ファミマ、客数きゃくすう減げん地獄じごく突入とつにゅうの兆候ちょうこう…ファミチキ先輩せんぱいCMに社内しゃないで異論いろん、燻いぶるローソン統合とうごう説せつ

ファミリーマートの店舗てんぽ（撮影さつえい＝編集へんしゅう部ぶ）

　ファミリーマート（ファミマ）のテレビCMが大おおきく変かわって、今いまは「ファミチキ先輩せんぱい」というキャラクターが主役しゅやくだ。テレビCMは、さすがにプロが四角しかくい袋ふくろの中なかに入はいって演技えんぎしているが、その他たの媒体ばいたい、ポスター、パンフレットなどに写うつっているファミチキ先輩せんぱいの袋ふくろの中なかには澤田さわだ貴司たかし社長しゃちょうが入はいって、嬉々ききとして演えんじている。

　澤田さわだ氏しは、休日きゅうじつにはトライアスロンのレースに出場しゅつじょうするほど体からだを鍛きたえており、バリバリの肉体にくたい派はだ。「筋肉きんにくオタク」（ファミマ幹部かんぶ）という評ひょうもある。

　このテレビCMは、澤田さわだ氏しの発案はつあんだ。「セブン－イレブンにはCMの本数ほんすうで絶対ぜったいに勝かてない。インパクトのあるものに変かえる」と宣言せんげんして、広告こうこく代理だいり店てんも替かえたという。

　ハロウィーンの後のちは、クリスマスのバージョンなどが登場とうじょうするが、袋ふくろの中なかに澤田さわだ氏しが入はいり続つづけるという。

　ファミチキ先輩せんぱいが登場とうじょうするCMのひとつに、「ファミマのおにぎりが美味おいしくなった」というバージョンがあった。おにぎりの味あじの刷新さっしんを説明せつめいする会議かいぎで、ファミチキ先輩せんぱいが居眠いねむりしているというストーリーだ。社内しゃないには「きちんと、おにぎりの味あじがどう変かわったかを説明せつめいするオーソドックスなコマーシャルのほうがいいのではないか」との声こえもあった。しかし、澤田さわだ氏しの鶴づるの一声いっせいで進すすめられているファミチキ先輩せんぱいのCM作戦さくせんなので、こうした意見いけんは社内しゃないでかき消けされ、“声こえなき声こえ”になってしまっている。

　ファミマを傘下さんかに持もつユニー・ファミリーマートホールディングスの髙柳浩二こうじ社長しゃちょうは、何なにかと大だい風呂敷ふろしきを広ひろげてマスコミ受うけを狙ねらっているように映うつる澤田さわだ氏しに対たいして、「やれることと希望きぼう（願望がんぼう）は区別くべつして発言はつげんしたほうがい」とクギを刺さしているが、澤田さわだ氏しのパフォーマンスは変かわらない。

　澤田さわだ氏しが飛とび跳はねる背景はいけいには、ユニー・ファミマの中なかでファミマの業績ぎょうせきが予想よそうより上向うわむかないことがあるようだ。ファミマの8月がつの既存きそん店てん売うり上あげは大手おおて3社しゃの中なかで唯一ゆいいつ、マイナスだった。9月も同どう売うり上あげは2％減げん、客数きゃくすうは3.5％減げん。売うり上あげは5月に1.2％増ぞうになったが、3、4、6、7、8、9月とマイナスで、客数きゃくすうは4月がつ以降いこう9月がつまで6カ月かげつ連続れんぞく減げんとなった。ファミマで新しん機軸きじくを次々つぎつぎと打うち出だしているのは、澤田さわだ氏しがスカウトしてきた人物じんぶつがいる「業務ぎょうむ改革かいかく室しつ」だ。社長しゃちょう直轄ちょっかつのこの部署ぶしょが独走どくそう気味ぎみだという。このスカウトされた人物じんぶつは、澤田さわだ氏しが現在げんざいも会長かいちょうを務つとめるコンサルタント会社かいしゃ、リヴァンプに在籍ざいせきしており、三菱商事みつびししょうじの出身しゅっしんというから奇縁きえんである。