連接 台車
定義
ヴィルヘルム・ヤーコプスが1902
表記 の変遷
特徴
長所
- 2
車体 が連結 器 を介 さず、台車 によって直接 つながるため、蛇 行動 のような横 方向 の複 合 振動 が起 きず、高速 域 の安定 性 が高 く乗 り心地 も良 い。近年 はダンパーが発達 したため、ボギー車 でも容易 にヨーイングを抑 えられるが、逆 にいえば連接 式 にすれば車体 間 ダンパやヨーダンパを省略 (簡略 )できる場合 が多 い。 - ボギー
台車 より台車 の総数 が減少 すること、及 び台車 間隔 が同 じなら中 間 車 のオーバーハング部分 の車体 が省略 されるので編成 全体 の軽量 化 に貢献 する。
(どの条件 でも連接 台車 を使 えば軽量 化 できるというわけではない。後述 の「短所 」を参照 。) 連接 部 は車体 に前後 方向 のオーバーハングがなく、曲線 通過 時 に外側 へ車体 のはみ出 しが少 ない[5]。(内側 は台車 間 距離 に依存 するため"連接 車 である"ことは影響 しない[注釈 1])上記 と同 じ理由 でオーバーハング部分 の遠心 力 による横 揺 れの激 しい(乗 り心地 が悪 い)座席 がなくなる[6]。上 2つと同 じ理由 で貫通 幌 のねじれが少 なくなるので痛 みにくく[6]、急 カーブがある路線 でも安全 な貫通 路 の確保 ができる[注釈 2][7]。騒音 源 となりやすい台車 が車体 端 にあるため、車 端 ドアだけでデッキ部 を設 けなくとも静粛 性 が向上 する[8]。台車 と車体 のマウント部 を車体 間 の隙間 を利用 して高 い位置 に設定 することができ、車体 のロールセンタを上 げ、ロールを少 なくすることで乗 り心地 を向上 し、なおかつ高速 走行 時 の安定 性 が向上 する。(特 に車体 傾斜 式 車両 における自然 振 り子 式 の問題 であった振 れ遅 れをこれで抑 えられる[9])。台車 数 が減 ることで、総 重量 が台車 分 減少 しているにもかかわらず、1軸 当 たりの軸 重 が上 がることで軸受 の摩擦 が下 がるため走行 抵抗 が小 さくなる。
短所
個々 の車両 を必要 に応 じて増 解 結 することが困難 で、編成 の自由 度 が下 がり、修理 工場 に入 れる際 にも編成 全部 を一 度 に入 れねばならず長 い工場 が必要 になる他 、脱線 事故 の際 に復旧 作業 に手間 がかかる[6]。動力 分散 型 車両 では、同 一 両 数 では車軸 数 が少 ない分 、可能 な最大 の編成 出力 が制限 される(ただし、気動車 の全 軸 駆動 はほぼなく、電車 も全 M車 編成 は少数 なので、実際 は台車 数 が少 なくなることで駆動 輪 まで足 りなくなることはあまりない[注釈 3])。重量 を負担 する台車 と車軸 が少 なくなるため、台車 と車軸 と軌道 に活 荷重 が集中 し、台車 が減 って軽量 化 した分 を差 し引 いても1軸 当 たりの軸 重 は上昇 するので、軸 重 を同 じにするなら車体 自体 の重量 もボギー式 車両 より小 さくしなければならない[注釈 4][10]。輸送 量 が低下 する。(ただし、付随 車 や動力 車 でも分散 式 の場合 は集中 式 の機関 車 に比 べ圧倒的 に軸 重 が低 いので、これが問題 になるのは元々 分散 式 の車両 しか走 らないような鉄道 の場合 である。)- ホームドアを
設置 する場合 、前述 のように台車 間隔 が同 じでも連接 車 は一 両 当 たりの長 さが通常 ボギ ー車 と異 なるので、小田急電鉄 のように両方 を運用 する場合 は車両 とホームのドア位置 を合 わせにくくなる[11]。
なお、さらに
補足 :台車 数 を減 らす目的 での別 解
(
- 2
車体 のとき「単一 台車 付 き車体 」同士 を「連 節 」すれば台車 数 は2つで済 む。(タイプC2とX) - 3
車体 の場合 は「単一 台車 付 き車体 」同士 3台 の連 節 でもいい(タイプL)が、「単一 台車 付 き車体 」の間 に「フローティング(浮 き)車体 」を「連 節 」すると台車 数 は2つのままで済 む[注釈 5]。[12](タイプA3とU系列 ) - フローティング
車体 同士 を連 節 すると中央 部 が垂 れ下 がってしまうので、3両 以上 の場合 で全車 連 節 する場合 は車体 の数 を奇数 にし、奇数 両目 に台車 がある車体 を置 いて支 える。(タイプA5)
採用 例
ヨーロッパ
1911
このほか、スペイン
フランス
また、
北 アメリカ
それからおよそ
日本
なお、
なお、
私鉄 における採用 例
1957
国鉄 ・JRにおける採用 例
JRでも、1992
総括
JR
連接 台車 使用 車両 リスト
(
日本
電車
- JR
東日本 [注釈 14] 新幹線 952形 ・953形 電車 (1992年 )- E993
系 試験 電車 (2002年 ) - E331
系 (2006年 )
江ノ島 電鉄 - 300
形 (1956年 ) - 500
形 (初代 )(1956年 ) - 1000
形 ・1100形 ・1200形 ・1500形 (1979~1986年 ) - 2000
形 (1990年 ) - 10
形 (1997年 ) - 20
形 (2002年 ) - 500
形 (2代 )(2005年 )
西日本鉄道 - 500
形 (鉄道 )(1942年 ) 北九州 線 1000形 、福岡 市内 線 1001形 ・1101形 ・1201形 ・1301形 (1953~1964年 )- 331
形 (1957年 )
広島電鉄 宮島線 1040形 (1957年 )- 70
形 (1959年 )[注釈 17] - 2500
形 ・3100形 (1961年 ) - 3500
形 (1980年 ) - 3700
形 (1984年 ) - 3900
形 (1990年 ) - 3950
形 (1997年 )
福島 交通 - デハ5000
形 (初代 )(1963年 )
貨車 ・事業 用 車
小田急電鉄 - イヘ901(1959
年 )
注釈
- ^
例 として小田急 50000形 電車 (VSE)中 間 車 はホイールベース(≒車 体長 )が13.8mだが、同 系列 の先頭 車両 や通常 ボギ ー車 である30000形 (EXE)や60000形 (MSE)もホイールベースは13.8mであり、車体 長 の違 いはあくまでオーバーハング分 によるものである。 - ^
例 として、札幌 市電 や東急 世田谷線 では非 連接 構造 の電車 は貫通 路 が設 けられなかったり、江ノ島 電鉄 にいたっては連結 車 (2軸 ボギ ー車 同士 の連結 )の200形 に初 めて貫通 路 を設 けてみた所 、危険 があったため閉鎖 した事例 がある。 - ^
例 えば小田急 ロマンスカーの連接 車 はほとんどが全体 の1/3が付随 台車 (50000形 に至 っては3/11が付随 台車 )であるなど、むしろ車軸 数 には余裕 がある状態 である。 - ^
小田急 3100形 電車 (NSE)は最初 10両 編成 の計画 であったが、軸 重 軽減 のため台車 数 に対 し軽 い中 間 車 (平均 18.42t、先頭 車 は28.40t)が増 える11両 編成 に変更 している。 - ^ ただし、このフローティング
車体 をつけてしまうとバランスの関係 上 両 端 車体 の台車 を編成 中央 よりにつけるか両 端 車体 の小型 化 (運転 台 に特 化 )の必要 がある。前者 は低 床 式 に不利 になり、後者 は運転 台 と客室 の段差 が生 じる問題 がある。 - ^
一応 C2・A3方式 なら連接 台車 式 と違 い2or3両 単位 で自由 に増 解 結 できるが、後述 のように増 解 結 しない路面 電車 に多 くつかわれるので意義 は薄 い。 - ^
連接 台車 の場合 もそうだが編成 長 の上限 は駅 などの有効 長 の都合 などで決 まるため、個々 の車体 が短 くなれば両 数 を増 やせばいいだけなので編成 全体 ではタイプA5は5両 固定 編成 で全長 18mと一般 の私鉄 電車 1両 並 みの長 さがある。また、別 メーカーの車両 だがA5方式 のように車両 をつないだ広島電鉄 5000形 電車 が5車体 合計 で全長 30.5mと、軌道 運転 規則 第 46条 の編成 全長 上限 30mを越 えた特例 編成 となっている。 - ^
参考 までにフローティング車体 式 の場合 、(車両 によりある程度 の差 はあるが)コンビーノが30cmほど、リトルダンサーが33cm~38cmほどである。 - ^
国鉄 キハ391系 気動車 は「連 節 車 」だが、連接 台車 ではなく「通常 ボギー台車 の中 間 車 が前後 の単一 台車 付 き車体 を支 える」という構造 。 - ^
大半 が専用 軌道 だが、路面 電車 として開業 された区間 があったので車両 限界 をそちらに合 わせる必要 があった。 - ^ これは
当時 の小田急電鉄 の山本 利三郎 がスペインのタルゴの連接 構造 へ関心 を持 ったことが一因 だとされている。 - ^ ただし、
札幌 市電 は最後 の連接 車 であるA830形 を65年 に製造 後 、20年 近 く車両 の新造 を中断 し再開 後 は単行 車 のみ製造 。広島電鉄 は連接 車 と合 わせて単行 車 も製造 しており、5000形 からは連接 車 を増 備している。 - ^
試験 的 なもので、量産 されていない - ^
試験 的 なもので、量産 されていない、E331系 は営業 運転 はしていた。 - ^
連接 台車 は付随 車 編成 のみ - ^
連接 台車 は1軸 - ^
西 ドイツからの譲渡 車 - ^ 762mm
軌間 の車両 - ^
試験 的 なもので、量産 されていない
出典
- ^ ヴィルヘルム・ヤーコプスはドイツ
語 版 を参照 。中山 (2016) p.31、中山 (2017) p.34。 - ^
前橋 (2008) p.27図 2 - ^ 1935
年 (昭和 10年 )の鉄道 省 内 での業務 研究 資料 において、「関節 式 新 電車 ニ就イテ」と題 する構想 が発表 されている。(福原 (2008) p.167) - ^
中山 (2016) p.32、中山 (2017) p.35。「節 」が用 いられた理由 をドイツ語 の「Gelenkwagen」の直訳 (「Gelenk」は関節 、「Wagen」は車両 ) でないかと推測 している。「Gelenkwagen」はドイツ語 版 を参照 。 - ^
前橋 (2008) p.26 - ^ a b c
生方 ・諸 河 (2012) p.87 - ^
代田 (2007) p.23 - ^
宮本 (2012) p.32 - ^
生方 ・諸 河 (2012) p.70-71 - ^
生方 ・諸 河 (2012) p.123 - ^
鈴木 ・板垣 ・岩崎 (2018) pp.60-61。 - ^
神谷 (2012) p.35・37 - ^
中山 (2016) p.34、中山 (2017) p.37。2車体 ともに同 番号 が与 えられている。グレズリーはヤーコプスに次 いで「連接 車 」を提唱 している。 - ^
高畠 潔 『イギリスの鉄道 の話 』成文 堂 書店 、平成 16年 、ISBN 4-425-96061-0、P92。なお「昭和 32年 の使用 確認 」は書類 などのデータではなく、英国 に行 った筆者 の目撃 情報 。 - ^
中山 (2016) p.34、中山 (2017) p.39。2車体 ともに同 番号 が与 えられている。 - ^
神谷 (2012) p.45 - ^ トランスロール-
三井物産 プラントシステム株式会社 、>事業 内容 >交通 分野 >交通 分野 取 り扱 い商品 >国内 交通 プロジェクト。 - ^
中山 (2016) p.34、中山 (2017) pp.38-39。各 車体 に番号 が与 えられている。 - ^ Southern Pacific Daylight Train 99
- ^ a b Illinois Railway Museum (2012
年 9月 18日 ). “Nebraska Zephyr Excursion Sunday, November 9, 2014”. 2017年 12月9日 閲覧 。 - ^
青田 (2009) p.137 - ^
白川 保 友 、和田 洋 『JR東日本 はこうして車両 をつくってきた』交通 新聞 社 、2017年 、71-74頁 。ISBN 978-4-330-84517-3。
参考 文献
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