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UUUMから人気にんきユーチューバーが続々ぞくぞく流出りゅうしゅつうら事情じじょう…“再生さいせい回数かいすう依存いぞんがた転換てんかん

ぶん佐久間さくましょうだい/A4studio
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UUUMから人気ユーチューバーが続々流出の裏事情…“再生回数”非依存型へ転換の画像1
「Getty Images」より

 いまYouTuber市場いちばおおきな変化へんかときむかえているようである。

 たとえばおわら芸人げいにんのフワちゃんは、YouTubeでげたあとにテレビでもブレイクし、数々かずかずのバラエティ番組ばんぐみ出演しゅつえんするようになった。また、2人組にんぐみYouTuberの水溜みずたまりボンドは、YouTuberとしてはじめてラジオ番組ばんぐみ『オールナイトニッポン』(ニッポン放送にっぽんほうそう)のレギュラーパーソナリティに抜擢ばってき。このように、メディアにも進出しんしゅつするYouTuberが目立めだってきているのだ。

 その一方いっぽう国内こくないトップクラスのYouTuberといっても過言かごんではないHIKAKINやはじめしゃちょーらが所属しょぞくする大手おおてYouTuber事務所じむしょUUUM(ウーム)」では、人気にんきYouTuberがのYouTuber事務所じむしょ芸能げいのう事務所じむしょ移籍いせきしたり、あるいは独立どくりつしたりといった事例じれい相次あいついでいる。昨年さくねん9がつ太田おおたプロダクションに移籍いせきしたヴァンゆん、今年ことし2がつにフリー転身てんしん発表はっぴょうした木下きのしたゆうからが代表だいひょうてきなところだろう。

 今回こんかいはITジャーナリストの高橋たかはし暁子あきこに、こういったYouTuber市場いちば変化へんか理由りゆうや、かくYouTuber事務所じむしょんでいるあらたなこころみについてはなしいた。

広告こうこく収入しゅうにゅう徴収ちょうしゅうのビジネスモデルの限界げんかい

 そもそもYouTubeで収益しゅうえき方法ほうほうとしては、動画どうが再生さいせいながれるCMの広告こうこく宣伝せんでんりょう、「スーパーチャット」とばれるせん機能きのう、「チャンネルメンバーシップ」というつき定額ていがく会員かいいん制度せいど企業きぎょうとのタイアップによる報酬ほうしゅうという、おもに4つのルートがある。さらに、事務所じむしょ所属しょぞくしているYouTuberであれば、オリジナル商品しょうひん販売はんばいやイベントでも収入しゅうにゅうることが可能かのうだ。

 先述せんじゅつしたUUUMでは契約けいやくむすんだYouTuberにたいし、マネジメントや撮影さつえい制作せいさく支援しえんなどのサポート、タイアップを獲得かくとくするための企業きぎょうへの営業えいぎょう活動かつどうなどをおこなっている。UUUMがいまのビジネスモデルを確立かくりつしたのは、いつのことだったのだろうか。

「2013ねん設立せつりつされたUUUMは、所属しょぞくするYouTuberがすでにインフルエンサーとしてのちからっていたため、最初さいしょ通販つうはん収益しゅうえきようとかんがえていたようです。しかし想定そうていよりも商品しょうひんれず、YouTuberがタイアップする企業きぎょうとの法人ほうじん契約けいやくこまっていたということもあって、設立せつりつから数カ月すうかげつでマネジメント業務ぎょうむとくしていき、現在げんざいかたちになりました」(高橋たかはし

 そんなUUUMから所属しょぞくYouTuberの離脱りだつ続出ぞくしゅつしている最大さいだい要因よういんは、手数料てすうりょうたかさにあるという。

「UUUMは基本きほんてき広告こうこくりょうの2わり徴収ちょうしゅうしているのですが、自力じりきでやっていくことができないわけではないので、おおくのチャンネル登録とうろくしゃあつめているYouTuberにとっては、割高わりだかかんじられてしまいます。そういったYouTuberは、もっとサポート内容ないよう充実じゅうじつしており、べつ方法ほうほう収益しゅうえきようとしているほか事務所じむしょへの移籍いせき独立どくりつかんがえ、UUUMをはなれているわけです」(どう

 新興しんこうYouTuber事務所じむしょではどうやら、広告こうこくりょうをアテにしないビジネスモデルをさぐっているらしい。その背景はいけいには、YouTubeの一方いっぽうてき規約きやく変更へんこうによる影響えいきょうもあるそうだ。

「YouTubeの規約きやくは、昨年さくねんだけでも30かいくらい細々こまごま変更へんこうくわえられていて、最近さいきんでは、ども動画どうがへのターゲティング広告こうこく掲載けいさい停止ていしされました。こうした規約きやく変更へんこうはギリギリまでらされないため、ある突然とつぜん広告こうこく掲載けいさいできなくなる、収益しゅうえきがらなくなる、チャンネルが停止ていしさせられる……といった事態じたいがしばしば発生はっせいします。そのあたりの事情じじょうや、UUUMのような大手おおて事務所じむしょ打倒だとうするためのさくとして、投稿とうこう動画どうが再生さいせい回数かいすう依存いぞんしない戦略せんりゃく事務所じむしょえているということですね」(どう

プラットフォームを使つかいこなすしんビジネスモデルの創出そうしゅつ

 では具体ぐたいてきに、どんなYouTuber事務所じむしょあたらしいビジネスモデルをそうとしているのだろうか。

いちれいとして『Guild(ギルド)』という事務所じむしょは、広告こうこくりょうではなく企業きぎょうからのタイアップ広告こうこく収益しゅうえきげんとし、撮影さつえいとうをそちらからすというかたちっています。マネジメントりょうも、案件あんけんごとに価格かかくさだめたクリアな体制たいせいになっており、YouTuberとしては出費しゅっぴ固定こてい企業きぎょうがタイアップ案件あんけんってきてくれるので、基本きほんてきにはプラスになるのです。

 一方いっぽうで『Zeppy(ゼッピー)』という事務所じむしょは、投資とうし分野ぶんやとくしているため、ターゲティングの精度せいどたかくなっています。また、購買こうばいりょくのあるユーザーにたいして高額こうがく商品しょうひん広告こうこく掲載けいさいできるため、広告こうこく再生さいせい単価たんかがアップ。そのためZeppyのビジネスモデルは、企業きぎょうにとってはターゲットが明確めいかくなのでタイアップや広告こうこく掲載けいさいがしやすく、事務所じむしょやYouTuberにとっても広告こうこく再生さいせい単価たんかたかいため、収益しゅうえきにつながりやすい形態けいたいだといえるでしょう」(どう

 また、YouTuberのメディアへの進出しんしゅつも、再生さいせい回数かいすう左右さゆうされない生存せいぞん戦略せんりゃく一環いっかんなのだと高橋たかはしかたる。

「YouTuberの方々かたがたにおはなしうかがったり、公開こうかいされている情報じょうほうから調しらべたりしたのですが、おおくのYouTuberは広告こうこく収入しゅうにゅうだけだと、たいした収益しゅうえきげることはできません。会場かいじょうのレンタルや撮影さつえい機具きぐ調達ちょうたつ人件じんけんなど、撮影さつえいかかわる費用ひようもかなりかかるので、YouTube以外いがいのSNSやテレビなど、メディアにまたがって活躍かつやくすることで収益しゅうえき底上そこあげをはかるというかんがかたになったようです。

 ぎゃくにテレビや雑誌ざっしなどのメディアにとっても、わかいユーザーをむためにインターネットやインフルエンサーのちから活用かつようしたいという思惑おもわくがあります。たとえば『VAZ(バズ)』に所属しょぞくしているねおさんは、YouTubeやTikTokでインフルエンサーとなっていたため、女性じょせいファッション『Popteen』にスカウトされて読者どくしゃモデルになりました。

 このように、広告こうこく収入しゅうにゅうだけにたよれないYouTuberと、縮小しゅくしょうしつつあるメディアのかんがえは、ちょうど合致がっちしています。それが理由りゆうで、YouTuberがメディアで台頭たいとうする機会きかいえてきているのではないでしょうか」(どう

 YouTuberやかれらの所属しょぞく事務所じむしょあらたなビジネスモデルを創出そうしゅつし、すでにテレビなどで活躍かつやくしている俳優はいゆう・タレントがYouTubeに進出しんしゅつするなど、状況じょうきょうわってきている国内こくないのYouTuber市場いちば最後さいごに、その展望てんぼう高橋たかはしうらなってもらった。

いまYouTubeは、検索けんさく市場いちば最大手さいおおてであるGoogleのサービスであり、1ちょう6000おくえん以上いじょう広告こうこく収益しゅうえきげているので、よりサービスとして盤石ばんじゃくになっています。つまりYouTubeには、今後こんごもうまく利用りようしていく価値かちがありますし、ビジネスの手段しゅだんとしてYouTuberに参入さんにゅうするほう増加ぞうかしていくことでしょう。

 また、新型しんがたコロナウイルスの流行りゅうこうともな休校きゅうこうやテレワークの影響えいきょうで、YouTubeの視聴しちょう時間じかん非常ひじょうびています。テレビなどとちがい、情勢じょうせいおうじた新規しんきコンテンツがしやすいこともあって、現在げんざいのYouTubeはチャンスのだといえるのです。これからはいままでにない、あたらしい種類しゅるいのコンテンツがまれてくるかもしれないですね。一方いっぽうで、この騒動そうどう広告こうこくぬし減少げんしょうしているため、YouTuberの広告こうこく収入しゅうにゅう減少げんしょう傾向けいこうにあり、広告こうこく収入しゅうにゅうだけにたよあやうさが証明しょうめいされたかたちとなっています」(どう

 かねてからの再生さいせい回数かいすう依存いぞんしないビジネスモデルの模索もさく、そして視聴しちょう時間じかん増加ぞうかによって、まさに激動げきどううずにあるYouTube。世界せかいのありかたすらわりつつある昨今さっこん、そこからあらたなビジネスやエンタメの可能かのうせい開花かいかすることに期待きたいしたい。

ぶん佐久間さくましょうだい/A4studio)

A4studio

A4studio

エーヨンスタジオ/WEB媒体ばいたい(ニュースサイト)、雑誌ざっし媒体ばいたい週刊しゅうかん)を中心ちゅうしんに、時事じじけい、サブカルけい、ビジネスけいなどのトピックの企画きかく編集へんしゅう執筆しっぴつおこな編集へんしゅうプロダクション。
株式会社かぶしきがいしゃA4studio

Twitter:@a4studio_tokyo

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