和田わだ正人まさと「D-BOYSは最近さいきん、よくも悪わるくも固かたまってきていた感かんがあるので、いい刺激しげき、起爆きばく剤ざいが入はいったなと。これから彼かれが、どんな立たち位置いちを築きずくのか、どんなふうにD-BOYSを転ころがしてくれるのか。新しんメンバーであろうと、影響えいきょう力りょくを与あたえようと思おもえば大おおきく作用さようするからね」
宮みや�撫H人じん「僕ぼく自身じしん、D-BOYSに入はいって何なにができるんだろう!?というのを考かんがえていました。それまでは個人こじんで、ただの宮みや�撫H人じんで活動かつどうしてきて、自分じぶんのことだけ考かんがえていればよかった。D-BOYSの先輩せんぱいたちには今いままでもお世話せわになっていましたし、僕ぼく自身じしん、その中なかに入はいることで何なにかを起おこさないといけないなという想おもいはありつつ、まだ答こたえは明確めいかくには見みえてないんです。どんな意識いしきでいたらいいですか？」
和田わだ「そうだなぁ。俳優はいゆう集団しゅうだんとはいえ、いろんな個性こせいが混在こんざいしているのがD-BOYSだし、ユニットとしてのカラーがあるわけでもないんだよね。ただ、ひとつの勢力せいりょくが強つよくなれば、そちら側がわの色いろが強つよくなるというのはある。秋あき人じんが今いま頑張がんばっている、いわゆる2.5次元じげん舞台ぶたいというのは、我々われわれがかつて関かかわり、今いまは離はなれている分野ぶんやでもあるんだよね。そんなD-BOYSに、秋あき人じんの持もつ色いろを足たしたかった部分ぶぶんはあるかもしれない。特とくに、秋あき人じんがD-BOYSに身みを置おくことで、自分じぶんたちの本質ほんしつの部分ぶぶんであるDステが強化きょうかされるんじゃないかと。というのも、今回こんかいの『夕陽ゆうひ伝でん』で17作品さくひん目めになるDステは、僕ぼくらD-BOYSとしての財産ざいさんだと思おもってるんです。絶対ぜったいに守まもり、続つづけていくべきものだし、D-BOYSとしての大おおきな存在そんざい理由りゆうになっているから。Dステがあることで、僕ぼくらは演劇えんげきを作つくり上あげていく俳優はいゆう集団しゅうだんだって、ハッキリ言いい切きれる。僕ぼくらが作つくってきた道みちだし、もっともっと世よの中なかに発信はっしんしていきたいんです」
宮みや��「それを聞きいてスッキリしました。僕ぼく自身じしん、これからどうしたらいいんだろう!? とモヤモヤした気持きもちがあったんですが、Dステを背負せおえるぐらいの役者やくしゃになればいいんだと。今回こんかいは新あらたにD-BOYSに加入かにゅうしたこともあって、『夕陽ゆうひ伝でん』では二に番手ばんての役やくをいただきましたけど、いずれ、何なん年ねん後ごかに主役しゅやくを張はれたらいいなと思おもいますし、そのときはDステ、D-BOYSを引ひっ張ぱっていければと。そのときまでに、外そとの現場げんばでも、もっともっと経験けいけんを積つんでいこうと思おもいます」

宮みや��「一番いちばん最初さいしょは、Dステ『鴉からす〜KARASU〜04』（2009）での（舞台ぶたいセットなどの）バラしでしたね」
和田わだ「そういう人ひと、結構けっこう多おおいですよ。僕ぼくも、小ちいさい劇場げきじょうの作品さくひんでチケットの手て売うりしたし、瀬戸せともチラシを並ならべるのを手伝てつだったりしてね。劇場げきじょうに行いって現場げんばを見みて、勉強べんきょうしなさいという方針ほうしんなんですが、それはすごくいい経験けいけんになってます。舞台ぶたいに立たつだけだと、裏方うらかたスタッフさんの大変たいへんさや気持きもちもわからない。でも、それを知しってるからこそ、終演しゅうえん後ご、舞台ぶたいをバラしてるスタッフさんに『ありがとうございました！』と自然しぜんに挨拶あいさつができるんです」
宮みや��「確たしかに、バラしてるときに『よろしくお願ねがいします』『お疲つかれ様さまでした』って声こえをかけてから帰かえられる人ひとばかりで、嬉うれしかったのを覚おぼえてます。D-BOYSの人ひとたちは、みんないい人じんたちなんだなって」
和田わだ「D-BOYSのメンバー、みんな本当ほんとうに真面目まじめだから（笑）。僕ぼくらは初期しょきメンバーで、右みぎも左ひだりもわからない新人しんじんばかりだったから、“荒あれ地ちを耕たがやすのって、こんなに大変たいへんなんや”っていう感かんじだったけど（笑）。今いまは僕ぼくらが歩あゆんできた道みちがあるから、それを通とおってきてもいいし、違ちがう道みちに行いってみてもいい。城田しろた（優ゆう）や瀬戸せとをはじめ、僕ぼくらが模索もさくしながら開拓かいたくしてきた10年ねんだったけど、秋あき人じんに考かんがえて欲ほしいのは、想像そうぞうの一歩二歩いちぶにぶ先さきまで考かんがえて欲ほしいってことなんだよね。“Dステで主役しゅやくを張はる”という目標もくひょうのさらに先さきの……たとえば何なにかの演劇えんげき賞しょうを獲えるとか、そこまで目指めざして欲ほしい。まずは、考かんがえることから始はじめると、次第しだいに想像そうぞうできるようになってきて、早はやく取とり組くむことができるんだよ。そうすると、10歩ほで辿たどり着つける道みちのりが、7歩ほでゴールできたりするから。そういう、先さきを見据みすえて考かんがえる力ちからが、真面目まじめすぎるとできなくなるんだよね。真面目まじめなゆえに、大だいそれたことを考かんがえなくなってしまう。でも、先さきのことをイメージしてビジョンを描えがくと次つぎの道みちも開ひらいていく。城田しろたがまさにそんな感かんじだったけど、秋あき人じんも、ぜひそうであって欲ほしいんです」

宮みや��「最初さいしょは、瀬戸せとさんの弟おとうと役やくということしか知しらされてなくて、あとから重要じゅうような役やくだと知しって、プレッシャーと不安ふあんでいっぱいになりました。稽古けいこでは毎日まいにち悩なやんでいますし、D-BOYSの先輩せんぱい達たちは本当ほんとうにすごいなと思おもいながら、足掻あがいてます。11年ねん続つづいてきたD-BOYSとDステのすごさを肌はだで痛感つうかんさせられました。自分じぶんも一度いちど肩かたの力ちからを抜ぬいて、何なにを言いわれてもいいと覚悟かくごを決きめて、役やくとして一いち度ど作つくり上あげた物ものを壊こわしてみたんです。凝こり固かたまったものを壊こわすには、それしかないと。たとえ、マイナスに転ころがったとしても、壊こわせた勇気ゆうきを自分じぶんで認みとめればいいんだって」
和田わだ「Dステってさ、劇団げきだんと一緒いっしょで自由じゆうな創作そうさくな場ばなんだよ。なのに、今秋こんしゅう人じんが言いったようなコメントが出でてきてしまう。秋あき人じんは初はじめてだから仕方しかたがないんだけど、いろんなことを自由じゆうにやってみていいんだよ。だって、俺おれらの劇団げきだんなんだから。そんなに思おもい詰つめず、いろんなことを自由じゆうにやっていい。稽古けいこは答こたえ合あわせの場ばじゃなくて、試ためす場ばなんだから。正解せいかいを求もとめても仕方しかたがない。しかも、正解せいかいだって1つじゃないからね」
宮みや��「確たしかに。わかりました、これから意識いしきを変かえていこうと思おもいます」

和田わだ「映画えいがって観みる人ひとの人生じんせいに沿そってきているもので、この作品さくひんは、大人おとなの男おとこが傷きずつき、現実げんじつから逃にげ、行いき着つくところまで行いき着ついた結果けっか、そこから再生さいせいしていく物語ものがたりなんです。日本にっぽんを代表だいひょうする俳優はいゆうの佐藤さとう浩市こういちさんが主演しゅえんであり、また、『Deview』ユーザーと年齢ねんれいの近ちかい本田ほんだ翼つばささんが共演きょうえんしている、古ふるき良よき時代じだいの日本にっぽん映画えいがですよ。決けっして、派手はでな作つくりではないけれど、この作品さくひんを観みて、自分じぶんがこれからどうしていきたいのか、そんなことを少すこしでも考かんがえるキッカケになってくれたら嬉うれしいですね。自分じぶんはどんな想おもいを持もって、この芸能げいのう界かいを目指めざしているのか？　憧あこがれから野心やしんまで、人ひとそれぞれ、様々さまざまあっていいんだけど、テレビでの視聴しちょう率りつが落おちているとか日本にっぽん映画えいがの盛もり上あがりがいまひとつだとか、そういった巷ちまたで耳みみにするマイナス要素ようそを吹ふき飛とばすような想おもいも抱だいてくれたらと。先さきに話はなしていたように、一いち歩ほも二に歩ほも先さきを目指めざして欲ほしいんです。この業界ぎょうかい自体じたいを活性かっせいさせようという気持きもちを持もって、デビューを目指めざしていただけたとしたら、すごく頼たのもしく感かんじますし、一緒いっしょに仕事しごとしたいなって思おもいます」