ピペリジン

ピペリジン
	IUPAC名めいピペリジン（許容きょよう慣用かんよう名めい）
	別称べっしょうヘキサヒドロピリジン; ペンタメチレンイミン
識別しきべつ情報じょうほう
CAS登録とうろく番号ばんごう	110-89-4
PubChem	8082
KEGG	C01746
	SMILES C1CCCCN1;
特性とくせい
化学かがく式しき	C5H11N
モル質量しつりょう	85.15 g mol−1
外観がいかん	無色むしょく液体えきたい
密度みつど	0.862 g/ml, 液体えきたい
融点ゆうてん	−7 °C, 266 K, 19 °F
沸点ふってん	106 °C, 379 K, 223 °F
	特記とっきなき場合ばあい、データは常温じょうおん (25 °C)・常つね圧あつ (100 kPa) におけるものである。

ピペリジン（英語えいご: Piperidine）は、有機ゆうき化合かごう物ぶつの1種しゅで、6員いん環たまき構造こうぞうを持もつ複素ふくそ環たまき式しきアミンである。胡椒こしょうの辛味からみ成分せいぶんピペリンの構造こうぞう中ちゅうに存在そんざいし、胡椒こしょう（Piper）にちなんで名付なづけられた。ヘキサヒドロピリジン、ペンタメチレンイミンとも呼よばれる。

構造こうぞうと性質せいしつ

ピペリジンは、シクロヘキサンが持もつ6つのメチレン基もとのうちの1つが持もつ炭素たんそを窒素ちっそに置換ちかんして、水素すいそを1つ外はずした構造こうぞうをした環状かんじょうの第だい2級きゅうアミンである。常つね圧あつにおけるピペリジンの融点ゆうてんは-9 ℃から-7 ℃程度ていど、沸点ふってんは106 ℃である^[1]。したがって、常温じょうおん常つね圧あつにおいてピペリジンは液体えきたいとして存在そんざいする。なお、特有とくゆうの悪臭あくしゅうを持もつ無色むしょくの液体えきたいである。

二に級きゅうアミンであることから、マウスの胃腸いちょう環境かんきょう下かにおいて亜あ硝酸塩しょうさんえんと反応はんのうしてニトロソピペリジン(発癌はつがん性せいリスク2B)が生成せいせいされうることが示しめされている。^[2]^[3]

用途ようと

ピペリジンはペプチドの固かた相あい合成ごうせい法ほうで汎用はんようされる Fmoc 保護ほご基もとの脱だつ保護ほご剤ざいとして用もちいられる。

誘導体ゆうどうたい

ピペリジンは上記じょうきの通とおり、非常ひじょうに単純たんじゅんな分子ぶんしであり、様々さまざまな誘導体ゆうどうたいが存在そんざいする。例たとえば、精神せいしん刺激しげき薬やくのメチルフェニデートの構造こうぞう中ちゅうにも存在そんざいする。幻覚げんかく剤ざいとして用もちいられるフェンサイクリジン（1-（1-フェニルシクロヘキシル）ピペリジン）を熱ねつ分解ぶんかいすると生成せいせいされる。

混同こんどう注意ちゅうい

ピペリジン(Piperidine)と似にた名称めいしょうながら、全まったく別べつの化合かごう物ぶつが幾いくつか存在そんざいする。例たとえば、ピペリシン(Pipericine)は、不ふ飽和ほうわ高級こうきゅう脂肪酸しぼうさんアミドである。また例たとえば、ヒペリシン(Hypericin)は、セイヨウオトギリソウに含ふくまれる生理せいり活性かっせい物質ぶっしつの中なかでも、主要しゅような成分せいぶんの1つとして数かぞえられる化合かごう物ぶつである。

出典しゅってん

^ PIPERIDINE (CID:8082)
^ B. S. ALAM, I. B. SAPOROSCHETZ & S. S. EPSTEIN (July 1971), Formation of N-Nitrosopiperidine from Piperidine and Sodium Nitrite in the Stomach and the Isolated Intestinal Loop of the Rat, 232, Nature, pp. pp116-118, doi:10.1038/232116a0 2017年ねん7月がつ28日にち閲覧えつらん。
^ B. S. ALAM, I. B. SAPOROSCHETZ & S. S. EPSTEIN (July 1971), Synthesis of Nitrosopiperidine from Nitrate and Piperidine in the Gastro-intestinal Tract of the Rat, 232, Nature, pp. pp199-200, doi:10.1038/232199a0 2017年ねん7月がつ28日にち閲覧えつらん。

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[1] PIPERIDINE (CID:8082)

[2] B. S. ALAM, I. B. SAPOROSCHETZ & S. S. EPSTEIN (July 1971), Formation of N-Nitrosopiperidine from Piperidine and Sodium Nitrite in the Stomach and the Isolated Intestinal Loop of the Rat, 232, Nature, pp. pp116-118, doi:10.1038/232116a0 2017年ねん7月がつ28日にち閲覧えつらん。

[3] B. S. ALAM, I. B. SAPOROSCHETZ & S. S. EPSTEIN (July 1971), Synthesis of Nitrosopiperidine from Nitrate and Piperidine in the Gastro-intestinal Tract of the Rat, 232, Nature, pp. pp199-200, doi:10.1038/232199a0 2017年ねん7月がつ28日にち閲覧えつらん。

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