脳のうの機能きのう、45～55歳さいが最盛さいせい期きだった…大人おとなでも頭あたまが良よくなり続つづける正ただしい勉強べんきょう法ほう

　それが自みずからの意思いしによるものか、それとも必要ひつように駆かられてのものかはともかく、社会しゃかい人じんになっても何なにかを学まなんだり、新あたらしい知識ちしきを覚おぼえたりする機会きかいは多おおい。ただ、やってみると思おもうように知識ちしきを吸収きゅうしゅうできなかったり、覚おぼえたことをすぐに忘わすれてしまったりして「やっぱり学生がくせい時代じだいと比くらべると物覚ものおぼえが悪わるくなっているんだな」とショックを受うけたり落おち込こんだりした経験けいけんがある人ひともいるだろう。ただ、脳のうの機能きのうは若わかい頃ころの方ほうが高たかいかというと、そうでもないようだ。

学生がくせい時代じだいと同おなじ勉強べんきょう法ほうはNG！大人おとなだからこそ効果こうか的てきな勉強べんきょう法ほう

　『一生いっしょう頭あたまがよくなり続つづける すごい脳のうの使つかい方かた』（加藤かとう俊徳としのり著ちょ、サンマーク出版しゅっぱん刊かん）は、脳のう内科ないか医いの著者ちょしゃが、大人おとなの脳のうの特性とくせいとそれに合あった学まなび方かたを解説かいせつする。本書ほんしょによると学生がくせい時代じだいの脳のうと大人おとなになってからの脳のうでは働はたらき方かたが違ちがうが、かならずしも学生がくせい時代じだいの方ほうが、脳のう機能きのうが優すぐれているともいえないようだ。少すくなくとも、大人おとなの脳のうにもまだ十分じゅうぶんな伸のびしろがある。

　ただし、学生がくせい時代じだいの勉強べんきょう法ほうと同おなじやり方かたで勉強べんきょうしても、思おもうように情報じょうほうを記憶きおくできない。学生がくせい時代じだいに丸まる暗記あんきなどが得意とくいで成績せいせきが良よかった人ひとほど、当時とうじと同おなじ勉強べんきょう法ほうで勉強べんきょうしても成果せいかがあがらず「物覚ものおぼえが悪わるくなった。もうトシだなぁ」となりやすい。

　ただ、記憶きおく力りょくは加か齢よわいによって下さがるものではなく、脳のう自体じたいの機能きのうは生涯しょうがいにわたって成長せいちょうし続つづけるのだそう。若わかい頃ころのように物事ものごとを覚おぼえられないのは、大人おとなになった今いまの自分じぶんの脳のうに合あった勉強べんきょう法ほうがわかっていないからだ。

大人おとなの脳のうに「丸まる暗記あんき」が向むいていないワケ

　こと記憶きおくについては、大人おとなの場合ばあいは単純たんじゅんに「これを覚おぼえよう」と思おもっても脳のうは思おもったように働はたらいてくれない。大人おとなが何なにかを覚おぼえようと思おもったら、「覚おぼえよう」と思おもうより、「理解りかいしよう」と頭あたまを働はたらかせるのが近道ちかみちだという。丸まる暗記あんきよりも、理屈りくつや意味いみに思おもいを馳はせることで記憶きおくに定着ていちゃくするのが大人おとなの脳のうの特徴とくちょうなのだ。

　脳のうの神経しんけい細胞さいぼうは年齢ねんれいとともに減少げんしょうしていく。これが「若わかい頃ころの方ほうが脳のうの働はたらきがいい」と信しんじられているゆえんだろう。しかし、脳のうの神経しんけい細胞さいぼう同士どうしをつなぐネットワークは年齢ねんれいに関係かんけいなく成長せいちょうしていく。このネットワークをフル活用かつようするのが大人おとなの学まなび方かたのコツである。

　たとえば、先さきほどの「理解りかいしよう」と頭あたまを働はたらかせて記憶きおくする方法ほうほうは、本書ほんしょでいうところの脳のうの「記憶きおく系けい番地ばんち」と「理解りかい系けい番地ばんち」を働はたらかせるやりかただ。脳のうにはこの他ほかにも「思考しこう系けい」「感情かんじょう系けい」「伝達でんたつ系けい」などの番地ばんちがあり、これらを連携れんけいさせることで、効率こうりつ的てきに学まなぶことができる。

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　多おおくの人ひとは40代だい以降いこうに脳のうの力ちからが衰おとろえたと感かんじるものだが、実際じっさいはそんなことはなく、脳のうが“旬しゅん”を迎むかえるのは30代だい～50代だい、なかでも45歳さいから55歳さいが脳のうの最盛さいせい期きなのだそう。だからこそ、今いまの自分じぶんの脳のうに適てきした学まなび方かたを見みつけられるかどうかで学まなびの成果せいかがまったく変かわってくるのである。

　勉強べんきょうはしようと思おもった時ときがはじめ時じ。その勉強べんきょうを実みのりあるものにするために、本書ほんしょで明あかされている知識ちしきは大おおいに役立やくだってくれるはずだ。（新刊しんかんJP編集へんしゅう部ぶ）
※本ほん記事きじは、「新刊しんかんJP」より提供ていきょうされたものです。