Г

Г, г は、キリル文字もじのひとつ。ギリシャ文字もじのΓがんま（ガンマ）に由来ゆらいする文字もじで、ラテン文字もじのC・Gと同系どうけいの文字もじであり、G に相当そうとうする。また、対応たいおうするグラゴル文字もじは Ⰳ (グラゴーリ)である。

キリル文字もじ
А	Б	В	Г	Ґ	Д	Ѓ
Ђ	Е	Ё	Ѐ	Є	Ж	З
Ѕ	И	І	Ї	Й	Ѝ	Ј
К	Ќ	Л	Љ	М	Н	Њ
О	П	Р	С	Т	Ћ	У
Ў	Ф	Х	Ц	Ч	Џ	Ш
Щ	Ъ	Ы	Ь	Э	Ю	Я
非ひスラヴ系けい文字もじ
Ӑ	Ӓ	Ә	Ӛ	Ӕ	Ғ	Ӷ
Ҕ	Ӗ	Ӂ	Җ	Ӝ	Ҙ	Ӟ
Ӡ	Ӣ	Ӥ	Ҋ	Ҡ	Қ	Ҟ
Ӄ	Ҝ	Ӆ	Ӎ	Ң	Ӊ	Ӈ
Ҥ	Ө	Ӧ	Ӫ	Ҧ	Ҏ	Ҫ
Ҭ	Ҵ	Ӳ	Ӯ	Ү	Ұ	Ӱ
Ҳ	Ӿ	Һ	Ҷ	Ӌ	Ҹ	Ӵ
Ҩ	Ҽ	Ҿ	Ӹ	Ҍ	Ӭ	Ӏ
初期しょきキリル文字もじ
Ҁ	Ѹ	Ѡ	Ѿ	Ѻ	Ѣ	Ꙗ
Ѥ	Ѧ	Ѫ	Ѩ	Ѭ	Ѯ	Ѱ
Ѳ	Ѵ	Ѷ	ꙮ	Ԁ
キリル文字もじ一覧いちらん

由来ゆらい

ギリシア文字もじの Γがんま, γがんま（ガンマ）に由来ゆらいする。ガンマは古こギリシア語ごで [g] と発音はつおんされ、新しんギリシア語ごで [γがんま] あるいは [ʝ] と発音はつおんされた。ガンマはフェニキア語ごの𐤂（ギメル）に起源きげんを持もつ。

呼称こしょう

• ウクライナ語ご: ге（ヘー）
• キルギス語ご：ゲー
• ブルガリア語ご: гъ（グ）
• ロシア語ご: гэ（ゲー）

音素おんそ

原則げんそくとして[g]を表あらわす。

• ウクライナ語ごでは[ɦ]（日本語にほんごの「は、へ、ほ」のような音おと）を表あらわす。
• ベラルーシ語ごでは[ɣ]を表あらわす。

アルファベット上じょうの位置いち

ウクライナ語ご、セルビア語ご、ブルガリア語ご、ベラルーシ語ご、マケドニア語ご、ロシア語ごの第だい4字母じぼである。

Гに関かかわる諸しょ事項じこう

フリヴニャの通貨つうか記号きごう。Г の筆記ひっき体たいに横よこ二に重じゅう線せんを重かさねたもの。

• 特とくに古ふるい時代じだいのロシア語ごでは外来がいらい語ごの「H」や [ɦ] の音おとを Г で表記ひょうきすることが多おおかった。最近さいきんでは Х を使つかうことが多おおいが、借用しゃくよう時期じきが古ふるいものであれば現代げんだいでも Г が使つかわれている。（例れい: герой（英雄えいゆう）、Йокогама（横浜よこはま）→現代げんだいでは Йокохама や Якохама の方ほうが一般いっぱん的てき。現代げんだい発音はつおんはいずれもヤコハーマ）
• ロシア語ごの его や ого という表記ひょうきは、語末ごまつに来くると Г が [v] の発音はつおんになることが多おおい。語末ごまつでなくても、сегодня（今日きょう）のように複合語ふくごうごに由来ゆらいする特殊とくしゅなものがある。
• ロシア語ごの мягкий, лёгкий とその派生はせい語ごと бог では [x] で発音はつおんされる。
• ウクライナ語ごで [g] を表あらわすには Ґ を用もちいる。日常にちじょう的てきには [g] と [ɦ] の発音はつおんは区別くべつされずに使用しようされることもある。表記ひょうきの際さいも、Ґ の代かわりに Г を代かわりに用もちいられることも珍めずらしくない。
• ウクライナ語ご訛なまりのロシア語ごでも [ɦ] を表あらわす。
• ウクライナの通貨つうか フリヴニャ（гривня）の通貨つうか記号きごう（₴）に用もちいられる。略称りゃくしょうは「грн.」
• アゼルバイジャン語ごのラテン文字もじ表記ひょうきでは Q に対応たいおうする。

符号ふごう位置いち

大文字おおもじ	Unicode	JIS X 0213	文字もじ参照さんしょう	小文字こもんじ	Unicode	JIS X 0213	文字もじ参照さんしょう	備考びこう
Г	U+0413	1-7-4	Г Г	г	U+0433	1-7-52	г г

関連かんれん項目こうもく

• Ғ, ғ
• Ґ,ґ

参考さんこう文献ぶんけん

• （ウクライナ語ご） Сучасна українська мова / О. Д. Понаморів, В. В. Різун та ін.; За ред. О. Д. Понаморева. — 2-ге вид., перероб. — К.: Либідь, 2001.（O・ポノマリーウ編へん『現代げんだいウクライナ語ご』第だい2版はん、キエフ、2001）