vol.90
ドラマや映画、舞台などマルチに活躍する、ワタナベエンタ―テインメントの『俳優集団D-BOYS』。そんな彼らのDramaticなDream Lifeに直撃する連載企画! 今回は、10月22日から上演されるDステ17th『夕陽伝』で共演する、瀬戸くん&荒井くん&池岡くんが登場♪
撮影/草刈雅之 取材・文/根岸聖子
瀬戸康史
「『夕陽伝』で瀬戸さん、遠藤(雄弥)さんと共演できるのは楽しみ。Dステは近くに目標とできる上手い人たちがいて、勉強ができるので」
――Dステ17th『夕陽伝』で共演する3人ですが、2010年の『ラストゲーム』で一度共演していますよね。
瀬戸「でも、
当時はあまり
絡んだ
印象ないんです」
池岡「そうですね。
僕はそれがデビュー
作だったんですよ。アンサンブルとして
出演しましがた、
初めてのことだらけで、
正直いっぱいいっぱいでした。D-BOYSの
先輩方とは、ほとんど
話せなかったです」
瀬戸「それからイケ(
池岡)とは、
去年のNHKの『ライド ライド ライド』の
撮影で、ずっと
栃木で
一緒だった。お
店も
周りに2
軒ぐらいしかなくて、しかも
閉まるのが
早いから、いつも
2人でご
飯に
行ってたよね?」
池岡「
栃木に
行く
新幹線も
一緒でしたし、
2人でお
笑いの
動画を
観たりして。
瀬戸さん、ピスタチオとか
先取りしてましたよね?(笑)」
瀬戸「そうだ、そうだ(笑)。(
荒井)
敦史とは『ラストゲーム』で
少し
絡んでたけど、それよりも、
最初に
会ったときはすごい
幼い
印象だったから、
会わない
間にどんどん
背が
高くなったなっていう
感じ。まさに、
親戚のおっちゃんみたいな
気持ちだよ。“あ〜、
大きくなったなぁ”って(笑)」
荒井敦史
荒井「でも
瀬戸さんは、
僕よりも
大久保(
祥太郎)とか
根岸(
拓哉)のほうが
気に
入ってましたよね!?
人見知りな
僕が6
年くらいかかるところを、あいつらはすぐ
懐に
入ってたし(笑)。あの
2人に
挟まれて、イジられて『やめろよ〜』と
言いつつ、
嬉しそうにしてましたよね!?(笑)」
瀬戸「あはははは!」
池岡「
敦史とは
同じ
年で、
同期に
近い
存在。
僕と
阿久津(
愼太郎)のことを
気にかけてくれて、『
一緒にご
飯行こうよ』って
誘ってくれていました」
荒井「
学校も
途中から
一緒だったしね」
――それぞれみなさんのDステに対する想いもお聞きしたいのですが。
瀬戸「
僕は
初演の『
完売御礼』から
参加してるから、“もう17
作品目なんだ!?”っていうのが
驚きです。あとは、
現代劇だけじゃなくて
歴史物、
時代物といった
作品にも
挑戦させてもらえるのが
嬉しいです。
今思えば、『ラストゲーム』は、
若いエネルギーだけで
押し
通せた
部分もあったけど、それは、
僕らがそういう
表現しかできなかったからで。
時を
重ねていくにつれて、
僕らも
表現のバリエーションを
学んできて、Dステも
少しずつ
深くなっている
気はします。イケは、どう!?」
池岡亮介
池岡「“
俳優集団D-BOYS”さんとして、
先輩方が
築いてきた
舞台の
中に、
僕ら、D2という
下のメンバーが
入ってきたこと、どう
思ってるのかずっと
気になってるんですけど」
瀬戸「なんだよ、D-BOYSさんって(笑)。
後輩の
存在について
思ってること? いや、
嬉しいよ。
僕らが
始めた
舞台のシリーズを
受け
継いでくれてる
人が
出てきたことは、すごく
嬉しい。D2メンバーでやった『TRUMP』とか、それまでのDステとちょっと
方向が
違った
作品だったし。
敦史は?」
荒井「
先輩と
久しぶりに
芝居ができるのは
嬉しいです。
前作『GARANTIDO』で
共演した
加治(
将樹)さんも、やっぱり
上手いな〜って
思ったし、『
夕陽伝』でも
瀬戸さん、
遠藤(
雄弥)さんと
共演できるのは
楽しみです。Dステは
近くに
目標とできる
上手い
人たちがいて、
勉強と
確認ができるので、すごくいい
場だと
思ってます」
――俳優集団D-BOYSのメンバーが中心となって作るDステと、ほかの舞台とでは、出演するときの意識は違ったりしますか?
池岡「
最初の
頃は、(
違いは)
少し
感じました。Dステは
身内だからこそ、“
下手なところは
見せたくない”っていう、
変なプライドがあった。でも、それはいらない
感情だったなって、
後から
気付きました。
身内だからこそ、もっとさらけ
出して、“ああ、アイツはこんなヤツだったんだ”と
発見することで、また
芝居が
変わってきたりする。それは
外の
現場でも
一緒なので、
今は
変わりはないです」
瀬戸「うん、それはわかるな。
僕も
変なプライドでトガッていたことがあったから。クールを
装うっていうか」
荒井「
僕はそれはなかったかな。
舞台は
編集とか、ごまかしようがないし、
恥をかきながら
成長していく
場所だと
思っていたから」
池岡「そうなんだよね。でも、
昔は、“
何も
言わずにできるのがカッコイイ!”って
思っていたんだよ(笑)」
瀬戸「わかる!」
池岡「
人間関係で
悩んだ
時期もあったし」
瀬戸「そうなんだ!?」
池岡「D-BOYSに
限らず、
高校生活とか、
自分がいる
場所によって、
立ち
位置とかキャラクターを
変えてたんです。そうじゃないと、そこにいられないと
思っていて」
瀬戸「まわりに
気を
遣い
過ぎていたってことか。それは
疲れるね」
池岡「だから、
最初は
外部の
舞台のほうがラクだったんです。
大人ばかりだから、
素直に
甘えることができて」
荒井「いいな〜。
僕は
実年齢より
上に
見られるから、
逆に
甘やかされなかった。『
里見八犬伝』のときとか、ひとつ
下の(
山普j
賢人は
可愛がられていたのに、
僕の
扱いが
全然違ってて、“もっと
可愛がってよ!”って
言ってたぐらい(笑)。
可愛さが
足らないのかな?」
瀬戸「
大人っぽく
見えて
損してると。でも
2人とも、まだ
後輩っぽい
後輩の
存在がいないんだよね、きっと。
俺は
碓井(
将大)あたりが
入ってきた
頃から、“
後輩ができたんだから、さらに
頑張らないと!”ってなったんだけど、まだ、そういう
存在っていないでしょ?」
池岡「いないですね。むしろ、まだ
甘えていたいです(笑)」
――では、Dステ次回作『夕陽伝』についても教えてください。
瀬戸「今回の作品は、日本の神話を下敷きにしていて、何かを抱えて生きている人たちの物語なので、全体的に切ないストーリーになっています。個人的には、好きな作風です。僕は、大和朝廷の時代に、政治を取り仕切る豪族の大王の息子・海里を演じるんですけど、イケの役柄はちょっと難しいよね」
池岡「そうですね。
切なさの
象徴みたいなところもあって。いろんな
怨念のかたまりでできちゃった
人っているじゃないですか。そういうキャラクターです」
瀬戸「
敦史は、
兄弟みたいにずっと
一緒に
育ってきた
間柄で、
本当に、いいヤツっていうか、
友だちになりたいなっていうキャラクターだよね」
荒井「ええ、
僕は
瀬戸康史先生、
専属です(笑)。ずっと
従っている
立場だけど、
関係性含めて
瀬戸さんに
近い
役なので、
稽古場からそういう
立ち
位置でいこうかなと。ちょっとウザいくらいな
感じで、
瀬戸さんのサポート、
一生懸命頑張りたいです。あとは、
前ちゃん(
前山剛久)に
斬られないように
注意しないと(笑)。
途中で、
僕らは
前ちゃんと(
高橋)
龍輝に
襲われるという
設定なので」
瀬戸「
前山って
運動できるの?」
荒井「どちらかと
言えば、
不器用なほうです(笑)。
一生懸命やってるけど」
瀬戸「なるほど、それはこちらが
気をつけないといけないな(笑)。あとは(
高橋)
龍輝に
頑張ってもらってね!」
荒井「
龍輝は、
殺陣とかの
動く
部分はもちろん、
笑いの
部分も
期待できそうですよね」
瀬戸「
物語的には、イケvs
俺らっていう
図式になるね」
池岡「そうですね。
悪役ってどこかしら
感情移入できたり、
愛おしく
思えたりもするじゃないですか。でも
今回、
最初に
台本を
読んだとき、
自分が
演じる毘流
古(ひるこ)に
全然感情移入できなくて。“こんなに
悪いヤツいるんだ!?”って
思ったんです」
瀬戸「まぁ、それもね。いろんな
理由あってのことだから。
日本のダークヒーローって、どこかに
悲しみがあるでしょ。
俺は毘流
古にも
感情移入できた」
池岡「でも、
感情移入できない
分、
無心で
芝居ができるかなっていうのは
思っています。
脚本の
末満(
健一)さんも、
僕が
演じるイメージで
書いてくれたみたいなので」
瀬戸「なるほどね。
何かが
見えたんじゃない? イケの
裏側が(笑)」
池岡「
僕、
他の
演出家さんにも『
池岡くんって、
世界に
興味ないよね!』とか『
笑顔、
死んでるよね』って
言われたりするんですよ(笑)。
本当にそう
見えていたら、
身の
振り
方考えなきゃですよね」
瀬戸「それは、
表現者としてはいいところでもあるんじゃない?
笑顔が
死んでる
人なんて、そうそういないでしょ(笑)」
池岡「でも、
悪役初めてなので、
楽しみです。
瀬戸さん、
悪役の
経験、ありますか?」
瀬戸「
犯罪者の
役はあるけど、
人としては、
僕は
割とできている
方なので(笑)。でも、やってみたいとは
思う。
完全に
悪いやつっていうのも」
池岡「
敦史は?」
荒井「
俺はヤンキー
役をはじめ、
結構やってるよ(笑)」
――では、最後にそれぞれ個人仕事の話も。瀬戸くんは現在ドラマ『エイジハラスメント』に出演中です。
瀬戸「入社3年目の総務の八方美人な王子様という役柄ですが、キャラクターとしては、腹黒さを前面に出していこうかなって思っていて。撮影現場は、総務部のキャストが本当に楽しくて。男飲み会をやったりしているので、総務部の男子チームで何かできたらなっていうのはあります。総務は何でも屋っていうか、メンバーが楽しいので、僕は幸せ者です(笑)」
――池岡くんは初のホラー映画『コープスパーティー』、いかがでしたか?
池岡「ホラー映画って、観るのは苦手だったんですけど、実際演じてみるとすごく楽しかったです。女のコの悲鳴って、テンション上がるんですよ(笑)。“ああ、ホラー映画で若くて可愛らしい女のコが出てくる理由は、これなのか”と(笑)。モニターチェックのときに隣にいた監督をチラッと観たら、監督もちょっとニヤニヤしてました。僕の役は、もともといいヤツなんですが、狂気に犯されて、あんなことをしてしまうという……。『コープスパーティー』は“死体のお祭り”という意味なので、原作がどんな風に映像化されているのかを楽しんでもらえればと思います」
――荒井くんは映画『脳漿爆裂ガール』が公開になりますが、こちらは悪そうな役柄!?
荒井「教育実習生でチャラい役です。大ヒットしたボカロ曲を実写映画した作品で、負けたら“脳漿炸裂”しちゃう女子高生同士のデスゲームを描いた作品です。僕が演じる久保賀大治は、女のコなら誰でもいいみたいなチャライ奴のくせに、告白してきた生徒に対して、『お前はちょっとな……』って言うんです! そんな最低な男の役です。そんな僕がデスゲームの中でどうなるのか、行く末をぜひ見てください」
◥
瀬戸康史
せと・こうじ
1988年5月18日生まれ、福岡県出身。現在放送中のドラマ『エイジハラスメント』(テレ朝系)に出演中。主演ドラマ『ライド ライド ライド』が8月30日にNHK総合にて地上波初放送。柳楽優弥とのW主演映画『合葬』が9月26日に公開。
荒井敦史
あらい・あつし
。1993年5月23日生まれ、埼玉県出身。公開中の映画『脳漿炸裂ガール』に出演中。『7Days BOYS 〜ボクタチの超☆育成計画〜』のDVD第3弾が8月5日に発売。9月20日、21日に開催される『7Days BOYS〜ボクタチの超☆育成計画〜後夜祭 育成完了!?ファイナル・カウントダウン・ライブ』に出演。
池岡亮介
いけおか・りょうすけ
1993年9月3日生まれ、愛知県出身。舞台『キャラメルボックス30th vol.3「時をかける少女」』、映画『コープスパーティー』出演中。12月に上演される残酷歌劇『ライチ光クラブ』への出演も決定。『7Days BOYS 〜ボクタチの超☆育成計画〜』のDVD第3弾が8月5日に発売。9月20日、21日に開催される『7Days BOYS〜ボクタチの超☆育成計画〜後夜祭 育成完了!?ファイナル・カウントダウン・ライブ』に出演。
Dステ17th『夕陽伝』
【東京公演】10月22日(木)〜11月1日(日)サンシャイン劇場
【大阪公演】11月21日(土)〜22日(日)森ノ宮ピロティホール
大和朝廷の時代。政治を取り仕切る凪大王(なぎのおおきみ/山本亨)は最愛の妻を亡くしてから心を病み、摂政・猿美弥(えみや/遠藤雄弥)任せなっていた。大王の子供・海里(かいり/瀬戸康史)と都月(つづき/宮撫H人)兄弟と、猿美弥の娘で幼馴染の陽向(ひなた/小芝風花)。正反対な2人と陽向。互いを思いやる友情はいつしか淡い恋心となり、それぞれの想いは交錯していく。
それから5年、大和王権は存亡の危機へと陥っていく。王位継承者である海里は意に介さず、その舎人・出雲(いずも/荒井敦史)とともに宮中を抜け出してしまう。すると突然、茂みから現れた富士丸(ふじまる/前山剛久)と陸奥(むつ/高橋龍輝)に襲われる。何とか難を逃れて宮中に戻った海里は、陽向が野蛮な民族として悪名高い真多羅(まだら/鈴木裕樹)のもとへ嫁ぐことを知る。「海里があたしを連れて逃げてくれる?」都月を気遣い、応えることの出来ない海里。
ほどなくして婚礼の儀が行われる中、海里は刺客たちに襲われてしまう。追いつめられた海里を助けたのが宮中の片隅にいた黒づくめの男、真多羅の御衛・毘流古(ひるこ/池岡亮介)だった。
血にまみれた婚礼は、海里たちの思いに反して終わりを迎える――。