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映画ドラえもん のび太の恐竜2006 - Wikipedia

映画えいがドラえもん のび恐竜きょうりゅう2006

日本にっぽんのアニメーション映画えいが (2006)

映画えいがドラえもん のび恐竜きょうりゅう2006』(ドラえもん のびたのきょうりゅうにいまるまるろく)は、2006ねん公開こうかいされた日本にっぽんアニメーション映画えいが監督かんとく渡辺わたなべあゆみ1979ねんから連載れんさいされた長編ちょうへん漫画まんがドラえもん のび恐竜きょうりゅう』の2度目どめのアニメ映画えいが作品さくひん1980ねん公開こうかいされた1度目どめのアニメ映画えいが作品さくひん『ドラえもん のび恐竜きょうりゅう』のリメイク[1]

映画えいがドラえもん のび恐竜きょうりゅう2006
監督かんとく 渡辺わたなべあゆみ
脚本きゃくほん 渡辺わたなべあゆみ楠葉くずはひろしさん
原作げんさく 藤子とうこ・F・不二雄ふじお
出演しゅつえんしゃ 水田すいでんわさび
大原おおはらめぐみ
かかずゆみ
木村きむらすばる
せき智一ともかず
神木しぼく隆之たかゆきかい
内海うつみ賢二けんじ
船越ふなこし英一郎えいいちろう
劇団げきだんひとり
音楽おんがく 沢田さわだかん
主題歌しゅだいか スキマスイッチボクノート
制作せいさく会社かいしゃ シンエイ動画どうが
製作せいさく会社かいしゃ 映画えいがドラえもん制作せいさく委員いいんかい
配給はいきゅう 東宝とうほう
公開こうかい 2006ねん3月4にち
上映じょうえい時間じかん 106ふん
製作せいさくこく 日本の旗 日本にっぽん
言語げんご 日本語にほんご
興行こうぎょう収入しゅうにゅう 32.8おくえん
前作ぜんさく ドラえもん のびのワンニャン時空じくうでん
つぎさく 映画えいがドラえもん のびしん魔界まかいだい冒険ぼうけん 〜7にん魔法使まほうつかい〜
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シンエイ動画どうが制作せいさく。まんがドラえもん誕生たんじょう35周年しゅうねん記念きねん作品さくひん[2]

キャッチコピーは「きみがいるから、がんばれる。[3]」、「うまれたて、映画えいがドラえもん。[4]

概要がいよう

編集へんしゅう

2005ねん4がつのTVアニメ大幅おおはばリニューアル(これ以降いこうをアニメだい2さくだい2ぶ)はつ映画えいが作品さくひん2006ねん3月4にち全国ぜんこく公開こうかい映画えいがとしては2ねんぶり)[1]興行こうぎょう収入しゅうにゅうは32おく8000まんえん[5]

当時とうじ最新さいしん学説がくせつれられるなど、1度目どめのアニメ映画えいがとはことなるてんいくつかある[6]

スネおっとティラノサウルスつめ化石かせき自慢じまんされたのびは、くやまぎれに「自分じぶん恐竜きょうりゅうまるごといちひき化石かせき発掘はっくつしてみせる」「もし出来できなかったらはなからスパゲッティべてやる」と宣言せんげんしてしまう。翌日よくじつ近所きんじょがけ採掘さいくつ作業さぎょうはじめたのびは、偶然ぐうぜんにも恐竜きょうりゅうらしきたまご化石かせき発掘はっくつする。タイムふろしきによって1おくねんまえ姿すがたもどされ、のび体温たいおんあたためられたたまごからは首長しゅちょうりゅう一種いっしゅフタバスズキリュウかえった。のびはそれをピーすけ名付なづけ、成長せいちょうさせてからスネおっととジャイアンにせてにんをギャフンとわせようと決意けついする。しかし、ピーすけ成長せいちょうするごとに巨大きょだいになっていき、飼育しいく場所ばしょ公園こうえんいけうつしたものの目撃もくげきだんひろがってしまう。やがてダイバーによるいけ捜索そうさく活動かつどうはじまったうえ、未来みらいからやってきたくろマスクのおとこにピーすけわたすよう脅迫きょうはくされたのびは、タイムマシンでピーすけはく亜紀あきかえこと決意けついする。くろマスクの追撃ついげきり、はく亜紀あきうみ辿たどいたのびはピーすけりにして21世紀せいき帰還きかんした。

宣言せんげん達成たっせいできなかったのびはジャイアンとスネおっとはなからスパゲッティをわされそうになり、しずかからも「うそいたのにみとめないのはおとこらしくない」と非難ひなんされてしまう。やむなくタイムテレビでみなにピーすけせようとしたものの、そこにはエラスモサウルス包囲ほういされたピーすけ姿すがたうつっていた。じつくろマスクの攻撃こうげきでタイムマシンの空間くうかん移動いどう装置そうち損傷そんしょうしており、日本にっぽん近海きんかいではなく北米ほくべい大陸たいりくりにしてしまったのだ。てもってもいられなくなったのびはタイムマシンでピーすけしたかおうとし、みなもそれに同行どうこうする。1おくねんまえ北米ほくべい大陸たいりく辿たどき、ピーすけとの交流こうりゅう恐竜きょうりゅう時代じだい冒険ぼうけん満喫まんきつした一同いちどうだが、そのよるドラえもんが絶望ぜつぼうてき事実じじつかたはじめる。さき損傷そんしょうくわえて定員ていいんオーバーで搭乗とうじょうしたせいでタイムマシンは完全かんぜん故障こしょうしてしまい、いちおくねんにのびつくえ存在そんざいする座標ざひょう(=ちょう空間くうかんへの出入でいぐち)にかなければ時間じかん移動いどう不可能ふかのうになってしまったのだ。

やむなく一同いちどうはスネおっとのアイデアにしたがい、1にち4あいだタケコプターで、のこりの時間じかん徒歩とほ移動いどうすることでバッテリー消耗しょうもうおさえながら、まだ水没すいぼつしていないリング海りんぐかいかい経由けいゆして日本にっぽんかうこと決意けついする。オルニトミムスやティラノサウルスを桃太郎ももたろうしるしのきびだんごなずけるなどしながら過酷かこくたびつづける一同いちどうだが、ケツァルコアトルス襲撃しゅうげきついにタケコプターが故障こしょうしてしまい、桃太郎ももたろうしるしのきびだんごもたにとしてうしなわれてしまう。そこにあらわれたくろマスクひきいる恐竜きょうりゅうハンターたちは「ピーすけわたせば、きみたちを21世紀せいきおくってあげよう」と懐柔かいじゅうはかるが、のびたち拒否きょひする。前例ぜんれいがないほど人間にんげんなついた恐竜きょうりゅうであるピーすけあきらめきれないくろマスクは、やとぬしのドルマンスタインにのびたち捕獲ほかく、すなわち「人間にんげんり」を提案ていあんする。

ラジコンを利用りようした陽動ようどう作戦さくせん逃亡とうぼう時間じかんかせごうとするドラえもんたちだが、あえなく作戦さくせん露見ろけんし、しずか、スネおっと、ジャイアンは恐竜きょうりゅうハンターのアジトにとらえられてしまう。かれらをたすけるべくアジトへ侵入しんにゅうしたドラえもんとのびにはティラノサウルスがけしかけられ、絶体絶命ぜったいぜつめい危機ききおちいる。だがそのティラノサウルスはかつて桃太郎ももたろうしるしのきびだんごでなずけた個体こたいだった。一同いちどう反撃はんげき開始かいしし、ティラノサウルスがドルマンスタインのペットであるスピノサウルス対決たいけつするなか戦闘せんとう余波よはでアジトは崩壊ほうかい水没すいぼつしていく。ドラえもんはのびたちらえられた恐竜きょうりゅうよん次元じげんポケットに収納しゅうのうし、懸命けんめいおよぐピーすけつかまることでかろうじてアジトから脱出だっしゅつした。その事態じたい察知さっちしてあらわれたタイムパトロール恐竜きょうりゅうハンターたち全員ぜんいん逮捕たいほされた。

すべてのひみつ道具どうぐうしなったにもかかわらず、一同いちどうはタイムパトロールのりずに成長せいちょうしたピーすけ背中せなかこと目的もくてき目指めざす。やがて辿たどいた小島こじまにはちょう空間くうかんへの出入でいぐちひらいており、近海きんかいにはフタバスズキリュウのれが棲息せいそくしていた。ピーすけかえるべき場所ばしょ辿たどいたことをさとったのびは、きながらわかれをげて21世紀せいき帰還きかんした。そのよる、のびはかつてピーすけあそんだボールをたまごあたためていたときのようにきしめて、ピーすけしあわせをねがいながらねむりにつくのだった。

こえ出演しゅつえん

編集へんしゅう

表記ひょうきじゅん本編ほんぺんクレジットにじゅんじる。

登場とうじょうする恐竜きょうりゅう古代こだい生物せいぶつ

編集へんしゅう
  • ティラノサウルス - オープニングまえに、恐竜きょうりゅうハンターらしき人物じんぶつおそわれた。だが1980ねんばんおなじく、ドラえもんいちぎょうなん襲撃しゅうげきし、アラモサウルスのれを襲撃しゅうげきにドラえもんので"桃太郎ももたろうしるしのキビダンゴ"をべて、大人おとなしくなる。その恐竜きょうりゅうハンターにらえられるもドラえもんたち縦横無尽じゅうおうむじんあばまわる。
  • フタバスズキリュウ
  • エラスモサウルス - 北米ほくべい近海きんかい大型おおがた首長しゅちょうりゅう異種いしゅのピーすけ仲間なかまとはみとめず、れで威嚇いかくしていた。
  • オルニトミムス
  • トリケラトプス
  • パラサウロロフス
  • アラモサウルス - 1980年版ねんばんではアパトサウルスが登場とうじょうしていたが、ほんさくでははく亜紀あき北米ほくべい大陸たいりく最大さいだいりゅうあしるいとして登場とうじょうしている。
  • プテラノドン - 1980年版ねんばんではドラえもんいちぎょう襲撃しゅうげきしているが、ほんさくでは海辺うみべのシーンですこ登場とうじょうしただけである。
  • ケツァルコアトルス - 1980年版ねんばんではプテラノドンが渓谷けいこくにてドラえもんいちぎょう襲撃しゅうげきしているが、ほんさくではプテラノドンを凌駕りょうがする大型おおがたつばさりゅうとして登場とうじょうしている。
  • スピノサウルス - ドルマンスタインのふだ世界せかい最大さいだい大型おおがたじゅうあしるいであり、時代じだい生息せいそくことなる恐竜きょうりゅうしゅだが、ドルマンスタインがれてきた。公開こうかいぜん情報じょうほうせられていた「かくれキャラクター」であり、ティラノサウルスとの対決たいけつは『ジュラシック・パークIII』のオマージュネタである。

特報とくほう」ムービー制作せいさくスタッフ

(7がつ中旬ちゅうじゅんから劇場げきじょう公式こうしきホームページでながされた最初さいしょ特報とくほうでドラえもん、のび、ピーすけるタイムマシンがくろマスクがるタイムマシンにおそわれるシーンがメイン。この特報とくほう本編ほんぺんDVDにも収録しゅうろくされていない。これ以外いがい特報とくほう予告編よこくへん本編ほんぺん映像えいぞう使用しよう。)

主題歌しゅだいか

編集へんしゅう
オープニングテーマ「ハグしちゃお
作詞さくし - 阿木あぎ燿子 / 作曲さっきょく - 宇崎竜童うざきりゅうどう / 編曲へんきょく - 京田きょうだ誠一せいいち / うた - 夏川なつかわりみビクターエンタテインメント
だい2期初きしょ映画えいが作品さくひんであるためか、オープニング→タイトル→本編ほんぺんじゅんだい1さく『のび恐竜きょうりゅう』を踏襲とうしゅうしたながれになっている。
エンディングテーマ「ボクノート[7]
作詞さくし作曲さっきょく編曲へんきょく - 大橋おおはし卓弥たくや常田つねだしん太郎たろう / うた - スキマスイッチBMG JAPAN/AUGUSTA RECORDS)

作品さくひん解説かいせつ

編集へんしゅう

2004ねん7がつ発売はつばいされた月刊げっかんコロコロコミックにて映画えいが次回じかいさくは2006ねんはる公開こうかい発表はっぴょうされたが、これがほんさく第一報だいいっぽうである。ただし当時とうじはまだ声優せいゆう交代こうたい報道ほうどうされていなかったため、2005ねん映画えいが公開こうかいされない理由りゆうかされていなかった。 2005ねん4がつおこなわれたテレビシリーズのリニューアルととも映画えいがシリーズも原点げんてん回帰かいきさい出発しゅっぱつがテーマとしておおきくてられ、だい長編ちょうへんだい1さくである『のび恐竜きょうりゅう』のリメイクとして企画きかく本格ほんかくてきにスタートした[8][9][ちゅう 1]

映画えいがドラえもんシリーズとしてははじめて製作せいさく委員いいんかい方式ほうしきられ[ちゅう 2]あらたに小学館しょうがくかんプロダクション出資しゅっし製作せいさく参加さんかしている。

脚本きゃくほん

編集へんしゅう

脚本きゃくほんそう監督かんとく楠葉くずはひろしさん監督かんとく渡辺わたなべあゆみ共同きょうどう執筆しっぴつした。渡辺わたなべ全部ぜんぶ自分じぶんきたかったが、物理ぶつりてきむずかしかったとかたっている。楠葉くずは物語ものがたり序盤じょばん(ピーすけ最初さいしょはく亜紀あきおくとどけるところまで)を担当たんとうし、原作げんさく漫画まんが忠実ちゅうじつ脚本きゃくほんコンテをえが段階だんかいで、渡辺わたなべがそれに脚色きゃくしょくくわえた。物語ものがたり中盤ちゅうばんから結末けつまつまでは、渡辺わたなべ脚色きゃくしょくくわえつつ脚本きゃくほんした[8][11]

ほんさくあらたにくわえられた要素ようそ場面ばめんかんして渡辺わたなべは「あくまでも、自分じぶん想像そうぞういきない」とことわりをいれたうえで「原作げんさくひそんでいるもの」、「読者どくしゃ想像そうぞうりょくにゆだねられたもの」をえがいた[12]としている。その一方いっぽうで、原作げんさく旧作きゅうさくとはことなる(のびたちがタイムパトロールのちからりずに日本にっぽんへたどりく)終盤しゅうばん展開てんかいについては物語ものがたりのポイントであり[13]、「最初さいしょくわえたいとおもった箇所かしょ」ともべており[8]、「子供こどもたちが、自分じぶんたち意志いしきていくようにできないのかということと、理想りそうろんとしての子供こども大人おとな関係かんけいみたいなもの」をえがくためにれたという[8]

最新さいしん学説がくせつ導入どうにゅう

編集へんしゅう

ほんさくは、(制作せいさく当時とうじの)最新さいしん学説がくせつれ、設定せっていなどを改変かいへんしている[6]。その一方いっぽうで、あえて従来じゅうらいのままにした設定せってい存在そんざいする。

ほんさくのタイトルの「のび恐竜きょうりゅう」とはピーすけのことをしめしているとかんがえられるが、ピーすけ恐竜きょうりゅうではなく首長しゅちょうりゅうである。原作げんさく漫画まんがないでは「これは首長しゅちょうりゅう一種いっしゅでフタバスズキリュウだ!」とドラえもんがかたっており、その箇所かしょ表現ひょうげんとしてはあやまってはいないが、「恐竜きょうりゅう化石かせきさがし」のながれでピーすけ登場とうじょうするため作品さくひん全体ぜんたいとしては「恐竜きょうりゅう一種いっしゅ首長しゅちょうりゅう」と誤認ごにんしやすいつくりになっている。ほんさくつくさいにはタイトル変更へんこうはなしもあがったが、従来じゅうらいどおりの「恐竜きょうりゅう」をもちいたタイトルでの公開こうかいとなった(ほんさくにはおおくの古代こだい生物せいぶつ登場とうじょうするが、そのおおくは恐竜きょうりゅうである)。

また、ピーすけたまごから誕生たんじょうしているが、首長しゅちょうりゅうたまごまない[6]。ただし、首長しゅちょうりゅう胎児たいじ化石かせき発見はっけんされたのは2011ねんで、ピーすけたまごからまれることを疑問ぎもんした記事きじおおくは2011ねん以降いこう執筆しっぴつされたものである。

ちなみに、フタバスズキリュウ化石かせき発見はっけんされたのは1968ねん首長しゅちょうりゅうという日本語にほんご誕生たんじょうしたのは1968ねんのフタバスズキリュウの化石かせき発見はっけん、『のび恐竜きょうりゅう』の短編たんぺん漫画まんがえがかれたのは1975ねん、フタバスズキリュウがしんぞくしんたね首長しゅちょうりゅうとして「Futabasaurus suzukiiフタバサウルス・スズキイ)」という学名がくめい正式せいしき記載きさいされたのは2006ねんである。

書評しょひょう清水しみず銀嶺ぎんれい2019ねんに「(ドラえもん作品さくひんで)学説がくせつにこだわるのは野暮やぼきわみ」とべている[6]。ただし、原作げんさくしゃ藤子とうこ・F・不二雄ふじお多数たすう書籍しょせき一般いっぱん学説がくせつ調しらべてから、それを基盤きばんとしてフィクションを構築こうちくしていくスタイルで漫画まんが制作せいさくおこなっていたため[14]学説がくせつをまったく無視むしした作品さくひんづくりは原作げんさくしゃ姿勢しせいはんすることになる。ほんさく監督かんとく渡辺わたなべ勉強べんきょうかい参加さんかし、最新さいしん学説がくせつ作品さくひん内容ないよう齟齬そごがあることを理解りかいしたうえで「ファンタジーにしたいということで、最新さいしん恐竜きょうりゅうがく考察こうさつれるのはけた」と、部分ぶぶんてき最新さいしん学説がくせつ採用さいようしなかったことについての自身じしんかんがえをべている[8]

作画さくが監督かんとく渡辺わたなべたっての希望きぼうもあり、スタジオジブリ出身しゅっしん小西こにし賢一けんいちむかれられた。小西こにし前作ぜんさくのびのワンニャン時空じくうでん』(2004ねん)で原画げんが担当たんとうしており、そのことがほんさくたずさわるきっかけとなった[8]。キャラクターデザインは渡辺わたなべがテレビシリーズようがけた設定せってい原作げんさくほんさくコンテをもと小西こにしあらためてえがこした[15]

ほんさく特徴とくちょうは、一般いっぱんてきなアニメでられる均一きんいつととのえられたせんでなく、鉛筆えんぴつ手描てがきをかした強弱きょうじゃくのあるタッチである。小西こにしが『ホーホケキョ となりの山田やまだくん』(1999ねん)をがけたさいつくった技法ぎほう延長線えんちょうせんにあり[16]同時どうじにアニメてきかげかたはいした。これは時間じかん経過けいか光源こうげんがはっきりしている場面ばめん効果こうかてき強調きょうちょうと、原作げんさく・キャラクターの「さ」をかすためのものである[16]。また、ととのわれたかたちよりもうごきを優先ゆうせんさせた作画さくがが、方向ほうこうせいとして採用さいようされた[15]。これらの手法しゅほうほんさく以降いこう、『のび宇宙うちゅう英雄えいゆう』(2015ねん)、『のび南極なんきょくカチコチだい冒険ぼうけん』(2017ねん)など一部いちぶ作品さくひんのぞいてアニメだい2さく2シリーズの映画えいがでは定番ていばんとなっていく。

ほんさく制作せいさくにあたり、もり久司ひさし松本まつもとけんせい橋本はしもとすすむなど腕利うでききのアニメーターシンエイ動画どうが外部がいぶより多数たすうあつめられた。また、シンエイ動画どうが筆頭ひっとうアニメーターである大塚おおつか正実まさみが『のび日本にっぽん誕生たんじょう』(1989ねん以来いらい17ねんぶりに参加さんかしている。

チーフプロデューサーである増子ましこしょう二郎じろうにより、美術びじゅつ監督かんとくはシンエイ動画どうが制作せいさくの『戦争せんそう童話どうわ』シリーズをがけてきた西田にしだみのるが、CG監督かんとくにはIKIF+を主催しゅさいする木船きふね徳光とくみつがそれぞれえらばれた[17]

オープニングアニメーションはこれまで手描てがきの作画さくがによるものやCGを多用たようしたものなど様々さまざま手法しゅほう制作せいさくされてきたが、ほんさくでは『ぜんまいざむらい』のキャラクターデザインなどをがけた秋穂あきほ範子のりこ中心ちゅうしんとなり、クレイアニメまじえた内容ないようとなっている。

封切ふうき

編集へんしゅう

海外かいがいでも公開こうかいされ、日本にっぽんのアニメ映画えいが作品さくひんとしてはつとなる中国ちゅうごく公開こうかい実現じつげんした(2007ねん7がつ公開こうかい[18]台湾たいわん(2007ねん9がつ14にち公開こうかい)のほか、シンガポールスペインフランスでも公開こうかいされた。

評価ひょうか

編集へんしゅう

だい1かいInvitation AWARDSアニメーションしょう受賞じゅしょうした[19][20]

作品さくひんへの評価ひょうかとして、映画えいが批評ひひょう前田まえだ有一ゆういちは「だい1さくのリメイクはしんキャスト・スタッフにとって選択せんたく」「近年きんねん劇場げきじょうばんくらべシンプルだが、飽和ほうわ気味ぎみ世界せかいかんなお効果こうかはある」と批評ひひょうしている[21]

また、2017ねんのインタビューにてメイン声優せいゆう水田すいでんわさび、大原おおはらめぐみ、かかずゆみの3にんほん作品さくひんだい長編ちょうへんのベストにげている[22]

ほんさく原作げんさくは、藤子とうこ不二雄ふじお藤本ふじもとひろし(のちの藤子とうこ・F・不二雄ふじお)が1979ねんから連載れんさいした長編ちょうへん漫画まんがドラえもん のび恐竜きょうりゅう』(だい長編ちょうへんドラえもんシリーズだい1さく)である。

2006ねん3がつ2にちに、ほんさくをモチーフにしたゲームが発売はつばいされた。ニンテンドーDSようソフト。ゲームの物語ものがたりほんさくもとづいているが、のびたち5にんがタイムマシンではく亜紀あきかう途中とちゅうくろおとこおそわれる場面ばめん以降いこうは、ゲーム独自どくじ展開てんかいとなる。

ゲームの漫画まんが

編集へんしゅう

映画えいが公開こうかいやゲームの発売はつばいの2かげつまえから、『のび恐竜きょうりゅう2006 DS』のタイトルで長編ちょうへん漫画まんが発表はっぴょうされた。漫画まんが執筆しっぴつ藤子とうこプロ出身しゅっしん漫画まんが岡田おかだ康則やすのりぜん2かい連載れんさい前後ぜんごだい長編ちょうへん漫画まんが執筆しっぴつながれはだい長編ちょうへんドラえもん#2006ねん参照さんしょう)。

脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ リニューアルまえ最後さいご映画えいが作品さくひんを『のび恐竜きょうりゅう』のリメイクにするあんもあったが、当時とうじ劇場げきじょうばんシリーズの監督かんとくつとめていた芝山しばやまつとむは「おもい」という理由りゆうことわった[10]
  2. ^ エンドロールクレジットでは「制作せいさく委員いいんかい表記ひょうき。『のび宇宙うちゅう開拓かいたく』(1981ねん)から『のびのワンニャン時空じくうでん』(2004ねん)においては「制作せいさく」としてシンエイ動画どうがテレビ朝日てれびあさひ小学館しょうがくかんの3しゃが、「制作せいさく協力きょうりょく」としてADK旭通信社あさひつうしんしゃ、ASATSU-DK)・藤子とうこプロ藤子とうこスタジオ)の2しゃ製作せいさくおこなっていた(『のび恐竜きょうりゅう』(1980ねん)のみ「製作せいさく」がシンエイ動画どうが小学館しょうがくかん、「製作せいさく協力きょうりょく」がテレビ朝日てれびあさひ旭通信社あさひつうしんしゃとなっている)。

出典しゅってん

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  1. ^ a b 映画えいがドラえもん のび恐竜きょうりゅう2006 (2005) - シネマトゥデイ”. 株式会社かぶしきがいしゃシネマトゥデイ. 2020ねん2がつ14にち閲覧えつらん
  2. ^ ぜん45かんの『ドラえもん』に6パターンのだい1収録しゅうろくした"0かん"が登場とうじょう!23ねんぶり・誕生たんじょう50周年しゅうねん記念きねんさい新刊しんかん - ほんのひきだし”. 日本にっぽん出版しゅっぱん販売はんばい株式会社かぶしきがいしゃ (2019ねん11月26にち). 2020ねん1がつ19にち閲覧えつらん
  3. ^ 映画えいが公開こうかい宣伝せんでんポスターより。
  4. ^ 劇場げきじょう予告編よこくへん冒頭ぼうとうより。恐竜きょうりゅうたまごれて、ちゅうからドラえもんとピーすけてくる演出えんしゅつもある。
  5. ^ 映画えいがドラえもん』しんシリーズ、興行こうぎょう収入しゅうにゅう累計るいけい400おくえん突破とっぱ”. アニメ&ゲーム by Oricon News. 2020ねん4がつ4にち閲覧えつらん
  6. ^ a b c d えた「ブロントサウルス」 ピーすけ恐竜きょうりゅうじゃない? むかし現在げんざい恐竜きょうりゅうちがいをさぐる”. 株式会社かぶしきがいしゃKADOKAWA (2019ねん6がつ9にち). 2020ねん2がつ14にち閲覧えつらん
  7. ^ 映画えいがドラえもん のび恐竜きょうりゅう2006』主題歌しゅだいか、スキマスイッチ新作しんさく! - CDJournal ニュース”. 株式会社かぶしきがいしゃ シーディージャーナル (2008ねん3がつ31にち). 2020ねん2がつ14にち閲覧えつらん
  8. ^ a b c d e f 渡辺わたなべあゆみ小西こにし賢一けんいちかたる『のび恐竜きょうりゅう2006』(1)「一言ひとことえば『えがききるぞ』と」”. スタジオゆう (2006ねん4がつ17にち). 2020ねん5がつ2にち閲覧えつらん
  9. ^ 「もっと!ドラえもん特別とくべつ編集へんしゅう 映画えいがドラえもん のび恐竜きょうりゅう2006 公式こうしきファンブック」P.67を参照さんしょう
  10. ^ 芝山しばやまつとむインタビュー:「ドラえもん映画えいがさい」によせて
  11. ^ 「もっと!ドラえもん特別とくべつ編集へんしゅう 映画えいがドラえもん のび恐竜きょうりゅう2006 公式こうしきファンブック」P.68を参照さんしょう
  12. ^ 藤子とうこ・F・不二雄ふじおドリームシアター もっと!ドラえもん No.5 2006 SPRING」P.14を参照さんしょう
  13. ^ 『アニメーションRE(アール・イー) vol.3 / APR.2006』P.17を参照さんしょう
  14. ^ 藤子とうこ・F・不二雄ふじお異説いせつクラブ入門にゅうもん』「恐竜きょうりゅうなぞさぐるⅠ」(1990ねん6がつ発表はっぴょう)、「恐竜きょうりゅうなぞさぐるⅡ」(1990ねん8がつ発表はっぴょう
  15. ^ a b 渡辺わたなべあゆみ小西こにし賢一けんいちかたる『のび恐竜きょうりゅう2006』(2)「やっぱりであること大事だいじにしたいんです」”. スタジオゆう (2006ねん4がつ18にち). 2020ねん5がつ2にち閲覧えつらん
  16. ^ a b 『アニメーションRE(アール・イー) vol.3 / APR.2006』P.12 - 13を参照さんしょう
  17. ^ 「もっと!ドラえもん特別とくべつ編集へんしゅう 映画えいがドラえもん のび恐竜きょうりゅう2006 公式こうしきファンブック」P.69-70を参照さんしょう
  18. ^ 「ドラえもん のび恐竜きょうりゅう2006」中国ちゅうごく全国ぜんこく公開こうかい(4/24) - アニメ!アニメ!”. 株式会社かぶしきがいしゃイード (2007ねん4がつ24にち). 2020ねん2がつ14にち閲覧えつらん
  19. ^ ときかけ」「ドラえもん」にインビテーションアワード(12/28) - アニメ!アニメ!”. 株式会社かぶしきがいしゃイード (2006ねん12月28にち). 2020ねん1がつ19にち閲覧えつらん
  20. ^ MSN エンターテイメント×Invitation Invitation AWARDS かく部門ぶもん受賞じゅしょうしゃ受賞じゅしょう作品さくひん紹介しょうかい - ウェイバックマシン(2007ねん1がつ26にちアーカイブぶん
  21. ^ ちょう映画えいが批評ひひょう『ドラえもん のび恐竜きょうりゅう2006』55てん(100てん満点まんてんちゅう”. 前田まえだ有一ゆういち. 2020ねん2がつ14にち閲覧えつらん
  22. ^ 担当たんとう声優せいゆうさんがえらぶ『映画えいがドラえもん』シリーズのオススメはコレだ! - アニメイトタイムズ”. 株式会社かぶしきがいしゃアニメイト (2017ねん3がつ8にち). 2020ねん2がつ17にち閲覧えつらん

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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