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大邱地下鉄放火事件 - Wikipedia

大邱たいきゅう地下鉄ちかてつ放火ほうか事件じけん

2003ねん2がつ18にち大韓民国だいかんみんこく大邱たいきゅう広域こういき発生はっせいした地下鉄ちかてつ車両しゃりょうたいする放火ほうか事件じけん

大邱たいきゅう地下鉄ちかてつ放火ほうか事件じけん(テグちかてつほうかじけん)は、2003ねん2がつ18にち953ふん現地げんち時間じかんごろ大韓民国だいかんみんこく大邱たいきゅう広域こういき発生はっせいした地下鉄ちかてつ車両しゃりょうたいする放火ほうか事件じけんである。乗客じょうきゃくなど192にん死亡しぼうし148にん負傷ふしょうするだい惨事さんじとなった。

大邱たいきゅう地下鉄ちかてつ放火ほうか事件じけん
放火ほうかによってただれた地下鉄ちかてつ車輌しゃりょう車内しゃない
場所ばしょ 大韓民国の旗 韓国かんこく大邱たいきゅう広域こういき
座標ざひょう 北緯ほくい3552ふん16びょう 東経とうけい12835ふん39びょう / 北緯ほくい35.87111 東経とうけい128.59417 / 35.87111; 128.59417 (大邱たいきゅう地下鉄ちかてつ放火ほうか事件じけん)座標ざひょう: 北緯ほくい3552ふん16びょう 東経とうけい12835ふん39びょう / 北緯ほくい35.87111 東経とうけい128.59417 / 35.87111; 128.59417 (大邱たいきゅう地下鉄ちかてつ放火ほうか事件じけん)
日付ひづけ 2003ねん2がつ18にち
標的ひょうてき 地下鉄ちかてつ
攻撃こうげき手段しゅだん 放火ほうか
武器ぶき ガソリン
死亡しぼうしゃ 192にん
負傷ふしょうしゃ 148にん
動機どうき 持病じびょうともな失業しつぎょう拡大かくだい自殺じさつ
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大邱たいきゅう地下鉄ちかてつ放火ほうか事件じけん
各種かくしゅ表記ひょうき
ハングル 대구 지하철 화재 참사
漢字かんじ 大邱たいきゅう地下鐵ちかてつ火災かさい慘事さんじ
発音はつおん テグチハチョルファジェチャムサ
2000ねんしき
MRしき
英語えいご表記ひょうき
Daegu jihacheol hwajae chamsa
Taeku chihach'ŏl hwachae ch'amsa
Daegu metro fire
Daegu subway fire
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この事件じけんでは、火災かさい発生はっせいにおける運行うんこう管理かんり防災ぼうさい管理かんり乗務じょうむいん対応たいおう避難ひなん誘導ゆうどうなどにおおきな不手際ふてぎわがあったことから甚大じんだい人的じんてき被害ひがいすにいたった。事件じけん消火しょうか設備せつびとう追加ついか設置せっちされるきっかけとなった。

また車両しゃりょう一部いちぶたい熱性ねっせいではない素材そざい使つかわれていたことで火災かさい延焼えんしょうまねいたことから、既存きそん車両しゃりょう不燃ふねん対策たいさくほどこされた。

この事件じけん日本にっぽん鉄道てつどうにも影響えいきょうあたえ、消防しょうぼう法令ほうれい改正かいせい鉄道てつどう事業じぎょうしゃたいして施設しせつ車両しゃりょう防火ぼうか管理かんり強化きょうかされた。

概要がいよう

編集へんしゅう

2003ねん2がつ18にち午前ごぜん953ふんごろ現地げんち時間じかん)、大邱たいきゅう広域こういき地下鉄ちかてつ公社こうしゃ当時とうじ1号線ごうせん中央ちゅうおうえき構内こうない地下ちか3かいのホームに到着とうちゃくしただい1079列車れっしゃ1000けい118編成へんせい)の車内しゃないで、後述こうじゅつ自殺じさつ志願しがんしゃおとこ飲料いんりょうようペットボトルなかからガソリンいて放火ほうか火災かさいとなった。

放火ほうかされた車両しゃりょうなんもえざいもちいて製造せいぞうされており、貫通かんつうとびら設置せっちされていたが、高熱こうねつ融解ゆうかいする材質ざいしつ使つかわれており、とくまどガラスの支持しじとう使用しようされていたゴムざいけて部品ぶひん脱落だつらくし、火炎かえん編成へんせい全体ぜんたいわた結果けっかとなった。

火災かさい発生はっせい地下鉄ちかてつ指令しれいセンター状況じょうきょうただしく把握はあくしておらず、また防災ぼうさい管理かんり能力のうりょく欠如けつじょしており、さら事件じけんまえ火災かさい警報けいほう誤作動ごさどう頻発ひんぱつしていたことから、今回こんかい誤作動ごさどうおもんだため、すぐには運転うんてん中止ちゅうし措置そちらなかった。そのため、火災かさい発生はっせいから3ふんの956ふん異常いじょうらされていなかった対向たいこう列車れっしゃだい1080列車れっしゃ(1000けい130編成へんせい)が中央ちゅうおうえき入線にゅうせんした。中央ちゅうおうえき相対そうたいしきホームであるため、炎上えんじょうしている編成へんせい隣接りんせつして対向たいこう列車れっしゃ停車ていしゃするかたちとなってしまった。しかも指令しれいセンターは状況じょうきょう把握はあくあいだ運転うんてん抑止よくしおこない、運転うんてんたいしてなに指示しじさなかった[1]。その、ようやく出発しゅっぱつ指令しれいされたときには火災かさいによって送電そうでん停止ていしし、避難ひなん提案ていあんする1080列車れっしゃ運転うんてんたいしても指令しれいセンターはさい出発しゅっぱつ指示しじするのみで避難ひなん指示しじしなかった。このときすでえき構内こうない照明しょうめいちていたが、この送電そうでん異常いじょうにも指令しれいセンターはすぐに気付きづかなかった。

事故じこづいていたのは警察けいさつ消防署しょうぼうしょだった。脱出だっしゅつしてきた乗客じょうきゃく携帯けいたい電話でんわ消防署しょうぼうしょ通報つうほうし、えきちかくにあった大邱たいきゅう中部ちゅうぶ消防署しょうぼうしょ西門にしもん派出所はしゅつじょ現在げんざい西門にしもん119安全あんぜんセンター)からもえきからけむりがあがっているのが確認かくにんされ、西門にしもん派出所はしゅつじょ指令しれいセンターに火災かさい状況じょうきょうについてらせるという、事故じこ想定そうていしていないシステムであったことが露呈ろていされた。

火災かさいは1080列車れっしゃ延焼えんしょうし、指令しれいセンターは火災かさいから9ふんの102ふんにやむをず1080列車れっしゃ運転うんてん避難ひなん指令しれいした。運転うんてん即座そくざすべてのドアをけて乗客じょうきゃく避難ひなんするようげたものの、すで電気でんき配線はいせんけており、ぜん2りょうのみのとびらしか開放かいほうできなかったとされる。運転うんてん車内しゃない放送ほうそう乗客じょうきゃく避難ひなん指示しじし、一度いちどドアを開放かいほうしたままたすけをもとめる乗客じょうきゃくとも避難ひなんしたが、もう一度いちど電車でんしゃうごかせるかどうかこころみるため運転うんてんしつもどった。1010ふんごろにはホームは停電ていでんしており、電車でんしゃかろうじて通電つうでん可能かのうなものの電圧でんあつけいは0 - 1,500 Vを往復おうふくするようなうごきをしていたため、一度いちどすべての電気でんき遮断しゃだんし、もう一度いちど通電つうでん発車はっしゃ措置そちをとったが電車でんしゃうごくことはなかった。運転うんてん携帯けいたい電話でんわ指令しれいセンターに「ひとんでるのになんでなに対応たいおうしてくれない」と抗議こうぎしたが、指令しれいセンターは運転うんてん電車でんしゃうごかすのに必要ひつようマスコンキーをいて電気でんき遮断しゃだんして避難ひなんするように指示しじし、運転うんてんはマスコンキーをいて避難ひなん、これによって電車でんしゃのドアがまった[2]対向たいこう列車れっしゃ車両しゃりょう出火しゅっかもと車両しゃりょう同一どういつ構造こうぞうで、ドアには非常ひじょう開放かいほう機構きこうもあったが、その使用しようほう明確めいかく表示ひょうじされておらず、最終さいしゅうてき運転うんてん操作そうさしたぜん2りょうと、偶然ぐうぜんわせていた地下鉄ちかてつ職員しょくいん手動しゅどう開放かいほうした4りょうのみから脱出だっしゅつ可能かのうで、のこりの3りょう・5りょう・6りょうとびらひらくことはなかった。さらに出火しゅっかもと車両しゃりょうことなり貫通かんつうとびらがなかったため、延焼えんしょうしやすかった。まどからの脱出だっしゅつ不可能ふかのうであるため[3]められた乗客じょうきゃくおおくが脱出だっしゅつできないまま焼死しょうしした。また、放火ほうかされた列車れっしゃ運転うんてん駅員えきいんとも救助きゅうじょ活動かつどうおこなったが、火災かさい事実じじつを22分間ふんかんにわたって通報つうほうせず、これが対向たいこう列車れっしゃ入線にゅうせんさせた原因げんいんとなったとされる。死傷ししょうしゃすう出火しゅっかもと編成へんせいっていた乗客じょうきゃくよりも対向たいこう列車れっしゃっていた乗客じょうきゃくのほうが圧倒的あっとうてきおおく、対向たいこう列車れっしゃ入線にゅうせんふせぐことができれば事故じこ規模きぼちいさくなっていたとする意見いけんもある。

最終さいしゅうてきには死者ししゃ192めい重軽傷じゅうけいしょうしゃ148めいとなった。そのうちの142めいだい1080列車れっしゃ死亡しぼうした。なお火元ひもととなっただい1079列車れっしゃでは死者ししゃ6めい負傷ふしょうしゃ12めいであった。

ほん事件じけんではえき通風つうふうこうが1箇所かしょしかないという排煙はいえんわるさや、非常口ひじょうぐちかりづらさ、誘導ゆうどういん不在ふざいなどが影響えいきょうし、列車れっしゃから脱出だっしゅつしてもえき出口でぐちまでに辿たどけずに一酸化いっさんか炭素たんそ中毒ちゅうどくする犠牲ぎせいしゃすくなくなかった。

犯人はんにん

編集へんしゅう

放火ほうか実行じっこうはんであるきむまさるかん朝鮮ちょうせんばん当時とうじ56さい)は犯行はんこう恐怖きょうふによりそのから逃亡とうぼうしたが、その直後ちょくご逮捕たいほされた。

2000ねんまではタクシー運転うんてんしゅ行商ぎょうしょうなどをつとめながら、一家いっか大黒柱だいこくばしらとして妻子さいしやしなっていた。しかし2001ねん脳卒中のうそっちゅうによる失語症しつごしょうとうつびょう発症はっしょうし、緊急きんきゅう手術しゅじゅつにもかかわらず手足てあし後遺症こういしょうのこ失業しつぎょう病気びょうきによって自分じぶん社会しゃかいてき地位ちいうしなったことにより自殺じさつ願望がんぼういだき、今回こんかい事件じけんいたった。

裁判さいばん検察けんさつがわ死刑しけい求刑きゅうけいしたが、判決はんけつでは心神耗弱しんしんこうじゃくみとめられ、無期むき懲役ちょうえき減刑げんけいされけい確定かくていした。その収監しゅうかんされ服役ふくえきしていたが、2004ねん8がつ30にち持病じびょうだった脳卒中のうそっちゅう後遺症こういしょう死亡しぼうしたことがあきらかにされた。

不祥事ふしょうじ

編集へんしゅう

大邱たいきゅう広域こういき地下鉄ちかてつ公社こうしゃ事件じけん翌日よくじつに、安全あんぜん対策たいさくをほとんどなにおこなわない状態じょうたいのまま一部いちぶ区間くかん運行うんこう再開さいかいさせ、「安全あんぜんたいする意識いしきひくすぎる」と非難ひなんびた。さらには放火ほうかされた列車れっしゃ対向たいこう列車れっしゃ運転うんてん駅員えきいん指令しれいいん上層じょうそう指示しじ口裏くちうらわせるなど、組織そしきぐるみでの隠蔽いんぺいおこなった。しかも上層じょうそうすべてがあかるみにると今度こんどは2めい運転うんてん指令しれいいんすべてのつみかぶせようとした。こういった公社こうしゃ無責任むせきにん体質たいしつ事故じこまねいたと批判ひはんされた。現場げんばとなった中央ちゅうおうえきは2003ねん10がつ21にち全線ぜんせん運行うんこう再開さいかい営業えいぎょう休止きゅうししていたが、全面ぜんめんてき復旧ふっきゅう改装かいそう工事こうじ同年どうねん12がつ31にちより営業えいぎょう再開さいかいしている。

実行じっこうはん以外いがいにも、運転うんてん2めい中央ちゅうおうえき駅員えきいん2めい指令しれいセンター職員しょくいん3めい安全あんぜん担当たんとうしゃ1めいけい8めい事故じこ対応たいおう不適切ふてきせつであったとして業務ぎょうむじょう重過失じゅうかしつ致死傷ちししょう容疑ようぎで、地下鉄ちかてつ役員やくいん3めい無線むせん交信こうしん記録きろく改竄かいざんした証拠しょうこ隠滅いんめつつみ逮捕たいほ起訴きそされた。

影響えいきょう

編集へんしゅう

韓国かんこく

編集へんしゅう

この事故じこ以来いらい韓国かんこく列車れっしゃ内装ないそうざい順次じゅんじ不燃材ふねんざいへのえがおこなわれた。また、列車れっしゃドアコック使つかかた乗客じょうきゃくられておらず、ほとんど使用しようされていなかった経緯けいいから、その使用しよう方法ほうほうとうについて車内しゃない明確めいかく表示ひょうじするようになり、また列車れっしゃないえき構内こうない液晶えきしょうディスプレイひとしにおいても、その使つかかた説明せつめいした映像えいぞうとうを、非常時ひじょうじ行動こうどう要領ようりょうとも放映ほうえいするようになった。

韓国かんこく政府せいふ韓国かんこく鉄道てつどうちょうげん韓国かんこく鉄道てつどう公社こうしゃ)やソウル特別とくべつ地下鉄ちかてつ公社こうしゃソウルメトロげんソウル交通こうつう公社こうしゃ)をはじめとした都市とし鉄道てつどうかく事業じぎょうしゃへ、2006ねんまでにぜん在籍ざいせき車輌しゃりょう内装ないそうざい交換こうかん命令めいれい。これにともな各社かくしゃでは車内しゃないから可燃かねんせい内装ないそうざい撤去てっきょし、なんもえ素材そざい不燃ふねん素材そざいなどに交換こうかんしている。とく可燃かねんせいぬの綿めんおお使用しようしていた通勤つうきんよう車両しゃりょう座席ざせきは、ソウルメトロやソウル特別とくべつ都市とし鉄道てつどう公社こうしゃげん:ソウル交通こうつう公社こうしゃ)の車輌しゃりょうでは不燃ふねんせいのステンレスこう座席ざせき韓国かんこく鉄道てつどうちょう車輌しゃりょうではなんもえせいのモケット素材そざい交換こうかんされ、事件じけんしんせいされた車輌しゃりょうでは当初とうしょより不燃ふねん対策たいさくがとられている。

また車輌しゃりょうないへの消火しょうか追加ついか設置せっち常用じょうようドアコックの表示ひょうじ厳格げんかく地下鉄ちかてつぜんえきへの防護ぼうごふく酸素さんそボンベなどのはいった「救援きゅうえん物資ぶっし保管ほかん」の設置せっちなども実施じっしされた。

被災ひさいした1000けい118編成へんせい・130編成へんせい廃車はいしゃとなったが、うち3りょう大邱たいきゅう市内しない所在しょざいする「大邱たいきゅう市民しみん安全あんぜんテーマパーク」に保存ほぞんされている。なお、廃車はいしゃによる代替だいたい新造しんぞうおこなわれていない。

日本にっぽん

編集へんしゅう

この事件じけん日本にっぽんでも現場げんばからテレビによるなま中継ちゅうけいがなされるなどマスメディアによりおおきく報道ほうどうされ、社会しゃかいつよ関心かんしんあつめた。日本にっぽん国内こくない地下鉄ちかてつでは防災ぼうさい管理かんり見直みなおしと避難ひなん訓練くんれんおこなわれた。これをけ、その小規模しょうきぼながら同種どうしゅ地下鉄ちかてつ火災かさい事故じこ発生はっせいしていた韓国かんこくにおいては「事故じこ日本にっぽんでは各種かくしゅ対策たいさくおこなっているのに、なぜ当事とうじこく韓国かんこくはしないのか」などと、朝鮮日報ちょうせんにっぽうなどのマスメディア地下鉄ちかてつ管理かんり組合くみあいなどを非難ひなんしたことがあった[4]

日本にっぽん国内こくないにおける鉄道てつどう火災かさい対策たいさく基準きじゅんは、過去かこ発生はっせいした火災かさい事故じこまえた防火ぼうか基準きじゅんさだめられていたが、あくまで床下ゆかした機器ききからの発火はっかマッチライターによる放火ほうか想定そうていしたものであり、ガソリンなどを使用しようした大火たいかげん火災かさい想定そうていしていなかった[5]。このため、国土こくど交通省こうつうしょう事件じけん鉄道てつどうかんする技術ぎじゅつじょう基準きじゅんさだめる省令しょうれい解釈かいしゃく基準きじゅん変更へんこうし、地下鉄ちかてつとう旅客りょかくしゃ(A-A基準きじゅんしゃ)をふく日本にっぽん鉄道てつどう車両しゃりょう耐火たいかせいについては一定いってい程度ていど以上いじょうゆうするとかんがえられるものの、さらなる大火たいかげん火災かさい対応たいおうさせることとして以下いか措置そち追加ついかするよう指示しじした。

  • 客室きゃくしつ天井てんじょう使用しよう材料ざいりょうに、火災かさい発生はっせい溶融ようゆう滴下てきか高温こうおんちる)のおそれのある樹脂じゅしなどの使用しよう制限せいげん[5]
    • 従来じゅうらいからの燃焼ねんしょう試験しけん内容ないようたい溶融ようゆう滴下てきかせい判定はんてい項目こうもく追加ついか、およびコーンがたヒーターによる燃焼ねんしょう試験しけん追加ついか[6][5]
  • 列車れっしゃ防火ぼうか区画くかく
    • 隣接りんせつ車両しゃりょうからの延焼えんしょうけむり流入りゅうにゅう防止ぼうしのため、連結れんけつ車両しゃりょう客車きゃくしゃあいだ通常つうじょうじる構造こうぞう貫通かんつうとびらひとし設置せっち[5]
  • 車内しゃない表示ひょうじとう充実じゅうじつ
  • ワンマン運転うんてん車両しゃりょうへの設備せつび充実じゅうじつ地下鉄ちかてつとう走行そうこうする車両しゃりょうのみ)
    • 乗務じょうむいん不在ふざいとなる最後さいご車両しゃりょう非常口ひじょうぐち貫通かんつうとびら)から避難ひなん可能かのうなよう、前部ぜんぶ乗務じょうむいん室内しつない後部こうぶ乗務じょうむいんしつ客室きゃくしつあいだ仕切じきりとびら施錠せじょう解放かいほうする機能きのう電磁でんじくさりじょう)の設置せっちと、わせて非常口ひじょうぐち貫通かんつうとびら付近ふきん当該とうがいとびら開放かいほう方法ほうほう表示ひょうじ[5]
    • 線路せんろりると感電かんでん危険きけんせいがあるだいさん軌条きじょう方式ほうしき区間くかん走行そうこうする車両しゃりょう前述ぜんじゅつのドアコック位置いち表示ひょうじしない車両しゃりょう)では、客室きゃくしつから乗務じょうむいん連絡れんらくができない場合ばあい運転うんてん指令しれいしょなどと連絡れんらくできる機能きのう運転うんてん指令しれいしょから車内しゃない放送ほうそう可能かのうとなる装置そうち設置せっち[5]

これらの基準きじゅん改正かいせいにより、事件じけん以降いこう製造せいぞう更新こうしんされた車両しゃりょうでは室内しつない蛍光けいこうとうアクリルせいカバーが省略しょうりゃく京阪けいはん10000けいだい4編成へんせい以降いこう近鉄きんてつシリーズ21の2005年度ねんど製造せいぞうぶん以降いこうなど)またはガラス繊維せんいなど不燃ふねんせいのものを使用しようする(JR西日本にしにほん321けいJR西日本にしにほん223けいの2000番台ばんだい4しゃ/2500番台ばんだい2しゃ以降いこうなど)、車両しゃりょう貫通かんつうへの貫通かんつうとびら設置せっち札幌さっぽろ交通こうつうきょく8000かたちの2006年度ねんど以降いこうぞう備車など)など設計せっけい変更へんこうおこなわれている。JR東日本ひがしにっぽんE331けいは、貫通かんつうとびら設置せっち義務ぎむにより「連結れんけつひとせられる連接れんせつしゃのメリットがうしなわれた」ことを理由りゆうひとつとして、量産りょうさん見送みおくられた。

東京とうきょう地下鉄ちかてつでは05けい13しゃ以降いこうしんせい車両しゃりょうにおいて、内装ないそうざい火災かさい発生はっせいした場合ばあい塩素えんそガスシアン化水素しあんかすいそひとし有毒ゆうどくガス発生はっせいげんとなる塩化えんかビニルFRPひとし合成ごうせい樹脂じゅしけい材料ざいりょう使用しようりやめた[7]具体ぐたいてきにはゆか敷物しきもの塩化えんかビニルざいからゴムざいに、つりかわのベルトを塩化えんかビニルざいからナイロン繊維せんいとしたほか、天井てんじょう空調くうちょう吹出ふきだくちをFRPから金属きんぞくせい(アルミニウム)に変更へんこうした[7]東京とうきょう交通こうつうきょく都営地下鉄とえいちかてつ)においても、10-300かたち以降いこうしんせい車両しゃりょうにおいて、同様どうよう設計せっけい思想しそうれている[8][9]

また、一部いちぶえきにおいては、停車ていしゃ列車れっしゃ同士どうしとな相対そうたいしきホームの線路せんろあいだかべやガラスせい間仕切まじきりを設置せっちする(名古屋なごや市営しえい地下鉄ちかてつ東山ひがしやませんなどで実施じっし)など、延焼えんしょう対策たいさく強化きょうかされた。

さらに東京とうきょう消防庁しょうぼうちょう火災かさい予防よぼう条例じょうれい改正かいせい[10]消防しょうぼうよう設備せつびおよび防火ぼうか管理かんり体制たいせい規定きてい強化きょうかした。また、事件じけんなどをにして特別とくべつ消火しょうか中隊ちゅうたいがつくられた。

中国ちゅうごく

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中国ちゅうごく地下鉄ちかてつでも火災かさい対策たいさくおこなわれ、北京ぺきん地下鉄ちかてつSFM04がた電車でんしゃDKZ16がた電車でんしゃDKZ13がた電車でんしゃDKZ6がた電車でんしゃ天津てんしん地下鉄ちかてつDKZ9がた電車でんしゃ広州こうしゅう地下鉄ちかてつ04かたち電車でんしゃなども不燃ふねんせいのものを採用さいようした。

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ これは後日ごじつ列車れっしゃ無線むせん交信こうしん記録きろくからあきらかになっている。
  2. ^ この電車でんしゃはマスコンキーをけば電車でんしゃのドアが全部ぜんぶまる設計せっけいになっていた。
  3. ^ この電車でんしゃまどしたがわ2/3が固定こていしき上側うわがわ1/3は車内しゃないがわひら構造こうぞうになっていた。
  4. ^ “「大邱たいきゅう地下鉄ちかてつ放火ほうか事件じけん韓国かんこくわす日本にっぽん研究けんきゅうし”. 朝鮮日報ちょうせんにっぽう. (2005ねん2がつ20日はつか). オリジナルの2008ねん2がつ1にち時点じてんにおけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20080201021634/http://www.chosunonline.com/article/20050220000047 
  5. ^ a b c d e f g h 日本にっぽん鉄道てつどう車輌しゃりょう工業こうぎょうかい鉄道てつどう車両しゃりょう工業こうぎょう」434ごう(2005ねん4がつ論説ろんせつ地下鉄ちかてつどうにおける火災かさい対策たいさく基準きじゅん改正かいせいについて」19-23P記事きじ
  6. ^ わる天井てんじょう火災かさい対策たいさく天井てんじょう材料ざいりょう - 近畿車輛きんきしゃりょうわざほうだい13ごう(2006,10)2018ねん9がつ15にち閲覧えつらん
  7. ^ a b 日本にっぽん地下鉄ちかてつ協会きょうかい「SUBWAY」2004ねん11がつごう車両しゃりょう紹介しょうかい東京とうきょう地下鉄ちかてつ東西線とうざいせん05けい13しゃ」28-34ぺーじ
  8. ^ 日本にっぽん鉄道てつどう運転うんてん協会きょうかい運転うんてん協会きょうかい」2005ねん7がつごう新型しんがた車両しゃりょうプロフィールガイド「東京とうきょう交通こうつうきょく都営とえい新宿しんじゅくせんよう10-300かたち車両しゃりょう概要がいよう」pp.29 - 32。
  9. ^ ネコ・パブリッシング「レイルマガジン」2005ねん5がつごうNEW COMER GUIDE「東京とうきょう交通こうつうきょく10-300かたち」pp.143 - 147。
  10. ^ 火災かさい予防よぼう条例じょうれいおよどう施行しこう規則きそく一部いちぶ改正かいせい概要がいよう (Report). 東京とうきょう消防庁しょうぼうちょう. 2004.

参考さんこう文献ぶんけん

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  • 日本にっぽん鉄道てつどう車輌しゃりょう工業こうぎょうかい鉄道てつどう車両しゃりょう工業こうぎょう」434ごう(2005ねん4がつ論説ろんせつ地下鉄ちかてつどうにおける火災かさい対策たいさく基準きじゅん改正かいせいについて」(小松こまつあきら国土こくど交通省こうつうしょう鉄道てつどうきょく技術ぎじゅつ企画きかく))

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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韓国かんこくのテレビニュース韓国かんこく