アンジュー家か

アンジュー家か（アンジューけ、Angevin）は、フランス王国おうこくのアンジュー地方ちほうを統治とうちした貴族きぞくの家系かけい。4つの系統けいとうがある。

アンジェルジェ家か

「アンジェルジェ家か」を参照さんしょう

第だい1のアンジュー家かは、フランク人じんの貴族きぞくインゲルガリウス（アンジェルジェ）を祖そとする家系かけいで、アンジェルジェ家かとも呼よばれる。アンジェルジェのフルク3世せいの娘むすめを通つうじて、第だい2のアンジュー家かとは女系じょけいでつながっている。

イングランドのアンジュー家か（プランタジネット家か）

詳細しょうさいは「ガティネ家か」および「プランタジネット朝あさ」を参照さんしょう

第だい2のアンジュー家かは、ガティネ家かとも呼よばれるが、フルク3世せいの外孫そとまごジョフロワ3世せい、次ついでその弟おとうとフルク4世せいの代だいにアンジュー伯はくを相続そうぞくした。フルク4世せいの曾孫そうそんのアンジュー伯はくアンリは1154年ねんにイングランド王おうヘンリー2世せいとして即位そくいしてプランタジネット朝あさ（アンジュー朝あさとも呼よばれる）を興おこし、グレートブリテン島とうとフランス西部せいぶにまたがる広大こうだいな領土りょうどを獲得かくとくしてアンジュー帝国ていこくを築きずく。しかし、ジョン王おう、ヘンリー3世せいの時代じだいに大陸たいりく側がわの所領しょりょうの多おおくを失うしなった。プランタジネット朝あさは狭義きょうぎには1399年ねんまで、広義こうぎには（ランカスター朝あさおよびヨーク朝あさを含ふくめる）1485年ねんまで続つづいた。

なお、ヘンリー2世せいの祖父そふフルク5世せいは1131年ねんにエルサレム女王じょおうメリザンド (en) と結婚けっこんして共同きょうどう王位おういに就つき、ヘンリー2世せいの叔父おじやいとこたちに王位おういが継承けいしょうされている。

シチリア・ナポリのアンジュー家か（アンジュー＝シチリア家か）

詳細しょうさいは「アンジュー＝シチリア家か」、「ナポリ・アンジュー朝あさ」、「ハンガリー・アンジュー朝あさ」、および「ポーランド・アンジュー朝あさ」を参照さんしょう

第だい3のアンジュー家かは、フランス王家おうけであるカペー家かの支流しりゅう、カペー系けいアンジュー家かである。イタリアではアンジョ（Angiò）家かと呼よばれる。プランタジネット家かがフランス国内こくないの所領しょりょうを没収ぼっしゅうされた後のち、フランス王おうルイ9世せいの弟おとうとシャルルが1247年ねんにアンジュー伯はくに封ふうじられ、シャルルを祖そとするアンジュー家かが新あらたに成立せいりつした。シャルルは1246年ねんにプロヴァンス伯はくとなり、1266年ねんにはシチリア王位おういに就ついた。そのためこの家系かけいはアンジュー＝シチリア家かとも呼よばれる。シャルルはシチリアを失うしなうが、ナポリ王位おういが子孫しそんに継承けいしょうされた。14世紀せいきにはこの家系かけいからハンガリー・ポーランドの王おうも出でている。

ヴァロワ家系かけいアンジュー家か（ヴァロワ＝アンジュー家か）

詳細しょうさいは「ヴァロワ＝アンジュー家か」を参照さんしょう

第だい4のアンジュー家かは、カペー家か支流しりゅうでフランス王家おうけとなったヴァロワ家かの支流しりゅうで、ヴァロワ＝アンジュー家かと呼よばれる。フランス国王こくおうジャン2世せいの子こアンジュー公こうルイ1世せいに始はじまる。カペー系けいアンジュー家かとはジャン2世せいの祖母そぼであるマルグリット・ダンジューを通つうじて直接的ちょくせつてきにも血統けっとうのつながりがある。ルイ1世せいはプロヴァンス伯はく領りょうを獲得かくとくし、またナポリ王位おういを孫まごルネの時代じだいまで争あらそい続つづけた。ルネはまた、ロレーヌ公こうにもなった。

備考びこう

詳細しょうさいは「ブルボン家か」を参照さんしょう

スペイン・ブルボン家かの祖そフェリペ5世せいは、元もとはフランス王子おうじアンジュー公こうフィリップであり、この家系かけいにはブルボン＝アンジュー家かという呼よび方かたもあるが、通常つうじょうは用もちいられない。ヴァロワ＝アンジュー家かの断絶だんぜつ以後いご、アンジュー公こうの爵位しゃくいはその時々ときどきのフランス王おうの近親きんしん者しゃに1代だい限かぎりで与あたえられるアパナージュとなっていた。フェリペ5世せいがこの称号しょうごうを保持ほじしたのは誕生たんじょうからスペイン王おう即位そくいまでの期間きかんで、その子孫しそんには伝つたえられていない。

フランスで王制おうせいが廃はいされた後のち、レジティミスト（フランスの正統せいとう王おう党派とうは）が推おすフランス王位おうい請求せいきゅう者しゃであるマドリード公こうハイメがアンジュー公こうを称しょうし、その後継こうけい者しゃが以後いごこの称号しょうごうを用もちいているが、一方いっぽうで対立たいりつ関係かんけいにあるオルレアン家かでもこの称号しょうごうは用もちいられている。

関連かんれん項目こうもく

• アンジューの領主りょうしゅ一覧いちらん