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フランス国鉄 - Wikipedia

フランス国鉄こくてつ

フランスの国有こくゆう鉄道てつどう会社かいしゃ

フランス国有こくゆう鉄道てつどう(フランスこくゆうてつどう、フランス語ふらんすご: Société Nationale des Chemins de fer Français, SNCF)は、フランス国有こくゆう鉄道てつどう事業じぎょう統括とうかつする鉄道てつどう事業じぎょうしゃである。

フランス国有こくゆう鉄道てつどう
Société Nationale des Chemins de fer Français
種類しゅるい しょう工業こうぎょうてきおおやけ施設しせつ法人ほうじん
略称りゃくしょう SNCF
本社ほんしゃ所在地しょざいち フランスの旗 フランス
パリ北部ほくぶ近郊きんこうサン=ドニ
設立せつりつ 1938ねん
業種ぎょうしゅ 陸運りくうんぎょう
事業じぎょう内容ないよう 鉄道てつどう
主要しゅよう子会社こがいしゃ SNCF RéseauSNCF MobilitésThalys InternationalOuigo
外部がいぶリンク https://www.sncf.com/
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1937ねん、フランス国鉄こくてつ初期しょき路線ろせん

本社ほんしゃパリ近郊きんこうサン=ドニ

概要がいよう

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企業きぎょう形態けいたい日本にっぽんにおける公共こうきょう企業きぎょうたいちかい「しょう工業こうぎょうてきおおやけ施設しせつ法人ほうじんEPIC: établissement public à caractère industriel et commercial)」。

1982ねんまでは官民かんみん合資ごうし株式会社かぶしきがいしゃである「混合こんごう資本しほん株式会社かぶしきがいしゃSAEM: société anonyme d'économie mixte)」であった。

一時いちじ上下じょうげ分離ぶんり政策せいさくにより、フランス国鉄こくてつ列車れっしゃ運行うんこうおよび鉄道てつどう車両しゃりょう保有ほゆう管理かんり業務ぎょうむなどをおこない、線路せんろえきなどの鉄道てつどう施設しせつインフラ)の保有ほゆう管理かんり業務ぎょうむは、SNCFとおなじくEPICのフランス鉄道てつどう線路せんろ事業じぎょう公社こうしゃ(RFF)が所管しょかんしていたが、2015ねんよりさい統合とうごうされた(後述こうじゅつ)。

フランスの鉄道てつどうもうは、6だい鉄道てつどう会社かいしゃばれる鉄道てつどう会社かいしゃ中心ちゅうしん発達はったつしたが、1930年代ねんだいになってモータリゼーション発展はってんともな経営けいえい環境かんきょう悪化あっか1938ねん国営こくえい会社かいしゃ1しゃふくつぎの5しゃ統合とうごう国有こくゆうした。

1937ねん8がつ31にちに5しゃを45年間ねんかんにわたって国有こくゆうする協定きょうてい政府せいふ各社かくしゃあいだわされ、1938ねん1がつ1にち混合こんごう資本しほん株式会社かぶしきがいしゃ(SAEM)のフランス国有こくゆう鉄道てつどう(SNCF)が発足ほっそくした。株式かぶしき出資しゅっし比率ひりつ政府せいふが51%、合併がっぺいまえ各社かくしゃが49%の半官半民はんかんはんみん会社かいしゃで、従業じゅうぎょういん身分みぶん公務員こうむいん国有こくゆう鉄道てつどう会社かいしゃたいして政府せいふ助成じょせいきん拠出きょしゅつするかたちで、ドイツ占領せんりょうおよび戦後せんごにかけて、45年間ねんかんにわたってフランス国内こくない国有こくゆう鉄道てつどう事業じぎょう所管しょかんした。

1970年代ねんだいはいって、SNCFは世界せかい最高さいこうそくTGV高速こうそく鉄道てつどうもう整備せいび着手ちゃくしゅ1981ねん最初さいしょ区間くかんとなるパリ-リヨンあいだ開業かいぎょうした。

1982ねん12月30にちには、鉄道てつどうなどの公共こうきょう交通こうつう整備せいび促進そくしんをうたった国内こくない交通こうつう基本きほんほう(LOTI)の対象たいしょう法人ほうじんとなり、政府せいふは1937ねん協定きょうてい失効しっこうの1982ねん12月31にちをもって、法人ほうじんかく混合こんごう資本しほん株式会社かぶしきがいしゃから100%政府せいふ出資しゅっし商事しょうじ法人ほうじんであるしょう工業こうぎょうてきおおやけ施設しせつ法人ほうじん(EPIC)に転換てんかんした。

1984ねんには、SNCFの地域ちいき輸送ゆそう部門ぶもん地域ちいきけんべつ分割ぶんかつされ、地域ちいきけん政府せいふ国家こっか政府せいふとともにけんいき輸送ゆそう施策しさくかんして一定いってい監督かんとく権限けんげんつ20の地域ちいきけん急行きゅうこう輸送ゆそうTER: Transport Express Régional)が発足ほっそくし、SNCFがかくTERと運輸うんゆ協定きょうていむすんでそれぞれの地域ちいき鉄道てつどう事業じぎょうおこな制度せいどがスタートした。さらにくに地方ちほう分権ぶんけん施策しさく一環いっかんとして、2002ねんまでにかくTERにたいするすべての監督かんとく権限けんげんくにからそれぞれの地域ちいきけん政府せいふ移管いかんされた。

また鉄道てつどう改革かいかく一環いっかんとして1997ねん、SNCF所管しょかん国有こくゆう鉄道てつどう事業じぎょうのうち、国鉄こくてつせん施設しせつ管理かんり事業じぎょう新設しんせつしょう工業こうぎょうてきおおやけ施設しせつ法人ほうじんフランス鉄道てつどう線路せんろ事業じぎょう公社こうしゃ(RFF)に分離ぶんり同時どうじ鉄道てつどう事業じぎょう会計かいけい長期ちょうき債務さいむもSNCF本体ほんたいから分離ぶんりされRFFに移管いかんされた。国鉄こくてつ線上せんじょう列車れっしゃ運行うんこうについてSNCFはRFFに路線ろせん使用しようりょう支払しはら一方いっぽう、RFFの施設しせつ管理かんり業務ぎょうむはSNCFがRFFから受託じゅたくするかたちつづ所管しょかんしている。

技術ぎじゅつ革新かくしん歴史れきし

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ふるくより列車れっしゃのスピードアップにちからそそぎ、鉄道てつどうにおける速度そくど記録きろくえず更新こうしんつづけてきた。1950年代ねんだいなかばには、CC7107号機ごうきが326km/h記録きろくし、そのもBB9004号機ごうきにて331km/hの記録きろくした。これらの技術ぎじゅつ蓄積ちくせきTGV開発かいはつや、320km/hでの営業えいぎょう運転うんてんにつながっている。

最近さいきんでは交流こうりゅう電化でんか主流しゅりゅうだが、直流ちょくりゅう電気でんき機関きかんしゃ製造せいぞう技術ぎじゅつ世界せかい最先端さいせんたんくもので、さきしるした直流ちょくりゅう電化でんか区間くかんでの速度そくど記録きろくは、1955ねん3月28にちにCC7107、よく29にちBB9004と、2しゅ直流ちょくりゅう電気でんき機関きかんしゃにより達成たっせいされたものである。また、世界中せかいじゅう名前なまえられためい列車れっしゃ数多かずおお運転うんてんしており、「ル・ミストラル」、「アキテーヌ」、「フレッシュ・ドール黄金おうごん)」、「トランブルーあお列車れっしゃ)」とうとく有名ゆうめいであり、トランブルーは文字通もじどおり、日本にっぽんのブルートレインのモデルとなった。

日本にっぽん新幹線しんかんせん開業かいぎょうヨーロッパはじめて最高さいこう速度そくど200km/h運転うんてん本格ほんかくてきったのもフランスが最初さいしょであった[注釈ちゅうしゃく 1]

1997ねんからはじまった鉄道てつどう改革かいかく上下じょうげ分離ぶんり分社ぶんしゃ)とその組織そしき改編かいへんにより、現在げんざい以下いか組織そしきにて運営うんえいされている。SNCFはこのほか、物流ぶつりゅう通信つうしん運輸うんゆ関連かんれんの650しゃえる企業きぎょう傘下さんかち、「フランス国鉄こくてつグループ」を形成けいせいしている。その、ダイヤ編成へんせい権限けんげんがRFFにあるため、運行うんこうがわのSNCFが異議いぎもうて、再度さいど上下じょうげ一体いったいとなる組織そしき改革かいかく法案ほうあんがフランス下院かいん採択さいたく、2015ねん1がつ1にちどう法案ほうあん施行しこう、インフラ保有ほゆう管理かんりおこなうSNCF Réseauと運営うんえい列車れっしゃ運行うんこうおこなうSNCF Mobilitésの2つの組織そしき上位じょういのSNCF Epicが統括とうかつ調整ちょうせいするかたちさい統合とうごうされた[1]

2015ねん以降いこう

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下記かき2団体だんたい利害りがい調整ちょうせい統括とうかつおこなおや組織そしきしょう工業こうぎょうてきおおやけ施設しせつ法人ほうじん(EPIC)
インフラ保有ほゆう監理かんり部門ぶもん
列車れっしゃ運行うんこう鉄道てつどう車両しゃりょう保有ほゆうなどをおこな部門ぶもん

1997ねん-2014ねん

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1997ねんからはじまった鉄道てつどう改革かいかく上下じょうげ分離ぶんり分社ぶんしゃ)とその組織そしき改編かいへんにより、2014ねんまでは以下いか組織そしきにて運営うんえいされていた。SNCFはこのほか、物流ぶつりゅう通信つうしん運輸うんゆ関連かんれんの650しゃえる企業きぎょう傘下さんかち、「フランス国鉄こくてつグループ」を形成けいせいしていた。

  • フランス鉄道てつどう線路せんろ事業じぎょう公社こうしゃ(RFF:Réseau ferré de France)
    鉄道てつどうインフラ管理かんりおこなうしょう工業こうぎょうてきおおやけ施設しせつ法人ほうじん(EPIC)
  • フランス国有こくゆう鉄道てつどう(SNCF:Société Nationale des Chemins de fer Français)
    列車れっしゃ運行うんこう鉄道てつどう車両しゃりょう保有ほゆうなどをおこなうEPICで、目的もくてきべつ以下いか部門ぶもんかれる。
    • SNCF Infra
      線路せんろ保守ほしゅ管理かんりおよ運行うんこう担当たんとうする。技術ぎじゅつけい子会社こがいしゃSNCF International、Systraおよびその子会社こがいしゃInexiaを管理かんりする。
    • SNCF Proximités
      都市とし通勤つうきんおよ地域ちいき旅客りょかく輸送ゆそう担当たんとうし、地域ちいきけん急行きゅうこう輸送ゆそう(TER)、トランジリアン(Transilien)およびアンテルシテ(INTERCITÉS)を運行うんこうしている。また、フランス国内外こくないがいてつ軌道きどう・バス事業じぎょう運営うんえいするKeolisとう子会社こがいしゃ管理かんりする。
    • SNCF Voyages
      長距離ちょうきょり輸送ゆそうおよTGVならびに乗車じょうしゃけん販売はんばい担当たんとうする。また、国際こくさい運行うんこう会社かいしゃユーロスタータリスリリアエリプソスおよびAlleoならびに乗車じょうしゃけん販売はんばい会社かいしゃレイルヨーロッパ、Voyages-sncf.comおよiDTGVひとし管理かんりする。
    • SNCF Geodis
      貨物かもつ輸送ゆそう担当たんとうする。また、物流ぶつりゅう子会社こがいしゃGeodis、自動車じどうしゃ輸送ゆそう子会社こがいしゃSTVAを管理かんりする。
    • Gares & Connexions
      駅舎えきしゃ管理かんりおよ開発かいはつ担当たんとうする。また、土木どぼく子会社こがいしゃAREPおよびその子会社こがいしゃParvis、不動産ふどうさん子会社こがいしゃA2Cを管理かんりする。
 
フランス国鉄こくてつ路線ろせん
あか - LGV(交流こうりゅう25kV, 50Hzへるつ
オレンジ - 交流こうりゅう25kV, 50Hzへるつ電化でんか
みどり - 直流ちょくりゅう1500V電化でんか
- その電化でんか方式ほうしき
灰色はいいろ - 電化でんか
太線ふとせん - 複線ふくせん以上いじょう
細線さいせん - 単線たんせん

路線ろせんもうやく29000kmで、電化でんかりつやく50%、複線ふくせんりつやく20%である。ドイツ占領せんりょう時代じだい複線ふくせんされたアルザス=ロレーヌ地方ちほうのぞき、複線ふくせん原則げんそくとして左側ひだりがわ通行つうこうである。電化でんか方式ほうしきは、直流ちょくりゅう1500V(しゅとしてパリ以南いなん)と交流こうりゅう25kV50Hzへるつ(パリ以北いほくおよび以東いとう、マルセイユ以東いとう、ブルターニュ地方ちほうなど、およLGVぜん区間くかん)が混在こんざいしている。

えきすうは、やく2445えき存在そんざいする。

フランス鉄道てつどうもう特徴とくちょうとして、首都しゅとパリ中心ちゅうしんに、放射状ほうしゃじょうかく都市としむす形態けいたい顕著けんちょあらわれている。TGVはし高速こうそく路線ろせん(LGV)もそうで、パリを中心ちゅうしんとしたネットワークを構成こうせいしている。一方いっぽうで、パリを経由けいゆしない経路けいろでの地方ちほう都市としあいだ連絡れんらくは、どちらかというとあまり充実じゅうじつしておらず、かならずしも便利べんりではない。

パリ近郊きんこうとフランス北部ほくぶベルギールクセンブルクドイツ国境こっきょうせっするフランス東部とうぶは、西部せいぶ南部なんぶくらべて路線ろせんもう充実じゅうじつしており列車れっしゃ本数ほんすう比較的ひかくてきおおい。

高速こうそく鉄道てつどう路線ろせんは、2007ねんにドイツ方面ほうめんLGVひがしヨーロッパせん開業かいぎょうがしたが、以降いこう路線ろせん整備せいびスペインイタリア方面ほうめん)については、財政ざいせいてき問題もんだいもあって建設けんせつペースが鈍化どんかするとわれている。

2006ねん11月からは、パリ近郊きんこうのBondy〜Aulnay-sous-Boisあいだで、路面ろめん電車でんしゃLRT:Tramway T4)の営業えいぎょう運転うんてん開始かいししている。

車両しゃりょう

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車両しゃりょう技術ぎじゅつふるくから世界せかいをリードする存在そんざいである。また、「ゲンコツ」に代表だいひょうされるように、フランス国鉄こくてつつよ印象いんしょうけるスタイルの車両しゃりょうおお存在そんざいする。

  • 電気でんき機関きかんしゃ
    フランス電気でんき機関きかんしゃ特徴とくちょうは、直流ちょくりゅう交流こうりゅう・交直りゅうという、電源でんげん方式ほうしきことなる機関きかんしゃでも、どういちスタイルで製造せいぞうされたことがげられる。また、性能せいのうめんでも、共通きょうつうはかられている。最近さいきんは交直流ちょくりゅう対応たいおうのみを製造せいぞうしているため、このようなことはなくなりつつある。なお、フランス電気でんき機関きかんしゃは、10000未満みまん直流ちょくりゅう1.5kV対応たいおう、10000番台ばんだい交流こうりゅう25kV50Hzへるつ対応たいおう、20000番台ばんだい直流ちょくりゅう1.5kV・交流こうりゅう25kV50Hzへるつ対応たいおう、30000番台ばんだい直流ちょくりゅう1.5kV・交流こうりゅう25kV50Hzへるつともういち電源でんげんの3電源でんげん対応たいおう、40000番台ばんだい直流ちょくりゅう1.5kV・交流こうりゅう25kV50Hzへるつともう電源でんげんの4電源でんげん対応たいおうで、形式けいしき番号ばんごうまえじく配置はいち(BB・CC)がく。
    • 主要しゅよう形式けいしき
      1. BB9200がた(DC1.5kV)/BB16000がた(AC25kV50Hzへるつ):1950年代ねんだい後期こうき製造せいぞうされた、フランス国鉄こくてつ幹線かんせんよう電気でんき機関きかんしゃ丸味まるみびたはこがた車体しゃたいと、たか位置いちにある細長ほそなが運転うんてんだいまど特徴とくちょうの、当時とうじ典型てんけいてきフランススタイルの機関きかんしゃ開発かいはつしゃ名前なまえから"Jacquemin" (ジャックマン)とばれる。
      2. BB9300がた(DC1.5kV)/BB25000がた(DC1.5kV・AC25kV50Hzへるつ):1960年代ねんだい後期こうき製造せいぞうされた、BB9200がた/BB16000がた改良かいりょうタイプ"Jacquemin"。
      3. BB8500がた(DC1.5kV)/BB17000がた(AC25kV50Hzへるつ)/BB25500がた(DC1.5kV・AC25kV50Hzへるつ):1960年代ねんだい中期ちゅうき製造せいぞうされた近郊きんこうけい貨物かもつよう機関きかんしゃ"Danseuses"(ダンスール)で、"Jacquemin"より出力しゅつりょくとしている。
      4. BB7200がた(DC1.5kV)/BB15000がた(AC25kV50Hzへるつ)/BB22200がた(DC1.5kV・AC25kV50Hzへるつ):1970年代ねんだいから製造せいぞうされた機関きかんしゃで、鋭角えいかくてき角張かくばった車体しゃたいに、おおきくんだ前面ぜんめんまどという、それまでのフランススタイルとは一線いっせんかくした独特どくとくのスタイルで登場とうじょうし、フランスでは"Nez cassés"、日本にっぽんでは「ゲンコツ」とばれた幹線かんせんよう電気でんき機関きかんしゃ。もうひとつのフランススタイルとしてられる。
      5. BB26000がた(DC1.5kV・AC25kV50Hzへるつ):1989ねんから製造せいぞうされた、はこがた前面ぜんめん傾斜けいしゃスタイルの幹線かんせんよう200km/h対応たいおう機関きかんしゃ“Sybic”。
      6. BB36000がた(DC1.5kV・DC3kV・AC25kV50Hzへるつ):ベルギーイタリア直流ちょくりゅう3kV区間くかん直通ちょくつうするため、1997ねんから製造せいぞうされた貨物かもつよう3電源でんげん対応たいおう電気でんき機関きかんしゃ“Astride”。
      7. BB27000がた・BB27300がた(DC1.5kV・AC25kV50Hzへるつ)/BB37000がた(DC1.5kV・DC3kV・AC25kV50Hzへるつ):アルストムしゃせいヨーロッパ汎用はんよう(セミオーダメードタイプ)電気でんき機関きかんしゃPrima”。
      8. 上記じょうきのほか、かつて1970年代ねんだいにTEEを牽引けんいんした機関きかんしゃには、200km/h運転うんてん対応たいおう・"Nez cassés"(日本にっぽんでは「ゲンコツ」)スタイルのCCじく配置はいち機関きかんしゃCC6500がた(DC1.5kV)、CC21000がた(DC1.5kV・AC15kV16.7Hzへるつ)、CC40100がたベルギーオランダ西にしドイツ直通ちょくつう対応たいおうのDC1.5kV・DC3kV・AC15kV16.7Hzへるつ・AC25kV50Hzへるつの4電源でんげんしき)などがあったが、CC21000がた全車ぜんしゃCC6500がた改造かいぞうされ形式けいしき消滅しょうめつ、CC40100がたすで引退いんたいしている。
  • ディーゼル機関きかんしゃ
    フランスディーゼル機関きかんしゃは、60000番台ばんだい・70000番台ばんだい名乗なのり、形式けいしき番号ばんごうまえじく配置はいち(A1AA1A・BoBo・BB・CC)がく。

なお、現在げんざいではかく車両しゃりょうされているくるまばんは6けたになっている。これはフランス国鉄こくてつでは現在げんざい列車れっしゃ運行うんこう目的もくてきべつに6つの部門ぶもんけており、車両しゃりょうがどの部門ぶもんぞくするかを10まん番台ばんだい区別くべつしているためである。

  • SNCF Voyages:100,000番台ばんだい
  • INTERCITÉS(SNCF Proximitésの一部いちぶ):200,000番台ばんだい
  • Fret(SNCF Geodisの一部いちぶ):400,000番台ばんだい
  • 地域ちいきけん急行きゅうこう輸送ゆそうTER(SNCF Proximitésの一部いちぶ):500,000番台ばんだい
  • SNCF Infra:600,000番台ばんだい
  • 事業じぎょうようしゃ:700,000番台ばんだい
  • トランジリアン:800,000番台ばんだい

列車れっしゃ種類しゅるい

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フランス国鉄こくてつには、以前いぜん日本にっぽんなどと同様どうように、Rapide(特急とっきゅう)やExprés(急行きゅうこう)が存在そんざいしたが、現在げんざいは、そのような明確めいかく種別しゅべつめいけられておらず、おおむね、以下いかのような列車れっしゃ運転うんてんされている。

高速こうそく列車れっしゃ

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国際こくさい夜行やこう列車れっしゃ

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国内こくない長距離ちょうきょり列車れっしゃ

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つぎの4種類しゅるい列車れっしゃ種別しゅべつがあったが、2012ねん1がつから、「INTERCITÉS」(アンテルシテ)に統合とうごうされた[2]。 ただし、当面とうめんあいだ公式こうしきサイトなどで従来じゅうらい列車れっしゃ種別しゅべつ表示ひょうじされる場合ばあいがある。

従来じゅうらい列車れっしゃ種別しゅべつ

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  • Téoz(テオズ)
    フランス国内こくないむす長距離ちょうきょり速達そくたつ列車れっしゃのうち、TGVはしらない路線ろせんはし列車れっしゃで、全車ぜんしゃ指定していせきTGV設定せっていされていない線区せんくでのさい優等ゆうとう列車れっしゃコライユかた客車きゃくしゃ大幅おおはばにリニューアルした車両しゃりょう使用しようされた。
  • Corail(コライユ
    フランス国内こくない都市としあいだ速達そくたつ列車れっしゃで、おおむね3時間じかん以上いじょう長距離ちょうきょり都市としあいだむすんだ。一部いちぶ列車れっしゃスペインイタリアドイツスイスなどに直通ちょくつうした。フランス以外いがいくにEC(ユーロシティ)となる列車れっしゃも、フランス国内こくないでは原則げんそくとして“Corail”としてあつかわれた。
    なお、“Corail”(コライユ)とはもともと、1970年代ねんだい後半こうはんにフランス国鉄こくてつ大量たいりょう投入とうにゅうされた優等ゆうとう列車れっしゃよう客車きゃくしゃ愛称あいしょうす。
  • Intercités(アンテルシテ)
    フランス国内こくない都市としあいだ速達そくたつ列車れっしゃで、おおむね3時間じかん以内いない中距離ちゅうきょり都市としあいだむすぶ。
  • Lunéa(ルネア)
    フランス国内こくない都市としあいだむす夜行やこう列車れっしゃ一部いちぶ国境こっきょうえフランス国外こくがいまで運転うんてんされるものもあった。

地域ちいき輸送ゆそう

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  • TER(テー・ウー・エル)
    イル=ド=フランス地域ちいきけん以外いがいのローカル輸送ゆそうにな地域ちいきけん急行きゅうこう輸送ゆそう列車れっしゃ高速こうそくしんせん(LGV)を経由けいゆする“TER GV”も存在そんざいする。快速かいそく運転うんてんおこなうものもある。アルザス地方ちほうのTERには、Corail(コライユがた客車きゃくしゃ使用しようし、最高さいこう速度そくど200km/h運転うんてんおこな列車れっしゃ"TER200"もはしっている。
  • Transillien(トランジリアン)
    パリ近郊きんこうのイル=ド=フランス地域ちいきけん運行うんこうされている列車れっしゃ
  • RER(エル・ウー・エル)
    パリ近郊きんこうはし列車れっしゃで、パリ中心ちゅうしん地下ちかせん直通ちょくつう運転うんてんおこなう。直訳ちょくやくすれば「地域ちいきけん急行きゅうこう路線ろせんもう」であるが、日本語にほんごでは「高速こうそく郊外こうがい地下鉄ちかてつ[3]のように意訳いやくされることもある。一部いちぶ路線ろせんはフランス国鉄こくてつではなくパリ交通こうつう公団こうだん(RATP)の運営うんえいである。

職員しょくいん関係かんけいする事項じこう

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労働ろうどう組合くみあい

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労使ろうし関係かんけいのバランスでみれば労働ろうどう組合くみあいちから非常ひじょうつよく、頻繁ひんぱんストライキ発生はっせいする。ストについては5にちまえまでに事前じぜん予告よこくをすること、最低限さいていげんのサービス(運行うんこう本数ほんすう)は確保かくほすることとうのルールがあるが、利用りようしゃにはおおきな負担ふたんとなる[4]2018ねんのストのれいでは4がつ3にちより、3カ月かげつにわたって5にちごとに2日間にちかんのストがつづ計画けいかくであった。スト初日しょにち運休うんきゅうりつは、高速こうそく鉄道てつどうやく87%、普通ふつう列車れっしゃ80%であった[5]毎年まいとししょうじる慢性まんせいてき赤字あかじ解消かいしょうする改革かいかくあん反対はんたいするデモであったが、国鉄こくてつ当局とうきょくは4がつ9にちまでのあいだやく1おくユーロの損失そんしつしている[6]

公務員こうむいん特別とくべつ年金ねんきん制度せいど

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フランス国鉄こくてつ職員しょくいんは、公務員こうむいんなかでも重労働じゅうろうどうしゃとみなされ、年金ねんきん負担ふたんきん支払しはらい期間きかん軽減けいげんされる公務員こうむいん特別とくべつ年金ねんきん制度せいど適用てきようされている。結果けっかてきに55さい以下いか年金ねんきん受給じゅきゅう可能かのうとなる優遇ゆうぐう制度せいどは、しばしば批判ひはん対象たいしょうとなるが、政府せいふ年金ねんきん制度せいど改革かいかくこころみるたびにフランス国鉄こくてつ職員しょくいん中心ちゅうしん反発はんぱつき、だい規模きぼなストライキを発生はっせいさせるなどの抵抗ていこうおこなわれる[7]

関連かんれん項目こうもく

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脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ 日本にっぽん新幹線しんかんせん開業かいぎょうまえまで「世界せかい最速さいそく鉄道てつどう車両しゃりょう」とされていたのもフランス国鉄こくてつル・ミストラルであった。
  2. ^ フランス・スイス国境こっきょうからジュネーヴまではフランス方式ほうしき直流ちょくりゅう1.5kV)で電化でんかされているためスイス直通ちょくつう対応たいおう編成へんせいである必要ひつようはなく、対応たいおう編成へんせい以外いがい運行うんこう実績じっせきもある。

出典しゅってん

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  1. ^ (一般いっぱん財団ざいだん法人ほうじん 運輸うんゆ調査ちょうさきょく)フランス鉄道てつどうにおける組織そしき改革かいかく動向どうこう
  2. ^ INTERCITÉS : UNE APPELLATION UNIQUE POUR LES TRAINS CLASSIQUES SNCF” (PDF). フランス国鉄こくてつ (2012ねん1がつ4にち). 2012ねん2がつ11にち閲覧えつらん
  3. ^ 『フランス '07』JTBパブリッシング〈ワールドガイド〉、2006ねん 
  4. ^ フランスのスト”. allabout (2010ねん11月10にち). 2018ねん4がつ8にち閲覧えつらん
  5. ^ フランス全土ぜんど国鉄こくてつスト、3カ月かげつ継続けいぞく 8わりきょう運休うんきゅう”. CNN (2018ねん4がつ4にち). 2018ねん4がつ8にち閲覧えつらん
  6. ^ エールフランス、けい7日間にちかんのストで220おくえん損失そんしつ見通みとお”. AFP (2018ねん4がつ10日とおか). 2018ねん4がつ10日とおか閲覧えつらん
  7. ^ 大統領だいとうりょう社会しゃかい改革かいかくあんもう反発はんぱつ、スト相次あいつ”. 独立どくりつ行政ぎょうせい法人ほうじん労働ろうどう政策せいさく研究けんきゅう研修けんしゅう機構きこう (2007ねん11月). 2019ねん12月5にち閲覧えつらん

外部がいぶリンク

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