鮎川あいかわ哲也てつや単語たんご

アユカワテツヤ

4.6千せん文字もじの記事きじ

鮎川あいかわ哲也てつや（あゆかわてつや）とは、日本にっぽんの推理すいり小説しょうせつ家いえ。

「本格ほんかくの驍将ぎょうしょう」と呼よばれた、いわゆる「本格ほんかく冬ふゆの時代じだい」の本格ほんかく推理すいりを代表だいひょうする作家さっか。アリバイ崩くずしの名手めいしゅとして多おおくの名作めいさくを残のこしたほか、後進こうしんの育成いくせいにも多大ただいな功績こうせきを残のこした。ファンからの愛あい称しょうは「鮎あゆ哲あきら」「あゆてつ」。

概要がいよう

1919年とし東京とうきょう生うまれ。本名ほんみょう・中川なかがわ透とおる。父ちちが南みなみ満州まんしゅう鉄道てつどうの職員しょくいんになったために大連たいれんに移うつり住すみ、旧制きゅうせい中学ちゅうがく卒業そつぎょうまで大連たいれんで育そだった。その後ごは病弱びょうじゃくだったため東京とうきょうの学校がっこうと実家じっかの満州まんしゅうを行いき来きする生活せいかつを続つづける。その間あいだに推理すいり小説しょうせつに目め覚さめ、F・W・クロフツの影かげ響ひびきを強つよく受うけた長編ちょうへん『ペトロフ事件じけん』を書かき上あげるが、引ひき揚あげの際さいに原稿げんこうを紛失ふんしつしてしまった。

終戦しゅうせん後ご、様々さまざまなペンネームで雑誌ざっしに作品さくひんを投稿とうこう。1950年ねん、紛失ふんしつした原稿げんこうをいちから書かき直なおした『ペトロフ事件じけん』が雑誌ざっし「宝石ほうせき」の百ひゃく万まん円えん懸賞けんしょうコンクールに一等いっとう入選にゅうせん（本名ほんみょうの「中川なかがわ透とおる」名義めいぎ）。「別冊べっさつ宝石ほうせき」に掲載けいさいされ本格ほんかくデビューしたが、その後ご宝石ほうせき社しゃと決裂けつれつしてしまいこのときは単行本たんこうぼん化かされなかった。

1956年ねん、講談社こうだんしゃが叢くさむら書しょ「書下かきおろし長篇ちょうへん探偵たんてい小説しょうせつ全集ぜんしゅう」全ぜん13巻かんの13巻かん目めを公おおやけ募つの。それに『黒くろいトランク』を応募おうぼし入選にゅうせん、初はじめての著書ちょしょとして刊行かんこうされ、ここから「鮎川あいかわ哲也てつや」のペンネームで活動かつどうを開始かいしする。

1958年ねんに刊行かんこうされた松本まつもと清張せいちょう『点てんと線せん』の大だいヒットをきっかけに社会しゃかい派は推理すいり小説しょうせつブームが巻まき起おこり、江戸川えどがわ乱歩らんぽや横溝よこみぞ正史せいしのような従来じゅうらいの探偵たんてい小説しょうせつが退潮たいちょうする中なか、鮎川あいかわは鬼おに貫ぬき警部けいぶ・丹那にな刑事けいじのコンビが活躍かつやくするアリバイ崩くずしのミステリを中心ちゅうしんに、いわゆる「本格ほんかく冬ふゆの時代じだい」の中なかにあって寡作かさくながらストイックに謎なぞ解とき中心ちゅうしんのミステリを書かき続つづけたため、「戦後せんご本格ほんかく派はの驍将ぎょうしょう」と呼よばれることになる。1960年ねん、『黒くろい白鳥しらとり』『憎悪ぞうおの化石かせき』の2作さくで第だい13回かい日本にっぽん探偵たんてい作家さっかクラブ賞しょうを受賞じゅしょう。

1980年代ねんだいでほぼ小説しょうせつ家かとしての活動かつどうを終おえたが（最後さいごの小説しょうせつは1991年ねんの短編たんぺん）、作家さっか活動かつどうの後期こうきからは雑誌ざっし「幻影げんえい城じょう」に連載れんさいされた「幻まぼろしの探偵たんてい作家さっかを求もとむめて」での埋うずもれた・忘わすれられた作家さっかの発掘はっくつに尽つき力ちから。また新人しんじん発掘はっくつと後進こうしんの育成いくせいに注ちゅう力ちからし、1989年ねんには「鮎川あいかわ哲也てつやと十じゅう三さんの謎なぞ」という叢くさむら書しょを東京とうきょう創そう元もと社しゃから刊行かんこう、自みずからのデビュー経緯けいいに倣ならってその13冊さつ目めを公おおやけ募つの（今こん邑彩が入選にゅうせん）。欲よく1990年ねんにはその企画きかくを発展はってんさせて自みずからの名なを冠かんした本格ほんかくミステリ長編ちょうへんの公おおやけ募つの新人しんじん賞しょう・鮎川あいかわ哲也てつや賞しょうが設立せつりつ、自みずからも選考せんこう委員いいんを務つとめた。また1993年ねんからはアマチュアの投稿とうこう短編たんぺんから優秀ゆうしゅう作さくを収録しゅうろくするアンソロジー『本格ほんかく推理すいり』の編集へんしゅう長ちょうを務つとめ、長編ちょうへん・短編たんぺんの両方りょうほうから数すう多おおくの本格ほんかくミステリの新人しんじん作家さっかを送おくり出だした。

これらの功績こうせきから、2001年ねんには第だい1回かい本格ほんかくミステリ大賞たいしょう特別とくべつ賞しょうを受賞じゅしょう。2002年ねん、83歳さいで死去しきょした。没ぼつ後ご、第だい6回かい日本にっぽんミステリー文学ぶんがく大賞たいしょう特別とくべつ賞しょうが追贈ついぞうされた。

作風さくふうなど

鮎川あいかわ哲也てつやといえば、時刻じこく表ひょうトリックのアリバイ崩くずしである。「時刻じこく表ひょうトリック」という鉄道てつどうの正確せいかくな運行うんこうを前提ぜんていにした日本にっぽん独特どくとくのトリックを編あみ出だしたのが鮎川あいかわ哲也てつやだった（なお、鮎あゆ哲あきら時刻じこく表ひょうトリックの第だい1作さくである『ペトロフ事件じけん』で使つかわれるのは南みなみ満州まんしゅう鉄道てつどうの時刻じこく表ひょう）。

そのトリックの複雑ふくざつさで究極きゅうきょくのハードコアアリバイ崩くずしミステリとでも言いうべき『黒くろいトランク』を筆頭ひっとうに、『黒くろい白鳥しらとり』『死しのある風景ふうけい』『人ひとそれを情死じょうしと呼よぶ』など、鬼おに貫ぬき警部けいぶが活躍かつやくするアリバイ崩くずしの名作めいさくは数多かずおおい。もちろんアリバイ崩くずししか書かけなかったわけではなく、鬼おに貫ぬきとは対照たいしょう的てきな超ちょう人的じんてき名めい探偵たんていの星ほし影かげ龍りゅう三さんが登場とうじょうする『りら荘そう事件じけん』（または『リラ荘そう殺人さつじん事件じけん』）のような、今いま読よんでもまさに「コテコテの本格ほんかくミステリ」としか呼よびようがない歴史れきし的てき名作めいさくもあれば、バー「三番館さんばんかん」のバーテンが客きゃくの持もち込こんだ謎なぞを解とく安楽あんらく椅子いす探偵たんていもののシリーズもある。

また短編たんぺんでも数多かずおおくの名作めいさくを残のこしており、国くに内うちの密室みっしつものの短編たんぺんを代表だいひょうする「赤あかい密室みっしつ」、まるで新本にいもと格かくのような遊あそび心ごころに溢あふれた犯人はんにん当あて「達也たつやが嗤う」、アリバイ崩くずし短編たんぺんの代表だいひょう作さく「五いつつの時計とけい」といたゴリゴリの本格ほんかくミステリから、「地ち虫むし」「絵えのない絵本えほん」のようなミステリ要素ようそのない幻想げんそう味あじのある作品さくひんまで多おお彩いろどり。

相当そうとうなレコードマニアであり、音楽おんがく関係かんけいのエッセイ集しゅうや、レコード蒐集しゅうの趣味しゅみを活いかした長編ちょうへんもある。

いわゆる「本格ほんかく冬ふゆの時代じだい」に謎なぞ解とき重視じゅうしの本格ほんかくミステリの灯ひを保たもち続つづけたこと、新本にいもと格かくの勃興きょう以後いごは新人しんじん賞しょう・アンソロジーで後進こうしんの育成いくせいに多大ただいな貢献こうけんをしたことから、鮎川あいかわ哲也てつやがいなければ現在げんざいの本格ほんかくミステリ界さかいは無むかったかもしれない。まさしく日本にっぽんの本格ほんかくミステリの驍将ぎょうしょうである。

……と、日本にっぽんのミステリ史上しじょう屈こごめ指ゆびの偉大いだいな巨匠きょしょうであるのは誰だれ一人ひとりとして異論いろんを挟はさむ余地よちがない存在そんざいだが、2024年ねん現在げんざい、鮎あゆ哲あきら作品さくひんが広ひろく読よまれているかというと、残念ざんねんながらそうとは言いえないというのが実情じつじょうである。『黒くろいトランク』『りら荘そう事件じけん』の2大だい代表だいひょう作さくこそ途切とぎれず流通りゅうつうしているものの、それ以外いがいで生いきている作品さくひんは決けっして多おおくなく、週刊文春しゅうかんぶんしゅんの2012年ねんのオールタイムベスト 100にランクインしている『黒くろい白鳥しらとり』すら品切しなぎれという状況じょうきょう。00年代ねんだいに光文社こうぶんしゃ文庫ぶんこと創つく元もと推理すいり文庫ぶんこに作品さくひんが網羅もうら的てきに収録しゅうろくされたのだが、そのほとんどが現在げんざいは品切しなぎれになってしまっている。
2021年ねんから光文社こうぶんしゃ文庫ぶんこが再ふたたび鮎あゆ哲あきら作品さくひんをちょくちょく再刊さいかんし、創はじめ元もと推理すいり文庫ぶんこ版はんが品切しなぎれしていた「三番館さんばんかん」シリーズ全ぜん6巻かんを全ぜん4巻かんに再さい編集へんしゅうしたバージョンを出だしたりしているので、少すこしは改あらため善ぜんされてきたが。

最大さいだいの問題もんだいはやはり、鮎あゆ哲あきらが最もっとも得意とくいとした時刻じこく表ひょうトリックのアリバイ崩くずしという概念がいねん自体じたいが、量産りょうさんされたトラベルミステリーのせいで陳腐ちんぷ化かしたうえ乗のり換かえ案内あんないのある現在げんざいでは完かん全ぜんに過去かこの遺物いぶつと化かしてしまったことだろう。他ほかにも特とくに初期しょき作品さくひんは女性じょせい蔑視べっし的てきな描写びょうしゃが多おおい（後期こうきは「自立じりつした女性じょせい」を書かこうとしていたものの、やはり現代げんだいの目めから見みると根本こんぽん的てきに女性じょせい観かんが古ふるくなってしまっている）あたりも、現代げんだいで改あらためめて鮎あゆ哲あきら作品さくひんが人気にんきを呼よぶには大おおきなネックになりそうである。

このまま「功績こうせきは偉大いだいだけど作品さくひんは読よまれない過去かこの巨匠きょしょう」になってしまうのか、それとも今後こんご揺ゆり戻もどしが来きて鮎あゆ哲あきらのアリバイ崩くずしに再ふたたび光ひかりが当あたることがあるのかはわからないが、ともかく現代げんだいの目めから見みると引ひっかかる部分ぶぶんがあることは認みとめた上うえで、現代げんだいの本格ほんかくミステリ好すきにオススメするならまずは『りら荘そう事件じけん』（角川かどかわ文庫ぶんこでは『リラ荘そう殺人さつじん事件じけん』）だろう。鬼おに貫ぬき警部けいぶものなら『黒くろい白鳥しらとり』が入門にゅうもん向むき。

最もっとも有名ゆうめいな『黒くろいトランク』は、ハードコアすぎて最初さいしょに読よむ鮎あゆ哲あきら作品さくひんとしてはオススメしにくいとはよく言いわれる。読よむならトリックの図解ずかいがついている光文社こうぶんしゃ文庫ぶんこ版はんがオススメ。短編たんぺん傑作けっさく選せんの『五いつつの時計とけい』『下くだり"はつかり"』から読よむのもアリだが、これはこれで短編たんぺん集しゅうとしては分厚ぶあつい＆ややお値段ねだんが高たかめなのでちょっとハードルが高たかいかも。

作品さくひんリスト

長編ちょうへん（発表はっぴょう順じゅん）

◆は鬼おに貫ぬき警部けいぶシリーズ、☆は星ほし影かげ龍りゅう三さんシリーズ。

ペトロフ事件じけん （1950年ねん）◆ ※単行本たんこうぼん化かは1960年ねん
黒くろいトランク （1956年ねん）◆
りら荘そう事件じけん （1958年ねん）☆ ※別べつ題だいに『リラ荘そう殺人さつじん事件じけん』
黒くろい白鳥しらとり （1959年ねん）◆
憎悪ぞうおの化石かせき （1959年ねん）◆
白しろの恐怖きょうふ （1959年ねん）☆^[1]
人ひとそれを情死じょうしと呼よぶ （1961年ねん）◆
翳かげある墓標ぼひょう （1962年ねん）
砂すなの城しろ （1963年ねん）◆
偽いつわりの墳墓ふんぼ （1963年ねん）◆
死者ししゃを笞むち打だて （1965年ねん）
死しのある風景ふうけい （1965年ねん）◆
宛先あてさき不明ふめい （1965年ねん）◆
準急じゅんきゅう”ながら” （1966年ねん）◆
積木つみきの塔とう （1966年ねん）◆
鍵かぎ孔あなのない扉とびら （1969年ねん）◆
風ふうの証あかし言げん （1971年ねん）◆
朱しゅの絶筆ぜっぴつ （1976年ねん）☆
戌いぬ神かみはなにを見みたか （1976年ねん）◆
沈黙ちんもくの函はこ （1978年ねん）◆
王おうを探さがせ （1979年ねん）◆
死しびとの座ざ （1982年ねん）◆

「三番館さんばんかん」シリーズ

初刊しょかん→創はじめ元もと推理すいり文庫ぶんこ版ばん

太鼓たいこ叩はたきはなぜ笑わらう （1974年ねん）
サムソンの犯罪はんざい （1976年ねん）
ブロンズの使者ししゃ （1984年ねん）
材木座ざいもくざの殺人さつじん （1986年ねん）
クイーンの色いろ紙かみ （1987年ねん）
モーツァルトの子守こもり唄うた （1992年ねん）

出版しゅっぱん芸術げいじゅつ社しゃ→光文社こうぶんしゃ文庫ぶんこ版ばん

竜王りゅうおう氏しの不吉ふきつな旅たび
マーキュリーの靴くつ
人ひとを呑む家いえ
クライン氏しの肖像しょうぞう

短たん編集へんしゅう（創そう元もと推理すいり文庫ぶんこ・光文社こうぶんしゃ文庫ぶんこのみ）

短たん編集へんしゅうは再さい編集へんしゅうや収録しゅうろく作さくの異動いどうが多おおいので、現状げんじょうでほぼ最新さいしんの文庫ぶんこである創はじめ元もと推理すいり文庫ぶんこと光文社こうぶんしゃ文庫ぶんこ版はんのみ記載きさい。鬼おに貫ぬき警部けいぶと星ほし影かげ龍りゅう三さんの中なか短編たんぺんは、後のちに長編ちょうへん化かされたもの以外いがいは全すべて光文社こうぶんしゃ文庫ぶんこで読よめる。

五いつつの時計とけい　鮎川あいかわ哲也てつや短編たんぺん傑作けっさく選せんⅠ （1999年ねん、創はじめ元もと推理すいり文庫ぶんこ）: 【収録しゅうろく作さく】五いつつの時計とけい / 白しろい密室みっしつ / 早はや春はるに死しす / 愛あいに朽くちなん / 道化師どうけしの檻おり / 薔薇ばら荘そう殺人さつじん事件じけん / 二ノ宮にのみや心中しんちゅうの / 悪魔あくまはここに / 不ふ完かん全ちょん犯罪はんざい / 急行きゅうこう出雲いずも
下くだり"はつかり"　鮎川あいかわ哲也てつや短編たんぺん傑作けっさく選せんⅡ （1999年ねん、創はじめ元もと推理すいり文庫ぶんこ）: 【収録しゅうろく作さく】地ち虫むし / 赤あかい密室みっしつ / 碑文ひぶん谷たに事件じけん / 達也たつやが嗤う / 絵えのない絵本えほん / 誰だれの屍体したいか / 他殺たさつにしてくれ / 金魚きんぎょの寝言ねごと / 暗くらい河かわ / 下くだり"はつかり" / 死しが二人ふたりを別わかつまで
消きえた奇術きじゅつ師し　星ほし影かげ龍りゅう三さんシリーズ （2007年ねん、光文社こうぶんしゃ文庫ぶんこ）: 【収録しゅうろく作さく】赤あかい密室みっしつ / 白しろい密室みっしつ / 青あおい密室みっしつ / 黄色きいろい悪魔あくま / 消きえた奇術きじゅつ師し / 妖塔とう記き
悪魔あくまはここに　星ほし影かげ龍りゅう三さんシリーズ （2007年ねん、光文社こうぶんしゃ文庫ぶんこ）: 【収録しゅうろく作さく】道化師どうけしの檻おり / 薔薇ばら荘そう殺人さつじん事件じけん / 悪魔あくまはここに / 砂すなとくらげと
白しろ昼ひるの悪魔あくま　鬼おに貫ぬき警部けいぶ事件じけん簿ぼ （2007年ねん、光文社こうぶんしゃ文庫ぶんこ）: 【収録しゅうろく作さく】白しろ昼ひるの悪魔あくま / 誰だれの屍体したいか / 五いつつの時計とけい / 愛あいに朽くちなん / 古銭こせん / 金きむ貨の首飾くびかざりをした女おんな / 首くび
早はや春はるに死しす　鬼おに貫ぬき警部けいぶ事件じけん簿ぼ（2007年ねん、光文社こうぶんしゃ文庫ぶんこ）: 【収録しゅうろく作さく】碑文ひぶん谷たに事件じけん / 一時いちじ一いち〇分ふん / 早はや春はるに死しす / 見みえない機関きかん車しゃ / 不ふ完かん全ちょん犯罪はんざい / 急行きゅうこう出雲いずも / 下くだり"はつかり"
わるい風ふう　鬼おに貫ぬき警部けいぶ事件じけん簿ぼ（2007年ねん、光文社こうぶんしゃ文庫ぶんこ）: 【収録しゅうろく作さく】青あおいエチュード / わるい風ふう / 夜よるの訪問ほうもん者しゃ / いたい風ふう / 殺意さついの餌えさ / MF計画けいかく / まだらの犬いぬ / 楡にれの木き荘そうの殺人さつじん / 悪魔あくまが笑わらう
アリバイ崩くずし　ベストミステリー短たん編集へんしゅう（2011年ねん、光文社こうぶんしゃ文庫ぶんこ）: 【収録しゅうろく作さく】北きたの女おんな / 汚点おてん / 下着したぎ泥棒どろぼう / 霧きりの湖みずうみ / 夜よるの疑惑ぎわく
謎なぞ解ときの醍醐だいご味あじ　ベストミステリー短たん編集へんしゅう（2011年ねん、光文社こうぶんしゃ文庫ぶんこ）: 【収録しゅうろく作さく】離はなれ魂たましい病やまい患者かんじゃ / 夜よるの断崖だんがい / 矛盾むじゅんする足跡あしあと / プラスチックの塔とう / 塗ぬりつぶされたページ / 緑色みどりいろの扉とびら / 霧きり笛ふえ
灰色はいいろの動機どうき　ベストミステリー短たん編集へんしゅう（2012年ねん、光文社こうぶんしゃ文庫ぶんこ）: 【収録しゅうろく作さく】人買ひとかい伊い平ひらた治ち / 死しに急いそぐもの / 蝶ちょうを盗ぬすんだ女おんな / 結婚けっこん / 灰色はいいろの動機どうき / ポロさん
崩くずれた偽装ぎそう　ベストミステリー短たん編集へんしゅう（2012年ねん、光文社こうぶんしゃ文庫ぶんこ）: 【収録しゅうろく作さく】呼よびとめる女おんな / 囁ささやく唇くちびる / あて逃にげ / 逆さかさの眼め / 扉とびらを叩く / 赤あかい靴下くつした / パットはシャム猫ねこの名な / 哀あわれな三塁手さんるいしゅ
完璧かんぺきな犯罪はんざい　ベストミステリー短たん編集へんしゅう（2013年ねん、光文社こうぶんしゃ文庫ぶんこ）: 【収録しゅうろく作さく】小ちいさな孔あな / 或あるる誤算ごさん / 錯誤さくご / 憎にくい風ふう / わらべは見みたり / 自負じふのアリバイ / ライバル / 夜よるの演出えんしゅつ
黒くろい蹉跌さてつ　鮎川あいかわ哲也てつやのチェックメイト（2021年ねん、光文社こうぶんしゃ文庫ぶんこ）: 【収録しゅうろく作さく】晴はれのち雨あめ天てん / 井上いのうえ教授きょうじゅの殺人さつじん計画けいかく / 偽いつわりの過去かこ / 蟻あり / 未み草くさ / あんこう鍋なべ / 首くび / 笑わらう鴉からす
白しろい陥穽かんせい　鮎川あいかわ哲也てつやのチェックメイト（2021年ねん、光文社こうぶんしゃ文庫ぶんこ）: 【収録しゅうろく作さく】白しろい盲点もうてん / 暗くらい穽 / 鴉からす / 夜よるを創つくる / 墓はか穴あな / 尾行びこう / 透明とうめいな同伴どうはん者しゃ / 葬送そうそう行進曲こうしんきょく

脚注きゃくちゅう

*「鮎川あいかわ哲也てつやと十じゅう三さんの謎なぞ」の1冊さつとして『白樺しらかんば荘そう事件じけん』というタイトルでリメイクが予定よていされていたが、未み完成かんせいに終おわった。その後ご、2017年ねんに論ろん創そう社しゃから『白しろの恐怖きょうふ』と未完みかんの『白樺しらかんば荘そう事件じけん』を一緒いっしょに収録しゅうろくした『鮎川あいかわ哲也てつや探偵たんてい小説しょうせつ選せん』が刊行かんこうされた。