エルサルバドル内戦ないせん

エルサルバドル内戦ないせん
	中央ちゅうおうアメリカ紛争ふんそう中なか
時とき	1980年ねん–1992年ねん
場所ばしょ	エルサルバドル
結果けっか	和平わへいが実現じつげん
衝突しょうとつした勢力せいりょく
ファラブンド・マルティ民族みんぞく解放かいほう戦線せんせん; 援助えんじょ国こく:; ニカラグア; キューバ; ソビエト連邦れんぽう	エルサルバドル; 援助えんじょ国こく:; アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく; メキシコ; イスラエル; 台湾たいわん; チリ
指揮しき官かん
シャフィク・アンダル（英語えいご版ばん）; ホアキン・ヴィラロボス（英語えいご版ばん）; カエタノ・カルピオ（英語えいご版ばん）; サルバドール・サンチェス・セレン	ロベルト・ダビュイソン（英語えいご版ばん）; アルバロ・マガナ（英語えいご版ばん）; ジョゼ・ギエルモ・ガルシア（英語えいご版ばん）; /ナポレオン・ドゥアルテ（スペイン語ご版ばん、英語えいご版ばん）; カルロス・エウジェニオ・ビデス・カサノヴァ（英語えいご版ばん）; アルフレード・クリスティアニ（英語えいご版ばん）
戦力せんりょく
6,000人にん - 15,000人にん (1985年ねん)	39,000人にん - 51,150人にん(1985年ねん)
被害ひがい者しゃ数すう
20,000人にん死亡しぼう	7,000人にん死亡しぼう
	上記じょうきの戦闘せんとう員いんと一般いっぱん市民しみんを含ふくめて75,000人にんが死亡しぼう。

エルサルバドル内戦ないせん（エルサルバドルないせん、スペイン語ご: Guerra civil de El Salvador）は、エルサルバドル政府せいふと社会しゃかい主義しゅぎ勢力せいりょくであるファラブンド・マルティ民族みんぞく解放かいほう戦線せんせんが激突げきとつした内戦ないせん。

背景はいけい

1969年ねんのサッカーワールドカップでの判定はんていを背景はいけいに発生はっせいしたホンジュラスとの「サッカー戦争せんそう」以降いこう、エルサルバドル国内こくないでは右翼うよく・左翼さよくを問とわず、小規模しょうきぼなゲリラ攻撃こうげきが散発さんぱつ的てきに発生はっせいするようになった。

1979年ねんのニカラグアにおけるサンディニスタ革命かくめい以降いこう、複数ふくすうの共産きょうさんゲリラがファラブンド・マルティ民族みんぞく解放かいほう戦線せんせん（FMLN）に統合とうごうされ蜂起ほうきを開始かいし。1980年ねん 3月24日にち、人権じんけん侵害しんがいを証言しょうげんし、政府せいふおよび軍部ぐんぶによる搾取さくしゅと弾圧だんあつへの批判ひはん^[1]を行おこなっていたオスカル・ロメロ司祭しさいが病院びょういんのチャペルで行おこなわれたミサの最中さいちゅうに右翼うよく勢力せいりょくに射殺しゃさつされると、内戦ないせんは本格ほんかく化かなものになっていった。

内戦ないせん状態じょうたい

詳細しょうさいは「死しの部隊ぶたい#エル・サルバドル」および「エルサルバドル#サッカー戦争せんそう以降いこう」を参照さんしょう

混乱こんらんの中なか、中米ちゅうべいにおける反共はんきょう戦略せんりゃくを掲かかげていたアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくのロナルド・レーガン政権せいけんはエルサルバドル政府せいふの要請ようせいに応おうじて、経済けいざい援助えんじょと軍事ぐんじ訓練くんれんプログラム^[2]の支援しえんを行おこなった。これら米国べいこくの支援しえんを受うけた政府せいふ軍ぐんおよび右翼うよく勢力せいりょくの死しの部隊ぶたいとFMLNゲリラとの交戦こうせんとの過程かていで多数たすうの一般いっぱん市民しみんが巻まき込こまれ、内戦ないせんは泥沼どろぬま状態じょうたいと化かした。

中なかでも、政府せいふ側がわの虐殺ぎゃくさつ行為こういは後のちに取とり沙汰ざたされるもので、1989年ねん11月、米べい陸軍りくぐん特殊とくしゅ部隊ぶたいグリーン・ベレーより指導しどうを受うけた陸軍りくぐんの対たいゲリラ部隊ぶたい「アトラカトル大隊だいたい」（スペイン語ご: Batallón Atlácatl）の隊員たいいんが、6人にんのイエズス会かい司祭しさいと、料理人りょうりにんと娘むすめを殺害さつがいするという事件じけんが有名ゆうめいである。^[3]

1992年ねん、国際こくさい連合れんごうの仲介ちゅうかいで和平わへいが実現じつげんし、国連こくれん平和へいわ維持いじ活動かつどう（PKO）として国際こくさい連合れんごうエルサルバドル監視かんし団だんが派遣はけんされる働はたらきかけがあり^[4]内戦ないせんが終結しゅうけつ。1994年ねんには選挙せんきょが行おこなわれ、右派うは政党せいとう民族みんぞく主義しゅぎ共和きょうわ同盟どうめい（ARENA)による新あらたな政権せいけんが誕生たんじょうした。

国連こくれん真実しんじつ委員いいん会かいの報告ほうこくによると、内戦ないせん中ちゅうに行おこなわれた暴力ぼうりょく行為こういの85％は親おや政府せいふの死しの部隊ぶたいとサルバドール軍ぐんが、5％はFMLNゲリラが担当たんとうした。^[5]

内戦ないせん終結しゅうけつ後ご

FMLNは内戦ないせん終結しゅうけつ後ご政党せいとうとなり、1994年ねんの選挙せんきょではARENAに敗北はいぼくしつつも、2000年代ねんだい以降いこう二に大だい政党せいとうの一角いっかくとしての地位ちいを築きずき始はじめ、2009年ねんには選挙せんきょでARENAに勝利しょうりし、マウリシオ・フネスとサルバドール・サンチェス・セレンを大統領だいとうりょうとする政権せいけんを立たてた。