個人こじん消費しょうひ、昨年さくねんの消費しょうひ増税ぞうぜい後ごにリーマン危機きき以上いじょうに低迷ていめい長引ながびく…政府せいふ、大型おおがた補正ほせい予算よさんか

「首相しゅしょう官邸かんてい　HP」より

　新聞しんぶん各紙かくしの報道ほうどうによれば、政府せいふは足元あしもとのマーケットの混乱こんらんや世界せかい経済けいざいの減速げんそくに対応たいおうすべく、5月26～27日にちに伊勢いせ志摩しまで開催かいさいされたG7サミット後のちに経済けいざい対策たいさくをまとめるとされている。

　経済けいざい対策たいさくの規模きぼについても、政府せいふ・与党よとう内ないで「5兆ちょう円えん超ちょう」や「10兆ちょう円えん前後ぜんこう」との見方みかたがあると報道ほうどうされている。また、熊本くまもと・大分おおいた両りょう県けんで4月がつ14日にち以降いこう相次あいついでいる地震じしんの復旧ふっきゅう・復興ふっこうに対たいして、大型おおがたの補正ほせい予算よさんが組くまれることが予想よそうされる。そこで以下いかでは、まず経済けいざい対策たいさくの規模きぼから予測よそくしてみよう。

GDPギャップ率りつ

　経済けいざい対策たいさくの規模きぼを設定せっていする際さいに一般いっぱん的てきに参考さんこうにされるのが、潜在せんざいGDPと実質じっしつGDPのかい離りを示しめすGDPギャップ率りつである。2015年ねん10－12月がつ期きのGDP二に次じ速報そくほうを反映はんえいした直近ちょっきんのGDPギャップ率りつは、内閣ないかく府ふの推計すいけいによれば▲1.6％に拡大かくだいしており、これを金額きんがくに換算かんさんすれば約やく8.6兆ちょう円えんとなる。

　政府せいふはすでに2015年度ねんどに総そう事業じぎょう規模きぼ3.5兆ちょう円えんの補正ほせい予算よさんを決きめており、今年度こんねんどからその効果こうかが出現しゅつげんすることが期待きたいされている。そして実際じっさいに、政府せいふは同どう年度ねんど補正ほせい予算よさんの経済けいざい効果こうかとして実質じっしつGDPを0.6％程度ていど押おし上あげると試算しさんしており、これを金額きんがくに換算かんさんすると3.2兆ちょう円えん程度ていどとなる。従したがって、経済けいざい対策たいさくの内容ないようにもよるが、少すくなくとも同どう年度ねんど補正ほせい予算よさんに近ちかい内容ないようの経済けいざい対策たいさくを前提ぜんていとすれば、事業じぎょう規模きぼの約やく9割わり分ぶんが実質じっしつGDPにカウントされる計算けいさんとなる。

　一方いっぽう、15年度ねんど補正ほせい予算よさんの経済けいざい効果こうかが出現しゅつげんしても、足元あしもとのGDPギャップを基準きじゅんとすれば、まだ8.6兆ちょう円えんから3.2兆ちょう円えんを引ひいた残のこりの5.4兆ちょう円えんのデフレギャップが残のこることになる。従したがって、少すくなくとも同どう年度ねんど補正ほせい予算よさんに近ちかい内容ないようで足元あしもとのGDPギャップを解消かいしょうするのに十分じゅうぶんな規模きぼの経済けいざい対策たいさくを前提ぜんていとすれば、5.4兆ちょう円えんを0.9で割わった結果けっかとして得えられる6兆ちょう円えん程度ていどの追加ついかの経済けいざい対策たいさくが必要ひつようとなる。

　ただ、4月がつ以降いこうに熊本くまもと県けんと大分おおいた県けんで相次あいついで発生はっせいしている地震じしんでは、巨額きょがくな資本しほんストックの被害ひがいが発生はっせいしていることが予想よそうされる。実際じっさい、内閣ないかく府ふによれば、今回こんかいの熊本くまもと地震じしんの被害ひがい額がくを2.4～4.6兆ちょう円えんと試算しさんしている。資本しほんストックの被害ひがい総額そうがくが1.7～3.0兆ちょう円えんと試算しさんされた新潟にいがた中越なかこし地震じしんにおいても、発生はっせい年度ねんどに打うち出だされた補正ほせい予算よさんの規模きぼが4.8兆ちょう円えんにも上のぼったことからすると、すでに閣議かくぎ決定けっていした熊本くまもと地震じしん対応たいおうの補正ほせい予算よさん案あん7780億おく円えんに加くわえて、5兆ちょう円えん程度ていどの復興ふっこう予算よさんが予想よそうされる。