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グレイ (単位) - Wikipedia

グレイ (gray、単位たんい記号きごうGy) は、放射線ほうしゃせんによって人体じんたいをはじめとした物体ぶったいあたえられたエネルギーをあらわ計量けいりょう単位たんいである。国際こくさい単位たんいけいにおける固有こゆう名称めいしょう記号きごうつ22のSI組立くみたて単位たんいひとつである。

グレイ
gray
記号きごう Gy
けい 国際こくさい単位たんいけい (SI)
種類しゅるい 一貫いっかんせいのあるSI組立くみたて単位たんい
りょう 吸収きゅうしゅう線量せんりょうエネルギー分与ぶんよカーマ
組立くみたて J/kg
定義ていぎ 吸収きゅうしゅう線量せんりょう : 放射線ほうしゃせんによって 1 kg の物質ぶっしつに 1 J のエネルギーが吸収きゅうしゅうされたときの吸収きゅうしゅう線量せんりょう
カーマ : 間接かんせつ電離でんり放射線ほうしゃせん照射しょうしゃにより直接ちょくせつ放出ほうしゅつされるぜん荷電かでん粒子りゅうし初期しょき運動うんどうエネルギーの物質ぶっしつ 1 kg につき 1 J の仕事しごと相当そうとうするときのカーマ
語源ごげん ルイス・ハロルド・グレイ
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吸収きゅうしゅう線量せんりょう[1]またはカーマ[1]計量けいりょう単位たんいとしておももちいられる。

医療いりょう現場げんばにおける治療ちりょうしゃ被曝ひばく線量せんりょうあらわ臓器ぞうき吸収きゅうしゅう線量せんりょう単位たんいなどにもちいられる[2]

吸収きゅうしゅう線量せんりょう単位たんい

編集へんしゅう
電離でんり放射線ほうしゃせん照射しょうしゃにより物質ぶっしつ 1 kg につき 1 J仕事しごと相当そうとうするエネルギーがあたえられるときの吸収きゅうしゅう線量せんりょうを1グレイと定義ていぎする[1]

カーマの単位たんい

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間接かんせつ電離でんり放射線ほうしゃせん照射しょうしゃにより直接ちょくせつ放出ほうしゅつされるぜん荷電かでん粒子りゅうし初期しょき運動うんどうエネルギー物質ぶっしつ 1 kg につき 1 J仕事しごと相当そうとうするときのカーマを1グレイと定義ていぎする[1]
J/kg = m2 s−2、すなわちT−2 L2次元じげんをもつ。

かつては吸収きゅうしゅう線量せんりょう計量けいりょう単位たんいとしてラド (単位たんい記号きごう rad) がもちいられていた。 1ラド = 0.01 グレイである[1]

ラドは国際こくさい単位たんいけいでは一貫いっかんせいのないSI単位たんいであるので、現在げんざいではほとんどもちいられない。ただし計量けいりょうほうでは、法定ほうてい計量けいりょう単位たんいとしてなおもみとめている。米国べいこくNISTのSP811は、ラド、キュリー(en:curie)、レントゲン(en:roentgen)、レム(en:rem)の使用しようけるようにつよく("strongly discouraged")びかけている[3]

グレイは、1940ねん同様どうよう概念がいねん単位たんい使用しようしたルイス・ハロルド・グレイ(1905ねん - 1965ねん)を記念きねんして1975ねんさだめられた。ルイス・ハロルド・グレイは、「1レントゲン放射能ほうしゃのうによって単位たんい体積たいせき水中すいちゅうしょうじるエネルギーにひとしいりょうのエネルギーの増加ぞうか単位たんい体積たいせきたりの組織そしきなかしょうじる中性子ちゅうせいし放射線ほうしゃせん総量そうりょう」を単位たんいとした。

符号ふごう位置いち

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記号きごう Unicode JIS X 0213 文字もじ参照さんしょう 名称めいしょう
U+33C9 - ㏉
㏉
グレイ

Unicodeには、グレイをあらわ上記じょうき文字もじ収録しゅうろくされている。これはCJK互換ごかんよう文字もじであり、既存きそん文字もじコードにたいする後方こうほう互換ごかんせいのために収録しゅうろくされているものであるので、使用しよう推奨すいしょうされない[4][5]

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ a b c d e 1992ねん平成へいせい4ねん)11月18にち政令せいれいだい357ごう計量けいりょう単位たんいれい別表べっぴょうだい1、こうばん58 吸収きゅうしゅう線量せんりょうこうばん60 カーマ
  2. ^ 医療いりょう領域りょういきでは、かずmGyの診断しんだんともな被曝ひばくから、放射線ほうしゃせん治療ちりょうともなすう10Gyにおよ線量せんりょうまで幅広はばひろ線量せんりょう領域りょういき被曝ひばくあつかわれる。そのため、定義ていぎから等価とうか線量せんりょう実効じっこう線量せんりょうもちいることはできない(すうGyに比例ひれいするたか線量せんりょういきにおいて等価とうか線量せんりょう適用てきようできない)。この幅広はばひろ線量せんりょう領域りょういき共通きょうつうして使つかえる線量せんりょうは、線量せんりょう概念がいねん基本きほんりょうとしての吸収きゅうしゅう線量せんりょうである。 草間くさま(2005) p.22
  3. ^ NIST SP811 p.10, Chapter5.2, NIST
  4. ^ CJK Compatibility” (2015ねん). 2016ねん2がつ21にち閲覧えつらん
  5. ^ The Unicode Standard, Version 8.0.0”. Mountain View, CA: The Unicode Consortium (2015ねん). 2016ねん2がつ21にち閲覧えつらん

参考さんこう文献ぶんけん

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関連かんれん項目こうもく

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放射能ほうしゃのうかんする単位たんいりょう[編集へんしゅう]
りょう 単位たんい 記号きごう 定義ていぎ 導入どうにゅうねん SI単位たんい
放射能ほうしゃのう (A) キュリー Ci 3.7×1010 s−1 1953ねん 3.7×1010 Bq
ベクレル Bq s−1 1974ねん SI単位たんい
ラザフォード Rd 106 s−1 1946ねん MBq
照射しょうしゃ線量せんりょう (X) レントゲン R esu / 0.001293 g空気くうき 1928ねん 2.58×10−4 C/kg
フルエンス (Φふぁい) まい平方へいほうメートル m−2 m−2 1962ねん SI単位たんい
吸収きゅうしゅう線量せんりょう (D) エルグ erg erg⋅g−1 1950ねん 10−4 Gy
ラド rad 100 erg·g−1 1953ねん 10−2 Gy
グレイ Gy J·kg−1 1974ねん SI単位たんい
等価とうか線量せんりょう (H) レム rem 100 erg·g−1 1971ねん 10−2 Sv
シーベルト Sv J·kg−1 × WR 1977ねん SI単位たんい