(Translated by https://www.hiragana.jp/)
ボルスタアンカー - Wikipedia

ボルスタアンカー

鉄道てつどう車両しゃりょう台車だいしゃ構成こうせいする部材ぶざいのひとつ

ボルスタアンカーえい: bolster anchor)は、鉄道てつどう車両しゃりょう台車だいしゃ構成こうせいする部材ぶざいのひとつである。まくらはり(まくらばり、ボルスタ)をゆうする台車だいしゃもちいられるもので、上下動じょうげどう吸収きゅうしゅうするまくらばねにもうけられ、台車だいしゃ牽引けんいんりょくおよびブレーキちから伝達でんたつや、車体しゃたいとのあいだ旋回せんかい剛性ごうせい付与ふよといった機能きのうたす[1]

ダイレクトマウント台車だいしゃにおけるボルスタアンカー(薄紫うすむらさきしめした部材ぶざい)。
ボルスタアンカー台車だいしゃれい
近畿きんき車両しゃりょうKD76かたちダイレクトマウント台車だいしゃ

基本きほんてき機構きこう

編集へんしゅう

台車だいしゃもとめられる性能せいのう

編集へんしゅう
 
1-1 だいしゃもとめられる相対そうたいうごき。

鉄道てつどう車両しゃりょう台車だいしゃじく保持ほじ車体しゃたい重量じゅうりょうささえるとともに、走行そうこうしょうじる振動しんどう衝撃しょうげき吸収きゅうしゅう緩和かんわするはたらきを[2]。さらに鉄道てつどう車両しゃりょう線路せんろ曲線きょくせんにさしかかった場合ばあいには、台車だいしゃそのものが回転かいてんし、円滑えんかつ走行そうこうできるものでなければならない[3]

このような機能きのうたすため、台車だいしゃにはじくささえるじくばね車体しゃたいささえるまくらばねの2種類しゅるいばねもうけられている[4]じくばねをふく台車だいしゃじく相対そうたいうごきを許容きょようする機構きこう装置そうち1ばねけい[5]じくばこ支持しじ装置そうち[6]などとび、まくらばねをふく車体しゃたい台車だいしゃ相対そうたいうごきを許容きょようする機構きこう装置そうち2ばねけい[5]車体しゃたい支持しじ装置そうち[7]などとぶ。おおきな相対そうたいうごきをかんがえるとじくばねはじく上下動じょうげどう吸収きゅうしゅうするのみであるが[8]まくらばねは上下動じょうげどう吸収きゅうしゅうとともに台車だいしゃ回転かいてん許容きょようする必要ひつようがある(1-1)。

車体しゃたい重量じゅうりょうささえつつ回転かいてんさせるという要求ようきゅう性能せいのうたいし、いくつかの機構きこう存在そんざいする。20世紀せいき後期こうき開発かいはつされたボルスタレス台車だいしゃでは、まくらばねそのものをよこ方向ほうこう変形へんけいさせる[注釈ちゅうしゃく 1]ことで台車だいしゃ回転かいてん対応たいおうしているが、それ以前いぜんまくらはり(まくらばり、ボルスタ)とばれる部材ぶざいかいして、回転かいてん許容きょようする機構きこう主流しゅりゅうであった[9]

まくらはり機構きこう

編集へんしゅう
1-2(a) まくらはりかいしたダイレクトマウント台車だいしゃ回転かいてん側面そくめん
1-2(b)断面だんめん

まくらはり車体しゃたい台車だいしゃ連結れんけつする部品ぶひんともわれる[10]まくらばねの上部じょうぶがわ下部かぶがわもしくはその両方りょうほうもうけられ、こころさらしんざらおよびがわがわうけばれる部材ぶざいせっしており、ある程度ていど摩擦まさつちながら台車だいしゃ回転かいてん許容きょようするはたらきを[11][12]。すなわちまくらはり台車だいしゃは、もとめられる2つの機能きのう以下いかのように分離ぶんりしている構造こうぞうとなっている。

  • 上下動じょうげどう吸収きゅうしゅう - まくらばね
  • 台車だいしゃ回転かいてん - まくらはりしんさらがわ

1-2はまくらはりゆうする台車だいしゃ回転かいてんしめしたものである。この方式ほうしき台車だいしゃは、ダイレクトマウント方式ほうしきばれるもので、車体しゃたいささえるまくらばねはまくらはりうえっており、まくらばね自体じたい回転かいてんしない[13]一方いっぽうまくらはり台車だいしゃわくよこばりと、中心ちゅうしんピン・こころさらがわ受でつながっている。がわ受やしんさらまくらはりからの上下じょうげ方向ほうこうちからけるものであるが、平面へいめんてきには摩擦まさつばんであるがわ受によってある程度ていどすべ構造こうぞうとなっており、まくらはり台車だいしゃわく中心ちゅうしんピンを中心ちゅうしん回転かいてんすることができる[14]。このようにまくらはりゆうする台車だいしゃでは、まくらばねを上下動じょうげどう吸収きゅうしゅうのみにもちい、台車だいしゃ回転かいてんまくらはりかいしておこな構造こうぞうとなっている。

この方式ほうしきのほか、まくらはりゆうする台車だいしゃには、まくらはりまくらばねのうえ設置せっち車体しゃたいとのあいだ回転かいてん許容きょようするインダイレクトマウント方式ほうしき[13]がわわくからりリンクでしもまくらしょうするまくらはりげてそのうえまくらばねをき、さらにその上部じょうぶしんさらがわ[注釈ちゅうしゃく 2]ささえるうえまくらそなえるまくらしきなどがある[15]。いずれもこころさらがわ受とまくらはりあいだ台車だいしゃ回転かいてんおこなまくらばねそのものは回転かいてんしない構造こうぞうであり従来じゅうらい空気くうきばねのまくら式台しきだいしゃ交換こうかん可能かのうでJRで多用たようされた。

牽引けんいんりょく伝達でんたつするボルスタアンカー

編集へんしゅう
1-3(a) ダイレクトマウント台車だいしゃにおけるボルスタアンカーのうごき(側面そくめん
1-3(b)断面だんめん
 
京急けいきゅう2100かたち電車でんしゃのダイレクトマウント台車だいしゃ、Aがボルスタ(まくらはり)、Bがまくらばね(ダイヤフラムしき空気くうきばね)、Cがボルスタアンカー。

まくらはりゆうする台車だいしゃでは、まくらばねは上下動じょうげどう対応たいおうし、回転かいてんなどよこ方向ほうこう変形へんけい許容きょようしない構造こうぞうである。また、台車だいしゃ車両しゃりょうからはずれないように前後ぜんご方向ほうこう拘束こうそくおこない、台車だいしゃからの牽引けんいんりょく車体しゃたい伝達でんたつしなければならない。しかしながら、まくらばねは一般いっぱんよこ方向ほうこう剛性ごうせいひくく、台車だいしゃ車体しゃたいあいだしょうじる前後ぜんご方向ほうこうちから伝達でんたつするにはいたらない[1]

このとき必要ひつようとなるのがボルスタアンカーである。ボルスタアンカーは、まくらばねの上部じょうぶがわ下部かぶがわ前後ぜんご方向ほうこう拘束こうそくし、牽引けんいんりょくやブレーキりょく伝達でんたつするものである[1]一般いっぱん棒状ぼうじょう部材ぶざいであり、前後ぜんご方向ほうこうちから伝達でんたつするため台車だいしゃりょう側面そくめん水平すいへい方向ほうこう配置はいちされる。まくらばねのりょうはしむす構造こうぞうであることから、そのおおくは上下じょうげ方向ほうこうにブラケット()をもうけたうえで、水平すいへい方向ほうこうむす構造こうぞうとなっている。また、上下じょうげ伸縮しんしゅくするまくらばねの伸縮しんしゅくさまたげないよう、ボルスタアンカーのりょうはしはゴムブッシュをかいした結合けつごう方法ほうほう [注釈ちゅうしゃく 3] とし、上下じょうげ方向ほうこう変形へんけい許容きょようしている[16]一般いっぱんにはモータによる加速かそくりょくやブレーキによる減速げんそくりょくといった前後ぜんご方向ほうこうちから台車だいしゃ中心ちゅうしんピン→ボルスタ→ボルスタアンカ→車体しゃたいという順番じゅんばんつたえられる[17]

1-3はダイレクトマウント方式ほうしきにおける、ボルスタアンカーのはたらきをしめしたものである。この方式ほうしきでは、まくらばねは車体しゃたい直下ちょっか配置はいちされるため、ボルスタアンカーは車体しゃたいまくらはりむすぶように配置はいちされる。側面そくめんしめすように、車体しゃたいからボルスタアンカろし、ボルスタアンカけとまくらはりをボルスタアンカーにより連結れんけつすることで、車体しゃたいまくらはり前後ぜんご方向ほうこうちから伝達でんたつする構造こうぞうである[18]前述ぜんじゅつのとおり、ボルスタアンカーのりょうはしはゴムブッシュ構造こうぞうとなっており、ゴムの変形へんけいにより上下じょうげ方向ほうこう伸縮しんしゅくがしている。ボルスタアンカーによりまくらはりまで伝達でんたつされた前後ぜんご方向ほうこうちからは、中心ちゅうしんピンにより台車だいしゃわくへと伝達でんたつする。上下じょうげ方向ほうこうふくめたちから伝達でんたつ経路けいろひょう1にしめす。なおボルスタアンカーはなるべくひく車軸しゃじく中心ちゅうしんちか位置いち設置せっちすることで台車だいしゃ前後ぜんごじく荷重かじゅう変動へんどうらすことができる。

ひょう-1 ダイレクトマウント方式ほうしきちからなが
 
伝達でんたつ箇所かしょ 車両しゃりょう重量じゅうりょう上下じょうげ方向ほうこう 牽引けんいんりょく前後ぜんご方向ほうこう
車体しゃたい - まくらはり(3) まくらばね(1) ボルスタアンカー(2)
まくらはり - 台車だいしゃわく がわ受(4)・こころさら 中心ちゅうしんピン(5)
台車だいしゃわく - じく じくばね じくばこ支持しじ装置そうち

ボルスタアンカーの特長とくちょう

編集へんしゅう
 
2-1 まくらしきまくらはり台車だいしゃ(1てん支持しじ)。まくらもり方式ほうしき
 
2-2 まくら式台しきだいしゃうごき。
 
国鉄こくてつ24けい客車きゃくしゃのカニ24のまくらしきまくらしき台車だいしゃ使用しようされているうえまくら右側みぎがわ)としたまくら左側ひだりがわ
 
まくらしき空気くうきばね台車だいしゃ
うえまくら両端りょうたんにあるがわ受で車体しゃたい荷重かじゅう一部いちぶ支持しじするともに、空気くうきばねの上部じょうぶもうけられたうえまくら台車だいしゃわくあいだ結合けつごうされたボルスタアンカー(よこ棒状ぼうじょうのもの)で牽引けんいんりょく伝達でんたつ前後ぜんご方向ほうこう拘束こうそくする。
国鉄こくてつキハ80けい気動車きどうしゃ

まくらもり方式ほうしきとその欠点けってん

編集へんしゅう

前節ぜんせつでは、ボルスタアンカーの基本きほんてき役割やくわりとその機構きこうについて、まくらはり台車だいしゃにおいて牽引けんいんりょく前後ぜんご方向ほうこうちから)を伝達でんたつするものとして解説かいせつした。しかしながら、まくらはり台車だいしゃ牽引けんいんりょく伝達でんたつは、かならずしもボルスタアンカーによる必要ひつようはなく、より簡便かんべん機構きこうでも可能かのうであった。ここでは、まくらはり台車だいしゃにおける牽引けんいんりょく伝達でんたつ方式ほうしき変遷へんせんについてべるとともに、ボルスタアンカーの特長とくちょうについて解説かいせつする。

2-1は、まくらしきスイングハンガーしき)としょうする台車だいしゃ形式けいしきであり、まくらはり台車だいしゃではふるくからひろもちいられてきた形式けいしきである。この形式けいしきでは、うえまくらしもまくらばれる2ほんまくらはりゆうし、まくらばねはこの2ほんまくらはりあいだ設置せっちされる。また、しもまくら台車だいしゃわくからりリンクあるいはれリンクばれる部品ぶひんによりハの字形じけいに6 - 7ほど傾斜けいしゃしてげられており、左右さゆうれる構造こうぞうとなっている[19][12]。この構造こうぞうは、台車だいしゃ作用さようする左右さゆう方向ほうこう衝動しょうどう緩和かんわするはたらきと、曲線きょくせん通過つうか車体しゃたい中心ちゅうしん台車だいしゃ中心ちゅうしん偏倚へんいして重心じゅうしん移動いどうしたさいに、すみやかにもと位置いちもどちから復元ふくげんりょく)がはたら仕組しくみとなっている。[20]

さて、2-1でしめした台車だいしゃは、まくらしきなかでもさらに歴史れきしふる形式けいしきであり、うえまくら中央ちゅうおう上面うわつら下心したごころさらもうけられており、車体しゃたい下部かぶたいわくまくらはり中央ちゅうおう下面かめんもうけられたじょうこころさら中心ちゅうしんピン)と結合けつごうして、台車だいしゃ回転かいてん中心ちゅうしんとなり、車体しゃたい重量じゅうりょう負担ふたんすると同時どうじ台車だいしゃからの牽引けんいんりょく伝達でんたつする1てん支持しじ方式ほうしきである。がわ受は原則げんそくとして荷重かじゅうけておらず、車体しゃたい傾斜けいしゃのみに車体しゃたいあづける転倒てんとう防止ぼうし装置そうちであった。

また、牽引けんいんりょく伝達でんたつについてもまくらもりまくらもり)という方法ほうほうによっている。まくらしきでは、うえまくら台車だいしゃわくあいだ牽引けんいんりょく伝達でんたつ必要ひつようとなるが、ふる台車だいしゃではうえまくら台車だいしゃわくあいだすりばんもうけて、うえまくら台車だいしゃわくあいだ左右さゆう相対そうたい振動しんどうはすりばん沿ってうごくことを許容きょようしつつ、前後ぜんご方向ほうこうについてはすりばん接触せっしょくにより牽引けんいんりょく伝達でんたつおこなまくらもり方式ほうしき主流しゅりゅうであった[21]

まくらもりは、すりばん1まい牽引けんいんりょく伝達でんたつおこなえることから、構造こうぞう簡単かんたん安価あんか手法しゅほうである。[よう出典しゅってん]その一方いっぽうで、台車だいしゃれによりえずすりどう(しゅうどう)をこしていることから摩耗まもうし、走行そうこうおうじて台車だいしゃわくうえまくらあいだ隙間すきましょうじ、牽引けんいんりょく伝達でんたつに「がたつき」をこすことが欠点けってんである[21]。このため、まくらもりでなく剛性ごうせいたかいコイルしきまくらバネやボルスタアンカを牽引けんいんりょく伝達でんたつもちいて高速こうそく安定あんていせいたかめた台車だいしゃ存在そんざいする。また台車だいしゃわく車軸しゃじくあいだ牽引けんいんりょく台車だいしゃわくにウイングがたじくわくもうけ、これとじくばこ支持しじ装置そうちすりどうして伝達でんたつされるものがおおいが、すりどうによる摩擦まさつのためふるくなると「がたつき」の原因げんいんとなる。

この形式けいしき部材ぶざい点数てんすうおおく、それぞれの部材ぶざい動作どうさ自由じゆうたかいことから、複雑ふくざつれをしめす(2-2)。このれによって、かくすりどうはげしい摩耗まもうこし、前後ぜんご左右さゆう方向ほうこうにがたつきをしょうじることで、さらにれがすといった悪循環あくじゅんかんこしやすい。とく左右さゆうゆらどうたいするダンピング(減衰げんすい要素ようそとぼしいことから高速こうそくいきではれがはげしく、リンクやまくらまもりのぶんだけ保守ほしゅ煩雑はんざつになる欠点けってんがある。まくら式台しきだいしゃ基本きほんてき油圧ゆあつダンパーが発達はったつしていなかった時代じだい設計せっけいだが、国鉄こくてつDT21かたち台車だいしゃをはじめとしたおおくの派生はせい台車だいしゃがJRをはじめいまおおもちいられている。

改善かいぜんできる効果こうか

編集へんしゅう

このような問題もんだい列車れっしゃ高速こうそくにともなって、より顕著けんちょとなる。まくらもりによる前後ぜんご方向ほうこうのがたつきは、うえまくらたい前後ぜんご方向ほうこう自由じゆうあたえ、台車だいしゃへび行動こうどう原因げんいんとなる。へび行動こうどう列車れっしゃ直線ちょくせん高速こうそく走行そうこうする場合ばあい発生はっせいする現象げんしょうで、じく台車だいしゃ車体しゃたい鉛直えんちょくじくまわりの励振れいしんどうこすものであり、台車だいしゃ車体しゃたい左右さゆうはげしく振動しんどうさせる。これは心地ごこちそこなうばかりでなく、脱線だっせんなどの重大じゅうだい事故じこ原因げんいんとなるもので、高速こうそく障害しょうがいとなる現象げんしょうである。

へび行動こうどう原因げんいんは、走行そうこう速度そくど車輪しゃりん踏面の形状けいじょうじく支持しじ方法ほうほうじく距、さらには車両しゃりょう剛性ごうせい減衰げんすい性能せいのう質量しつりょうなどが関連かんれんするふくあい問題もんだいである。このなかでも台車だいしゃ構造こうぞうへび行動こうどうあたえる影響えいきょうおおきく、様々さまざま研究けんきゅう対策たいさくおこなわれてきた。へび行動こうどうたいする対策たいさくのひとつは、適切てきせつ剛性ごうせい確保かくほである。1てん支持しじによる車体しゃたい支持しじ機構きこうまくらもりによる牽引けんいんりょく伝達でんたつは、まくら中央ちゅうおうのみが拘束こうそくされていることから、必要ひつよう以上いじょう水平面すいへいめんでの回転かいてんこしやすく、へび行動こうどうたいする必要ひつよう剛性ごうせい構造こうぞうであった。

そこで、こころさら中心ちゅうしんピンといったうえまくら中央ちゅうおうのみの固定こていではなく、うえまくら両端りょうたん前後ぜんご方向ほうこう支持しじすることが必要ひつようとされ、うえまくら両端りょうたんにあるがわ受での荷重かじゅう支持しじとボルスタアンカーといった手法しゅほうもちいられるようになった。がわ受により積極せっきょくてき上下じょうげ方向ほうこう荷重かじゅう一部いちぶうえまくらはりりょうはしけることで、その摩擦まさつりょくにより前後ぜんご方向ほうこう支持しじおこない、ボルスタアンカーは台車だいしゃわくがわはり外側そとがわにおいて、台車だいしゃわくうえまくらあいだ結合けつごうすることで牽引けんいんりょく伝達でんたつおこなうのと同時どうじ前後ぜんご方向ほうこう拘束こうそくするほか、まくらばねを油圧ゆあつダンパーをわせたコイルばねまたはベローズがた空気くうきばねとし、つるしリンクを外側そとがわひろげてちからおおきくすることで、より安定あんていせい構造こうぞうとしており、いずれもしゅたる目的もくてき荷重におも伝達でんたつであるが、副次的ふくじてきへび行動こうどうおさえる効果こうかゆうする。

ボルスタアンカーのバリエーション

編集へんしゅう

まくらはり台車だいしゃとボルスタアンカー

編集へんしゅう

ここまで機構きこう解説かいせつ紹介しょうかいしたまくらはり台車だいしゃは「ダイレクトマウント方式ほうしき」とばれるもので、まくらばねを車体しゃたい直下ちょっか配置はいちし、台車だいしゃ回転かいてんまくらばねと台車だいしゃわくあいだおこな方式ほうしきである。この方式ほうしき歴史れきしてき比較的ひかくてきあたらしいものであり、まくらはりもちいた台車だいしゃにはこのほかにも多数たすう形式けいしきがある。いずれの形式けいしき場合ばあいでも、ボルスタアンカーはまくらばねの上下じょうげはし前後ぜんご方向ほうこう拘束こうそくする構造こうぞうであるが、形式けいしきちがいによりボルスタアンカーの位置いち差異さいられる。

また、前節ぜんせつべたとおり、牽引けんいんりょく伝達でんたつまくらもりによる場合ばあいもあり、ボルスタアンカーはまくらはり台車だいしゃかならずしももうけられるものではない。台車だいしゃ変遷へんせんから、まくらしきにはボルスタアンカーのないものが比較的ひかくてきおおられるほか、インダイレクトマウント方式ほうしきでもまくらもりによる牽引けんいんりょく伝達でんたつおこな形式けいしきまれながら存在そんざいする。

まくらしき

編集へんしゅう

まくらしきでは、2ほんまくらはりまくら)をゆうしているが、ボルスタアンカーはうえまくら台車だいしゃわくあいだのみにけられる。ボルスタアンカーまくら式台しきだいしゃでは、荷重かじゅう以下いかのように伝達でんたつする。

車体しゃたい重量じゅうりょう上下じょうげ方向ほうこう荷重かじゅう
車体しゃたい - こころさらがわ受 - うえまくら - まくらばね - しもまくら - りリンク - 台車だいしゃわく - じくバネ - じくばこ支持しじ装置そうち - 車軸しゃじく
牽引けんいんりょく前後ぜんご方向ほうこう荷重かじゅう
車体しゃたい - 中心ちゅうしんピン - うえまくら - ボルスタアンカー - 台車だいしゃわく - じくばこ支持しじ装置そうち - 車軸しゃじく

インダイレクトマウント方式ほうしき

編集へんしゅう
 
3-1 インダイレクトマウント方式ほうしき台車だいしゃ

3-1はインダイレクトマウント方式ほうしきばれるまくらはり台車だいしゃ形式けいしきである。この形式けいしきでは、車体しゃたいまくらばねのあいだまくらはりもうけて台車だいしゃ回転かいてんおこなっている。台車だいしゃ全体ぜんたい回転かいてんするため、ボルスタアンカーはまくらはり台車だいしゃわくあいだもうけられており、この方式ほうしき台車だいしゃでは車体しゃたいからのちから以下いかのように伝達でんたつされる[13]

車体しゃたい重量じゅうりょう上下じょうげ方向ほうこう荷重かじゅう
車体しゃたい - がわ受・こころさら - まくらはり - まくらばね - 台車だいしゃわく - じくばね
牽引けんいんりょく前後ぜんご方向ほうこう荷重かじゅう
車体しゃたい - 中心ちゅうしんピン - まくらはり - ボルスタアンカー - 台車だいしゃわく - じくばこ支持しじ装置そうち

以下いかにインダイレクトマウント方式ほうしき台車だいしゃのボルスタアンカー事例じれいについてしめす。一般いっぱん空気くうきばねがもちいられるが、コイルばねのよこ剛性ごうせい利用りようした東急とうきゅう車輌しゃりょうTS-301 [注釈ちゅうしゃく 4] などのようにコイルばねしき事例じれいられる。ダイレクトマウント方式ほうしき同様どうよう一般いっぱんにボルスタアンカーけがもうけられるが、TR223Gかたちのように台車だいしゃわく形状けいじょう利用りようし、ボルスタアンカーを直結ちょっけつしている台車だいしゃもある。この方式ほうしきでは車両しゃりょう台車だいしゃ力学りきがくてきにはしんさらがわ受のみでせっするので、まくらつり方式ほうしきなどの台車だいしゃ容易ようい交換こうかんすることができるため汎用はんようせいたかい。[注釈ちゅうしゃく 5]

仮想かそうこころさら方式ほうしき

編集へんしゅう
 
3-2 直角ちょっかくクランクピンとボルスタアンカーによる台車だいしゃ回転かいてん

まくらはり機構きこう台車だいしゃでは、中心ちゅうしんピンとしんさら作用さようにより台車だいしゃ回転かいてんさせている。しかし、台車だいしゃ左右さゆう配置はいちされるボルスタアンカーを直角ちょっかくクランクピンで連結れんけつすると、回転かいてん中心ちゅうしんとなる箇所かしょしんさら中心ちゅうしんピンをもうけることなく、台車だいしゃ所定しょてい位置いち回転かいてんさせることができる。このようなしんさらもちいない台車だいしゃ回転かいてん機構きこう仮想かそうこころさら方式ほうしきぶ。

3-2に直角ちょっかくクランクピンとボルスタアンカーによる仮想かそうこころさら方式ほうしき台車だいしゃ回転かいてん機構きこうしめす。ボルスタアンカー(牽引けんいんりょく伝達でんたつぼう)の一端いったん車体しゃたい固定こていされ、もう片方かたがた台車だいしゃわくけられたクランクピンとむすばれている。左右さゆうのクランクピンはロッドにより連結れんけつされており、相互そうごのクランクピンの作用さようにより、台車だいしゃはあたかもしんさら中心ちゅうしん回転かいてんするようなうごきができる。

この形式けいしき台車だいしゃでは、まくらばねの配置はいちはダイレクトマウント方式ほうしきちか構造こうぞうとなるが、回転かいてん許容きょようするまくらはり(ボルスタ)のない一種いっしゅのボルスタレス構造こうぞうであることから、まくらばねは台車だいしゃ旋回せんかいによる変形へんけいえる構造こうぞうもとめられる。また、ボルスタをゆうしないことから、牽引けんいんりょく伝達でんたつぼうをボルスタアンカーとはばず、たん引張ひっぱぼうまたは押棒と場合ばあいがある。

この形式けいしきにおけるちから伝達でんたつ以下いかしめす。まくらはりしんさらたないため、伝達でんたつ機構きこう比較的ひかくてき単純たんじゅんである。

車体しゃたい重量じゅうりょう上下じょうげ方向ほうこう荷重かじゅう
車体しゃたい - まくらばね - 台車だいしゃわく - じくばね
牽引けんいんりょく前後ぜんご方向ほうこう荷重かじゅう
車体しゃたい - ボルスタアンカー(引張ひっぱ装置そうち) - 台車だいしゃわく - じくばこ支持しじ装置そうち

一般いっぱん仮想かそうこころさら方式ほうしきもちいられるケースとして、以下いかの2てんげられる。

  • 駆動くどう機構きこう位置いちてき干渉かんしょうによりまくらはり配置はいち制限せいげんける台車だいしゃ
  • じくじゅう補償ほしょう必要ひつようとする台車だいしゃ

前者ぜんしゃはおもに気動車きどうしゃで1だいしゃ2じく駆動くどうおこな場合ばあい採用さいようされる。気動車きどうしゃではエンジントルクコンバータ車体しゃたい装備そうびし、台車だいしゃへは推進すいしんじくにより駆動くどうりょくつたえる。このとき、エンジンりの1じくのみを駆動くどうする場合ばあい問題もんだいとならないが、1だいしゃの2じく両方りょうほう駆動くどうする場合ばあいは、じくあいだにも推進すいしんじくあるいはひら歯車はぐるまによる動力どうりょく伝達でんたつ装置そうち必要ひつようとなり、それらがまくらはり干渉かんしょう台車だいしゃ部材ぶざい配置はいち困難こんなんとなる場合ばあいがある。このような場合ばあいには、こころさらまくらはりたない仮想かそうこころさら方式ほうしき有利ゆうりとなる。

 
写真しゃしん3-4 仮想かそうこころさら方式ほうしきによる台車だいしゃ

もうひとつは、とく列車れっしゃとうでのじくじゅう補償ほしょう必要ひつようとする車両しゃりょうよう台車だいしゃである。これは、列車れっしゃにおいて、電動でんどう始動しどうして車輪しゃりん回転かいてんはじめると、そのはんちからにより台車だいしゃ進行しんこう方向ほうこうたいして後方こうほうかたぶこうとする回転かいてんモーメントが発生はっせいして、前方ぜんぽう車輪しゃりんじくじゅうちいさくなり、後方こうほう車輪しゃりんじくじゅうおおきくなる。車輪しゃりんとレールの粘着ねんちゃくじくおも比例ひれいするため、前方ぜんぽう車輪しゃりんでは空転くうてんばれるそらまわりが発生はっせいするおそれがあり、空転くうてん発生はっせいすると牽引けんいんりょくがほぼ0となり、列車れっしゃすことができなくなる。また、じくじゅう走行そうこう路線ろせん勾配こうばい影響えいきょうにより、じく移動いどうする性質せいしつもあり、適切てきせつじくじゅう空転くうてん防止ぼうしするために必要ひつようである。おおきな引張ひっぱちから必要ひつようとする機関きかんしゃでは、じくじゅう移動いどうによる影響えいきょうおおきく、その対策たいさくとして、旧型きゅうがた電気でんき機関きかんしゃでは、重量じゅうりょうがある頑丈がんじょう大型おおがたの3じく台車だいしゃとし、台車だいしゃ同士どうし連結れんけつぼう連結れんけつする方式ほうしき採用さいようしており、EF60かたち以降いこう電気でんき機関きかんしゃでは、1だいしゃにつき1つの電動でんどう搭載とうさいして、片側かたがわ車軸しゃじく発生はっせいしたはんちからをもう片側かたがわ車軸しゃじく相殺そうさいする1だいしゃ1モーター方式ほうしきEF30かたちEF80かたち採用さいようしている。牽引けんいんりょくはんちからによる台車だいしゃ回転かいてんモーメントは、牽引けんいんりょく伝達でんたつてんがレールめんちかければちいさくなり、レールめんでは0となるため、仮想かそうこころさら方式ほうしきでは、車体しゃたい下部かぶたいわく台車だいしゃわくつなぐボルスタアンカーや引張ひっぱぼうをレールめん極力きょくりょくちか位置いち配置はいちして、牽引けんいんりょく伝達でんたつてんたかさをレールめんちかづけることでじくじゅう移動いどう防止ぼうしすることができるとともに、さらなる牽引けんいんりょく向上こうじょうはかっている[22]

写真しゃしん3-4に仮想かそうこころさら方式ほうしきによる機関きかんしゃ台車だいしゃ事例じれいしめす。これはジャックマン方式ほうしきばれるもので、ボルスタアンカーに相当そうとうする引張ひっぱぼうが、車体しゃたい下部かぶたいわく写真しゃしん右側みぎがわ)とまくらばね直下ちょっかあいだじくばこしたとおってひく位置いちむすんでいる。まくらばねの直下ちょっかにはクランクピンがもうけられており台車だいしゃ回転かいてんさせる機構きこうゆうするとともに、台車だいしゃにおける牽引けんいんりょく伝達でんたつてんげることで、台車だいしゃ回転かいてんモーメントとじくじゅう移動いどう抑制よくせいしている。

 
上田うえだ丸子まるこ電鉄でんてつED25 1ブリル27MCB-2だいしゃ。ブリルしゃ純正じゅんせいひんあかしである、トラニオン(関節かんせついたちいさなななめの部品ぶひん)が台車だいしゃわく中央ちゅうおうまくら上部じょうぶとガゼットステーをむすかたちのこされている。

トラニオンは、アメリカのJ.G.ブリルしゃが1900年代ねんだい初頭しょとう開発かいはつし、Brill 27MCB・76E・77Eなどどう時期じき開発かいはつされた同社どうしゃせいボギー台車だいしゃ装着そうちゃくされた、まくらゆらどう抑止よくしするための機構きこうとしてのボルスタアンカーの始祖しそである。

これは台車だいしゃがわわくとトランサム(よこはり)を結合けつごうするためのガゼットステーとまくらはりあいだを、トラニオン・タイロッドとばれるリンク機構きこう連結れんけつし、リンクのかく関節かんせつまれた可動かどうピンの摩擦まさつりょくによってまくらはり過剰かじょうゆらどう抑制よくせいするものである。

この機構きこうは、単純たんじゅんながら台車だいしゃ心地ごこち改善かいぜんおおきな効果こうか発揮はっきするものであった。しかし開発元かいはつもとであるJ.G.ブリルしゃはこの機構きこうふく台車だいしゃ設計せっけいかんする各種かくしゅ独自どくじ開発かいはつ機構きこうすべ特許とっきょ申請しんせいしたため、世界せかい各国かっこく製造せいぞうされた同社どうしゃせい台車だいしゃ模倣もほうひんではこの機構きこう採用さいようできず、特許とっきょ保護ほご期間きかんちゅうひろ普及ふきゅうすることはなかった。

なお、日本にっぽんでは日本製鋼所にほんせいこうしょがJ.G.ブリルしゃ提携ていけい関係かんけいにあったため、同社どうしゃ製造せいぞうされた正規せいきライセンス生産せいさんひんのブリル台車だいしゃしん京阪けいはん鉄道てつどうP-6かたち電車でんしゃようBrill 27MCB-4Xなど)にはこのトラニオンがけられていた。

ヨーダンパとボルスタアンカー

編集へんしゅう
ボルスタアンカー
ヨーダンパ
ヨーダンパのみを装着そうちゃくするボルスタレス台車だいしゃれい
名鉄めいてつ2200けい電車でんしゃ
ボルスタアンカー(うえ)とヨーダンパ(した)を併設へいせつする台車だいしゃれい
近鉄きんてつ21000けい電車でんしゃ

まくらはりたないボルスタレス台車だいしゃや、一部いちぶのボルスタアンカー台車だいしゃには、ヨーダンパばれる部材ぶざいもうけられることがある。ヨーダンパはダンパかいして車両しゃりょう台車だいしゃ接続せつぞくしているもので、ボルスタアンカーに形態けいたいゆうしている。しかしながら、その役割やくわりおも高速こうそく走行そうこう発生はっせいするへび行動こうどうばれる台車だいしゃ異常いじょう振動しんどうヨーイング)を抑制よくせいする(減衰げんすいさせる)ものであり、牽引けんいんりょく伝達でんたつ目的もくてきとしたボルスタアンカーとは機能きのう構造こうぞうともにことなるものである[23]

ボルスタアンカーは牽引けんいんりょくやブレーキりょく伝達でんたつがそのしゅたる機能きのうであるが、へび行動こうどう抑制よくせいする機能きのうがあるため、新幹線しんかんせん100けい電車でんしゃひとしでは意図いとてき支持しじ剛性ごうせいたかめに調整ちょうせいされている[1]>。

みぎ曲線きょくせん通過つうかにおけるボルスタアンカーとヨーダンパのうごきを比較ひかくしたものである。ボルスタアンカーは牽引けんいんりょく台車だいしゃから車体しゃたいつたえるため、曲線きょくせん通過つうかでもアンカーは伸縮しんしゅくせず、まくらはり前後ぜんご方向ほうこう拘束こうそくしている。台車だいしゃ回転かいてんまくらはりがわ受がすべることで許容きょようするが、まくらはりから台車だいしゃわくへは中心ちゅうしんピンにより牽引けんいんりょくつたわる構造こうぞうである。 これにたいしヨーダンパは、台車だいしゃ回転かいてんにともなってダンパ部分ぶぶん伸縮しんしゅくして回転かいてんさまたげない構造こうぞうとなっており、牽引けんいんりょく伝達でんたつおこなうものではない。ただし、ヨーダンパはしめすような曲線きょくせん通過つうかゆるやかな台車だいしゃ回転かいてんには抵抗ていこうしないが、へび行動こうどうのような比較的ひかくてきうごきのはや台車だいしゃ回転かいてん振動しんどうたいしては、ダンパが減衰げんすい作用さよう発揮はっきへび行動こうどう抑制よくせいする構造こうぞうとなっている[24]

脚注きゃくちゅう

編集へんしゅう

注釈ちゅうしゃく

編集へんしゅう
  1. ^ ボルスタレス台車だいしゃでは、まくらばねによこ方向ほうこう変形へんけい能力のうりょくおおきなダイヤフラムがた空気くうきばねやていよこ剛性ごうせい空気くうきばねを採用さいようしている。これらは、水平面すいへいめんない許容きょよう変異へんいりょう従来じゅうらいのベローズがた空気くうきばねと比較ひかくして格段かくだんおおきく、この特性とくせいもちいてまくらばねに台車だいしゃ旋回せんかい性能せいのうあたえている。
  2. ^ まくら式台しきだいしゃ場合ばあいふるくは荷重におも支持しじはその大半たいはんしんさらち、がわ受は車体しゃたいとのあいだすうmmの隙間すきまもうけ、曲線きょくせん通過つうかとうによる車体しゃたい傾斜けいしゃ支持しじにのみもちいる、こころさら支持しじ方式ほうしきばれる方式ほうしき一般いっぱんてきおこなわれていた。しかしながら、軽量けいりょう研究けんきゅうすす荷重かじゅうまくらばねにちかりょう側部そくぶけたほう部材ぶざい断面だんめん縮小しゅくしょうによる軽量けいりょう有利ゆうりであることがあきらかとなり、また高速こうそく走行そうこうへび行動こうどうについてもがわ受のすりどうめん摩擦まさつによって抑止よくし可能かのうであることがあきらかとなった。このため、高速こうそく台車だいしゃ研究けんきゅう進展しんてんした1950年代ねんだい後半こうはん以降いこうとく日本にっぽん鉄道てつどうでは荷重かじゅうがわ受に分担ぶんたんさせるがわ支持しじ方式ほうしきへの移行いこうすすんだ。
  3. ^ 一般いっぱんてきには可動かどうピンを使用しようする。[よう出典しゅってん]現在げんざいではただし、一部いちぶ私鉄してつではこのピン構造こうぞう採用さいようせず、上下じょうげ支持しじばんにそれぞれにまるあなけてそこにボルスタアンカー本体ほんたいとなるうでとおし、支持しじばん前後ぜんごからぼうゴムブッシュとナットで固定こていする方式ほうしき採用さいようされている。こちらはボルスタアンカー本体ほんたい固定こてい支持しじもちいられるゴムブッシュの弾性だんせい変形へんけいによりまくらばねの上下動じょうげどう抑制よくせいされつつも許容きょようされる。そのためこの方式ほうしき京阪けいはん京成けいせいといった比較的ひかくてき曲線きょくせんおお軌道きどう条件じょうけん私鉄してつ中心ちゅうしん現在げんざい継続けいぞく採用さいようされている。
  4. ^ 東急とうきゅう5000けい電車でんしゃ (初代しょだい)東急とうきゅう5200けい電車でんしゃ装着そうちゃく日本にっぽんにおけるインダイレクトマウント台車だいしゃ最初さいしょれいであるが、同時どうじ中心ちゅうしんピンのみで車両しゃりょう重量じゅうりょうささえる1てん支持しじめ、常時じょうじがわ受がしんさらとも荷重かじゅう負担ふたんする3てん支持しじ移行いこうした最初さいしょ台車だいしゃひとつでもある。
  5. ^ した写真しゃしんとおり、小田急おだきゅうロマンスカーのような連接れんせつしゃ連接れんせつ)では、必然ひつぜんてきにインダイレクトマウント構造こうぞうとなる。

出典しゅってん

編集へんしゅう
  1. ^ a b c d ここまできた!鉄道てつどう車両しゃりょう p.114
  2. ^ 鉄道てつどう車両しゃりょうメカニズム図鑑ずかん p.212
  3. ^ 図解ずかい鉄道てつどう科学かがく p.78
  4. ^ 鉄道てつどう車両しゃりょうメカニズム図鑑ずかん pp.214-215
  5. ^ a b 電車でんしゃ基礎きそ講座こうざ p.117
  6. ^ 図解ずかい鉄道てつどう科学かがく p.36
  7. ^ 鉄道てつどう車両しゃりょう技術ぎじゅつ入門にゅうもん p.12
  8. ^ 図解ずかい鉄道てつどう科学かがく p.37
  9. ^ 鉄道てつどう車両しゃりょうメカニズム図鑑ずかん pp.220-221
  10. ^ 東京とうきょうモノレール、複数ふくすう車両しゃりょう部品ぶひん亀裂きれつ 平日へいじつあさ当面とうめんげん便びん”. 産経さんけいニュース (2022ねん6がつ1にち). 2022ねん6がつ1にち閲覧えつらん
  11. ^ ここまできた!鉄道てつどう車両しゃりょう p.113
  12. ^ a b 鉄道てつどう車両しゃりょうメカニズム図鑑ずかん p.220
  13. ^ a b c 電車でんしゃ基礎きそ講座こうざ p.128
  14. ^ 電車でんしゃ基礎きそ講座こうざ p.129
  15. ^ 電車でんしゃ基礎きそ講座こうざ p.126
  16. ^ 鉄道てつどう総合そうごう技術ぎじゅつ研究所けんきゅうじょ. “ボルスタアンカ【車両しゃりょうの】 ぼるすたあんか”. 鉄道てつどう技術ぎじゅつ用語ようご辞典じてん. 2015ねん2がつ14にち閲覧えつらん
  17. ^ 図解ずかい鉄道てつどう科学かがく p.35
  18. ^ 鉄道てつどう総合そうごう技術ぎじゅつ研究所けんきゅうじょ. “ボルスタアンカけ ぼるすたあんかうけ”. 鉄道てつどう技術ぎじゅつ用語ようご辞典じてん. 2015ねん2がつ14にち閲覧えつらん
  19. ^ 鉄道てつどう総合そうごう技術ぎじゅつ研究所けんきゅうじょ. “れリンク【台車だいしゃの】 ゆれりんく”. 鉄道てつどう技術ぎじゅつ用語ようご辞典じてん. 2015ねん2がつ14にち閲覧えつらん
  20. ^ 鉄道てつどう車両しゃりょうメカニズム図鑑ずかん p.215
  21. ^ a b 電車でんしゃ基礎きそ講座こうざ p.130
  22. ^ 鉄道てつどうのテクノロジー アーカイブスVol2 pp.34-35
  23. ^ 図解ずかい鉄道てつどう科学かがく p.39
  24. ^ ここまできた!鉄道てつどう車両しゃりょう p.115

参考さんこう文献ぶんけん

編集へんしゅう
  • 伊原いはら一夫かずお、1987、『鉄道てつどう車両しゃりょうメカニズム図鑑ずかん初版しょはん、グランプリ出版しゅっぱん ISBN 4-906189-64-4
  • 宮本みやもと昌幸まさゆき、2006、『図解ずかい鉄道てつどう科学かがく初版しょはん講談社こうだんしゃ〈ブルーバックス〉 ISBN 4-06-257520-5
  • 近藤こんどう圭一けいいちろう、2013、『鉄道てつどう車両しゃりょう技術ぎじゅつ入門にゅうもん初版しょはんム社むしゃ ISBN 978-4-274-21383-0
  • 宮本みやもと昌幸まさゆき、1997、『ここまできた!鉄道てつどう車両しゃりょうだい1はんム社むしゃ〈テクノライフ選書せんしょ〉 ISBN 4-274-02345-1
  • 野元のもとひろし、2013、『電車でんしゃ基礎きそ講座こうざ初版しょはん交通こうつう新聞しんぶんしゃ ISBN 978-4-330-28012-7

関連かんれん項目こうもく

編集へんしゅう

外部がいぶリンク

編集へんしゅう