セキスイハイム

セキスイハイム（Sekisuiheim）は、積水化学工業せきすいかがくこうぎょう住宅じゅうたくカンパニーによる住宅じゅうたく事業じぎょうのブランド名称めいしょうである。

概要がいよう

工場こうじょうで鉄骨てっこつラーメン構造こうぞうのボックス型がたユニット（広義こうぎのプレハブ工法こうほう）を生産せいさんし、それを建築けんちく現場げんばにおいて組くみ合あわせるという方式ほうしきがセキスイハイムの基本きほん概念がいねんである^[1]。これにより、建築けんちくにかかる日数にっすうが大幅おおはばに短縮たんしゅくされ、合理ごうり化かされた工場こうじょうにおける生産せいさん比率ひりつが高たかいことから高こう品質ひんしつが確保かくほされることとなった。さらに、堅牢けんろうな鉄骨てっこつラーメン構造こうぞうによる高たかい耐震たいしん性せいも持もち合あわせているとされる。

一般いっぱん的てきな家やづくりの場合ばあい、建設けんせつ現場げんばは、夏なつは暑あつく、冬ふゆは寒さむく、きつい環境かんきょう下かではミスやムラも発生はっせいしやすくなるが工場こうじょうによる生産せいさんラインは、適正てきせいな温度おんど環境かんきょうのもと作業さぎょうできる為ため、バラつきのない品質ひんしつを保たもった構築こうちくが可能かのうとなる。

セキスイハイムの最初さいしょのモデルであるM1は基本きほん設計せっけい・システム開発かいはつを建築けんちく家かの大野おおの勝彦かつひこ（当時とうじ、東京大学とうきょうだいがく内田うちだ研究けんきゅう室しつ在籍ざいせき）が担当たんとうした。M1は1970年ねんに第だい1回かい「東京とうきょう国際こくさいグッドリビングショウ」でデビューし^[2]、2004年度ねんどにDOCOMOMO JAPAN選定せんてい日本にっぽんにおけるモダン・ムーブメントの建築けんちくに選えらばれているほか、2013年度ねんどには世界せかいで初はじめて市場いちばで成功せいこうしたボックスユニットによるプレハブ住宅じゅうたくであるとして、重要じゅうよう科学かがく技術ぎじゅつ史し資料しりょう（未来みらい技術ぎじゅつ遺産いさん）に選定せんてい・登録とうろくされている^[3]^[4]。オプションの鉄骨てっこつ系けいのハイムシリーズに採用さいようする「快適かいてきエアリー」は、ユニット工法こうほうならではの床下ゆかした大空おおぞら間あいだにヒートポンプ式しき冷暖房れいだんぼう・除じょ湿しめシステムと、熱ねつ交換こうかん式しき第だい一種いっしゅ換気かんきシステムを併設へいせつ。

木質もくしつ系けいのグランツーユーに採用さいようする「空気くうき工房こうぼう」は、快適かいてきエアリー同様どうようの換気かんきシステムを2階かいと小屋こや裏うら空間くうかんに分散ぶんさんして設置せっちされる。

どちらのシステムも、高たかい断熱だんねつ・気密きみつ性せいをベースに、冷暖房れいだんぼうされた空気くうきの流ながれをコントロールすることで、居室きょしつだけでなく、非ひ居室きょしつ（廊下ろうか・階段かいだん・洗面せんめん室しつ・トイレなど）も含ふくめた住すまい全体ぜんたいの温度おんど差さを季き節ぶしや時間じかん帯たいにかかわらず小ちいさくすることが可能かのう。また、換気かんきシステムに組くみ込こまれた高性能こうせいのうフィルターが外気がいきに含ふくまれる花粉かふんや黄砂こうさ、排気はいきガスのNO2等とうを濾過ろかし、第だい一種いっしゅ換気かんき方式ほうしきの効果こうか（内外ないがい温度おんど差さや風速ふうそくなどの影響えいきょうを最小限さいしょうげんにして安定あんてい的てきに空気くうきを循環じゅんかん）と合あわせて室内しつないの空気くうきをクリーンに保たもつ事ことが出来できる。さらに、高たかい除じょ湿しめ能力のうりょくにより梅雨つゆ〜夏季かきに快適かいてきレベルの湿度しつど環境かんきょうを実現じつげん。

2002年ねん（平成へいせい14年ねん）には販売はんばい体制たいせいを再編さいへんし、「セキスイツーユーホーム」のブランド名めいで販売はんばいしている木造もくぞうの2×4（ツーバイフォー）ユニットも併売へいばいするようになった。こちらは木造もくぞうであるため鉄骨てっこつラーメン構造こうぞうに比くらべると耐震たいしん性せいで劣おとるものの高こう気密きみつ・高こう断熱だんねつであり、コスト面めんでも鉄骨てっこつ系けいのハイムより、若干じゃっかん安価あんかである。また、ツーバイフォーよりも幅広はばひろの木材もくざいを使用しようしたワンランク上じょうの2×6（ツーバイシックス）もある。こちらの方ほうがより大量たいりょうの断熱だんねつ材ざいを壁かべ内部ないぶに充填じゅうてんでき、断熱だんねつ性能せいのうに優すぐれる。また耐震たいしん実験じっけんでも2,000ガルを超こえる加速度かそくどに対たいして無傷むきずであることが判わかっている。大手おおてハウスメーカーの中なかでは、珍めずらしく断熱だんねつ材ざいとしてグラスウールを使用しようしている。なお、国内こくない最大さいだいの実験じっけん施設しせつでの最大さいだい加速度かそくどは2,000ガルである。^{[要よう出典しゅってん]} 2F建けん実験じっけんの最大さいだい加か振ふ 2,112ガル 3F建けん実験じっけんの最大さいだい加か振ふ 1,862ガル

実際じっさい、創業そうぎょう以来いらい起おきた大だい規模きぼ地震じしん（阪神はんしん・淡路あわじ大震災だいしんさい、新潟にいがた県けん中越なかこし地震じしん・新潟にいがた県けん中越なかこし沖おき地震じしん、東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさい、熊本くまもと地震じしん、北海道ほっかいどう胆振いぶり東部とうぶ地震じしんなど）においてもその耐震たいしん性せいは証明しょうめいされており^[5]、ハイム・ツーユーホームともに、地震じしんそのものの揺ゆれに起因きいんする全ぜん半壊はんかいの被害ひがいは一いち軒けんも発生はっせいしていない。とりわけ、阪神はんしん大震災だいしんさいの時ときは被災ひさい地ちに7700棟むねあったが、それらは無傷むきずであり、建築けんちく基準きじゅん法ほうの改正かいせいに繋つながった他ほか、戦後せんご最大さいだいのマグニチュード9を観測かんそくした東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさいでは東北とうほくを中心ちゅうしんとして18万まん棟むね、熊本くまもと地震じしん（2016年ねん）では建築けんちく基準きじゅん法ほうに基もとづく新しん耐震たいしん基準きじゅんを満みたした住居じゅうきょも全ぜん半壊はんかいする中なかで、セキスイハイム15000棟むねが一切いっさい被害ひがいを受うけなかった^[6]。

再築さいちくシステムの家いえ

セキスイハイムは2002年ねん（平成へいせい14年ねん）5月から「再築さいちくシステムの家いえ」というサービスを開始かいししている。この「再築さいちくシステムの家いえ」は、古ふるいセキスイハイムの住宅じゅうたくユニットを分解ぶんかい・下取したどりし、工場こうじょうにおいて補修ほしゅう・点検てんけんなどをして、新あらたに再生さいせいされた住宅じゅうたくとして別べつの顧客こきゃくに販売はんばいするというものである。これは、箱はこ形がたのユニットを組くみ合あわせるというユニット住宅じゅうたくの特性とくせいにより実現じつげんされたもので、近年きんねんの日本にっぽんの住宅じゅうたくが「ミンチ解体かいたい」と呼よばれる方式ほうしきで解体かいたいされ大量たいりょうの産業さんぎょう廃棄はいき物ぶつを発生はっせいさせている問題もんだい^[7] の回避かいひに成功せいこうしている。

また、2002年ねん（平成へいせい14年ねん）12月からは「光熱こうねつ費ひゼロ住宅じゅうたく」の販売はんばいを開始かいししている。これは太陽光たいようこう発電はつでんシステムや高こう効率こうりつ給湯きゅうとう器きの搭載とうさい、住宅じゅうたく断熱だんねつ性能せいのうの向上こうじょう、照明しょうめい設備せつびの省しょうエネルギー化かなどを組くみ合あわせることで、光熱こうねつ費ひゼロ住宅じゅうたくを実現じつげんするとされている。

この仕組しくみを応用おうようして、「リユースハイム」キャンペーンを行おこなっている。これは住宅じゅうたく展示てんじ場じょうの建たて替かえや更新こうしん、また展示てんじ場じょう自体じたいの閉鎖へいさに伴ともない、使つかわれなくなったモデルハウスを希望きぼう者しゃに抽選ちゅうせんで購入こうにゅうしてもらうもの。基本きほん的てきにはモデルハウスの設計せっけいそのものを移築いちくするが、当選とうせん者しゃの土地とちスペースによって間取まどりなどを変更へんこうすることもできる^[8]。

主おもな商品しょうひん