警視庁観察係の存在を初めて知った。警察官と言っても人の子、難関な試験を突破しても色々な人間が
いるし、あらゆる誘惑もある。しかも警視庁には4万3000人も所属しているのだから、それは事件
が起こるのは当然だ。それを出来るだけ事件になる前に察知し動くのが観察係でエリート中のエリート。
並みのドラマが吹っ飛ぶ位の存在感で、その動きは凄すぎる。
本書には実際にあった事件をいくつも掲載されているが、正に事実は小説より奇なりを地でいった内容
のオンパレードで一つ一つ映画やドラマが作れそうだ。勿論あってはいけない事件で、組織防衛の為に
も未然に防ぐことを要求される。巻末には2017年4月に全国首席監察官会議において、不祥事は起
こりうるものとの認識に立って「不備指摘型」から「指導型」に転換するよう結論されている。
最後に政治学の格言で「権力は腐敗する。絶対権力は絶対腐敗する」という言葉を紹介しているが、今
の自民党政治家に当てはまるものだ。
警視庁観察係 今井良 小学館新書