vol.101
ドラマや映画、舞台などマルチに活躍する、ワタナベエンタ―テインメントの『俳優集団D-BOYS』。そんな彼らのDramaticなDream Lifeに直撃する連載企画! 今回は、この夏、出演作が盛りだくさんな山田裕貴くん&志尊淳くんが登場♪
撮影/宮坂浩見 取材・文/根岸聖子
山田裕貴
「志尊みたいなキュートな感じで、女のコの気持ちをくすぐる部分では、一生勝てないなと(笑)」
――お互い、最初に出会ったときのことは覚えていますか?
志尊淳「僕はD2に入ってからの最初のお仕事が、『D2のメシとも!』っていうABC朝日放送の番組でした。初めての撮影の時に会ったのが裕貴くんで、人見知りするし、緊張もしていて、裕貴くんのことは『山田さん』って呼んでました。16歳のときです」
山田裕貴「若っ! 志尊は真面目で好奇心旺盛な好青年って印象だったな。“何でも吸収していこう”という姿勢が感じられて、割と最初のうちからお芝居の話とかもしてたよね。いろいろ質問された記憶があるよ。向上心のある子なんだなって思ってたよ」
志尊「そういう話をするようになったのは、初めて出演したドラマ『ボクらが恋愛できない理由』のときからかな。裕貴くん、堀井新太、大久保祥太郎と一緒にやらせてもらって、青春群像劇でもあったので、『プライベートな雰囲気も出していけたらいいね』って話していたんです。裕貴くんと2人でご飯に行ったときに、思っていることを素直に言っていいんだなっていう空気を作ってくれたので、いろいろ聞くことができた。そうしたら、『そんなこと考えていたのか。もっとヘラヘラしてる子かと思ってたよ(笑)』って言われた記憶がある」
志尊 淳
――お二人はスーパー戦隊シリーズでの先輩・後輩でもありますね。
山田「そうそう! 僕が『海賊戦隊ゴーカイジャー』のときにずっと着ていたベンチコートを、志尊に託したんだよね。僕がゴーカイジャーをやっていたときにも志尊には現場の話をしていたから、“自分の想いをを託す”っていう意味でもね」
志尊「僕は当時、ミュージカル『テニスの王子様』をやっていて、裕貴くんから撮影現場の話をよく聞いていて。ずっと背中を追っている先輩だったから、『烈車戦隊トッキュウジャー』のオーディションのことも相談したんですよね」
山田「あったね! オーディション受けたって聞いたあと、『志尊、それはいけるよ!』って言ってたわ」
志尊「それで『決まったよ』って連絡したら、『うわぁ、悔しい〜! なんでお前、レッド(ライト/トッキュウ1号)なんだよ!』って言われました(笑)」
山田「ゴーカイジャーのゴーカイブルー(ジョー・ギブケン)をやったことで、自分がこれからやりたいポジションが見つかったし、すごく勉強にもなったんだけど、志尊がレッドって聞いたときは、やっぱり悔しかったし、羨ましかった。志尊はセンターに立てる人間なんだなって。もちろん、決まるだろうという予感しかなかったから、嬉しかったっていうのが根本にはあるけどね」
――様々な作品への出演が相次いでいるお二人。“次世代を担う若手役者”“ネクストブレイク”という風に言われていますが、どう感じていますか?
志尊「“雑誌のアンケートで1位だったよ!”とか言われると、もちろん嬉しいですけど、正直プレッシャーのほうが大きいです。期待をされているからには、何かを残さないといけない。でも、芝居に関しても、実績にしても、自分はまだまだなので」
山田「僕はスーパー戦隊シリーズでデビューっていう、いわゆる若手俳優の登竜門というところから入って、いろんなドラマ、映画とやらせてもらえるようになってきたので、自分ではコツコツやってきたなっていう印象なんです。割と最近まで、紹介されるときは必ず、“海賊戦隊ゴーカイジャーに出演していた”とか、“俳優集団D-BOYSの”……っていう肩書きがつくことが多かったんですが、最近は肩書きなく名前だけで発信されるようになってきた。それが一番、嬉しいですね。自分なりのやり方でやってきて、名前が出るようになってきて良かったなって」
――お互い、役者として尊敬できるところというのは?
志尊「僕にはできない役をやっているところですね。羨ましいなと思いつつ、負けていられないなっていう気持ちもあります。例えば、『ガチバン』や『HiGH&LOW』のような作品に憧れはあるけれど、僕はまだそのチャンスを掴めていない。今までの作品で、自分がそういう役柄もできそうだという可能性を感じさせられなかったということなので、まだまだ実力不足なんだなって思います」
――山田くんは、ヤンキー役もやれば、一方では少女マンガ原作にも出演していて、演じる役柄の幅を広げてきました。
山田「“カメレオン俳優”と言われるようなポジションに憧れはあったので、こだわらずにやっていきたいと思っていたし、今後もそうありたい。でも、志尊みたいな、キュートな感じで、女のコの気持ちをくすぐる部分では、一生勝てないなと(笑)。そこはもう、完全に白旗ですよ。でも志尊は、“同じ場所に留まっていたくない”っていう想いもあって、お芝居にも真剣に取り組んでるし、着実に経験値も上がってる。そういう貪欲さも含めて、志尊はすごいなって思う。これからはイヤな性格の役柄にも挑戦したりして、今までの印象との変貌ぶりで、さらに魅力を伝えられるはずだしね」
――というわけで、2人のこれからの出演作のお話も。
山田「ではまず、
志尊の
話から
聞きましょう(笑)。
映画『
全員、
片想い』ではどういう
役柄なの?」
志尊「8つの
片想いの
物語が
描かれるオムニバス
映画なんですけど、
新川優愛さんと
僕が
出る『
嘘つきの
恋』で
演じているマコトは、
好きな
女の
子からキスされそうになって、『
自分を
大切にしなきゃダメだよ』って
言っちゃうような、ものすごく
誠実でイイやつです」
山田「うわ、すごいな!
俺が
一生できないやつだ(笑)。あと『きみはペット』も
撮影しているんだよね?」
志尊「こっちも、“こんなやつ、いないだろ!?”って
役です。まず、“
飼われている
男子”っていないじゃないですか」
山田「
飼われているっていうのは、
同意の
上なの?」
志尊「そう。お
互い、
違う
恋愛も
進行中だったりするんだけど、
一緒に
過ごしていく
中で
徐々に
恋心に
発展していくっていう。そこの
複雑な
感情をどうやっていくかっていうのが
難しいんです。あと、ペットとしての
部分も、
比喩じゃなくて
本当のペットらしく
振る
舞わなくちゃいけなくて。
日々、
悩み、
試行錯誤しながらやっています。さっき
言っていた“イヤな
役柄”も、7
月17
日スタートのドラマ『そして、
誰もいなくなった』で
挑戦しています。
会社とプライベートでの
顔がまったく
違って
裏表がある、
今までやったことの
無い
役ですね。
裕貴くんも、7
月期にドラマありますよね? そして8
月には
主演舞台も」
山田「そう。7月13
日スタートの『
死幣』というドラマはホラーサスペンスで、お
金に
困っているときに、
目の
前に
出てくる“
呪われたお
金”に
翻弄される
人たちの
話です。
僕が
演じる
三浦智志は、
主演の
松井珠理奈さん
演じる
南 由夏から
憧れられる
先輩役で、カッコイイというか“ザ・いい
人”。
最近、そういう
役って
難しいなって
思うんです。ちゃんと
憧れられる
人じゃなきゃ、ドラマとして
成立しないので、いろいろ
考えることは
多いです。さらにもう1
本、7
月10日スタートのNHK BSプレミアムでの『
受験のシンデレラ』でも、
野球部のマネージャーに
好きになられる
役で。ドラマの
中で
恋愛模様の
要素を
担当しているので、
頑張らなきゃなと
思います。あと、
夏に
公開になる
映画『
青空エール』でも
野球部の
先輩を
演じているんですけど、
実際に
僕も
強豪校で
野球をやっていたから、リアリティを
出すために、
山田大介役の
竹内涼真にも
野球部先輩として、アドリブを
入れて
厳しく
当たりました。“
強豪校の
野球部って、こんな
感じだよな”っていう
意味でね」
志尊「そして、8
月の
主演舞台が……(ボケて)
上杉謙信?」
山田「いや、
宮本武蔵だよ!(笑)。
舞台『
宮本武蔵(
完全版)』は、
演出の
前田司郎さんの
考えが
反映された
作品で、
今も
昔も、
人の
本質というのはそんなに
変わらないんじゃないかっていうのがベースにあるのね。
伝説的な
人物の、
人間的な
細かい
部分を
掘り
下げていて、クスッて
笑うような
描写がすごく
多い。まだ
不確定な
要素もあるから、これからどういう
形になっていくのか、
僕も
楽しみです」
――これからの作品で、あえて、自分に一番近いキャラクターを挙げるとしたら?
山田「(宮本)武蔵かなぁ。剣豪っぽくない、脱力系の武蔵なので、普段の僕に近いかなと」
志尊「難しいですね……。『全員、片想い』は誠実で真っ直ぐな役柄だし、『そして、誰もいなくなった』と『きみはペット』はぜんぜん違うタイプの役だけど、裏と表がある役なんですよね。僕自身にも多少裏と表の顔はあるし、芝居に対する真っ直ぐな部分もあるから、両方を足して割った感じです(笑)」
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山田裕貴
やまだ・ゆうき
1990年9月18日生まれ、愛知県出身。7月10日スタートのドラマ『受験のシンデレラ』(毎週日曜 22:00〜 NHKBSプレミアム)、7月13日スタートのドラマ『死幣-DEATH CASH-』(毎週水曜 深夜24:10〜 TBS系)に出演。さらに、映画『HiGH&LOW THE MOVE』(7月16日公開)、映画『青空エール』(8月20日公開)映画『闇金ウシジマくん Part3』(9月22日公開)控える。
志尊 淳
しそん・じゅん
1995年3月5日生まれ、東京都出身。映画『全員、片想い』(7月2日公開)、7月17日スタートのドラマ『そして、誰もいなくなった』(毎週日曜 22:30〜 日テレ系)、ドラマ『きみはペット』(フジ系地上波深夜にて放送予定)に出演。11月26日には出演映画『疾風ロンド』が公開される。
ドラマ、映画、舞台で大活躍中! 俳優集団D-BOYS山田裕貴&志尊淳からデビューを夢見る読者へ、熱い応援メッセージ!!
山田くん主演!
舞台『宮本武蔵(完全版)』
8月19日(金)〜29日(月)東京芸術劇場 シアターイースト
劇団「五反田団」を主宰する鬼才・前田司郎が、同劇団初の本格時代劇として書き下ろし、2012年に上演された『宮本武蔵』。何度となく映画・ドラマや舞台で描かれてきた伝説的な“ヒーロー”としての宮本武蔵ではなく、生々しいまでに人間臭い、等身大の若者としての武蔵が描かれ、不器用な登場人物たちのコミュニケーション不全と、武士として生まれた者の命に対する葛藤を笑いの中であぶり出し、大きな反響を呼んだ。今回はこの作品に新たに加筆し、「宮本武蔵(完全版)」として上演。
志尊くん出演!
ドラマ『そして、誰もいなくなった』
7月17日(日)スタート 22:00〜 日テレ系(初回30分拡大)
※2話以降は22:30〜23:25
藤原竜也主演の予測不能な超本格派サスペンス。容姿端麗、頭脳明晰、家族や友人、恋人にも恵まれ、順風満帆な人生を送っていた主人公・藤堂新一。ある日、同姓同名の男“藤堂新一”の逮捕により、新一の人生の歯車が一気に狂い始める…。突如現れた、偽者に“人生を丸ごと乗っ取られ”、次々と押し寄せる不可解な事件の数々。一体、誰が、何のために!? 志尊は、新一の会社の後輩・五木啓太役で出演。