ジン・アーソ

ジン・アーソ (Jyn Erso) は、『スター・ウォーズシリーズ』の登場とうじょうキャラクター。『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』の主人公しゅじんこうで、銀河ぎんが帝国ていこくの超ちょう兵器へいきデス・スターの設計せっけい図ず奪取だっしゅを図はかる「ローグ・ワン」のメンバー。

ジン・アーソ Jyn Erso
スター・ウォーズシリーズのキャラクター
ジン・アーソの衣装いしょう
初はつ登場とうじょう	『ローグ・ワン』（2016年ねん）
演えんじ	フェリシティ・ジョーンズ
声こえ	ヘレン・サドラー（『バトルフロント』） フェリシティ・ジョーンズ（『フォース・オブ・デスティニー』）
プロファイル
愛称あいしょう	スターダスト
種族しゅぞく	人間にんげん
性別せいべつ	女性じょせい
家族かぞく	ゲイレン・アーソ（父ちち） ライラ・アーソ（母はは）

英国えいこく人じん女優じょゆうのフェリシティ・ジョーンズが演えんじ、日本語にほんご吹ふき替かえは渋谷しぶやはるかが担当たんとうしている。批評ひひょう家かからはキャラクターを「オリジナル・トリロジー」のハン・ソロ、「シークエル・トリロジー」のレイと比較ひかくして論評ろんぴょうされている。

創造そうぞうと設定せってい

フェリシティ・ジョーンズ

ジョン・ノールは自分じぶんの娘むすめから発想はっそうを得えて、ジン・アーソのキャラクターを作つくり出だした。

2015年ねん1月がつ、ハリウッド・リポーターは『ローグ・ワン』の主役しゅやく候補こうほとして、タチアナ・マスラニー、ルーニー・マーラ、フェリシティ・ジョーンズなど複数ふくすうの女優じょゆうが選考せんこうを受うけていることを報ほうじた。2月にジョーンズが主役しゅやくとして最終さいしゅう的てきな交渉こうしょう中ちゅうであることが報ほうじられ、3月12日にちに彼女かのじょの起用きようが正式せいしきに発表はっぴょうされた。

ジン・アーソは科学かがく者しゃゲイレン・アーソの娘むすめで、父ちちは帝国ていこく軍ぐんのオーソン・クレニックにデス・スターの開発かいはつを強要きょうようされ、母ははライラは帝国ていこく軍ぐんに射殺しゃさつされる。ジンは父ちちの友人ゆうじんで反乱はんらん同盟どうめい軍ぐんの過激かげき派は分子ぶんし「パルチザン」のリーダーであるソウ・ゲレラに保護ほごされ、彼かれに育そだてられ戦闘せんとう術じゅつを教おしえ込こまれる。IGNのエリック・ゴールドマンは、「幼少ようしょう期きのトラウマが原因げんいんで、彼女かのじょは身みを守まもるために壁かべを作つくるようになった」と述のべ、PopMattersのクリス・バーサンティは、幼少ようしょう期きの悲劇ひげきが「彼女かのじょを冷笑れいしょう的てきにし、反乱はんらん同盟どうめい軍ぐんに助力じょりょくすることを躊躇ちゅうちょさせた」と付つけ加くわえた。ヒラリー・バシスはヴァニティ・フェアに寄稿きこうし、ジンのバックストーリーは「『スター・ウォーズシリーズ』最大さいだいの資源しげんであるファーザー・コンプレックスに頼たよっている」と指摘してきしている。

ジンのキャラクターについて、デイリー・テレグラフは「いかにも悪党あくとうらしく、ハン・ソロ的てきなスタイルのヒロイン」、ハリウッド・リポーターのトッド・マッカーシーは「運命うんめいに導みちびかれて、銀河ぎんがで最もっとも広大こうだいな強国きょうこくと戦たたかう女おんな戦士せんし」と批評ひひょうしている。エンターテインメント・ウィークリーのクリス・ナシャワティは、「勇猛ゆうもうな戦士せんし」「立たち上あがるリーダー」と述のべている。A・O・スコットはニューヨーク・タイムズに寄稿きこうし、「ジンのジェダイ的てき理想りそう主義しゅぎは、ハンフリー・ボガート的てきシニシズムのヒントによって最初さいしょに注目ちゅうもくされる。彼女かのじょは同盟どうめい軍ぐんを疑うたがい、帝国ていこくを軽蔑けいべつし、ソウ・ゲレラに複雑ふくざつな感情かんじょうを抱だいている」と述のべている。ローリング・ストーンのピーター・トラヴァースは、ジンを「生うまれながらの反乱はんらん者しゃ」と呼よび、ザ・ニューヨーカーのリチャード・ブロディは「ジンは反乱はんらんの精神せいしんを少すこしも抱だいていなかった」が、ゲレラや同盟どうめい軍ぐんと行動こうどうを共ともにするうちに「非ひ政治せいじ的てきな生者しょうじゃから活発かっぱつな反乱はんらん者しゃへと移行いこうした」と批評ひひょうしている。

ジン役やくのジョーンズは、演えんじる際さいにソロを演えんじたハリソン・フォードが表現ひょうげんした不遜ふそんさを意識いしきして演えんじている。また、ファンの間あいだで「ジンはレイの母親ははおやではないか」という憶測おくそくが流ながれていたことに対たいして、彼女かのじょは「レイとジンには血ちのつながりはありません」と否定ひていしている。

劇げき中ちゅうの活躍かつやく

『ローグ・ワン』

ジンの父ちちゲイレンは帝国ていこく軍ぐんのクレニックに強要きょうようされてデス・スターの開発かいはつに参加さんかさせられ、母ははライラは彼女かのじょを逃にがすために帝国ていこく軍ぐんに殺ころされる。逃にげ延のびたジンは、父ちちの友人ゆうじんであるゲレラに保護ほごされ彼かれに育そだてられるが、成長せいちょう後ごに彼かれと決別けつべつする。

15年ねん後ご。ジンは数々かずかずの犯罪はんざい行為こういで帝国ていこく軍ぐんに逮捕たいほされるが、反乱はんらん同盟どうめい軍ぐんに助たすけ出だされる。同盟どうめい軍ぐんは、ゲレラが入手にゅうしゅした帝国ていこく軍ぐんの超ちょう兵器へいきの設計せっけい図ずを受うけ取とるため、彼かれと関係かんけいのあるジンに協力きょうりょくを求もとめる。ジンは同盟どうめい軍ぐん情報じょうほう部ぶのキャシアンとK-2SOと共ともに惑星わくせいジェダに向むかいゲレラと再会さいかいし、ゲイレンが記録きろくしたメッセージを確認かくにんし、超ちょう兵器へいきがデス・スターであることを知しる。同おなじころ、クレニックはデス・スターの試射ししゃ実験じっけんの標的ひょうてきとしてジェダ・シティを攻撃こうげきし、ジンたちはゲレラのアジトから脱出だっしゅつする。

ジンたちはゲイレンがいる惑星わくせいイードゥーの研究けんきゅう施設しせつに向むかうが、同時どうじに研究けんきゅう施設しせつは同盟どうめい軍ぐんの攻撃こうげきで壊滅かいめつし、彼女かのじょは攻撃こうげきの巻まき添ぞえで重傷じゅうしょうを負おった父ちちと再会さいかいし、最期さいごを看取みとる。同盟どうめい軍ぐん基地きちがあるヤヴィン第だい4惑星わくせいに到着とうちゃくしたジンたちは、デス・スター設計せっけい図ずを奪取だっしゅするため帝国ていこく軍ぐん施設しせつのある惑星わくせいスカリフに向むかうことを提案ていあんするが、同盟どうめい市民しみん政府せいふの議員ぎいんたちは彼女かのじょたちの情報じょうほうの信憑しんぴょう性せいを疑うたがい、提案ていあんを却下きゃっかする。ジンはキャシアンたち賛同さんどう者しゃと共ともに志願しがん部隊ぶたい「ローグ・ワン」として独断どくだんでスカリフに向むかう。ジンとキャシアンは「ローグ・ワン」メンバーの犠牲ぎせいの上うえに設計せっけい図ずを奪取だっしゅして同盟どうめい軍ぐん艦隊かんたいに送信そうしんするが、デス・スターの攻撃こうげきに巻まき込こまれ、キャシアンと共ともに死亡しぼうする。

『フォース・オブ・デスティニー』

ジンはレイア・オーガナやアソーカ・タノなど女性じょせいキャラクターを描えがいたウェブアニメ『スター・ウォーズ/フォース・オブ・デスティニー』にも登場とうじょうしている。「The Stranger」ではストームトルーパーに連つれ去さられそうになった少女しょうじょを助たすけ出だし、「Accidental Allies」では『スター・ウォーズ 反乱はんらん者しゃたち』のサビーヌ・レンと出会であっている。

小説しょうせつ版ばん

ジェームズ・ルシーノの小説しょうせつ『カタリスト』にも登場とうじょうする。銀河ぎんが共和きょうわ国こく時代じだい末期まっきのクローン大戦たいせん中なか、アーソ一家いっかは分離ぶんり主義しゅぎ者しゃに拉致らちされ、共和きょうわ国軍こくぐん少佐しょうさクレニックに救出きゅうしゅつされる。超ちょう兵器へいき開発かいはつ部門ぶもんに所属しょぞくするクレニックは、ゲイレンにカイバークリスタルを利用りようしたエネルギー技術ぎじゅつ開発かいはつを依頼いらいするが、真しんの目的もくてきはデス・スター開発かいはつに必要ひつような技術ぎじゅつを開発かいはつさせることだった。ゲイレンとライラはクレニックの依頼いらいを疑うたがい始はじめ、ジンを逃にがそうとする。

評価ひょうか

『ローグ・ワン』ジャパンプレミアでのスタッフ・キャスト（左ひだりからディエゴ・ルナ、フェリシティ・ジョーンズ、ギャレス・エドワーズ）

A・O・スコットは、「フェリシティ・ジョーンズは機転きてんが利きく現代げんだい的てきなヒロインで、伝統でんとう的てきな『スター・ウォーズ』への素晴すばらしい追加ついかとなった」と批評ひひょうした。ピーター・ブラッドショーはガーディアンに寄稿きこうし、「ジョーンズはキャリー・フィッシャーやデイジー・リドリーのような女性じょせいリーダーであり、王女おうじょのような裕福ゆうふくな人間にんげんではないものの確たしかな目的もくてき意識いしきを持もっている」と批評ひひょうした。ピーター・トラヴァースはジョーンズを「極上ごくじょう」、ジンを「偉大いだいな女おんな戦士せんし」と評価ひょうかし、ロサンゼルス・タイムズのジャスティン・チャンはジョーンズの「同情どうじょう的てきな残忍ざんにん性せい」のある役やくを称賛しょうさんした。IndieWireのデヴィッド・イーリヒは『スター・ウォーズ/フォースの覚醒かくせい』のレイと比較ひかくして、「エピソード7の勇気ゆうきのあるヒロインと区別くべつが付つかない」と批評ひひょうした。

クリス・ナシャワティは、「ジョーンズは彼女かのじょを温あたたかい演技えんぎで、単たんなる駒こま以上いじょうのキャラクターに変化へんかさせた」と批評ひひょうしている。ワシントン・ポストのアン・ホーナディは、ジョーンズとリドリーのキャラクター双方そうほうに関連かんれん性せいがあることを指摘してきしている。ハリウッド・リポーターのグレイム・マクミランは、ジンが受動じゅどう的てきなキャラクターであることを批判ひはんした。

外部がいぶリンク

• Jyn Erso in the StarWars.com Databank
• ジン・アーソ - Wookieepedia: a Star Wars wiki
• ジン・アーソ - インターネット・ムービー・データベース（英語えいご）