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辞書じしょ
［1363?〜1443?］室町むろまち前期ぜんきの能役者のうやくしゃ・能のう作者さくしゃ。観阿弥かんあみの長男ちょうなんで、2代目だいめの観世かんぜ大夫たいふ。本名ほんみょう、観世かんぜ元もと清きよし。通称つうしょう三さん郎ろう。足利あしかが義満よしみつの後援こうえんを得えて、能楽のうがくを大成たいせいした。「風姿ふうし花はな伝でん」「花はな鏡きょう」「至いたり花道かどう」ほか20余よ部ぶの伝書でんしょは、日本にっぽんの芸術げいじゅつ論ろんを代表だいひょうする。能のうの作品さくひんに「高砂たかさご」「老松おいまつ (おいまつ) 」「清きよし経けい」「井筒いづつ」「砧きぬた」「班はん女おんな (はんじょ) 」「融とおる (とおる) 」など多数たすう。
出典しゅってん：デジタル大辞泉だいじせん（小学館しょうがくかん）
ぜあみじゅうろくぶしゅう【世阿弥ぜあみ十じゅう六ろく部ぶ集しゅう】
能楽のうがく書しょ。吉田よしだ東伍とうご校こう注ちゅう。明治めいじ42年ねん（1909）刊かん。世阿弥ぜあみの伝書でんしょ16部ぶを翻刻ほんこく・校訂こうていしたもの。能楽のうがく研究けんきゅうの基本きほん的てき資料しりょう。「風姿ふうし花はな伝でん（花はな伝書でんしょ）」「花はな伝書でんしょ別紙べっし口伝くでん」「至いたり花道かどう」「二に曲きょく三さん体たい人形にんぎょう図ず」「三さん道どう（能のう作さく書しょ）」「花はな鏡きょう」「曲きょく付づけ次第しだい」「風ふう曲きょく集しゅう」「五ご音曲おんぎょく条々じょうじょう」「遊楽ゆうらく習道風見かざみ」「九きゅう位い」「習道書しょ」「申楽さるがく談だん儀ぎ（世子せいし六ろく十じゅう以後いご申楽さるがく談だん儀ぎ）」「夢ゆめ跡あと一いち紙し」「却来華はな」「金島かねしま書しょ」。のち、世阿弥ぜあみの伝書でんしょは、「花はな習内抜書ぬきがき（能のう序破急じょはきゅう事ごと）」「音曲おんぎょく声ごえ出口いでぐち伝つたえ」「五ご位い」「六ろく義ぎ」「五音ごいん」「拾じつ玉だま得とく花はな」が発見はっけんされた。
出典しゅってん：青空あおぞら文庫ぶんこ
･･･はできないのである。世阿弥ぜあみの能楽のうがくに関かんする著書ちょしょなど、いわゆる文章ぶんしょうとし･･･ 寺田てらだ寅彦とらひこ「科学かがくと文学ぶんがく」
･･･たとえば世阿弥ぜあみの「花はな伝書でんしょ」や「申楽さるがく談義だんぎ」などを見みてもずいぶんおもし･･･ 寺田てらだ寅彦とらひこ「俳諧はいかいの本質ほんしつ的てき概論がいろん」
･･･心敬しんけいは猿楽さるがくの世阿弥ぜあみを無双むそう不思議ふしぎとほめているが、我々われわれから見みても無双むそう不ふ･･･ 和かず辻つじ哲郎てつろう「埋うずもれた日本にっぽん」
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