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『現代思想』2018
last update: 20181228
2018年12月号 特集=図書館の未来
2018年11月号 特集=「多動」の時代
2018年10月号 特集=大学の不条理――力の構造
2018年9月号 特集=考古学の思想
2018年8月号 特集=朝鮮半島のリアル
2018年7月号 特集=性暴力=セクハラ
2018年6月号 特集=公文書とリアル
2018年5月号 特集=パレスチナ‐イスラエル問題――暴力と分断の70年
2018年4月号 特集:現代思想の316冊――ブックガイド2018
2018年3月号 特集:物流スタディーズ――ヒトとモノの新しい付き合い方を考える
2018年2月号 特集:保守とリベラル――ねじれる対立軸
2018年1月号 特集:現代思想の総展望2018
■『現代思想』46-1(2018-1) 2018/01/01
連載 瓦礫(デブリ)の未来
- 第六回 結界 / 磯崎新
連載 科学者の散歩道
- 第四三回 EPR実験と隠れた変数説の破綻 確率の意味 / 佐藤文隆
連載 家族・性・市場
特集*現代思想の総展望2018
インタビュー
それぞれの〈思想〉
- 資本の「力」とそれを超える「力」 NAM再考 / 柄谷行人
- 十月の預言と危機 一九一七年ロシア十月革命を記念して / 汪暉(訳=宮本司)
- レンマ的算術の基礎 / 中沢新一
- 根源的構成主義から思弁的実在論へ……そしてまた戻る / 大澤真幸
討議
インタビュー
- 量子的マルチバースと時空間概念の変容 / 野村泰紀
導入
- ラディカルな有限性 思弁的実在論の一〇年とその後 / 千葉雅也
新しい実在論/唯物論/存在論
- オブジェクトへの道 / G・ハーマン(訳=飯盛元章)
- 非自然主義的実在論のために / M・ガブリエル(訳=斎藤幸平+岡崎龍)
- 閉ざされたアクセスのポエジー 詩的イメージの対象化にむけて / D・ゴルィンコ=ヴォルフソン(訳=乗松亨平)
- 暗き生 メイヤスー、ブラシエ、サッカー / 星野太
ポスト思弁的転回のマニフェスト
- 加速派政治宣言 / N・スルニチェク+A・ウィリアムズ(訳=水嶋一憲+渡邊雄介)
- ゼノフェミニズム 疎外(エイリアネーション)の政治学 / ラボリア・クーボニクス(訳=藤原あゆみ)
人類学の「静かな革命」
- パースペクティヴの人類学と制御された取り違えという方法 / E・ヴィヴェイロス・デ・カストロ(訳=近藤宏)
- 「沈む島」と「育つ岩」 あるいは、「生き存(ながら)えること」の人類学 / 里見龍樹
哲学×科学の対話
- 書評 アラン・バディウ『数と数たち』 / R・ハーシュ(訳=近藤和敬+黒木萬代)
図解
- 現代思想の古層と表層のダイアグラム / 近藤和敬
研究手帖
- 分析哲学とアメリカ観念論 / 小山虎
■『現代思想』46-2(2018-2) 2018/02/01
現代における「保守」と「リベラル」の内実を問う。
これまで社会を二分してきた最大の対立軸である「保守」と「リベラル」は、その姿を大きく変えつつある。本来の保守主義を超えて拡大し続ける「保守」と、反面でかつての求心力を失い溶解する「リベラル」……。いま人々は、その名のもとに何を語り、どのような空気を作りだしているのか。
討議U
連載 瓦礫(デブリ)の未来
- 第七回 影向 / 磯崎新
連載 科学者の散歩道
- 第四四回 プラグマティズムと量子力学――「見ないと、月はないのか?」 / 佐藤文隆
連載 家族・性・市場
特集*保守とリベラル――ねじれる対立軸
討議T
- 転倒する保守とリベラル――その空虚さをいかに超えるか / 宇野重規×大澤真幸
エッセイ
- 不正義との戦い / 北原みのり
- こちらもつきまとうべきなのか / 武田砂鉄
若者は〈保守化〉しているのか
- 若者の保守化という錯視 / 中西新太郎
- 日本型リベラルとは何であり、何でないのか――「革新」との連続と断絶 / 北田暁大
〈ねじれ〉はどこで生まれたか
- ねじれつつからみ合う二つの流れ――保守とリベラル / 杉田敦
- 捻れる平和主義――保守の戦後、革新の戦前 / 酒井哲哉
- 対立構造の変容と政党政治の機能不全 / 中北浩爾
欠落する正義
- フェミニズムとリベラリズムの不幸な再婚?――日本軍性奴隷制問題をめぐる反動に抗し / 岡野八代
保守とリベラル、それぞれの現在
- 核と人権をめぐる保守とリベラル / 森政稔
- 「改革の政治」とは何か――保守政治の「守旧保守」から「改革保守」への自己脱却 / 大井赤亥
イメージの戦い
- フェミニズムの姉妹、保守とリベラルのキマイラ――軍事強硬主義的女性保守政治家の支持獲得構造とイメージ機能 / 海妻径子
- 隠されたディスクール/セレブリティの理想/小さな差異のナルシシズム / 樫村愛子
- 現代日本における「リベラル」イメージの変容――「リベラル嫌い」に関する研究ノート /明戸隆浩
研究手帖
- 「1968年」の記録と記憶 / 相川陽一
■『現代思想』46-5(2018-3) 2018/03/01
流通新時代、われわれとモノとの関係性に迫る。
現在叫ばれる「宅配クライシス」により、これまでの物流は根本的な革新が求められている。またテクノロジーの発展により、新たな流通の形態も発明されてきた。こうした大規模な物流再編の一方で、各種小規模流通やローカルメディアも同様に発展してきた。こうした取り組みは地域に根差したコミュニティを生み出しつつある。
連載 瓦礫(デブリ)の未来
- 第八回 夢告 / 磯崎新
連載 科学者の散歩道
- 第四五回 情報の「消去」で発熱――「スパコン事件余話」 / 佐藤文隆
連載 家族・性・市場
特集*物流スタディーズ――ヒトとモノの新しい付き合い方を考える
討議T
- グローバルとローカルをつなぐテクノロジーの編集力 / 田中浩也+若林 恵
テクノロジーと物流
- お金の流れをデザインし直す / 小松真実
- 〈流通〉の社会哲学――アマゾン・ロジスティックス革命の情報社会における意義 / 大黒岳彦
メディアと流通
- “普通”の関係性を取り戻す――メディアとしての移動スーパー「とくし丸」 / 住友達也
- 誰でも本屋をつくることができる仕組みをつくる / 柳下恭平
地域のなかの物流
- たべ研が築いてきた有機農産物の物流 / 木村章二
- 生産ナショナリズム以後と《呪われた部分》 / 山内明美
討議U
- 総運輸化する社会――フレキシブルな労働を問い直す / 横田増生+今野晴貴
物流をめぐる思想
- 物流クライシスとカーゴ・モビリティ――「忘れられた空間」と「一見秩序づけられた無秩序」 / 野尻 亘
歴史から問う
- 「大東亜」戦争期東南アジアの物流の破綻――ジャワ占領地の事例を中心に / 倉沢愛子
- 安い食料の本当のコスト / 服部正治
物流とコミュニティの変容
- 戦後日本の小売商店における職住関係――商店街の空き店舗問題に寄せて / 満薗勇
物流のミクロポリティクス
- オフィスにおけるフローの諸統治 / 牧野智和
- その「地域」にだけ「流通」する「音楽」は可能か?――東京都足立区「千住タウンレーベル」の試みから
/ アサダワタル
研究手帖
- 詞辞の律動、その韻(ひび)き 言語芸術の「別に一体」を求めて / 三松幸雄
■『現代思想』46-6(2018-4) 2018/04/01
激動の時代とともになされる学問の再編成。このとき、既存の古典は浮沈し、新たな重要書の台頭は知の布置を様変わりさせるだろう。哲学・人類学・社会学から、フェミニズム・クィアスタディーズ、そして経済学・数学・生物学まで。いま、新しく「現代」を考えるために読むべき316冊。
連載 瓦礫(デブリ)の未来
- 第九回 海原(うなばら) / 磯崎新
連載 科学者の散歩道
- 第四六回 スマホの武器は配られた――イットとビット / 佐藤文隆
連載 家族・性・市場
特集*現代思想の316冊――ブックガイド2018
ブックガイド2018
- 大陸哲学 哲学のバロック / 檜垣立哉
- 分析哲学 形而上学からの分析哲学 / 加地大介
- 人類学 矛盾やズレとつきあい続ける / 春日直樹
- 社会学 不可視の〈社会〉を如何にして理論的に把握するか / 大黒岳彦
- エスノグラフィ 耳を傾け、書き残す / 石岡丈昇
- フェミニズム 多様性に開かれた変革の思想 / 伊田久美子
- クィアスタディーズ 「新しさ」の罠にはまらないために / 森山至貴
- 医療・福祉 〈社会的なもの〉をめぐる社会学的忘却 / 天田城介
- メディア論 新しいメディア生態系を前にして / 伊藤守
- 政治学 ラディカル・デモクラシーのあとで / 山本圭
- 国際関係論 危機の二〇/四〇〇年について考える / 土佐弘之
- 中国思想 中国を理解するために / 鈴木将久
- 歴史学 歴史学を語れば… / 長谷川貴彦
- 宗教学 宗教学・宗教論・宗教思想の現在時を画する / 島薗進
- 精神医学 「臨床と人文知」の協働を再起動する / 松本卓也
- 美学 美学の今世紀 / 岡本源太
- 建築論 拡散する現代建築論 / 日埜直彦
- 農業 この世界の土台を捉える / 藤原辰史
- 経済学 資本主義をめぐる思想と理論を問い直す / 塚本恭章
- 教育学 教育の危機を問い直す / 大内裕和
- 統計学 統計学の系譜とデータサイエンスへの道 / 岩崎学
- 数学 二一世紀数学への道しるべ / 小島寛之
- 生物学・認知科学 心の発生と未来への心理生物学的考察 / 岡ノ谷一夫
エッセイ
- 「人間」 〈人間〉以後の人間論 / 吉川浩満
- フェミニズム 性の戦いの歴史をつなぐ / 北原みのり
- ノンフィクション 声を嗅ぎ分ける / 武田砂鉄
- 写真集 写真集を読む・風景を読む / 港千尋
- 食文化 食から見える私たちの世界 / 阿古真理
- 絵本 デザイン思考時代と絵本 / 西山雅子
研究手帖
- 新シェリング主義の第三形態 / 浅沼光樹
■『現代思想』46-8(2018-5) 2018/05/01
イスラエル建国70年、いまその意義を問い直す
1948年5月、イスラエル建国により勃発した第一次中東戦争によって、80万人近いパレスチナ人が故郷を追われ難民となった。その後70年にわたり、パレスチナ‐イスラエル問題は解決することなく、民衆の苦難は続いている。本特集では70年目を迎えるこの問題について、経緯と現状を総括するとともに、現代世界に与えた意味を問い直す。
特集*パレスチナ‐イスラエル問題――暴力と分断の70年
インタビュー
- 教師としてのパレスチナ / 広河隆一
討議
ガザ
- もし、イスラエルが利口ならば / S・ロイ(訳=鈴木啓之)
- ガザ地区――存在を否定された場所 / 小田切拓
パレスチナと日本
- 日本問題としてのパレスチナ問題――日本における中東研究の未来 / 板垣雄三
イスラエルとアラブ世界
- 「イスラエルよりアメリカ/イランが敵」――後景化するパレスチナ / 酒井啓子
- シリアからパレスチナを見る / 青山弘之
- エルサレムは植民地国家の首都にはならない / H・ダバシ(訳=原民樹)
記憶
- 風と石と女たちの記憶 / 岡真理
- ナクバのメモリサイド――風景と記憶の政治学 / 松野明久
- モニュメント・証言・歴史――ナクバとヒロシマ / 田浪亜央江
歴史
- バルフォアからナクバへ――パレスチナにおける入植型植民の歴史過程 / I ・パぺ(訳=鈴木啓之)
- 「ユダヤ人国家」イスラエルの歴史実在論とポスト・オリエンタリズムの課題――イラン・パペとハミッド・ダバシ / 早尾貴紀
- 「いい土地ですから、前に進めてください」とバルフォアはロスチャイルドに言った――帝国主義・戦争・人種主義の一〇〇年とその顛末 / 栗田禎子
- 歴史認識論争の同時性を検討するために――イスラエルと日本 / 金城美幸
- 離散から七〇年――パレスチナ難民の帰還をめぐる思い / 錦田愛子
- 故郷喪失の半世紀と日本――ウラディミール・タマリ氏へのオマージュ / 長沢美沙子
連載 瓦礫(デブリ)の未来
- 第一〇回 土法(一) / 磯崎新
連載 分解の哲学
- 第一四回 生態学の「分解者」概念について(3) / 藤原辰史
連載 家族・性・市場
研究手帖
■『現代思想』46-10(2018-6) 2018/06/01
「ポスト・トゥルース」の時代、文書の「事実」を問う
連日メディアを騒がす森友・加計問題や防衛省による日報隠蔽問題。「ポスト・トゥルース」が叫ばれる現在、文書が担保するという「事実」の取り扱いはどうなっていくのか。煩瑣な書類作成に汲々とする私たちの日々の現場に定位しながら、よりよい「ドキュメント」との付き合い方を探っていく。
特集*公文書とリアル
なぜ「公文書問題」は起こったのか
- 怒りを伝える報道――森友・加計問題から何が暴かれたのか / 望月衣塑子
- 歴史を描くための公文書管理 / 瀬畑源
エッセイ
- 証明するのはオマエたち / 武田砂鉄
討議
- 日報問題から見えてきた戦争に向かう国家のゆくえ / 布施祐仁+斎藤貴男
行政と文書主義
- アナキズム、仕事、そして官僚制――デヴィッド・グレーバーへのインタビュー
/ D・グレーバー(き
手=A・ヴェルメット)
訳=
芳賀達彦+
酒井隆史
- 世界の植民地化と個の刷新――端末市民と超・文書主義をめぐって / 桂英史
- 「小さな政府」と公文書管理 / 前田健太郎
新たな「管理」
- 多様化する情報とアーカイブの役割 / 大向一輝
- 「空中文書固定装置」のある世界 / 斉藤賢爾
「事実」を掘り起こす
- 強制不妊手術問題と公文書管理 / 松原洋子
- 沖縄占領史における公文書の役割 / 吉本秀子
- 大学のアーカイブズで考える / 西山伸
- 『留守名簿 関東軍防疫給水部隊』開示の「インパクト」を考える / 西山勝夫
アイデンティティと文書
- 人は生まれながらにして文書となれるか――生体認証の争点 / 橋本一径
- 虚実入り混じる「日本人」の証明――戸籍が示す「真実」とは / 遠藤正敬
ジェンダーから問う
- マイノリティーに向かう書類ハラスメント / 赤石千衣子
- 結局のところ、性別欄は何を尋ねているのか / 遠藤まめた
文書と思想
- 資本からドキュメディアリティへ / M・フェラーリス(訳=清水一浩)
- 〈文書(ドキュメント)〉の存在論 / 大黒岳彦
- 文書への愛と憎 / 森元斎
- アーレント「政治のおける嘘」論から考える公文書問題 / 百木漠
連載 瓦礫(デブリ)の未来
- 第一一回 土法(二) / 磯崎新
連載 分解の哲学
- 第一五回 生態学の「分解者」概念について(4) / 藤原辰史
連載 家族・性・市場
研究手帖
- あるテクストの全体 / 堀江秀史
■『現代思想』46-11(2018-7) 2018/07/01
「#MeToo」――沈黙を破る社会に向けて
「#MeToo」ムーブメントは性犯罪を「なかったことにする」社会をどのように変えられるだろうか。「個人的なことは政治的なこと」をスローガンにしてきたフェミニズムの歴史と、性暴力にまつわる現在地をつないでいく。
特集*性暴力=セクハラ――フェミニズムとMeToo
インタビュー
- 「MeToo」が忘れ去られても、語ることができる未来に向けて / 伊藤詩織
討議T
エッセイ
- 彼らはビビっている / 武田砂鉄
- 「女の痛み」に向き合う / 雨宮処凛
- 平成の性暴力史を描く / 北原みのり
暴力が起こる現場から
- 少女が性的に価値の高いものとして商品化され、消費される社会から、「性暴力」を許さない社会へ / 仁藤夢乃
- 「声なき声」をつなぎ、報道する――「メディアで働く女性ネットワーク」が目指すジャーナリズムのあり方
/ 松元千枝
- 「忘れられる権利」とソーシャルワーク――「ポルノ被害と性暴力を考える会」(PAPS)が考える支援のかたち
/ 田口道子
司法・制度
- 性犯罪規定の改正が意味するもの / 後藤弘子
- 性暴力と人工妊娠中絶――優生保護法と母体保護法は何を「保護」してきた? / 大橋由香子
- 性販売者の非犯罪化のための試論――「性売買特別法」をめぐる争点とフェミニズム代案の模索
/ イ・ナヨン(訳=林貞和)
遍在する暴力
- トランプ政権下でのアメリカと性暴力――政策の後退と#MeToo 運動 / 山口智美
- セクシュアル・マイノリティの被害は特別?か――誰もが声をあげられる社会にむけて / 岡田実穂
- 可視化と語りによる〈変容〉の射程――男性性被害および近親姦虐待被害当事者の証言プロジェクトから
/ 菊池美名子
討議U
- 被害/加害の語りに耳を傾け、支援する / 上岡陽江+坂上香
暴力に抗する言葉/思想
- 「わたしも」(MeToo)を支えるもの――「運動」が声を出すエネルギーを奪わないために / 栗田隆子
- 〈からかいの政治〉二〇一八年の現在――メディアとセクハラ / 堀あきこ
- 「とり乱させない抑圧」に抗して――ジュディス・バトラーと田中美津 / 藤高和輝
- 共鳴する言葉――娼婦から娼婦たちへ / 山家悠平
連載 瓦礫(デブリ)の未来
- 第一二回 土法(三) / 磯崎新
連載 家族・性・市場
研究手帖
- ルロワ=グーランの遺産――人類史における技術の布置 / 大西秀之
■『現代思想』46-12(2018-8) 2018/08/01
特集*朝鮮半島のリアル
討議
- 南北の平和共存と北東アジアの未来――南北首脳会談・米朝首脳会談はいかなる可能性を拓いたのか
国際政治から問う
北朝鮮の過去・現在・未来
- 北朝鮮の核放棄と北東アジアの未来 / 三村光弘
- 朝中関係の復元と停戦協定体制の行方 / 高一
「ろうそく革命」は何を変えたのか
- 激変する朝鮮半島情勢――変化へのイニシアティブを探る / 文京洙
- 南北・米朝首脳会談、そしてキャンドル革命――韓国民主化運動からの連続性という視点 / 森類臣
核と朝鮮半島
- セウォル号沈没事故と原発輸出――四・一六で重なった現実 / 川瀬俊治
- 文在寅政権の脱原発政策の成果と課題 / 高野聡
越境するひとびと
- 離散家族問題の歴史と現在をつなぐ / 李英美
- 裏切られた多文化主義――韓国における難民嫌悪をめぐる小考 / 趙慶喜
フェミニズムと軍事主義
- 文在寅政権と「慰安婦」問題への新方針――「被害者不在」から「被害者中心アプローチ」への転換 / 金富子
- 朝鮮半島の平和を求めるフェミニスト平和運動――Women Cross DMZ / 秋林こずえ
- リブの代償――戦後民主主義と「女性解放」に漂白された脱帝国のフェミニズム / 李杏理
朝鮮半島を語るための言葉
- 脱北女性たちが言葉を獲得するとき / 斎藤真理子
- 朝鮮文学における「朝鮮」の幅――移動と生活、一九二〇―一九四二 / 影本剛
- パルチザンへのレクイエム――北朝鮮と革命の黄昏 / 金杭
連載 瓦礫(デブリ)の未来
- 第一三回 導師(グル)(一) / 磯崎新
連載 科学者の散歩道
- 第四九回 煮詰まった世紀末――自伝的回想・序 / 佐藤文隆
連載 家族・性・市場
研究手帖
- 「過去向きの責任」と「未来向きの責任」 / 山口尚
■『現代思想』46-13(2018-9) 2018/09/01
遥かな過去を掘り起こし、まだ見ぬ未来を想像する
考古学はその発見のたびごとに人類史を書き換え、私たちの人間や社会をめぐる常識を揺さぶり続けてきた。本特集では、考古学の最前線から、現代思想やイメージ論への拡張的な側面まで、その尽きせぬ魅力を掘り起こしていく。
特集*考古学の思想
討議T
- 考古学と哲学 / 溝口孝司+國分功一郎+佐藤啓介
エッセイ
討議U
概論
- 考古学は/で何をするのか / 溝口孝司
考古学のフロント
- 強制移動と非正規移動の考古学 / Y・ハミラキス/村橋勲+古川不可知訳
- 鉛筆で紙に線を引く――考古学的痕跡 / 五十嵐彰
- 過去を資源化する考古学の現在――政治、環境、芸術 / 吉田泰幸
- 書かれた世界とその外部――江戸時代の「考古学者」たち / 内田好昭
- 近現代戦争記念碑の考古学――滋賀県の諸事例を中心にして / 辻川哲朗
考古学的方法
- 物質論的人文知(ヒューマニティーズ)としての「野生の考古学」――同時代への退行的発掘のために / 田中純
- 過去を復元する――その推論の理念と手法は学問の壁をまたぐ / 三中信宏
人類史の更新
- モノとヒトが織りなす技術の人類誌/史――考古学の可能性をめぐる民族誌フィールドからの応答 / 大西秀之
- 純粋な贈与はどこにあるのか、なぜあるのか?――Bataille からBaumard へ / 柳澤田実
現代思想との交差
- 考古学者が読んだハイデガー――考古学者はそこに何を発掘したのか? / 佐藤啓介
連載 瓦礫(デブリ)の未来
- 第一四回 導師(グル)(二) / 磯崎新
連載 分解の哲学
連載 科学者の散歩道
- 第五〇回 昭和新開地の駅前で――明日を待ちわびる時代に / 佐藤文隆
連載 家族・性・市場
研究手帖
- テクストの動態的な再構成 / 清水光明
■『現代思想』46-15(2018-10) 2018/09/01
大学はいまどこへ向かおうとしているのか?
日大アメフト部の反則行為、セクシュアル・ハラスメントやアカデミック・ハラスメント、学問の自由に対する政治家の不用意な発言、地方大学の存廃、就職活動の早期化による学生の疲弊、東京医科大学の得点操作……。大学が抱える様々な不条理を、学部生・院生・就活生・非常勤講師・スポーツ系の学生・芸術系の学生など「人」を中心に分析する。
特集*大学の不条理――力の構造
インタビュー
- 大学の不条理と未来――単線から複線へ / 吉見俊哉
ハラスメントの構造
- 日本大学事件の向こうに見えるもの / 初見基
- 大学はスポーツという資源を活用できているか / 高峰修
- キャンパス・ハラスメント・スキャンダルからみる大学のこの頃 / 北仲千里
- 指導と自律をめぐって――脳科学とスポーツ / 柏野牧夫
それぞれの不条理
- 大学教育の墓掘り人?――キャリア支援・教育はどこから来て、どこに向かうのか / 児美川孝一郎
- 奨学金問題の現状と今後の課題 / 大内裕和
- だれが教育を殺すのか――大学非正規教職員雇い止めの荒野から / 山家悠平
- 研究者と事務職員のメール対話 / 堀江秀史
制度への問い
- 大学のなかでこれ以上続いてはならないこと / 與那覇潤
- 学部はどう並んでいるか / 田村隆+山口輝臣
- 政治と行政について――「官邸」と「官僚」 / 重田園江
人文学と芸術学の行方
- 芸術教育とは何か? / 岡賦」二郎
- メディウムについて / 松浦寿夫
- 学校内学校を作ることから始める――大学はひとつではない / 谷口暁彦+ドミニク・チェン
- 学びと気付き / 藤幡正樹
新連載 政治的省察
- 第一回 問いの移動――政治があるところに政治はないか? / 宇野邦一
連載 瓦礫(デブリ)の未来
- 第一五回 祝祭(一) / 磯崎新
連載 分解の哲学
連載 科学者の散歩道
- 第五一回 「原子力時代」開闢のなかで――「ビキニ」で時代が動く / 佐藤文隆
連載 家族・性・市場
研究手帖
- カントのテクストへの接し方 / 網谷壮介
■『現代思想』46-17(2018-11) 2018/11/01
「多動力」から「大人のADHD」まで
時短、ライフハック、パラレルキャリア…われわれはなぜ難なくマルチタスクをこなすことが求められるのだろう。「ADHD」の診断名をもった人々が経験する世界から、「多動」を促される労働/生活空間まで。動きすぎる体と動かない体の協働に向けて、精神医療、当事者研究、教育、労働論、フェミニズムから議論する。
特集*「多動」の時代――時短・ライフハック・キグエコノミー
討議T
- 動きすぎる体/動かない体の〈コミュニケーション〉――吃音と不登校の交差点 / 伊藤亜紗+貴戸理恵
インタビュー
- ものすごく遠回りで、小さな共感のために――私の「ADHD」を生きる / 小島慶子
ADHD/多動と付き合う
- ADHDという個性をどう生きるか / 広野ゆい
- 多動をめぐる当事者研究 / 大嶋栄子
- 子どもも大人も朝から「半分、多動。」 / 岡崎勝
精神医療から問う
- 「多動」──アナタの何を信じ、何を愛すればいいのか / 鈴木國文
- ADHDの精神病理についてのノート / 松本卓也
思想からみた「多動」
- 動きすぎるものたちの現象学――ポスト・モダンの申し子とは誰のことか? / 稲垣諭
- 動く世界を生きる――多動と注意についての一考察 / 渋谷亮
討議U
- コンヴィヴィアリティを促す「共話」の力 / ドミニク・チェン+若林恵
「多動」的労働の現在
- ブルシット・ジョブの上昇――デヴィッド・グレーバーへのインタビュー / D・グレーバー/S・ワイズマン(き手)/芳賀達彦+森田和樹+酒井隆史訳
- なぜ、「多動力」が社会に受容されるのか? / 今野晴貴
- ワーキング・マザーの「長時間労働」――「ワーク・ライフ・過労死?」 / 山田陽子
「多動力」の未来
- 「他動力」――香港のタンザニア人の「多動力」 / 小川さやか
- 参加のテクノロジーとその行く先――「学校づくり」における建築家の新たな職能に関して / 牧野智和
短期集中連載 政治的省察
連載 瓦礫(デブリ)の未来
- 第一六回 導グル師(補)一 / 磯崎新
連載 分解の哲学
- 第一八回 ほどく、ほぐす、つくろう(3) / 藤原辰史
連載 科学者の散歩道
- 第五二回 宇宙新発見の時代を神風に――「核」から「相対論重力」へ / 佐藤文隆
連載 家族・性・市場
研究手帖
- 山中を歩くこと、道があるということ / 古川不可知
■『現代思想』46-18(2018-12) 2018/12/01
いま、図書館のこれからを考える
いま、日本の公共図書館は様々な模索をしている。本以外の生活必需品を貸し出し、人々が気軽に集える空間をつくり、子どもたちの相談にものる。また、被災地や過疎化が進む地域で、住民たちの繋がりのためのハブの役割を果たしたり、マイノリティにも平等に開かれた設備を整えたり……本特集では、民主主義と自由な学びの砦として、市民たち自身が支え合う図書館の未来と本の生態系について多角的に考察する。
特集*図書館の未来
インタビュー
- 図書館は民主主義の学校である / 岡本真
討議
- 新しい公共の場 / 猪谷千香+鎌倉幸子
公共図書館の実験
- 図書館と「ものがたり」――地方から考えるこれからの図書館 / 嶋田学
- “公共”図書館の行方 / 新出
- 人と共にある図書館の未来は明るい / 高橋真太郎
- 図書館を持つ複合の場から――その実践と近未来 / 小川直人
- 多からなる一――フレデリック・ワイズマン監督『エクス・リブリス ニューヨーク公共図書館』 / 鈴木一誌
学校図書館の行方
- ライフスタイルに溶け込む図書館――武庫川女子大学附属図書館の実践 / 川崎安子
- 二つの図書館を有すること――近畿大学アカデミックシアター 知の実験劇場 / 岡友美子
- 大学図書館とデジタルアーカイブ――東京大学における取り組みを例として / 中村覚
- 学校図書館という選択肢 / 今井福司
切り絵
- 孤独と連帯の回遊――solitude, solidarity / 鷲津影織
ささえあう空間
- 多様性を許容する図書館――認知症にやさしい図書館について考える / 呑海沙織
- 災害と図書館――情報の拠点が支える災害・復興支援 / 鎌倉幸子
歴史・未来・人
- 岐路に立つ図書館――図書館の歴史から見えてくること / 長尾宗典
- 図書館、未来の書棚、連想 / 高野明彦
- これからの図書館員像――情報の専門家/地域の専門家として / 福島幸宏
短期集中連載 政治的省察
連載 瓦礫(デブリ)の未来
- 第一七回 祝祭(二) / 磯崎新
連載 科学者の散歩道
- 第五三回 ブラックホール・ブームの中で――「人生の転機」 / 佐藤文隆
連載 家族・性・市場
研究手帖
- 歴史の宛先 / 植田今日子
UP: 20171231 REV: 20180128, 0306, 0405, 0430, 0614, 0628, 0727, 0827, 0926, 1127, 1228
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『現代思想』
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雑誌
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BOOK
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