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バックホー - Wikipedia

バックホーえい: backhoeどく: Tieflöffelbagger)とは、油圧ゆあつショベルなかでも、ショベル(バケット)をオペレータがわきにけたもののこと。オペレータがわきのショベルでオペレータは自分じぶんせる(かかむ)方向ほうこう操作そうさする。地表ちひょうめんよりひく場所ばしょ掘削くっさくてきしている。建設けんせつ機械きかい一種いっしゅ。「バックホウ」と表記ひょうきすることも。(日本にっぽん行政ぎょうせい用語ようごでは)ドラグショベルともいう。日本語にほんごのバックホーの語源ごげん英語えいごのbackhoeだが、英語えいごではその、rear actorあるいはback actorとしょうすることがある。

日本にっぽん一般いっぱんてきなバックホー
バックホー、東京とうきょうにて

概説がいせつ

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油圧ゆあつショベルはアタッチメントとぶショベルやバケット部分ぶぶんえによって様々さまざま用途ようと使つかわれ、バックホーはショベル(バケット)をオペレータがわきにけたタイプのことである。(それにたいして、バケットを上向うわむきで、オペレータからとおざけげるきでけたタイプは「ローディングショベル」とばれる)

海外かいがいのバックホー

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英語えいごの「backhoe」は「back」(後部こうぶ)と「hoe」(くわ、くわ)が語源ごげんである。なぜバックなのかについては、以前いぜんおおもちいられていた前方ぜんぽうへすくいるローディングショベルにたいし、手元てもとがわ後方こうほう)へるからだとも、あるいは後述こうじゅつのようにトラクターの後部こうぶ装着そうちゃくする作業さぎょう装置そうちもとだからだとも諸説しょせつある。

日本にっぽん一般いっぱんてきにバックホーとばれる建設けんせつ機械きかいは、無限むげん軌道きどうあるいは車輪しゃりんそなえた走行そうこう装置そうち上部じょうぶ車体しゃたい全体ぜんたい旋回せんかいさせる機能きのうゆうするのが特徴とくちょうであり、これは英語えいごではエクスカベータ(excavator)とばれる。

 
海外かいがいのローダーバケットきバックホー

これにたいして海外かいがいでバックホーとばれるもの農耕のうこうようトラクターから派生はせいした建設けんせつ機械きかいで、前方ぜんぽうにローダーバケット、後方こうほうにバックホーをそなえ、バックホー・ローダー(backhoe loader)ともばれる。最初さいしょのバックホー・ローダーは1953ねんイギリスJCBによってつくられた。また日本にっぽんではほとんどかけることはないが、外国がいこくせい農耕のうこうようトラクターでは、後部こうぶ装着そうちゃくする作業さぎょうとしてバックホーをオプションで設定せっていしていることがある。

操作そうさ方法ほうほう

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基本きほんてきには、左右さゆう一本いっぽんずつ、けいほん操作そうさレバー、走行そうこうけい無限むげん軌道きどう操作そうさする走行そうこうレバーほん、エンジンのスロットル操作そうさおこなうスロットルレバーがそなえられている。 機種きしゅによって、アームと本体ほんたい角度かくどや、バケットのオフセット位置いち変更へんこうするための操作そうさペダルをそなえている。

旋回せんかい油圧ゆあつモーターと旋回せんかいブレーキを制御せいぎょすることによっておこなう。 アームやバケットは、接合せつごう部分ぶぶんけられた油圧ゆあつシリンダーにおくあぶらりょう制御せいぎょし、油圧ゆあつシリンダーのながさをえることによって、接合せつごう部分ぶぶん角度かくど制御せいぎょすることによって操作そうさする。

過去かこにはかくメーカーが独自どくじ操作そうさ方式ほうしき採用さいようしていたが、JIS規格きかくいち標準ひょうじゅんとされる操作そうさ方式ほうしきさだめられた。その、1994ねんにISO方式ほうしきしんJIS規格きかくとして採用さいようされ、現在げんざい日本にっぽん国内こくないではISO規格きかく操作そうさ方式ほうしき標準ひょうじゅん方式ほうしきとされている。

スロットルレバー
エンジンの出力しゅつりょく調節ちょうせつする。レバーがたのものや、ダイヤルがたのものがある。
おおきなちから必要ひつよう作業さぎょうをしたり、走行そうこう速度そくどげる場合ばあいにはスロットルをけ、繊細せんさい作業さぎょうをしたり走行そうこう速度そくどとす場合ばあいにはスロットルをしぼる。
出力しゅつりょくはエンジンの回転かいてんおとや、実際じっさい操作そうさした感覚かんかくなどで判断はんだん調節ちょうせつする。
ひだりレバー
左右さゆうたおすと、それぞれの方向ほうこう機体きたい旋回せんかいする。レバーを中立ちゅうりつ位置いちもどすと旋回せんかいブレーキが作動さどうし、旋回せんかい停止ていしする。
前後ぜんごたおすと、アームの中折なかお部分ぶぶんけられている油圧ゆあつシリンダーのながさが変化へんかし、アームの中折なかおれ部分ぶぶん角度かくど変化へんかさせ、結果けっかとしてアームの半径はんけいちょう変化へんかさせる。つまりまえたおすと、油圧ゆあつシリンダーがびてアーム中折なかおれ部分ぶぶん角度かくどおおきくなり、バケットを前方ぜんぽうす。
のちたおすと、アームの中折なかお部分ぶぶん角度かくどちいさくなり、バケットを機体きたい本体ほんたいちかづくきにせる。
みぎレバー
左右さゆうたおすと、バケットとアームの接合せつごう部分ぶぶんけられた油圧ゆあつシリンダーのながさが変化へんかし、バケットとアームの接合せつごう部分ぶぶん角度かくど変化へんかさせる。
ひだりたおすと、油圧ゆあつシリンダーが収縮しゅうしゅくしてバケットとアームの角度かくどちいさくし、バケットで土砂どしゃなどをすくったり掘削くっさくしたりするような動作どうさをする。
みぎたおすと、バケットとアームの接合せつごう部分ぶぶん角度かくどおおきくなり、バケットにはいっている土砂どしゃなどを排出はいしゅつする動作どうさをする。
前後ぜんごたおすと、機体きたい本体ほんたいとブームの接合せつごう部分ぶぶんけられた油圧ゆあつシリンダーのながさが変化へんかし、ブームを上下じょうげ方向ほうこううごかす。前方ぜんぽうたおすと、ブームをげる。後方こうほうたおすと、ブームをげる。

実際じっさいには、アームの中折なかお部分ぶぶんとバケットの部分ぶぶん角度かくどは、それぞれ関連かんれんして動作どうさするので、効率こうりつてき操作そうさするには一定いってい熟練じゅくれん必要ひつようである。 また、アームをちぢめた場合ばあいには、中折なかお部分ぶぶん上方かみがたにせりがり、作業さぎょう部分ぶぶんであるバケットのみていると上方かみがた電線でんせんなどの障害しょうがいぶつ干渉かんしょうしたりするなど、事故じこにつながることもある。

走行そうこう
走行そうこう方式ほうしき永久えいきゅう軌道きどう方式ほうしき(クローラともいう。ぞくうキャタピラは商標しょうひょう)である場合ばあいには、左右さゆうそれぞれのくつたい独立どくりつして操作そうさするレバーがそなえられている。また、とく大型おおがた機種きしゅ機体きたいそう重量じゅうりょう12トン以上いじょうのものではほとんど)では走行そうこうレバーの根元ねもと部分ぶぶんあし操作そうさできるようにペダルがそなえられているものもおおい。
前進ぜんしん
レバーをまえたおす。(ペダル前方ぜんぽうむ)
後退こうたい
レバーをうしろにたおす。(ペダル後方こうほうむ)
転回てんかい
がりたい方向ほうこう反対はんたいがわのレバー(ペダル)をよりおおきくたおす。(む)
どう位置いちでの転回てんかい
左右さゆうのレバーをそれぞれぎゃくたおす。
どう位置いちでの無理むり転回てんかいは、くつたい損傷そんしょうしたり、あるいはくつたい駆動くどうからはずれてしまうなどのトラブルもこすことがあるので、注意ちゅうい必要ひつようである。
また、アームをげバケットを地面じめんけると、くつたいぜん方向ほうこうがり、そのままの状態じょうたい操作そうさレバーで機体きたい旋回せんかい操作そうさおこなうと転回てんかいできる。このとき走行そうこうペダルを左右さゆうぎゃく操作そうさすればよりスムーズに転回てんかいでき、くつたい負担ふたんやトラブルの可能かのうせいすくなくなる。(両手りょうてがアーム操作そうさ旋回せんかい操作そうさでふさがっているので、あしでのペダル操作そうさおこなうのが普通ふつうだが、さきにアーム操作そうさおこなってくつたいかせてあれば、旋回せんかい操作そうさ左手ひだりて走行そうこうレバーを右手みぎて操作そうさするという方法ほうほうもある)
走行そうこうけい操作そうさ注意ちゅういてん
旋回せんかいして機体きたい方向ほうこう反転はんてんしても、走行そうこうレバー操作そうさ動作どうさする方向ほうこうわらないので、オペレーターからみたかけの走行そうこうレバーの操作そうさ方向ほうこう反転はんてんする。つまり作業さぎょうアームと座席ざせき後方こうほういている場合ばあい、オペレーターからのかけじょうでは、走行そうこうレバーを後方こうほうたおすと前進ぜんしんし、レバーを前方ぜんぽうたおすと後退こうたいする。
オペレーターが機体きたいきをしっかりと把握はあくせずに操作そうさしてぎゃく方向ほうこう走行そうこうしたことによるとみられるがけからの転落てんらく作業さぎょういんそのひとぶつとの接触せっしょくなどの事故じこもしばしばあるので、走行そうこうけい操作そうさには十分じゅうぶん注意ちゅうい必要ひつようである。
きゅうJIS方式ほうしき
現行げんこうのISO規格きかくきゅうJIS規格きかくでは、ひだりレバーの操作そうさ方法ほうほうことなり、きゅうJIS規格きかくでは前後ぜんごたおして旋回せんかいさせる。つまりひだりレバーをまえたおすとみぎ旋回せんかいうしろにたおすとひだり旋回せんかいみぎたおすとアームの収縮しゅうしゅくひだりたおすとアームの伸長しんちょうである。

現状げんじょう

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バックホーの操作そうさ方式ほうしきにISO規格きかく採用さいようされたのは1994ねんだが、建設けんせつ現場げんばではいまだに両者りょうしゃ混在こんざいしており、オペレーターもいまだにきゅう規格きかくれたものおおく、機種きしゅによっては、操作そうさ方法ほうほう簡単かんたんえられる仕組しくみをそなえたものもある。

きゅうJIS規格きかくとISO規格きかく操作そうさ方式ほうしきは、ひだりレバーの操作そうさ手順てじゅんを90ずらしただけなので、操作そうさ方法ほうほう変更へんこうには一般いっぱんてきにはそれほど複雑ふくざつ機械きかい構造こうぞう必要ひつようとはしない。 または操作そうさ方法ほうほうかかわる油圧ゆあつ配管はいかん変更へんこうして、オペレーターがれている操作そうさ方式ほうしきえて使用しようしている場合ばあいおおい。

免許めんきょ資格しかく

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日本にっぽん国内こくないでは、バックホーの運転うんてんには、車両しゃりょうけい建設けんせつ整地せいち運搬うんぱんようおよ掘削くっさくよう機械きかい技能ぎのう講習こうしゅう修了しゅうりょうしゃ機体きたい質量しつりょう3トン以上いじょう) または特別とくべつ教育きょういく修了しゅうりょうしゃ機体きたい質量しつりょう3トン未満みまん)の資格しかく必要ひつようである。

また、工事こうじなどで占有せんゆうしている部分ぶぶん走行そうこう場合ばあいや、工事こうじ現場げんば直近ちょっきんでの安全あんぜん十分じゅうぶん配慮はいりょしての短距離たんきょり移動いどう横断おうだん場合ばあいなどをのぞき、一般いっぱん道路どうろ走行そうこうには、だい一種いっしゅ大型おおがた特殊とくしゅ自動車じどうしゃ運転うんてん免許めんきょ必要ひつようである。 また、フォークリフトとう同様どうよう一般いっぱん道路どうろ走行そうこうにはバックホーにも自動車じどうしゃ登録とうろく自動車じどうしゃ検査けんさ登録とうろく車検しゃけん必要ひつようであり、当然とうぜんナンバープレート(0ナンバー)そなえていなければならない。

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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