(Translated by https://www.hiragana.jp/)
マイアール - Wikipedia

マイアールMaiar単数たんすうがたマイア[1]Maia)は、J・R・R・トールキンなかくに舞台ぶたいとした小説しょうせつ、『指輪ゆびわ物語ものがたり』、『シルマリルの物語ものがたり』に登場とうじょうする種族しゅぞくエル・イルーヴァタールによってつくられたアイヌアなかで、一般いっぱんてきアルダなかくにのある世界せかい)にりたアイヌアのなかヴァラールより地位ちいちからおとものたち架空かくう神格しんかくであるが、マイアール以外いがいにも多数たすうのアイヌアがいたとされる。トールキンの世界せかいかんからえば下級かきゅう精霊せいれい小神おこ従属じゅうぞくしん相当そうとうするものとおもわれる。

概要がいよう

編集へんしゅう

マイアールとはクウェンヤで「よし」(the Beautiful)を意味いみする。[2]かれらの総数そうすうはエルフたちにはられておらず、またそのられているものもごくわずかである。何故なぜとなれば、ちゅうくににおいてマイアールは滅多めったにエルフや人間にんげんえる姿すがたあらわれたことがないからである。ヴァラールではないアイヌアはみなすべてマイアールというわけではなく、たとえば、トム・ボンバディル、ゴールドベリと彼女かのじょおや、モルゴスやサウロンにしたがっていた多数たすう悪霊あくりょう悪魔あくまなどのように、厳密げんみつ正体しょうたい不明ふめいだが描写びょうしゃからアイヌアとおもわしい存在そんざい多数たすう存在そんざいする。

マイアールはかれらの臣下しんかであり、召使めしつかいであり、助言じょげんしゃであり、世界せかいかたちつくるのをとも手伝てつだった。ヴァラールはおおくのマイアールを自分じぶんたちのほうせたが、そのなかにはかれらよりおとるマイアもいれば、かれらに比肩ひけんるほどの偉大いだいなマイアもいた[3]一般いっぱんてきにはヴァラールよりもちからおとるとされるが、それでもエルフや人間にんげんなどとは比較ひかくにならないほどの強大きょうだいちからっている。れいげると、前述ぜんじゅつとお天地てんち創造そうぞうたずさわり、天候てんこうあやつ災害さいがいこしたり、非常ひじょうだい規模きぼ地形ちけいえたり、マイアールの軍勢ぐんぜい参戦さんせんした戦争せんそういかりのたたかい)では、大陸たいりく匹敵ひってきする広大こうだい土地とち破壊はかいされうみしずんでいる。ヌメノール崩壊ほうかいには、サウロンがマンウェの雷撃らいげきふせいでいるが、マンウェの全力ぜんりょく雷撃らいげきだったのかはさだかではない。

マイアールのちょうマンウェ伝令でんれいであり旗持はたもちであるエオンウェと、ヴァルダ侍女じじょであるイルマレである。かくマイアはそれぞれ特定とくていのヴァラにつかえており、たとえばオッセウイネンウルモぞくしており、クルモサウロンアウレ使徒しとであった。

一部いちぶのマイアールはメルコール誘惑ゆうわくにより堕落だらくし、世界せかいがいする悪神あくじん悪魔あくま悪霊あくりょうてた。それらのなかでもおそれるべき者共ものどもが、むちるうバルログたちであり、そしてメルコールの右腕うわんとなるサウロンである。かれ堕落だらくしたマイアールは否定ひていがた接頭せっとうであるÚけたウーマイアール(Úmaiar)とばれるようになった。[4][5]

指輪ゆびわ物語ものがたり』のなかてくるイスタリガンダルフサルマンラダガストなかくにつかわされたマイアールであったともいわれ、にマイアのうちよくられるものにはシンゴルメリアンがいる。

なお、マイアというかたりギリシア神話しんわまたはローマ神話しんわにもられる。

男性だんせいかくのマイア

編集へんしゅう

もっとちからあるマイアールのいちはしら。マンウェの旗持はたもちであり伝令でんれい使でもある。

ウルモの従者じゅうしゃなかくに沿岸えんがんうみつかさどり、ウイネンとなら自由じゆうみんもっともよくられているマイアールである。

サルマール(Salmar)はウルモの従者じゅうしゃである。ウルモとともにアルダにやってた。ウルモのだい角笛つのぶえウルムーリの制作せいさくしゃで、この角笛つのぶえおといちいたらけっしてわすれることはないという。

アウレのもと従者じゅうしゃ。アウレのみん伝承でんしょうではずっとちからあるものとされていた。メルコールに誘惑ゆうわくされ堕落だらくし、かれ召使めしつかいのなかもっとちからあるものとなる。

オロメ従者じゅうしゃつきふねかじもの

バルログちょうアングバンドそう大将たいしょう

クルモ(サルマン)

編集へんしゅう

アウレの使徒しとイスタリながしろのサルマンとしてサウロン打倒だとうのためなかくにおもむく。のち堕落だらくする。

オローリン(ガンダルフ)

編集へんしゅう

マンウェとヴァルダの使徒しと。イスタリとして灰色はいいろのガンダルフとなりサウロン打倒だとうのためなかくにおもむく。のちにサルマンにわってしろ賢者けんじゃとなる。

アイウェンディル(ラダガスト)

編集へんしゅう

ヤヴァンナ使徒しと。イスタリとして茶色ちゃいろのラダガストとなりサウロン打倒だとうのためなかくにおもむく。

アラタールとパルランド(もしくはモリネフタールとローメスターモ)

編集へんしゅう

アラタールとパルランドはオロメの使徒しとであった。二人ふたりともあおのイスタリとしてサウロン打倒だとうのためなかくにおもむいた。モリネフタールとローメスターモは稿こうてくるもので、あおのイスタリであるのはおなじだが、どのヴァラにつかえているかは不明ふめいとなっている。

ドゥリンのわざわい

編集へんしゅう

だいさん目覚めざめてモリア荒廃こうはいさせたバルログ。

女性じょせいかくのマイア

編集へんしゅう

イルマレ(Ilmarë)は、J・R・R・トールキンのなかくに舞台ぶたいとした小説しょうせつ『シルマリルの物語ものがたり』の登場とうじょう人物じんぶつほし々の女王じょおうヴァルダの侍女じじょ。アルダの長上ちょうじょうおうマンウェの伝令でんれいエオンウェとともにマイアールのさい上位じょういにあるとされる。『ヴァラクウェンタ』で紹介しょうかいされ、以後いご登場とうじょうしない。 初期しょきあんではマンウェとヴァルダのむすめであり、エオンウェの姉妹しまいであるとかんがえられていた。しかしのちに“ヴァラールの子供こども”という概念がいねん却下きゃっかされ、ヴァルダの侍女じじょとなった。

ウルモの従者じゅうしゃでありうみばれる。オッセの配偶はいぐうしゃたる。

エステヴァーナ従者じゅうしゃ偉大いだいちから智慧ちえそなえたマイエである。[6]のちにエルウェのきさきとなり、あいだルーシエンをもうける。

つきつかさどるティリオンよりもちからあるマイエ。おそらくヴァーナか、ヴァルダの従者じゅうしゃであるとおもわれる。せいであり太陽たいよう運行うんこうつかさどっている。

脚注きゃくちゅう

編集へんしゅう
  1. ^ 女性じょせい単数たんすうがたマイエMaie)、複数ふくすうがたマイエアMaier)。
  2. ^ J.R.R. Tolkien, Christopher Tolkien 『The History of Middle-earth, vol.10 Morgoth's Ring』1993ねん Harper Collins, 49ぺーじ
  3. ^ J.R.R.トールキン 『新版しんぱん シルマリルの物語ものがたり』 評論ひょうろんしゃ 2003ねん 58ぺーじ
  4. ^ J.R.R. Tolkien, Christopher Tolkien 『The History of Middle-earth, vol.10 Morgoth's Ring』1993ねん Harper Collins, 79ぺーじ
  5. ^ 初期しょき設定せっていではMaiar、ÚmaiarはそれぞれVanimor、Úvanimor とされていた。
  6. ^ J.R.R.トールキン 『新版しんぱん シルマリルの物語ものがたり』 評論ひょうろんしゃ 2003ねん 397ぺーじ