Е

Е, е は、キリル文字もじのひとつ。ギリシャ文字もじの Εいぷしろん（エプシロン）に由来ゆらいし、ラテン文字もじの E に相当そうとうする。字形じけいもラテン文字もじの E と同おなじである。また、対応たいおうするグラゴル文字もじは Ⰵ（jest, イェスト）である。

由来ゆらい

ギリシア文字もじの Εいぷしろん εいぷしろん（エプシロン）に由来ゆらいし、エプシロンはフェニキア語ごの 𐤄（hē, ヘー）に起源きげんを持もつ。

原則げんそくとして /e/ を表あらわす。

ロシア語ごとモンゴル語ごは /je/ を表あらわす。ロシア語ごでは強つよ勢ぜいのない時ときは /ji/ になる。
ウクライナ語ごの場合ばあいは下記かきの表ひょうを参照さんしょう。
- 黒くろい文字もじは国際こくさい音声おんせい記号きごう。青あおい文字もじはウクライナ語ごの文献ぶんけんで使用しようされるキリル文字もじの音声おんせい記号きごう。

音素おんそ	音おと	強つよ勢いきおい音おと	非ひ強つよ勢いきおい音おと	軟音の後のちの強つよ勢いきおい音おと	軟音の後のちの非ひ強つよ勢いきおい音おと
/ɛ/, /e/	非ひ円えん唇くちびる前ぜん舌した半はん広こう母音ぼいん	[ɛ], [e]	[ɛ̝], [e^и], [ɪ̞], [и^e]	[ɛ]	[e], [e^і]

ウクライナ語ご・セルビア語ご・マケドニア語ごでは第だい 7 字母じぼ、ベラルーシ語ご・ブルガリア語ご・ロシア語ごでは第だい 6 字母じぼ。
- ベラルーシ語ごでは、ДЖ と ДЗ を算入さんにゅうすると第だい 8 字母じぼである。

ロシア語ごでは、Ё は Е と書かかれる場合ばあいが多おおい。また、辞書じしょの語順ごじゅんでも通常つうじょう Е と区別くべつされない。
ロシア語ご・モンゴル語ごで /e/ を表あらわす文字もじは、Э である。
/je/ を表あらわすウクライナ語ごの文字もじは、Є である。また、ブルガリア語ごでは /je/ を йе と書かく。
日本語にほんごのキリル文字もじ表記ひょうきでは通常つうじょう使用しようしないが、エ段だんの表記ひょうきに Э の代かわりに使つかわれたり、「よ」または開ひらき拗音ようおんオ段だんを表あらわす Ё の上うえの点てんが省略しょうりゃくされた結果けっかこれが現あらわれることがある。

大文字おおもじ	Unicode	JIS X 0213	文字もじ参照さんしょう	小文字こもんじ	Unicode	JIS X 0213	文字もじ参照さんしょう	備考びこう
Е	`U+0415`	`1-7-6`	`Е` `Е`	е	`U+0435`	`1-7-54`	`е` `е`

（ウクライナ語ご） Сучасна українська мова / О. Д. Понаморів, В. В. Різун та ін.; За ред. О. Д. Понаморева. — 2-ге вид., перероб. — К.: Либідь, 2001.（O・ポノマリーウ編へん『現代げんだいウクライナ語ご』第だい2版はん、キエフ、2001）