体ちほうじちたいなどにびかける場合ばあいもちいられていたが、それがいつのにか一般いっぱんてき名称めいしょうとなってしまった」という。このように、いってみれぱ素人しろうとが、行政ぎょうせいたいする運動うんどうつうじていいだした言葉ことば一般いっぱんてきいもになったというこのこと自体じたい非常ひじょう病気びょうき特徴とくちょうあらわしているようにおもわれる。すなわち、すくなくとも、いままでの医学いがく概念がいねんではないのである。△056

 1 難病なんびょう問題もんだい社会しゃかいてき提起ていき
 東京とうきょうオリンピックでなかがわきたっていたいちきゅうろくよんねん人々ひとびとは”スモン”という難病なんびょう多発たはつ不安ふあん気持きもちにかられた。それは埼玉さいたまけん戸田とだボートコース周辺しゅうへん地区ちくよんめいもの急性きゅうせい脊髄せきずい神経症しんけいしょうたのである。
 下半身かはんしんのいいようのないしびれかんあしさきからだんだんはいじょうがリ、むねにまでもたっする視野しや狭窄きょうさく、ついに失明しつめいにいたる悲惨ひさんさである。治療ちりょうほうはない。しかもろくななねんからろくはちねんにかけ、全国ぜんこくてき規模きぼ多発たはつするようになったから、社会しゃかい問題もんだいとなリ、厚生省こうせいしょうもその対策たいさくせまられ、スモンにたいする研究けんきゅう体制たいせいつくられた。そして、いわゆるは”難病なんびょう”にたいして、特定とくてい疾患しっかん対策たいさくしつななねんなながつ設置せっちされたのである。この経過けいかでもかるように、難病なんびょうがクローズアップされたのはスモンによってであるが、難病なんびょうはスモンばかリではない。
 公害こうがいイタイイタイ病いたいいたいびょう水俣病みなまたびょうはしいきなど、いずれも難病なんびょうであればこそ、おおきな社会しゃかい問題もんだいになった。ろくクロムやCO中毒ちゅうどくなど労働ろうどう災害さいがいによるものもある。進行しんこうせいすじジストロフイーしょう重症じゅうしょうすじ無力むりょくしょう・パーキンソンびょう多発たはつせい硬化こうかしょうなどの神経しんけい疾患しっかんや、慢性まんせいじんえん肝炎かんえん難病なんびょうである。びょうなどの血液けつえき疾患しっかん、あるいはがん等々とうとう、いくらでも悲惨ひさん治癒ちゆ困難こんなん経過けいかをたどる疾患しっかんはある。しかし行政ぎょうせいてきには、これらの疾患しっかんのすべてを難病なんびょうとしてあつかってはいない。あるものは公害こうがいびょうといしあるものは労働ろうどう災害さいがいとして対策たいさくがたてられる。では、いったいなに難病なんびょうとするのであろうか。△057

 2 難病なんびょうとは――その定義ていぎ概念がいねんをめぐって

 厚生省こうせいしょうは、難病なんびょうについて、つぎよっつの基準きじゅんをあげる。
 1 原因げんいん不明ふめい
 2 治療ちりょうほうからず治癒ちゆしにくい
 3 一生いっしょう闘病とうびょうつづける
 4 ときに軽快けいかいしても、視力しりょく障害しょうがい手足てあし運動うんどう障害しょうがいで、社会しゃかい職場しょくば復帰ふっき困難こんなん
 現在げんざい、スモンについては研究けんきゅう結果けっか、キノホルムという薬剤やくざいによって発生はっせいすることがあきらかになった。とするとスモンはこの基準きじゅんからいえば難病なんびょうではなくなるのだろうか。そうはいえない。難病なんびょうといえる疾患しっかんでも、さいわいにしてかるく、ほとんど障害しょうがいなく、治癒ちゆはしないが日常にちじょう生活せいかつ不自由ふじゆうなく生活せいかつしているひともいる。このひと難病なんびょうだろうか。など、この基準きじゅんではあいまいなてんかんじられる。
 厚生省こうせいしょう定義ていぎとはべつに、スモン患者かんじゃ発生はっせい、および救済きゅうさいをめぐって国会こっかい論議ろんぎがされているおり白木しらき博次ひろじ☆02ぜん東大とうだい教授きょうじゅは、衆議院しゅうぎいん社会しゃかい労働ろうどう委員いいんかいにおいて、難病なんびょうとはなにかをつぎのように説明せつめいしている
 1 原因げんいんあきら不明ふめいわない
 2 状態じょうたいぞうふか焚さ
 3 社会しゃかい復帰ふっき極度きょくど困難こんなんであるか不可能ふかのうであること
 4 医療いりょう福祉ふくし社会しゃかいから疎外そがいされている
というものである。病気びょうき種類しゅるいではなくて、その患者かんじゃおちいっている、身体しんたいてき社会しゃかいてき状況じょうきょう深刻しんこくさをメドとしてかんがえるので、いわゆるせま意味いみ医学いがくてき定義ていぎではない。
 スモンの患者かんじゃが、しびれをはじめ、身体しんたいてき苦痛くつういためつけられ、なおかつ、ふたた社会しゃかい復帰ふっきできない下肢かし不自由ふじゆう失明しつめいなどになげき、さらにせまげきちをかけるように伝染でんせんびょうだ≠ニさわがれ、その結果けっか家主やぬしからてられ、パンからいにないで≠ニことわられる。こうした社会しゃかい疎外そがいが、身体しんたいてき苦痛くつうにもまして患者かんじゃいためつける。事実じじつ新聞しんぶん紙上しじょうにスモン患者かんじゃ自殺じさつ次々つぎつぎ報道ほうどうされ、スモン感染かんせんせつ否定ひていされた現在げんざいでさえ、一般いっぱん人々ひとびとよりたか自殺じさつりつである。
 このように、患者かんじゃ苦痛くつう身体しんたいめんのみでなく社会しゃかいてき側面そくめんふくめた実態じったいをおさえた定義ていぎであろう。

 3 難病なんびょう患者かんじゃ実態じったい

 4 難病なんびょうたいする援助えんじょ

(1) 宇尾野うおの公義きみよし「いわゆる難病なんびょう概念がいねんとその対策たいさく問題もんだいてん公衆こうしゅう衛生えいせいいちきゅうななさんねんさんがつごういちはちろくいちきゅうぺーじ
(2) 白木しらき博次ひろじ市民しみん健康けんこう――環境かんきょう汚染おせんによる健康けんこう崩壊ほうかいへの危機きき岩波いわなみ講座こうざ現代げんだい都市とし政策せいさく] 都市とし社会しゃかい人間にんげんろくきゅうさんよんぺーじいちきゅうななさんねん
(3) 芦沢あしざわただし難病なんびょう対策たいさく現状げんじょういち、ニの問題もんだいてん」ジュリストよんはちごうろくいちろくななぺーじいちきゅうななさんねんいちいちがつ

 ……

金澤かなざわ 一郎いちろう 2012 「わがくに難病なんびょう政策せいさくについて」,『のう発達はったつ』44:185-189(だい53かい日本にっぽん小児しょうに神経しんけい学会がっかい総会そうかい基調きちょう講演こうえん
 https://www.jstage.jst.go.jp/article/ojjscn/44/3/44_185/_pdf

 ……


立岩たていわ しん 2014/10/24 「そもそも難病なんびょうって?だが、それでも難病なんびょうしゃは(ほぼ)障害しょうがいしゃだ」難病なんびょう障害しょうがいかんがえる研究けんきゅう集会しゅうかい

立岩たていわ しん 2014
 cf.特定とくてい疾患しっかん,『wikipedia』
 +難病なんびょう情報じょうほうセンター [外部がいぶリンク]http://www.nanbyou.or.jp

難病なんびょう(nambyo)とはまずは「なおりにくい病気びょうき」といった意味いみ日常にちじょうであり、医学いがく用語ようごとしての定義ていぎがあるわけではない。(なおりにくい病気びょうきなかでも、かずおおいもの、そのじょがあるほどられている場合ばあいには、「難病なんびょう」と名指なざされない場合ばあいがあるが、それは下記かきする「行政ぎょうせい用語ようごとしての難病なんびょう」の存在そんざいによるところがあるかもしれない。)

他方たほう、このかたりは――日常にちじょう意味いみいだ――政策せいさく行政ぎょうせいじょう用語ようごとして使つかわれてきた。
 1972ねん難病なんびょう対策たいさく要綱ようこうによると、
「1.原因げんいん不明ふめい治療ちりょう方法ほうほう確立かくりつであり、かつ、後遺症こういしょうのこすおそれがすくなくない疾病しっぺい 2.経過けいか慢性まんせいにわたり、たん経済けいざいてき問題もんだいのみならず介護かいごとういちじるしく人手ひとでようするために家庭かてい負担ふたんおもく、また精神せいしんてきにも負担ふたんおおきい疾病しっぺい
とされている。
 さらに、難治なんじせい疾患しっかん克服こくふく研究けんきゅう事業じぎょうには難治なんじせい疾患しっかん克服こくふく研究けんきゅう事業じぎょう臨床りんしょう調査ちょうさ研究けんきゅう分野ぶんや対象たいしょう疾患しっかんと、特定とくてい疾患しっかん治療ちりょう研究けんきゅう事業じぎょう対象たいしょうとされる特定とくてい疾患しっかん規定きていされている。「難病なんびょう指定していもとめる」などとわれるさいには、難病なんびょうとは、この事業じぎょう対象たいしょう、とくに「特定とくてい疾患しっかん」のことを実質じっしつてき意味いみすることがある。

◇こうして「制度せいどとしての難病なんびょう」は、研究けんきゅう対象たいしょうとしての難病なんびょうであるとともに、生活せいかつじょう困難こんなん救済きゅうさい軽減けいげん対象たいしょうでもあってきた。「特定とくてい疾患しっかん治療ちりょう研究けんきゅう事業じぎょう対象たいしょう疾患しっかん」に指定していされることによって、「研究けんきゅう事業じぎょう」のもとで医療いりょう軽減けいげんなどがおこなわれてきた。また原因げんいん治療ちりょうほう解明かいめいもとめるとともに、医療いりょう負担ふたんとう軽減けいげんもとめるひとたちが「特定とくてい疾患しっかん」への認定にんていもとめてきた。たとえば特定とくてい疾患しっかん認定にんていされていないふく合性あいしょう局所きょくしょ疼痛とうつう症候群しょうこうぐん (CRPS)」ひとたちにもそれにくわえることをのぞもとめるひとたちがいる。また「難病なんびょう」としておおくのひとにはめられているだろうきんジストロフィー」特定とくてい疾患しっかんにははいっていない。(原因げんいんがわかっているからはいっていない、という説明せつめいもあろうが、どうか。その発生はっせいじょ解明かいめい度合どあいが格別かくべつたかいとはえないようにもおもえる。そして原因げんいんがわかったとして、なおりたいひとたちにとってば、なおしほう確立かくりつされていなければ、意味いみがない。)その時々ときどきの「政治せいじ」によってことはまってきたし、現役げんえき官僚かんりょうなどはもうそうしたいきさつをほとんどらないだろう。そして歴史れきし研究けんきゅうもほぼなされていない。
 ではあるのだが、あるいはだからこそ、もともとこうしたふくあいてき契機けいきふくむ「特定とくてい疾患しっかん」のありかたふくむ「(研究けんきゅう事業じぎょう」をどのようにしていくか、政策せいさく立案りつあん実行じっこうするがわさい検討けんとうようかんじているようでもあり、一定いっていの「整理せいり」もなされようとしてきているようでもあるのだが、その方向ほうこうさだまっているようにもおもえない。こうしてこの(制度せいどとしての/における)難病なんびょういま(も)変化へんか途上とじょうにある。
 2014/05/23 「難病なんびょう患者かんじゃたいする医療いりょうとうかんする法律ほうりつ等々とうとう難病なんびょう」2014



難治なんじせい疾患しっかん克服こくふく研究けんきゅう事業じぎょう

 cf.難治なんじせい疾患しっかん克服こくふく研究けんきゅう事業じぎょう,『wikipedia』

 「症例しょうれいすうすくなく、原因げんいん不明ふめいで、治療ちりょう方法ほうほう確立かくりつしておらず、生活せいかつめんへの長期ちょうきにわたる支障ししょうがある疾患しっかん」にたいしておこなわれる厚生こうせい労働省ろうどうしょうによる研究けんきゅう事業じぎょう。1972ねんに、上記じょうき難病なんびょう対策たいさく要綱ようこう』に規定きていされた「特定とくてい疾患しっかん調査ちょうさ研究けんきゅう事業じぎょう」として開始かいし。1999ねん平成へいせい11ねん)に「特定とくてい疾患しっかん対策たいさく研究けんきゅう事業じぎょう」と改称かいしょう、2003ねん難治なんじせい疾患しっかん克服こくふく研究けんきゅう事業じぎょう」と改称かいしょう以下いかのような施策しさくおこなわれている。

1.調査ちょうさ研究けんきゅう推進すいしん難治なんじせい疾患しっかん克服こくふく研究けんきゅう事業じぎょう臨床りんしょう調査ちょうさ研究けんきゅう分野ぶんや対象たいしょう疾患しっかん。130疾患しっかん。(↓)
2.医療いりょう施設しせつとう整備せいび
3.地域ちいき医療いりょう保健ほけん福祉ふくし充実じゅうじつ連携れんけい
4.QOL(クオリティ・オブ・ライフ)の向上こうじょう目指めざした福祉ふくし政策せいさく充実じゅうじつ難病なんびょう患者かんじゃとう居宅きょたく生活せいかつ支援しえん事業じぎょう市町村しちょうそん自治じち事務じむ。)
5.医療いりょう自己じこ負担ふたん軽減けいげん特定とくてい疾患しっかん治療ちりょう研究けんきゅう事業じぎょう対象たいしょう56疾患しっかん)(↓)

難治なんじせい疾患しっかん克服こくふく研究けんきゅう事業じぎょう 臨床りんしょう調査ちょうさ研究けんきゅう分野ぶんや対象たいしょう疾患しっかん(130疾患しっかん

 厚生こうせい労働省ろうどうしょうによる原因げんいん究明きゅうめい治療ちりょうほうなどの研究けんきゅうおこなわれるが、特定とくてい疾患しっかん治療ちりょう研究けんきゅう事業じぎょう対象たいしょう疾患しっかん以外いがい患者かんじゃ自己じこ負担ふたんぶんは、公費こうひ負担ふたんされない。
 くわしくは厚労省こうろうしょう 難病なんびょう情報じょうほうセンターを参照さんしょうのこと。

厚生こうせい労働省ろうどうしょうによる原因げんいん究明きゅうめい治療ちりょうほうなどの研究けんきゅうおこなわれるが、特定とくてい疾患しっかん治療ちりょう研究けんきゅう事業じぎょう対象たいしょう疾患しっかん以外いがい患者かんじゃ自己じこ負担ふたんぶんは、くに公費こうひ負担ふたんされない。

難病なんびょう情報じょうほうセンター「かく疾患しっかん解説かいせつ 50おとじゅん索引さくいんhttp://www.nanbyou.or.jp/entry/506

1.脊髄せきずい小脳しょうのう変性へんせいしょう
2.シャイ・ドレーガー症候群しょうこうぐん
3.モヤモヤやまい(ウィルス動脈どうみゃく閉鎖へいさしょう
4.正常せいじょうあつすいあたましょう(NPH)
5.多発たはつせい硬化こうかしょう
6.重症じゅうしょうすじ無力むりょくしょう
7.ギラン・バレー症候群しょうこうぐん
8.フィッシャー症候群しょうこうぐん
9.慢性まんせい炎症えんしょうせいだつずいせい多発たはつ神経しんけいえん
10.多発たはつ限局げんきょくせい運動うんどうニューロパチー(ルイス・サムナー症候群しょうこうぐん
11.たんクローン抗体こうたいともな末梢まっしょう神経しんけいえん(クロウ・フカセ症候群しょうこうぐん
12.すじ萎縮いしゅくせいがわさく硬化こうかしょう
13.脊髄せきずいせい進行しんこうせいすじ萎縮いしゅくしょう
14.たま脊髄せきずいせいすじ萎縮いしゅくしょう(Kennedy-Alter-Sungびょう
15.脊髄せきずい空洞くうどうしょう
16.パーキンソンびょう
17.ハンチントンびょう
18.進行しんこうせいかくうえせい麻痺まひ
19.線条せんじょうたいくろしつ変性へんせいしょう
20.ペルオキシソームびょう
21.ライソゾームびょう
22.クロイツフェルト・ヤコブびょう(CJD)
23.ゲルストマン・ストロイスラー・シャインカーびょう(GSS)
24.致死ちしせい家族かぞくせい不眠症ふみんしょう
25.急性きゅうせい硬化こうかせいぜん脳炎のうえん(SSPE)
26.進行しんこうせいせいしろしつ脳症のうしょう(PWL)
27.こう靭帯じんたいこつしょう
28.黄色おうしょく靭帯じんたいこつしょう
29.広範こうはん脊柱せきちゅうかん狭窄きょうさくしょう
30.ぜんたて靭帯じんたいこつしょう
31.特発とくはつせい大腿だいたいこつこつあたま壊死えししょう
32.特発とくはつせいステロイドせいこつ壊死えししょう
33.網膜もうまく色素しきそ変性へんせいしょう
34.よわいむら変性へんせい
35.難治なんじせい神経症しんけいしょう
36.突発とっぱつせい難聴なんちょう
37.特発とくはつせい両側りょうがわ性感せいかんおん難聴なんちょう
38.メニエールびょう
39.おそはつせいないリンパ水腫すいしゅ
40.PRL分泌ぶんぴつ異常いじょうしょう
41.ゴナドトロピン分泌ぶんぴつ異常いじょうしょう
42.ADH分泌ぶんぴつ異常いじょうしょう
43.中枢ちゅうすうせい摂食せっしょく異常いじょうしょう
44.原発げんぱつせいアルドステロンしょう
45.にせせいていアルドステロンしょう
46.グルココルチコイド抵抗ていこうしょう
47.副腎ふくじん酵素こうそ欠損けっそんしょう
48.副腎ふくじんてい形成けいせい(アジソンびょう
49.にせせいふく甲状腺こうじょうせん機能きのう低下ていかしょう
50.ビタミンD受容じゅよう機構きこう異常いじょうしょう
51.TSH受容じゅようたい異常いじょうしょう
52.甲状腺こうじょうせんホルモンおうしょう
53.再生さいせい不良ふりょうせい貧血ひんけつ
54.溶血ようけつせい貧血ひんけつ
55.おうせい貧血ひんけつ骨髄こつづい形成けいせい症候群しょうこうぐん
56.骨髄こつづい線維せんいしょう
57.特発とくはつせい血栓けっせんしょう
58.血栓けっせんせい血小板けっしょうばん減少げんしょうせい紫斑しはんびょう(TTP)
59.特発とくはつせい血小板けっしょうばん減少げんしょうせい紫斑しはんびょう
60.IgAじんしょう
61.急速きゅうそく進行しんこうせいいと球体きゅうたいじんえん
62.難治なんじせいネフローゼ症候群しょうこうぐん
63.多発たはつせい嚢胞のうほうじん
64.肥大ひだいがた心筋しんきんしょう
65.拡張かくちょうがた心筋しんきんしょう
66.拘束こうそくがた心筋しんきんしょう
67.ミトコンドリアびょう
68.Fabryびょう
69.家族かぞくせい突然とつぜん症候群しょうこうぐん
70.原発げんぱつせいだかあぶらしょう
71.特発とくはつせいあいだしつせい肺炎はいえん
72.サルコイドーシス
73.びまんせいひろしほそ気管支炎きかんしえん
74.潰瘍かいようせい大腸だいちょうえん
75.クローンびょう
76.自己じこ免疫めんえきせい肝炎かんえん
自己じこ免疫めんえきせい肝炎かんえん
77.原発げんぱつせい胆汁たんじゅうせい肝硬変かんこうへん
78.げきしょう肝炎かんえん
79.特発とくはつせいもんみゃくあつ亢進こうしんしょう
80.きも外門ともんみゃく閉塞へいそくしょう
81.Budd-Chiari症候群しょうこうぐん
82.きもない結石けっせきしょう
83.きもないきもかん障害しょうがい
84.嚢胞のうほう線維せんいしょう http://www.nanbyou.or.jp/entry/129
85.重症じゅうしょう急性きゅうせい膵炎
86.慢性まんせい膵炎
87.アミロイドーシス
88.ベーチェットびょう
89.全身ぜんしんせいエリテマトーデス
90.多発たはつせい筋炎きんえん皮膚ひふ筋炎きんえん
91.シャーグレン症候群しょうこうぐん
92.成人せいじんスティルびょう
93.高安たかやすびょう大動脈だいどうみゃくえん症候群しょうこうぐん
94.バージャーびょう
95.結節けっせつせい多発たはつ動脈どうみゃくえん
96.ウェゲナー肉芽にくがしゅしょう
97.アレルギあれるぎせい肉芽にくがしゅせい血管けっかんえん
98.悪性あくせい関節かんせつリウマチ
99.がわあたま動脈どうみゃくえん
100.こうリン脂質ししつ抗体こうたい症候群しょうこうぐん
101.つよかわしょう
102.こうさんだませいすじまくえん
103.硬化こうかせい萎縮いしゅくせいこけ
104.原発げんぱつせい免疫めんえき不全ふぜん症候群しょうこうぐん
105.若年じゃくねんせい肺気腫はいきしゅ
106.ランゲルハンス細胞さいぼう組織そしきだましょう(ヒスチオサイトーシスX)
107.肥満ひまんてい換気かんき症候群しょうこうぐん
108.はい胞低換気かんき症候群しょうこうぐん
109.原発げんぱつせいはいだか血圧けつあつしょう →はいだか血圧けつあつしょう
110.慢性まんせいはい栓塞せんそくせんしょう
111.こん合性あいしょう結合けつごう組織そしきびょう
112.神経しんけい線維せんいしゅしょうIがた(レックリングハウゼンびょう
113.神経しんけい線維せんいしゅしょうIIがた
114.結節けっせつせい硬化こうかしょう(プリングルびょう
115.表皮ひょうひ水疱すいほうしょう
116.膿疱のうほうせい乾癬かんせん
117.てん疱瘡ほうそう
118.大脳皮質だいのうひしつ基底きていかく変性へんせいしょう
119.重症じゅうしょうかたち滲出しんしゅつせいべにまだら急性きゅうせい)→スティーブンス・ジョンソン症候群しょうこうぐん (Stevens-Johnson syndrome:SJS)
120.はいリンパみゃくかん筋腫きんしゅしょう(LAM)
121.進行しんこうせいほねせい繊維せんい形成けいせい(FOP)
122.いろ素性すじょういぬいかわしょう(XP)
123.スモン
124.下垂かすいたい機能きのう低下ていかしょう
125.クッシングびょう
126.先端せんたん巨大きょだいしょう
127.原発げんぱつせいがわさく硬化こうかしょう
128.ゆうとげ赤血球せっけっきゅうともな舞踏ぶとうびょう
129.HTLV―1関連かんれん脊髄せきずいしょう
130.先天せんてんせい魚鱗ぎょりんさまべにかわしょう

以上いじょう・2009ねん4がつ1にち現在げんざい

特定とくてい疾患しっかん治療ちりょう研究けんきゅう事業じぎょう対象たいしょう疾患しっかん(56疾患しっかん)・2009ねん10がつ1にち現在げんざい

 上記じょうきのうち、とく治療ちりょうきわめて困難こんなんであり、かつ、医療いりょう高額こうがくである疾患しっかんについて、医療いりょう確立かくりつ普及ふきゅうはかるとともに、患者かんじゃ医療いりょう負担ふたん軽減けいげんはか目的もくてきで、都道府県とどうふけん実施じっし主体しゅたいとして特定とくてい疾患しっかん治療ちりょう研究けんきゅう事業じぎょうおこなわれている。
 所轄しょかつ保健所ほけんじょ申請しんせいすることにより、医療いりょう自己じこ負担ふたんぶん一部いちぶまたは全額ぜんがく助成じょせいを、公費こうひけることができる。(『難病なんびょう情報じょうほうセンター』ホームページを参照さんしょう

1.ベーチェットびょう
2.多発たはつせい硬化こうかしょう
3.重症じゅうしょうすじ無力むりょくしょう
4.全身ぜんしんせいエリテマトーデス
5.スモン
6.再生さいせい不良ふりょうせい貧血ひんけつ
7.サルコイドーシス
8.すじ萎縮いしゅくせいがわさく硬化こうかしょう
9.つよかわしょう/皮膚ひふ筋炎きんえんおよび多発たはつせい筋炎きんえん
10.特発とくはつせい血小板けっしょうばん減少げんしょうせい紫斑しはんびょう
11.結節けっせつせい動脈どうみゃくえん 1.結節けっせつせい動脈どうみゃくえん/2.顕微鏡けんびきょうてき多発たはつ血管けっかんえん
12.潰瘍かいようせい大腸だいちょうえん
13.大動脈だいどうみゃくえん症候群しょうこうぐん
14.ビュルガーびょう(バージャーびょう
15.てん疱瘡ほうそう
16.脊髄せきずい小脳しょうのう変性へんせいしょう
17.クローンびょう
18.難治なんじせい肝炎かんえんのうち、げきしょう肝炎かんえん
19.悪性あくせい関節かんせつリウマチ
20.パーキンソンびょう関連かんれん疾患しっかん 1.進行しんこうせいかくうえせい麻痺まひ/2.大脳皮質だいのうひしつ基底きていかく変性へんせいしょう/3.パーキンソンびょう
21.アミロイドーシス
22.こう靭帯じんたいこつしょう
23.ハンチントンびょう
24.モヤモヤやまい(ウィルス動脈どうみゃく閉鎖へいさしょう
25.ウェゲナー肉芽にくがしゅしょう
26.特発とくはつせい拡張かくちょうがた(うっけつがた心筋しんきんしょう
27.系統けいとう萎縮いしゅくしょう 1.線条せんじょうたいくろしつ変性へんせいしょう/2.オリーブきょう小脳しょうのう萎縮いしゅくしょう/3.シャイ・ドレーガー症候群しょうこうぐん/28.表皮ひょうひ水疱すいほうしょう接合せつごうがたおよ栄養えいよう障害しょうがいがた)
29.膿疱のうほうせい乾癬かんせん
30.広範こうはん脊柱せきちゅうかん狭窄きょうさくしょう
31.原発げんぱつせい胆汁たんじゅうせい肝硬変かんこうへん
32.重症じゅうしょう急性きゅうせい膵炎
33.特発とくはつせい大腿だいたいこつあたま壊死えししょう
34.こん合性あいしょう結合けつごう組織そしきびょう
35.原発げんぱつせい免疫めんえき不全ふぜん症候群しょうこうぐん
36.特発とくはつせいあいだしつせい肺炎はいえん
37.網膜もうまく色素しきそ変性へんせいしょう
38.プリオンびょう 1.クロイツフェルト・ヤコブびょう/ 2.ゲルストマン・ストロイスラー・シャインカーびょう/3.致死ちしせい家族かぞくせい不眠症ふみんしょう
39.原発げんぱつせいはいだか血圧けつあつしょう
40.神経しんけい線維せんいしゅしょうIがた/神経しんけい線維せんいしゅしょうIIがた
41.急性きゅうせい硬化こうかせいぜん脳炎のうえん
42.バット・キアリ(Budd-Chiari)症候群しょうこうぐん
43.特発とくはつせい慢性まんせいはい栓塞せんそくせんしょう(はいだか血圧けつあつがた)
44.ライソゾームびょう 1.ライソゾームびょう(ファブリーびょうのぞく)/2.ライソゾームびょう(ファブリーびょう)
45.副腎ふくじんしろしつジストロフィー
46.家族かぞくせいだかコレステロールしょう (ホモ接合せつごうがた)
47.脊髄せきずいせいすじ萎縮いしゅくしょう
48.たま脊髄せきずいせいすじ萎縮いしゅくしょう
49.慢性まんせい炎症えんしょうせいだつずいせい多発たはつ神経しんけいえん
50.肥大ひだいがた心筋しんきんしょう
51.拘束こうそくがた心筋しんきんしょう
52.ミトコンドリアびょう
53.リンパみゃくかん筋腫きんしゅしょう(LAM)
54.重症じゅうしょうかたち滲出しんしゅつせいべにまだら (急性きゅうせい)→スティーブンス・ジョンソン症候群しょうこうぐん (Stevens-Johnson syndrome:SJS)
55.黄色おうしょく靭帯じんたいこつしょう
56.あいだ脳下垂体のうかすいたい機能きのう障害しょうがい 1.PRL分泌ぶんぴつ異常いじょうしょう/2.ゴナドトロピン分泌ぶんぴつ異常いじょうしょう/3.ADH分泌ぶんぴつ異常いじょうしょう/4.下垂かすいたいせいTSH分泌ぶんぴつ異常いじょうしょう/5.クッシングびょう/6.先端せんたん巨大きょだいしょう/7.下垂かすいたい機能きのう低下ていかしょう

 2013年度ねんど補正ほせい予算よさんにおいて、特定とくてい疾患しっかん治療ちりょう研究けんきゅう事業じぎょう緊要きんようせいたか疾患しっかん追加ついかするものとされたことをうけ、2013ねん10がつより、ほん事業じぎょう対象たいしょう疾患しっかん以下いか疾患しっかん追加ついかされた。(厚生こうせい労働省ろうどうしょう健康けんこうきょく疾病しっぺい対策たいさく

追加ついかされた11疾患しっかん

家族かぞくせいだかコレステロールしょう(ホモ接合せつごうたい
脊髄せきずいせいすじ萎縮いしゅくしょう
たま脊髄せきずいせいすじ萎縮いしゅくしょう
慢性まんせい炎症えんしょうせいだつずいせい多発たはつ神経しんけいえん
肥大ひだいがた心筋しんきんしょう
拘束こうそくがた心筋しんきんしょう
ミトコンドリアびょう
はいリンパみゃくかん筋腫きんしゅしょう(LAM)
重症じゅうしょうかたち滲出しんしゅつせいべにまだら急性きゅうせい
黄色おうしょく靱帯じんたいこつしょう あいだ脳下垂体のうかすいたい機能きのう障害しょうがい(PRL分泌ぶんぴつ異常いじょうしょう、ゴナドトロピン分泌ぶんぴつ異常いじょうしょう、ADH分泌ぶんぴつ異常いじょうしょう下垂かすいたいせいTSH分泌ぶんぴつ異常いじょうしょう、クッシングびょう先端せんたん巨大きょだいしょう下垂かすいたい機能きのう低下ていかしょう

申請しんせい書類しょるいについて

大野おおの 更紗さらさ 20110620 こまってるひと』ポプラ社ぽぷらしゃ,272p. ISBN-10: 4591124762 ISBN-13: 978-4591124765 1400+ [amazon]/[kinokuniya] ※ n02.

病名びょうめい確定かくていして、わたしはまず「難病なんびょう医療いりょうとう助成じょせい制度せいど」の申請しんせい必要ひつよう膨大ぼうだい書類しょるいをそろえることに、一汗ひとあせかなければならなかった。ともかく、この制度せいど申請しんせいをしなければ、このさき毎月まいつきなんじゅうまんえんもの医療いりょう支払しはらいをつづけることになる。それは、不可能ふかのうだ。<108<
 当時とうじ居住きょじゅうしていた小平こだいら健康けんこうわせ、申請しんせい書類しょるい一式いっしきと、必要ひつよう書類しょるいのリストを病室びょうしつてに郵送ゆうそうしてもらった。
 以下いか、そのまんまである。
 
 1 難病なんびょう医療いりょうとう助成じょせい申請しんせいしょけん同意どういしょ
 2 臨床りんしょう調査ちょうさ個人こじんひょう
 3 住民じゅうみんひょう
 4 世帯せたい調書ちょうしょ
 5 健康けんこう保険ほけんしょうのコピー
 6 生計せいけい中心ちゅうしんしゃ所得しょとく状況じょうきょう証明しょうめいする書類しょるい
 7 保険ほけんしゃからの情報じょうほう提供ていきょうにかかる同意どういしょ
 8 申請しんせいしゃ保険ほけんしゃ所得しょとく区分くぶん確認かくにん必要ひつよう書類しょるい住民じゅうみんぜい非課税ひかぜい証明しょうめいしょ
 9 臨床りんしょう個人こじん調査ちょうさひょう添付てんぷ必要ひつよう書類しょるい節電せつでんのコピー、すじ病理びょうり診断しんだんコピー)

 ただでさえにそうに具合ぐあいわるなか病人びょうにん用意よういするにはひどすぎるとしかおもえないリストをて、くらくらと頭痛ずつうがしてきたが、東京とうきょうさまから必要ひつようわれているのだから、用意よういするほか、患者かんじゃ選択肢せんたくしはない」(107-8)


UP:  REV:20180526(ファイル分離ぶんり), 0615, 16
難病なんびょう  ◇病者びょうしゃ障害しょうがいしゃ運動うんどう研究けんきゅう  ◇くすり薬害やくがい  ◇医療いりょう社会しゃかい 
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