(Translated by https://www.hiragana.jp/)
農業機械 - Wikipedia

農業のうぎょう機械きかい

農機具のうきぐのうち農業のうぎょうよう機械きかい総称そうしょう

農業のうぎょう機械きかい(のうぎょうきかい、えい: agricultural machinery)は、農機具のうきぐのうち農業のうぎょうよう機械きかい総称そうしょう[1]機械きかい一種いっしゅであり、酪農らくのうぎょう畜産ちくさんぎょうふく農業のうぎょう現場げんばで、ひとにとって苦痛くつう困難こんなん不可能ふかのう程度ていど重労働じゅうろうどう作業さぎょう補助ほじょ代行だいこうする。のう(のうき)とりゃくされる。

定義ていぎ分類ぶんるい

編集へんしゅう

農機具のうきぐ農業のうぎょう機械きかい

編集へんしゅう

農業のうぎょう生産せいさんでの労働ろうどう技術ぎじゅつてき補助ほじょ手段しゅだん総称そうしょうして農機具のうきぐという[1]農機具のうきぐ農業のうぎょうよう機械きかい広義こうぎ農具のうぐとに大別たいべつされる(広義こうぎ農具のうぐはさらに金槌かなづちのこのようにかならずしも用途ようと農業のうぎょう限定げんていされない一般いっぱん道具どうぐくわかまのようにおも用途ようと農業のうぎょう目的もくてきのうよう道具どうぐ狭義きょうぎ農具のうぐ)にけられる)[1]

道具どうぐとしての農具のうぐとの区別くべつでは、足踏あしぶしき脱穀だっこく畜力ちくりょくはいずれも農業のうぎょうよう機械きかいである<[1]

道具どうぐとしての農具のうぐは、農作業のうさぎょう効率こうりつたか労働ろうどうりょく軽減けいげん可能かのうにしているが、作業さぎょうだい部分ぶぶん人間にんげん手中しゅちゅうのこされているため、作業さぎょう能率のうりつたかめるためには長年ながねん経験けいけん必要ひつようであり、熟練じゅくれん度合どあいによって成果せいかおおきな差異さいしょうじる[1]一方いっぽう農業のうぎょう機械きかいは、人間にんげん労働ろうどうりょく飛躍ひやくてき節約せつやくしつつ、作業さぎょう自体じたい代替だいたいする性質せいしつがあることから、ある程度ていど習熟しゅうじゅくすれば整一せいいち作業さぎょう能率のうりつてき遂行すいこうでき、長年ながねん熟練じゅくれんかん必要ひつようとなるてん大幅おおはばすくなくなる[1]

けいトラックはよく農業のうぎょう利用りようされるが(農家のうかでは資材しざい機材きざい収穫しゅうかくぶつ運搬うんぱん使つかわれる)、これらは一般いっぱんには農業のうぎょう機械きかいなされていない。野球やきゅうじょう整地せいちゴルフじょう管理かんりにはよく、トラクターもちいられるが、トラクターは農業のうぎょう機械きかい分類ぶんるいされる。

播種はしゅ農薬のうやく散布さんぷなどに航空機こうくうき使用しようするれいもあり、専用せんよう開発かいはつされた機種きしゅ農業のうぎょうばれる。なお、農業のうぎょう生産せいさんでの労働ろうどう技術ぎじゅつてき補助ほじょ手段しゅだんとしての農機具のうきぐ可動かどうてき資本しほんざいであり、建物たてもの施設しせつのような可動かどうてき資本しほんざいとは区別くべつされる[1]

機械きかい原動機げんどうき伝導でんどう作業さぎょう大別たいべつすることができるが、農業のうぎょう機械きかい場合ばあい伝導でんどう独立どくりつした機械きかいとして存在そんざいすることはほとんどない [1]。また、動力どうりょく耕運機こううんきやトラクターのように原動機げんどうき作業さぎょうむすびついているもの(原動げんどう作業さぎょう)もおおいため、原動機げんどうき作業さぎょう原動げんどう作業さぎょう分類ぶんるいされる[1]作業さぎょうには人力じんりきよう畜力ちくりょくよう動力どうりょくようがあるが、もっと重要じゅうようなものは動力どうりょくよう作業さぎょうである[1]

農業のうぎょう機械きかい種類しゅるい非常ひじょうおおい。農業のうぎょう形態けいたい多様たようであり、農業のうぎょう形態けいたいぶしによって農作業のうさぎょう多様たようであるため、農業のうぎょう機械きかいもまた多様たようである

  • 汎用はんようてき農業のうぎょう機械きかい - トラクター
  • 耕耘こううん整地せいちもちいる農業のうぎょう機械きかい - プラウ(すき)、ハロー、ローラー、ロータリー耕耘こううんしろかき鎮圧ちんあつひとしたいら、うねだて、みぞ
  • 耕土こうど造成ぞうせい改良かいりょうもちいる農業のうぎょう機械きかい - 抜根心土しんど破砕はさい、みぞ、モールドレイナ(暗渠あんきょせんこう)、あな、バックホー
  • 施肥せひもちいる -マニュアスプレッダー堆肥たいひ散布さんぷ)、スラリースプレッダー、ライムソーワー(石灰せっかい散布さんぷ)、プランタ(てん播機)、施肥せひ播種はしゅ
  • 播種はしゅ移植いしょくもちいる農業のうぎょう機械きかい - 田植たうえ野菜やさい移植いしょく、トランスプランタ(移植いしょく)、播機
  • 防除ぼうじょ管理かんりもちいる農業のうぎょう機械きかい - 噴霧ふんむ動力どうりょく噴霧ふんむ、ミストこな動力どうりょくこなつぶ動力どうりょくつぶ煙霧えんむ航空こうくう散布さんぷヘリコプター航空こうくう防除ぼうじょ)、土壌どじょう消毒しょうどくかりはらい管理かんり、スピードスプレーヤー、こお霜害そうがい防除ぼうじょ中耕ちゅうこう除草じょそう、シンナ(間引まびき)、動力どうりょくポンプ、スプリンクラー(潅水かんすい装置そうち
  • 収穫しゅうかくもちいる農業のうぎょう機械きかい - バインダーコンバイン野菜やさい収穫しゅうかく、モーアー、ヘイベーラー、ロールベーラー、ウィンドローワ、脱穀だっこく、ビーンカッター(豆類まめるい収穫しゅうかく)、とうもろこし収穫しゅうかく、コーンシェラ、ばれいしょ収穫しゅうかく、ビート収穫しゅうかく甘藷さつまいもほり甘藷さつまいもつる、さとうきび収穫しゅうかく、らっかせい収穫しゅうかく亜麻あま収穫しゅうかく、たまねぎほりぐりよう脱穀だっこく、らっかせい脱穀だっこく、摘採じょうくわ刈取かりとり特用とくよう作物さくもつほり振動しんどう収穫しゅうかく、ホップ摘花
  • 収穫しゅうかくぶつ乾燥かんそう調製ちょうせいもちいる農業のうぎょう機械きかい - 乾燥かんそうもみすり選別せんべつ精米せいまい牧草ぼくそう乾燥かんそう鶏糞けいふん乾燥かんそう特用とくよう作物さくもつ乾燥かんそうせいこくディスクモアーモアーコンディショナーテッダーレーキ、フォレージハーベスター、ヘイベーラー、ヘイプレス、ロードワゴン、ヘイローダ、ベールローダー、飼料しりょうさいだん、フォレージブローワ、サイレージアンローダー、飼料しりょう粉砕ふんさい、フィードチョッパー、ルートカッター、飼料しりょう配合はいごう飼料しりょう成形せいけい
  • 家畜かちく管理かんりもちいる農業のうぎょう機械きかい - 自動じどう給餌きゅうじ搾乳さくにゅう機械きかい牛乳ぎゅうにゅう冷却れいきゃく給水きゅうすい温水おんすい尿にょう散布さんぷ畜舎ちくしゃ清掃せいそうかたえき分離ぶんり糞尿ふんにょう処理しょり装置そうち保温ほおん、エッグリフター、あらいたまご選別せんべつ畜舎ちくしゃ消毒しょうどく
  • そだてかいこもちいる農業のうぎょう機械きかい - ややかいこ共同きょうどう飼育しいくしめぬる調整ちょうせい装置そうち動力どうりょくくわややかいこよう自動じどう飼育しいく装置そうちたけしかいこよう自動じどう飼育しいく装置そうちじょうばらいおさむけん、まゆ
  • 蔬菜そさい果樹かじゅ園芸えんげい畑作はたさく)にもちいる農業のうぎょう機械きかい - マルチャ、はりつけこう栽培さいばい装置そうち、ハウス暖房だんぼう蔬菜そさい洗浄せんじょう深層しんそう施肥せひ動力どうりょく剪定せんてい、ツリータワー、果樹かじゅえんようロータリーカッター、せんはて園地えんちない運搬うんぱんよう管理かんり
  • せいちゃもちいる農業のうぎょう機械きかい - あらじゅう、じゅうねんちゅうじゅうせいじゅう
  • 花卉かき特用とくよう作物さくもつもちいる農業のうぎょう機械きかい - 剪枝、ラミーへずかわ、いぐさ選別せんべつ、チューリップ選別せんべつ、らっかせい脱皮だっぴ
  • 林業りんぎょうもちいる農業のうぎょう機械きかい - かりはらいチェーンソーあつまりざい
  • 運搬うんぱん搬送はんそうもちいる農業のうぎょう機械きかい - トレーラー穀物こくもつよう搬送はんそう、フロントローダー

作物さくもつ種類しゅるいによる分類ぶんるい

編集へんしゅう

機械きかい形態けいたいによる分類ぶんるい

編集へんしゅう

日本にっぽんにおける法律ほうりつじょう定義ていぎ

編集へんしゅう

農業のうぎょう機械きかい促進そくしんほうでは、農業のうぎょう機械きかい定義ていぎはされていないが、「農機具のうきぐ」、「農業のうぎょう機械きかい」、「高性能こうせいのう農業のうぎょう機械きかい」は定義ていぎされている。農業のうぎょう機械きかいのなかには、車両しゃりょう形態けいたいをしているものもある。道路どうろはし可能かのうなものは、道路どうろ運送うんそう車両しゃりょうほう道路どうろ交通こうつうほうにいうけい車両しゃりょう小型こがた特殊とくしゅ自動車じどうしゃ大型おおがた特殊とくしゅ自動車じどうしゃ該当がいとうするが、保安ほあん基準きじゅんいため公道こうどう走行そうこうできないものもある。くわしくはこの記事きじふし車両しゃりょうとしての農業のうぎょう機械きかい」を参照さんしょう

農機具のうきぐ
こううん整地せいち、はしゅ肥培ひばい管理かんり有害ゆうがい動植物どうしょくぶつ防除ぼうじょ家畜かちくまたいえきんの飼養しよう管理かんり収穫しゅうかく調製ちょうせい加工かこうその農作業のうさぎょう(これに附随ふずいする作業さぎょうふくむ。以下いかおなじ。)を効率こうりつてきおこなうために必要ひつよう機械きかい器具きぐ(その附属ふぞくひんおよ部品ぶひんふくむ。)
農業のうぎょう機械きかい
動力どうりょくまた畜力ちくりょく利用りようする優良ゆうりょう農機具のうきぐ効果こうかてき導入どうにゅうして農業のうぎょう生産せいさん技術ぎじゅつ高度こうどすること
高性能こうせいのう農業のうぎょう機械きかい
農作業のうさぎょう効率こうりつまた農作業のうさぎょうにおける身体しんたい負担ふたん軽減けいげんする程度ていどいちじるしくたかく、かつ、農業のうぎょう経営けいえい改善かいぜん寄与きよする農業のうぎょう機械きかい

農業のうぎょう機械きかい歴史れきし

編集へんしゅう

農業のうぎょう機械きかいはじまり

編集へんしゅう

農具のうぐ農業のうぎょう機械きかいとの区別くべつ厳密げんみつなものではなく、農具のうぐから農業のうぎょう機械きかいへの進歩しんぽ連続れんぞくてき変化へんかであった。それでも、18世紀せいき蒸気じょうき機関きかん発明はつめい、18世紀せいきから19世紀せいきにかけての産業さんぎょう革命かくめい農業のうぎょう機械きかい発展はってんあたえた影響えいきょうおおきい。

ヨーロッパ農業のうぎょうでは、はやくから畜力ちくりょく家畜かちくちから)、水力すいりょく風力ふうりょく利用りようした農業のうぎょう機械きかいもちいられ、改良かいりょうされてきた。農業のうぎょう機械きかい発展はってんは、農業のうぎょう経営けいえいだい規模きぼ表裏一体ひょうりいったいすすんだ。18世紀せいきまつごろから脱穀だっこく刈取かりとりがつくられるようになった。これらは当初とうしょうま動力どうりょくとして動作どうさした。

蒸気じょうき機関きかん実用じつようされるようになってからやく50ねんった1849ねんには、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくのアーチャンボールト(Archambault)がのうよう蒸気じょうき機関きかんしゃ製作せいさくした。これは脱穀だっこく動力どうりょく供給きょうきゅうするための移動いどうしき蒸気じょうき機関きかんであった。

ガソリン機関きかん誕生たんじょうしたのち1889ねんには、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくのケース会社かいしゃ(J. I. Case Company)によってはじめて、内燃ないねん機関きかん搭載とうさいしたトラクターがつくられた。

1885ねんには、刈取かりとりと脱穀だっこく結合けつごう(コンバイン、combine)したコンバインアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくカリフォルニアしゅう登場とうじょうした。

日本にっぽんにおける農業のうぎょう機械きかい発展はってん普及ふきゅう

編集へんしゅう

明治めいじ時代じだいから大正たいしょう時代じだいにかけての農業のうぎょう機械きかい導入どうにゅうについては、府県ふけんでは米作べいさく関係かんけい調整ちょうせい加工かこうよう機械きかい中心ちゅうしんとなった。北海道ほっかいどうではこの時期じきから各種かくしゅ畜力ちくりょく人力じんりき利用りようした欧米おうべい農業のうぎょう機械きかい紹介しょうかいされ、プラウ、ハロー、カルチベーターなどのほか、牧草ぼくそうよう機械きかい一部いちぶ普及ふきゅうしていた。

動力どうりょくもちいた農業のうぎょう機械きかいについては、大正たいしょう年間ねんかん動力どうりょくよう石油せきゆエンジン・電気でんきモーターとう導入どうにゅうされはじめたほか、1915ねん北海道ほっかいどう斜里しゃりまち農場のうじょうにアメリカ・ホルトしゃせいくつたいトラクターが導入どうにゅうされたのがそのはじまりとわれている。また、耕耘こううん1920ねんころから輸入ゆにゅう開始かいしされ、岡山おかやまけんでは複数ふくすうのメーカーにより自動じどう耕耘こううん国産こくさんはかられた。

しかし、動力どうりょくもちいた農業のうぎょう機械きかい導入どうにゅう本格ほんかくするのは戦後せんごになってからである。1953ねん農業のうぎょう機械きかい促進そくしんほう制定せいていや、1950ねんころからのメリーティラーの導入どうにゅうがそれを後押あとおしした。

トラクターは、戦後せんご耕耘こううん普及ふきゅうのちかたち普及ふきゅうしていった。1950ねん農林省のうりんしょうが3だいのファーモールせいのトラクターを輸入ゆにゅうし、各地かくち農業のうぎょう試験場しけんじょう試験しけんおこなったのを皮切かわきりに、1952ねんにはフォードソン、ランツとうのトラクターや、農業のうぎょうようトラクターとしても使用しようできる農業のうぎょうようジープ輸入ゆにゅう開始かいしされている。

1960ねん11月に経済けいざい審議しんぎかい答申とうしんした国民こくみん所得しょとく倍増ばいぞう計画けいかくしたでは、上昇じょうしょうする生活せいかつ確保かくほするために農業のうぎょう経営けいえい規模きぼ拡大かくだい唱導しょうどうされ、農業のうぎょう所得しょとく増大ぞうだい見込みこめない農家のうかでは兼業けんぎょう加速かそくされた。農業のうぎょう産業さんぎょうとして自立じりつすることがもとめられ、農業のうぎょう構造こうぞう改善かいぜんして「自立じりつ経営けいえい農家のうか」を育成いくせいし、大型おおがた機械きかい導入どうにゅうするための「協業きょうぎょう助長じょちょう」がおおきな政策せいさく目標もくひょうとなった。

1961ねん農業のうぎょう基本きほんほう制定せいていつづいて、1962ねんから農業のうぎょう構造こうぞう改善かいぜん事業じぎょう開始かいしされた。これは圃場ほじょう整備せいび大型おおがた機械きかい導入どうにゅう利用りよう選択せんたくてき拡大かくだいさく導入どうにゅうをセットにして助成じょせい融資ゆうしするところに特徴とくちょうがあった。家計かけい収支しゅうし上昇じょうしょうするなか農業のうぎょう経営けいえい自立じりつさせるには面積めんせき規模きぼ拡大かくだい、あるいは資本しほん投下とうかなど集約しゅうやく増大ぞうだい不可欠ふかけつであった。

これらをけ、1960年代ねんだいから1970年代ねんだいにかけては、トラクターの普及ふきゅうともなって各種かくしゅ作業さぎょう、コンバインとう輸入ゆにゅう急増きゅうぞうするとともに、それらの国産こくさん開発かいはつされ、次第しだい農家のうか浸透しんとうしていった。

近年きんねん状況じょうきょう

編集へんしゅう

日本にっぽん水田すいでん稲作いなさくった田植たうえハーベスターコンバイン開発かいはつされた1960年代ねんだい以降いこう日本にっぽんでは農業のうぎょう機械きかい急速きゅうそく普及ふきゅうした。現在げんざいでは水田すいでん稲作いなさく機械きかい完成かんせいいきたっしたというこえかれる。

また、1980年代ねんだいから蔬菜そさい園芸えんげい畑作はたさく)の機械きかい進展しんてんし、ダイコンニンジンキャベツタマネギなど、生産せいさんりょうおおきい野菜やさい収穫しゅうかくや、野菜やさいなえロボット、野菜やさいなえ移植いしょく徐々じょじょ普及ふきゅうしている。

現在げんざいのところ、日本にっぽん今後こんご10ねんあいだ急速きゅうそく進歩しんぽする農業のうぎょう機械きかい技術ぎじゅつ爆発ばくはつてき普及ふきゅうする農業のうぎょう機械きかいはGPSや機械きかい学習がくしゅうなどを使つかった自動じどう無人むじんなどがかんがえられている。また、ドローンも直接的ちょくせつてきあるいは補助ほじょてきかたち農業のうぎょう様々さまざまなところで使つかわれており、さらなる活用かつよう応用おうよう期待きたいされている。

一方いっぽう農業のうぎょう機械きかい進展しんてんにともなって中古ちゅうこのう増加ぞうかし、その処置しょち課題かだいになったこと、またのうへの過剰かじょう投資とうしける意味いみ中古ちゅうこのう活用かつよう奨励しょうれいする必要ひつようしょうじたことから、農林水産省のうりんすいさんしょう1979ねん中古ちゅうこ機械きかい促進そくしん事業じぎょうほうさだめ、中古ちゅうこのう市場いちば形成けいせい促進そくしんするための常設じょうせつ展示てんじじょうまたは移動いどう展示てんじじょうたいし、設置せっち費用ひよう一部いちぶ補助ほじょするひとし対策たいさくおこなった。その結果けっか全国ぜんこくおおくの中古ちゅうこのう常設じょうせつ展示てんじじょう移動いどう展示てんじじょう開設かいせつされ、一定いってい需要じゅようをみている。

また近年きんねんではおもアジア諸国しょこくへの中古ちゅうこのう輸出ゆしゅつさかんにおこなわれている。海外かいがい業者ぎょうしゃあいだとく人気にんきたかいのは日本にっぽんではすで旧型きゅうがたとなった1980年代ねんだい - 1990年代ねんだいのモデルであり、電子でんし制御せいぎょとう多用たようした最新さいしんがたくら構造こうぞうがシンプルであることなどから保守ほしゅがしやすいため、一層いっそうこのまれているとおもわれる。

農業のうぎょう機械きかい特徴とくちょう

編集へんしゅう

農業のうぎょう機械きかい特徴とくちょうとして、車両しゃりょう形態けいたいをするものがおおいということがげられる。農業のうぎょう機械きかい車両しゃりょう形態けいたいをするのは、農作業のうさぎょう対象たいしょうである大地だいち植物しょくぶつ移動いどうさせることができないので、機械きかいのほうを移動いどうさせて目的もくてき作業さぎょうおこなうより仕方しかたがないからである。この記事きじふし車両しゃりょうとしての農業のうぎょう機械きかい」も参照さんしょうのこと。

農業のうぎょう機械きかいあめなかどろうえ酷使こくしされるので、ある程度ていど頑丈がんじょう堅牢けんろうにつくられる。 気候きこう土地とちといった自然しぜん条件じょうけん作物さくもつ特性とくせいなど、個々ここのユーザーごとに使用しようする環境かんきょうことなるため、ユーザー自身じしん整備せいび改造かいぞうおこな傾向けいこうがある[2]近年きんねんまで、堅牢けんろうせい観点かんてんから電子でんし制御せいぎょ電気でんきモーターがきらわれ、カムやリンク、ローラーチェーンやベルトによる機構きこうこのまれる傾向けいこうがあった。 必要ひつようとされるニーズにおうじて仕様しよう多様たようしやすいことからのうメーカーは少量しょうりょう品種ひんしゅ生産せいさんになりやすく、開発かいはつにおいてはユーザーからのフィードバックにおもきがかれる[2]

現在げんざい日本にっぽん発売はつばいされている乗用じょうようトラクターコンバイン電子でんし制御せいぎょ搭載とうさいしている。自動車じどうしゃ採用さいようされた技術ぎじゅつの1世代せだい、2世代せだいまえにあたる、成熟せいじゅくした技術ぎじゅつもちいられる。これは、悪条件あくじょうけんでの信頼しんらいせい優先ゆうせんすることや、農業のうぎょう機械きかいでは自動車じどうしゃ排出はいしゅつガス規制きせいNOx規制きせい近年きんねんまで適用てきようされなかったということもある[3]

一部いちぶ農業のうぎょう機械きかいは、価格かかくのわりに使用しよう頻度ひんどひくいことで特徴とくちょうづけられる。使用しよう頻度ひんどひくくなるのは、農作業のうさぎょうぶしてきなものだからである。とく稲作いなさくにおいては田植たうえ刈取かりとりとうのスケジュールに厳密げんみつさが要求ようきゅうされ、共同きょうどう利用りようによるコスト低減ていげんむずかしい状況じょうきょうである。日本にっぽん本州ほんしゅう中部ちゅうぶ稲作いなさく農家のうか場合ばあい、150まんえん田植たうえ使つかうのは1ねんに5日間にちかん、400まんえんコンバイン使つかうのは1ねんに2日間にちかん、ということもめずらしくない。

日本にっぽんでは、大型おおがたのコンバインハーベスターの価格かかくは1000まんえん程度ていどであり、大型おおがたトラック建設けんせつ機械きかい油圧ゆあつショベル、工作こうさく機械きかいマシニングセンタ価格かかく匹敵ひってきする。しかるにコンバインハーベスターは年間ねんかんすうじゅうにちしか稼働かどうせず、トラックや油圧ゆあつショベルやマシニングセンタが年間ねんかんすうひゃくにち稼働かどうするのとは対照たいしょうてきである。

一方いっぽうで、畜産ちくさん機械きかいなど柔軟じゅうなんなスケジュールでの運用うんよう可能かのう農業のうぎょう機械きかいは、コントラクター(作業さぎょう受託じゅたく組織そしき)を利用りようした共同きょうどう利用りよう近年きんねん急速きゅうそくすすんでいる。日本にっぽんでは2005ねん現在げんざい全国ぜんこくに437のコントラクターが存在そんざい[4]なかでも北海道ほっかいどうひとし地域ちいきでは現在げんざい農協のうきょう主導しゅどうで、くさ刈取かりとり、デントコーンの収穫しゅうかく、サイロ作業さぎょう融雪ゆうせつざい散布さんぷ作業さぎょうなど広範囲こうはんい作業さぎょう委託いたくされている。

日本にっぽんにおける車両しゃりょうとしての農業のうぎょう機械きかい

編集へんしゅう

農業のうぎょう機械きかいには、車輪しゃりんまたはクローラーった走行そうこう装置そうちそなえ、エンジンひとし動力どうりょくによってはしする機能きのうつものがある。このなかには車両しゃりょうとしての法的ほうてき構造こうぞう要件ようけんたし、所定しょてい手続てつづき運転うんてん免許めんきょ取得しゅとくやナンバー登録とうろく車検しゃけん保険ほけんなど)をうえで、小型こがた特殊とくしゅ自動車じどうしゃ車両しゃりょうほう)または大型おおがた特殊とくしゅ自動車じどうしゃとして公道こうどう走行そうこうできるものがある。

これにたい牛車うしぐるま馬車ばしゃなどはすべけい車両しゃりょうとなるため、運転うんてん免許めんきょ取得しゅとくやナンバー登録とうろく車検しゃけん保険ほけんなどは一切いっさい不要ふよう[注釈ちゅうしゃく 1]で、公道こうどう走行そうこうできる。

概要がいようおよび適用てきよう除外じょがい

編集へんしゅう

道路どうろ運送うんそう車両しゃりょうほうでは、農耕のうこうよう小型こがた特殊とくしゅ自動車じどうしゃ最高さいこう速度そくどが35km/h未満みまんさだめられ、寸法すんぽうには制限せいげんがない。小型こがた特殊とくしゅ自動車じどうしゃには車検しゃけん制度せいどもなく、税制ぜいせいじょう有利ゆうりであるため、現在げんざい、ほとんどの農耕のうこうよう特殊とくしゅ自動車じどうしゃ農耕のうこうよう小型こがた特殊とくしゅ自動車じどうしゃ範囲はんいないおさまるものになっている。なかには車両しゃりょうそう重量じゅうりょうが7トンにもおよ巨大きょだい農耕のうこうよう小型こがた特殊とくしゅ自動車じどうしゃもある。自動車じどうしゃ損害そんがい賠償ばいしょう責任せきにん保険ほけんについては、農耕のうこうよう小型こがた特殊とくしゅ自動車じどうしゃ農耕のうこうトラクター、薬剤やくざい散布さんぷしゃ、コンバイン、田植たうなど)以外いがい自動車じどうしゃ公道こうどうはしれるもの)は強制きょうせい加入かにゅう対象たいしょうとなっている。

道路どうろ交通こうつうほううえくるまかくおうじた運転うんてん免許めんきょ取得しゅとくしなければならない(けい車両しゃりょうのぞく)。

農道のうどうわたし農道のうどうであっても、通行つうこうけんしゃ以外いがい特定とくてい一般いっぱんひとしゃ通行つうこうしている現実げんじつ交通こうつう実態じったいがある場合ばあいには道交どうこうほうじょう道路どうろとなる(公道こうどうあつかい)ため、通行つうこうしようとする農業のうぎょう機械きかい登録とうろく車検しゃけん保険ほけん運転うんてん免許めんきょなどの法規ほうきせいからはまぬかない。これにたいし、農道のうどう管理かんりしゃ適法てきほう通行つうこうけんしゃ以外いがい通行つうこう明確めいかく禁止きんしし、かつ、通行つうこうけんしゃ以外いがい特定とくてい一般いっぱんひとしゃ通行つうこうしている実態じったい場合ばあいには、道路どうろとしての要件ようけんくため、登録とうろく車検しゃけん保険ほけん運転うんてん免許めんきょなどの法規ほうきせい適用てきよう除外じょがいとなる余地よちがある(東京とうきょう高等こうとう裁判所さいばんしょ昭和しょうわ45ねん6がつ3にち判決はんけつ)。

広域こういき農道のうどうのうめん農道のうどう基幹きかんてき農道のうどうなどのように一般いっぱん道路どうろしているものは公道こうどうじゅんずる。

現実げんじつ法規ほうきせい除外じょがいるには、農道のうどう管理かんりしゃによる適法てきほう管理かんりけん行使こうしとしての、通行つうこう禁止きんし意思いし表示ひょうじ表示ひょうじばんなど)、区域くいきない境界きょうかいすべての障壁しょうへき設置せっち、および現実げんじつひとしゃ通行つうこうしていないこと必要ひつようであろう[5]。ただしそのような場合ばあいでも道路どうろ運送うんそう車両しゃりょうほう道路どうろ交通こうつうほう自動車じどうしゃ運転うんてん死傷ししょう行為こうい処罰しょばつほう自動車じどうしゃ損害そんがい賠償ばいしょう保障ほしょうほう適用てきようはないものの他者たしゃたいする不法ふほう行為こうい責任せきにんまでもめんずるものではないので農機具のうきぐ共済きょうさいなど保険ほけん加入かにゅう重要じゅうようである。

型式けいしき認定にんていとナンバー

編集へんしゅう
 
車体しゃたい表示ひょうじされる型式けいしき認定にんてい番号ばんごうしるべれい

小型こがた特殊とくしゅ自動車じどうしゃ該当がいとうする農業のうぎょう機械きかいは、製造せいぞうあるいは輸入ゆにゅう業者ぎょうしゃとう事業じぎょうしゃ任意にんい申請しんせいにより国土こくど交通省こうつうしょうきゅう運輸省うんゆしょう)の検査けんさ対象たいしょうがい軽自動車けいじどうしゃとうとしての型式けいしき認定にんていけることができ、生研せいけんセンター評価ひょうか試験しけんでその機能きのう確認かくにんおこなわれる。型式けいしき認定にんてい番号ばんごうは、官報かんぽう告示こくじされるほか、車体しゃたいやカタログ、取扱とりあつかい説明せつめいしょとう記載きさいされている。認定にんてい番号ばんごう頭文字かしらもじが「のう0000ごう」と表示ひょうじされるものが農耕のうこうよう小型こがた特殊とくしゅであり、「とく0000ごう」と表示ひょうじされる一般いっぱん小型こがた特殊とくしゅ自動車じどうしゃとは区別くべつされる。

小型こがた特殊とくしゅ自動車じどうしゃ型式けいしき認定にんていけている農業のうぎょう機械きかいは、販売はんばいてん発行はっこうした販売はんばい証明しょうめいしょ市区しく町村ちょうそん窓口まどぐち提出ていしゅつし、軽自動車けいじどうしゃぜい納付のうふして交付こうふされたナンバープレートを車体しゃたい標示ひょうじすることによって、公道こうどう走行そうこうすることができる。

また、大型おおがた特殊とくしゅ自動車じどうしゃぞくする農業のうぎょう機械きかいは、国土こくど交通省こうつうしょうかく運輸うんゆ支局しきょくでの登録とうろくナンバープレート交付こうふ(9ナンバー)と、2ねんごとの車検しゃけんける必要ひつようがある。

運転うんてんせきがあり一見いっけんして車両しゃりょうのようにえるが、その農業のうぎょう機械きかい型式けいしき認定にんていけていないため公道こうどう走行そうこうできないものがあり、注意ちゅうい必要ひつようである。れいとして乗用じょうよう田植たうえは、公道こうどう走行そうこうしないだけでなくまったく使用しようしない状態じょうたいでも、老朽ろうきゅうとう使用しようできない場合ばあいのぞ軽自動車けいじどうしゃぜい種別しゅべつわり)を支払しはら義務ぎむがあり、とどけていない場合ばあい罰則ばっそく対象たいしょうとなる[6][7]。このため、市区しく町村ちょうそんではナンバーを交付こうふしているが、保安ほあん基準きじゅんたして型式けいしき認定にんていけている乗用じょうよう田植たうえいまところないことから、公道こうどう走行そうこうすることができない[8]。あくまでも市区しく町村ちょうそん交付こうふするナンバーは軽自動車けいじどうしゃぜい課税かぜい標識ひょうしきであり、その交付こうふ公道こうどう走行そうこう許可きょかしたものではないことに注意ちゅういしなければならない。また田植たうえなどは舗装ほそう道路どうろなどの走行そうこう前提ぜんていとして設計せっけいされていないため長距離ちょうきょりはしると故障こしょうのおそれもある。

もし公道こうどう走行そうこうしてはならない農業のうぎょう機械きかい走行そうこうして検挙けんきょされた場合ばあい以下いかのような罰則ばっそく想定そうていされる[9]。このため、そのような農業のうぎょう機械きかい法令ほうれいじょうおよび性能せいのうじょう制約せいやくから、けいトラなどに積載せきさいしたり、コンバイントレーラーなどのトレーラーしゃ積載せきさいし、牽引けんいんのための構造こうぞうおよび装置そうちそなえたけいトラや農業のうぎょうよう大型おおがた特殊とくしゅ自動車じどうしゃ牽引けんいんして公道こうどう運搬うんぱんすることになる。

運転うんてん免許めんきょ

編集へんしゅう

農耕のうこうよう大型おおがた特殊とくしゅ自動車じどうしゃ運転うんてんには大型おおがた特殊とくしゅ免許めんきょ必要ひつようであるが、農耕のうこうよう小型こがた特殊とくしゅ自動車じどうしゃはその種類しゅるいにより運転うんてん必要ひつよう免許めんきょちがいがある。

小型こがた特殊とくしゅ免許めんきょ普通ふつう免許めんきょとう運転うんてん出来できるもの
最高さいこう速度そくどが15km/h以下いかで、ながさ4.70m以下いかはば1.70m以下いかたかさ2.80m以下いか小型こがた特殊とくしゅ自動車じどうしゃ
大型おおがた特殊とくしゅ免許めんきょ必要ひつようなもの
上記じょうき基準きじゅんのいずれかをえるもの(通称つうしょう新小しんこがた特殊とくしゅ自動車じどうしゃ
普通ふつう免許めんきょじゅん中型ちゅうがた中型ちゅうがた免許めんきょなど(車両しゃりょうそう重量じゅうりょうおよび最大さいだい積載せきさいりょうおうじる)が必要ひつようなもの
スピードスプレーヤとう農業のうぎょうよう薬剤やくざい散布さんぷしゃ
けんいん免許めんきょ必要ひつようなもの
車両しゃりょうそう重量じゅうりょう(=車両しゃりょう重量じゅうりょう最大さいだい積載せきさいりょう)750kgをえるトレーラーをけんいんするとき。荷車にぐるまほか種類しゅるいわないが、農業のうぎょう分野ぶんやではコンバイントレーラーなどがある。農耕のうこうしゃ限定げんていけんいん免許めんきょライトトレーラー免許めんきょなどがある。ほとんどのパターンで、トレーラー自体じたい車両しゃりょう登録とうろく(ナンバー取得しゅとく)、車検しゃけん規格きかくによる)、自賠責しばいせきへの加入かにゅう各種かくしゅけんいん免許めんきょ取得しゅとく必須ひっすである。

小型こがた特殊とくしゅ自動車じどうしゃ車両しゃりょうほう)としての登録とうろくであっても大型おおがた特殊とくしゅ免許めんきょ必要ひつよう車両しゃりょうがあるのは、免許めんきょ規定きていする道路どうろ交通こうつうほう車両しゃりょう規定きていする道路どうろ運送うんそう車両しゃりょうほうにおいて、小型こがた特殊とくしゅ自動車じどうしゃ定義ていぎことなるためである。大型おおがた特殊とくしゅ自動車じどうしゃについても同様どうようである。

なお、大型おおがた特殊とくしゅ免許めんきょとけんいん免許めんきょ農耕のうこうようトラクターで技能ぎのう試験しけんおこなう「農耕のうこうしゃ限定げんてい免許めんきょ取得しゅとくすることができる。農業のうぎょうだい学校がっこうなどで、学生がくせい一般いっぱん農業のうぎょうしゃ免許めんきょ取得しゅとくする場合ばあい[10]がこれにあたる。ただ自動車じどうしゃ教習所きょうしゅうじょ大型おおがた特殊とくしゅ免許めんきょ[11]とけんいん免許めんきょ[12]取得しゅとくする場合ばあい、いずれも「限定げんていなし」となる。運転うんてん免許めんきょ技能ぎのう試験しけん実施じっし基準きじゅん[13]では、技能ぎのう試験しけん使用しようする特例とくれい試験しけんしゃとして大型おおがた特殊とくしゅ免許めんきょでは「車両しゃりょうそう重量じゅうりょう1,300キログラム以上いじょう車輪しゃりんゆうする農耕のうこう作業さぎょうよう自動車じどうしゃで20キロメートル毎時まいじえる速度そくどすことができる構造こうぞうのもの」、けんいん免許めんきょでは「最大さいだい積載せきさいりょう2,000キログラム以上いじょう牽引けんいんしゃ車両しゃりょうそう重量じゅうりょう1,500キログラム以上いじょう車輪しゃりんゆうする農耕のうこう作業さぎょうよう自動車じどうしゃ牽引けんいんしゃ牽引けんいんするための構造こうぞうおよ装置そうちゆうし、かつ、20キロメートル毎時まいじえる速度そくどすことができる構造こうぞうのものにかぎる。)が牽引けんいんしているもの」とさだめている。

農耕のうこうよう大型おおがた特殊とくしゅ自動車じどうしゃは、車検しゃけん有効ゆうこう期間きかんえる自賠責しばいせき保険ほけん加入かにゅうする必要ひつようがある。農耕のうこうよう小型こがた特殊とくしゅ自動車じどうしゃ自賠責しばいせきには加入かにゅうできないが、自動車じどうしゃ共済きょうさいなどの任意にんい保険ほけんには加入かにゅうすることができる。

はいガス規制きせい

編集へんしゅう

2006ねん4がつ1にちに「特定とくてい特殊とくしゅ自動車じどうしゃ排出はいしゅつガスの規制きせいとうかんする法律ほうりつ通称つうしょう「オフロードほう」)が施行しこうされ、公道こうどう走行そうこうしない特定とくてい特殊とくしゅ自動車じどうしゃたいする排出はいしゅつガス規制きせい開始かいしされた。この法律ほうりつはエンジンの出力しゅつりょくが19kW(やく26馬力ばりき以上いじょう農耕のうこうよう車両しゃりょう対象たいしょうとなる。

定員ていいん最大さいだい積載せきさいりょうとう

編集へんしゅう

道路どうろ交通こうつうほうにおいて、以下いか該当がいとうする農業のうぎょうよう薬剤やくざい散布さんぷしゃ農耕のうこうよう作業さぎょう自動車じどうしゃは「特定とくてい普通ふつう自動車じどうしゃとう」とさだめられている[14]

  • 35km/h以上いじょう速度そくどすことができない構造こうぞう農業のうぎょうよう薬剤やくざい散布さんぷしゃである普通ふつう自動車じどうしゃだいいちごう
  • 35km/h以上いじょう速度そくどすことができない構造こうぞう農耕のうこう作業さぎょうよう自動車じどうしゃである大型おおがた特殊とくしゅ自動車じどうしゃだいごう
  • 車体しゃたいおおきさがながさ4.70m以下いかはば1.70m以下いかたかさ2.8m以下いかで、15km/h毎時まいじえる速度そくどすことができない構造こうぞう大型おおがた特殊とくしゅ自動車じどうしゃ農耕のうこう作業さぎょうよう自動車じどうしゃであるものをのぞく。)(だいさんごう

小型こがた特殊とくしゅ自動車じどうしゃおよび上述じょうじゅつ特定とくてい普通ふつう自動車じどうしゃとう該当がいとうする車両しゃりょう乗車じょうしゃ定員ていいん1人ひとり運転うんてんしゃ以外いがい乗車じょうしゃ装置そうち場合ばあい2人ふたり)である。

積載せきさいぶつたか制限せいげん車両しゃりょう積載せきさいぶつ積載せきさいした状態じょうたい)、最大さいだい積載せきさいりょうつぎのとおり。[15]

  • 小型こがた特殊とくしゅ自動車じどうしゃは、たかさ2.0m以下いか積載せきさい装置そうちそなえるものでは500kg以下いか
  • 上述じょうじゅつ特定とくてい普通ふつう自動車じどうしゃとうだいいちごうは、たかさ3.8m(さんりんのものは2.5m)以下いか。1,500kg以下いか
  • 上述じょうじゅつ特定とくてい普通ふつう自動車じどうしゃとうだいさんごうは、たかさ3.8m以下いか積載せきさい装置そうちそなえるものは1,000kg以下いか
  • うえ3つのいずれにも該当がいとうしないものは、運転うんてんしゃ以外いがい乗車じょうしゃ装置そうちめる範囲はんいかぎられる。

積載せきさいぶつ車体しゃたいはばえてはならず、車体しゃたいながさの10ぶんの1のながさをえて前後ぜんごにはみしてはならない。ながさ、はばたかさの制限せいげんえる場合ばあいは、その都度つど派出所はしゅつじょまたは警察けいさつしょ制限せいげんがい積載せきさい許可きょか申請しんせいしょ提出ていしゅつして許可きょからなければならない。

発展はってん途上とじょうこくには、トラクターで荷車にぐるま牽引けんいんし、ひと荷物にもつはこ自家用じかよう自動車じどうしゃのかわりに使つか農民のうみんもいる。日本にっぽんでも、1970年代ねんだいまで耕耘こううん連結れんけつしたトレーラに資材しざい収穫しゅうかくした農作物のうさくもつせてはこ光景こうけいが、農村のうそんおおられた。

また、兵庫ひょうごけん淡路島あわじしまでは、「農民のうみんしゃ」とばれる自動車じどうしゃ部品ぶひんのうようエンジンを使つかっててた車両しゃりょうひと荷物にもつせてはしっている。過去かこ運輸省うんゆしょう型式けいしき認定にんていけた事例じれいもある。[16]

おも農業のうぎょう機械きかいメーカー(過去かこ参入さんにゅうしていたメーカーをふくむ)

編集へんしゅう

世界せかい著名ちょめい農業のうぎょう機械きかいメーカー

編集へんしゅう


日本にっぽん国内こくないけの、代表だいひょうてき農業のうぎょう機械きかいメーカー

編集へんしゅう
IHIシバウラ(シバウラ)
1991ねんヤンマーのう業務ぎょうむ提携ていけい同社どうしゃにトラクタをOEM供給きょうきゅうするほか、CNHグローバルしゃにもトラクタを供給きょうきゅうする。しば管理かんりよう機械きかい消防しょうぼうポンプを製造せいぞうきゅう石川島芝浦機械いしかわじましばうらきかい
井関農機いせきのうき(ヰセキ、ISEKI)
農業のうぎょう機械きかい専業せんぎょうで、業界ぎょうかい3ぜん産業さんぎょう対象たいしょうにした特許とっきょ登録とうろくりつで4ねん連続れんぞく1特許とっきょ公開こうかい件数けんすう農水のうすい分野ぶんやにおいて7ねん連続れんぞく1[17][18]であるなど、実用じつようてきしん技術ぎじゅつ創出そうしゅつ注力ちゅうりょく
大島おおしまみのり
独立どくりつけい同族どうぞく資本しほん中小ちゅうしょう農機具のうきぐ関連かんれんメーカー。新潟にいがた発祥はっしょう機械きかいベンチャーのためか、製品せいひんラインナップに稲作いなさく関連かんれんのものがおおい。
やまびこ(YAMABIKO)
三井物産みついぶっさんらと販売はんばい提携ていけい(かつては同社どうしゃ支配しはい株主かぶぬしになっていた。きゅう共立きょうりつ/新ダイワ工業しんだいわこうぎょう
クボタ(KUBOTA)
2013ねん現在げんざい農業のうぎょう機械きかい鋳鉄ちゅうてつかんにおいて国内こくないトップ。小型こがた建設けんせつ機械きかい産業さんぎょうようエンジンも。日立建機ひたちけんきティエラや本田技研工業ほんだぎけんこうぎょうにトラクターをOEM供給きょうきゅうしていた。
ハスクバーナ・ゼノア(ZENOAH)
林業りんぎょう機械きかい名門めいもん北欧ほくおう発祥はっしょう世界せかいトップのハスクバーナ包括ほうかつ提携ていけい外資がいしけいに。きゅう・コマツゼノア(小松こまつゼノア)。
日立建機ひたちけんきティエラ[19](HITACHI)
2009ねん6がつ30にちをもってのう事業じぎょうから撤退てったいした。きゅう東洋とうようしゃもとブランド)
フジイコーポレーション[20]
本田技研工業ほんだぎけんこうぎょう(ホンダ、HONDA/Honda)
二輪車にりんしゃ製品せいひん発祥はっしょうとする自動車じどうしゃバイクけいメーカー。のう分野ぶんや小型こがた芝刈しばか小型こがた管理かんりなどで展開てんかいちゅう。かつては自社じしゃオリジナルの本格ほんかくてき乗用じょうようトラクター(「TX」シリーズ)を開発かいはつした経緯けいいがある。また、2011ねんはるごろ東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさいけホンダの発電はつでん注目ちゅうもくあつまっている。
三菱みつびしマヒンドラのう(MITSUBISHI)
三菱重工みつびしじゅうこう島根しまね農協のうきょうグループ(げん・JAグループ島根しまね[21]地元じもと資本しほん三菱みつびしグループ各社かくしゃとともに佐藤さとう造機ぞうき再建さいけん支援しえんのち三菱重工みつびしじゅうこう完全かんぜん子会社こがいしゃとなるが、現在げんざいマヒンドラ&マヒンドラとの合弁ごうべん
ヤンマーアグリヤンマー、YANMAR/Yanmer)
建設けんせつ機械きかい小型こがた船舶せんぱく産業さんぎょうようエンジンがける農業のうぎょう機械きかい大手おおて一角いっかくサントリーホールディングスサントリー)や竹中工務店たけなかこうむてんYKKロッテホールディングスロッテ)のように同族どうぞく経営けいえい上場じょうじょうだい企業きぎょうきゅうヤンマやんま農機のうき船舶せんぱく関連かんれん機器きき製造せいぞう子会社こがいしゃのヤンマーディーゼルを吸収きゅうしゅう合併がっぺいのち農業のうぎょう機械きかい事業じぎょうは2021ねん3がつ1にちより現在げんざいのヤンマーアグリに改称かいしょうした。
2009ねんにはヤンマーけん吸収きゅうしゅう合併がっぺいしている。2013ねん4がつ1にちよりヤンマーホールディングス純粋じゅんすい持株もちかぶ会社かいしゃとなった。
筑水ちくすいキャニコム
小型こがた運搬うんぱんしゃ乗用じょうよう草刈機くさかりき小型こがた特殊とくしゅ自動車じどうしゃなど、小型こがた特殊とくしゅ農業のうぎょう車両しゃりょうつよみをつメーカー。小型こがた林内りんない作業さぎょうしゃがける。
ウィンブルヤマグチ
タカキタ
牧草ぼくそうひとし飼料しりょう作物さくもつ関連かんれん農業のうぎょう機械きかいつよみをつ。きゅうこう北農ほくのう製作所せいさくしょ。かつては中堅ちゅうけん電気でんき機器ききメーカー・タナシン電機でんき傘下さんか再建さいけん目指めざしていた。
静岡製機しずおかせいき(シヅオカ)
穀物こくもつ乾燥かんそう調整ちょうせいプラント、穀物こくもつ分析ぶんせき機器ききとうがける。
オリオン機械おりおんきかい
酪農らくのうのオリオン」でられる酪農らくのうようのうさん大手おおてメーカー。上記じょうきのシヅオカしゃ事業じぎょう提携ていけい
スチール・ジャパン
ドイツ資本しほん林業りんぎょう機械きかい関連かんれんメーカー。チェーンソー中心ちゅうしん展開てんかい国内こくない流通りゅうつうされているのはほとんどチェーンソー製品せいひんぐらいである。なお、実質じっしつてき親会社おやがいしゃはアンドレアス・スチールしゃ (de:Sthil) を参照さんしょう
コーンズエージー
酪農らくのう農業のうぎょう機械きかい輸入ゆにゅう商社しょうしゃ総合そうごう商社しょうしゃコーンズ・アンド・カンパニー・リミテッド関連かんれん会社かいしゃランボルギーニトラクター牧草ぼくそう関連かんれん収穫しゅうかく梱包こんぽう機械きかいなどをあつかっている。
コマツ
かつて農耕のうこうようトラクターを製造せいぞう販売はんばいしていた。

脚注きゃくちゅう

編集へんしゅう

注釈ちゅうしゃく

編集へんしゅう
  1. ^ 夜間やかんぜんあきらとう反射はんしゃ器財きざい必要ひつよう東京とうきょう場合ばあい)。

出典しゅってん

編集へんしゅう
  1. ^ a b c d e f g h i j 農業のうぎょう機械きかい経済けいざいてき意義いぎ.1ほう.
  2. ^ a b 秋津あきつもとてる渡邉わたなべ拓也たくやへん)『せめぎ親密しんみつ公共こうきょう中間なかまけんというアリーナ』 京都大学きょうとだいがく学術がくじゅつ出版しゅっぱんかい 2017ねんISBN 978-4-8140-0058-6 pp.242-243.
  3. ^ 平成へいせい18ねん4がつ1にち施行しこうの「特定とくてい特殊とくしゅ自動車じどうしゃ排出はいしゅつガス規制きせいほう」により、はじめて農業のうぎょう機械きかいへの排出はいしゅつガス規制きせいおこなわれることとなった。詳細しょうさい以下いかサイトを参照さんしょうのこと: https://www.env.go.jp/air/car/tokutei_law.html
  4. ^ 農林水産省のうりんすいさんしょう生産せいさんきょく調しら
  5. ^ 農道のうどうにおける車両しゃりょう通行つうこうかんする措置そち” (PDF). 農林水産省のうりんすいさんしょう. 2019ねん1がつ31にち閲覧えつらん
  6. ^ 公道こうどう走行そうこうしなくとも軽自動車けいじどうしゃぜい課税かぜい対象たいしょうとなるの?(新発田しばた”. 2020ねん5がつ30にち閲覧えつらん
  7. ^ 農耕のうこう作業さぎょうよう自動車じどうしゃ申告しんこく納税のうぜいについて(高松たかまつ”. 2020ねん5がつ30にち閲覧えつらん
  8. ^ 乗用じょうよう田植たうえはナンバープレートを装着そうちゃくしたら公道こうどう走行そうこうできるようになりますか?(クボタ)”. 2020ねん5がつ30にち閲覧えつらん
  9. ^ 法令ほうれいじょう公道こうどう走行そうこうすれば自動車じどうしゃとうとみなされること注意ちゅうい。(公道こうどう走行そうこうできない(してはならない)農業のうぎょう機械きかいであること理由りゆうとして、法令ほうれいじょう自動車じどうしゃとうではないとすることはできない)
  10. ^ けんいん自動車じどうしゃ免許めんきょ試験しけん農耕のうこうしゃ限定げんてい)に全員ぜんいん合格ごうかくしました 島根しまねけん農業のうぎょう技術ぎじゅつセンター 2009ねん10がつ閲覧えつらん
  11. ^ 教習きょうしゅうしゃホイールローダ
  12. ^ 教習きょうしゅうしゃセミトレーラ
  13. ^ 運転うんてん免許めんきょ技能ぎのう試験しけん実施じっし基準きじゅん改正かいせいについて (PDF) 警察庁けいさつちょう文書ぶんしょ,p.28-p.29 2009ねん11月閲覧えつらん
  14. ^ 道路どうろ交通こうつうほう施行しこう規則きそくだい7じょうの14および15
  15. ^ 道路どうろ交通こうつうほう施行しこうれいだい22じょう
  16. ^ 淡路島あわじしまのナゾ(うえ)】日本にっぽんばんマッドマックス?…「農民のうみんしゃ」3せんだい以上いじょうたけほねはたらもの”. 産経さんけいWEST. 2019ねん1がつ31にち閲覧えつらん
  17. ^ 井関農機いせきのうき だい85 有価ゆうか証券しょうけん報告ほうこくしょ (PDF)
  18. ^ 特許とっきょ行政ぎょうせい年次ねんじ報告ほうこくしょ2008年版ねんばん[リンク]
  19. ^ 日立建機ひたちけんきティエラ
  20. ^ フジイコーポレーション
  21. ^ のち全農ぜんのう自体じたい農林のうりんちゅう支援しえん

関連かんれん文献ぶんけん

編集へんしゅう


関連かんれん項目こうもく

編集へんしゅう

外部がいぶリンク

編集へんしゅう