アラン諸島しょとう

アラン諸島しょとう（英えい: Aran Islands、愛あい: oileáin Árann）は、アイルランド島とうの西にし、ゴールウェイ湾わんに浮うかぶ島々しまじま。アラン島とうと呼よばれることも多おおい。アラン諸島しょとうは3つの島しまからなり、西側にしがわから、イニシュモア島とう（英えい: Inishmore、愛あい: Inis Mór）、イニシュマーン島とう（英えい: Inishmaan、愛あい: Inis Meáin）、イニシィア島とう（英えい: Inisheer、愛あい: Inis Oírr）と呼よばれる。アイルランド語ごでÁrannの意味いみは「長ながい山々やまやま」の意味いみで、現在げんざいの島しまの名前なまえにあるInisは「島しま」の意味いみである。また、Mór、Meáin、Oírrはそれぞれ「大おおきな」「真まん中なか」「東ひがし」の意味いみがある。これらのアラン諸島しょとうは石灰せっかい質しつの岩盤がんばんだけで出来できた島しま群ぐんである。主要しゅよう産業さんぎょうはジャガイモなどの農業のうぎょうと漁業ぎょぎょうで、手編てあみのアランセーター(en)（フィッシャーマンズセーター）も有名ゆうめいである。

アラン諸島しょとうに見みられる石垣いしがき

アラン諸島しょとうはアイルランドの西岸せいがんに位置いちする

アラン諸島しょとう

アラン諸島しょとうは主おもに岩盤がんばんで出来できており、強つよ風ふうが吹ふきつける。そのための農業のうぎょうは、土どが風ふうで飛とばされないように畑はたけを石垣いしがきで囲かこみ、更さらに岩盤がんばんを槌づちで砕くだいて海藻かいそうを混まぜ合あわせ、その下したに粘土ねんどを敷しき詰つめて土どをつくることから始はじまった。こうした石垣いしがきで仕切しきられた畑はたけは格子こうしを意味いみする「トレリス」（Trellis）と呼よばれ、アランセーターにもトレリスと呼よばれる網目あみめ模様もようがある。

観光かんこう客きゃくも訪おとずれる。交通こうつう手段しゅだんとしては、首都しゅとダブリンからバスまたは鉄道てつどうでまずゴールウェイへ。さらにバスに乗のり換かえてロッサヴィール（Rossaveel）港みなとで降おり、フェリーに約やく40分ふん乗のる。ゴールウェイ近郊きんこうのコナマーラ空港くうこう（Connemara Airport）からエアーアラン・アイランズによって運航うんこうされる小型こがた飛行機ひこうきで渡わたることも可能かのう。島内とうないには貸かし自転車じてんしゃと馬車ばしゃがある。

イニシュモア島とう

イニシュモア（大島おおしま）は、アラン諸島しょとう最大さいだいの島しまであり、三島みしまの最もっとも西にしに位置いちする。面積めんせきは12平方へいほうマイル。20世紀せいきにはいるまでは、アランモア（英えい: Aranmore、愛あい: Árainn Mhór）と呼よばれていた。島しまの名前なまえは1800年代ねんだい中頃なかごろにつけられた。このアイルランド語ごの島しまの名前なまえは、厳密げんみつに言いえば文法ぶんぽう的てきには誤あやまっており、島しまを意味いみするInisが女性じょせい名詞めいしであるため、本来ほんらいはInis Mhórとなるべきものである。島しまの人々ひとびとはアイルランド文化ぶんかの影響えいきょうが強つよく、アイルランド語ごを話はなす。

名所めいしょ・旧跡きゅうせき

• 「ダン・エンガス」(Dun Aengus)または「ドゥーン・エンガス」(Dún Aonghasa) - 断崖だんがいを背後はいごに築きずかれた環状かんじょうの石いしの砦とりで. 古代こだいケルト人じんが築きずいたと言いわれる.
• 聖ひじりベナン教会きょうかい - ヨーロッパで最もっとも小ちいさな教会きょうかいとして知しられる古ふるい建造けんぞう物ぶつ.
• 聖せいキーラン修道院しゅうどういん(Teampall Chiaráin) - 古代こだいの日時計ひどけいや石造いしづくりの十字架じゅうじかがある

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  イニシュモア
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  イニシュモアの東海岸ひがしかいがん
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  イニシュモアの荒々あらあらしい海岸かいがん
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  イニシュモアの十字架じゅうじか

イニシュマーン島とう

イニシュマーン（中島なかじま）は、アラン諸島しょとう第だい二にの大おおきさを持もつ島しまであり、イニシュモアの東ひがしに位置いちする。アイルランド語ごではInis Meadhóinと書かかれることもある。人口じんこうは200人にん程度ていど、他たの2島とうと比較ひかくして観光かんこう客きゃくは少すくなく静しずかな土地とちである。アイルランドの歴史れきしで重要じゅうような要塞ようさいがあった土地とちの1つである。人々ひとびとはアイルランド語ごを話はなす。

名所めいしょ・旧跡きゅうせき

• ラバ・キンジャラグ - 難病なんびょうを治なおすと伝つたえられている円形えんけいの遺跡いせき。
• コナー要塞ようさい(Dún Conchuir) - キリスト教きりすときょう伝来でんらい前まえに作つくられた要塞ようさいの跡地あとち。
• シングの住すんでいた家いえ - 1898年ねんから1902年ねんの毎年まいとし夏なつに、ジョン・ミリントン・シングが暮くらしていた家いえ。
• シングの椅子いす (Synge's Chair) - 島しまの西にしの切きり立たった岸壁がんぺき。

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  ジョン・ミリントン・シングの住すんでいた家いえ
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  コナー要塞ようさい(Dún Conchuir)

イニシィア島とう

イニッシアーやイニシイアと呼よばれることもある。イニシィア（東島とうじま）は、三島みしまの中なかで最もっとも小ちいさく、最もっとも東ひがしに位置いちする。アイルランド語ごでは、Inis OirthirやInis Thiarやinisheerと書かかれることもある。2022年ねん国勢調査こくせいちょうさでは人口じんこうは323人にんでアラン諸島しょとうの中なかでは二に番目ばんめに人口じんこうが多おおい。

名所めいしょ・旧跡きゅうせき

• テンパル・ケイヴィン(Teampall Chaomháin) - 遺跡いせき

アラン島とう関連かんれんの作品さくひん

• 小説しょうせつ・紀行きこう
  • ジョン・ミリントン・シング(John Millington Synge):随筆ずいひつ『アラン島とう』
  • 野沢のざわ弥市やいち朗ろう:『アイルランド／アランセーターの伝説でんせつ』（2002年ねん、繊研新聞しんぶん社しゃ）
  • 司馬しば遼りょう太郎たろう：『街道かいどうをゆく 31 愛蘭土あいるらんど紀行きこう II』
  • アラン島とう

• 戯曲ぎきょく
  • ジョン・ミリントン・シング:戯曲ぎきょく『海うみに行いく騎き者しゃ』
  • マーティン・マクドナー:戯曲ぎきょく『アラン諸島しょとう三さん部ぶ作さく』

• 映画えいが
  • ロバート・J・フラハティの監督かんとくによるドキュメンタリー映画えいが『アラン』（Man of Aran、1934年ねん）
  • マーティン・マクドナー　イニシェリン島とうの精霊せいれい

外部がいぶリンク

• Aran Islands