今市いまいちダム

今市いまいちダム
左岸さがん所在地しょざいち	栃木とちぎ県けん日光にっこう市し大字だいじ佐下部さげぶ字じ東又ひがしまた
位置いち	北緯ほくい36度ど49分ふん32秒びょう東経とうけい139度ど39分ふん59秒びょう / 北緯ほくい36.82556度ど東経とうけい139.66639度ど
河川かせん	利根川とねがわ水系すいけい砥川とがわ
ダム湖みずうみ	今市いまいち調整ちょうせい池ち
ダム諸しょ元もと
ダム型式けいしき	重力じゅうりょく式しきコンクリートダム
堤つつみ高だか	75.5 m
堤つつみ頂いただき長ちょう	177.0 m
堤つつみ体積たいせき	192,000 m³
流域りゅういき面積めんせき	14.8 km²
湛たたえ水面すいめん積せき	38.0 ha
総そう貯水ちょすい容量ようりょう	9,100,000 m³
有効ゆうこう貯水ちょすい容量ようりょう	6,200,000 m³
利用りよう目的もくてき	発電はつでん
事業じぎょう主体しゅたい	東京電力とうきょうでんりょく（着工ちゃっこう・竣工しゅんこう当時とうじ）
電気でんき事業じぎょう者しゃ	東京電力とうきょうでんりょくリニューアブルパワー
発電はつでん所しょ名めい; （認可にんか出力しゅつりょく）	今市いまいち発電はつでん所しょ (1,050,000kW)
施工しこう業者ぎょうしゃ	間あいだ組ぐみ・青木あおきあすなろ建設けんせつ
着手ちゃくしゅ年ねん/竣工しゅんこう年ねん	1978年ねん/1988年ねん
出典しゅってん	『ダム便覧びんらん』今市いまいちダム [1]
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今市いまいちダム（いまいちダム）は、栃木とちぎ県けん日光にっこう市し（旧きゅう・今市いまいち市し）、利根川とねがわ水系すいけい砥川とがわに建設けんせつされたダム。高たかさ75.5メートルの重力じゅうりょく式しきコンクリートダムで、東京電力とうきょうでんりょくリニューアブルパワーの発電はつでん用ようダムである。同社どうしゃの揚水ようすい式しき水力すいりょく発電はつでん所しょ、今市いまいち発電はつでん所しょの下池しもいけを形成けいせい。上池かみいけ・栗山くりやまダムとの間あいだで水みずを往来おうらいさせ、最大さいだい105万まんキロワットの電力でんりょくを発生はっせいする。

歴史れきし

古ふるくは明治めいじ時代じだいより水力すいりょく発電はつでんの開発かいはつが行おこなわれていた鬼怒川きぬがわ。東京電力とうきょうでんりょくは奥利根おくとねの玉原たまはら発電はつでん所しょに続つづく、同社どうしゃ6番目ばんめとなる揚水ようすい発電はつでん所しょの建設けんせつを、鬼怒川きぬがわの支流しりゅう・砥川とがわに計画けいかくした。増ふえ続つづける電力でんりょく需要じゅように応こたえるとともに、広ひろがっていた昼夜ちゅうやの電力でんりょく消費しょうひ量りょうの格差かくさを埋うめるという日にち間あいだ調整ちょうせい能力のうりょくに特とく化かした純じゅん揚水ようすい式しき発電はつでん所しょとして設計せっけいされた。

1978年ねん（昭和しょうわ53年ねん）、上池かみいけ・下池しもいけをそれぞれ形成けいせいするために必要ひつような2基きのダムを含ふくめた今市いまいち発電はつでん所しょの建設けんせつ工事こうじが着工ちゃっこう。発電はつでん所しょは両りょうダムの中間ちゅうかん、地表ちひょうより100メートル地下ちかに形成けいせいした人工じんこうの空洞くうどう内ないに水車みずぐるま発電はつでん機きや変電へんでん設備せつびを設置せっちしている。従来じゅうらいの地下ちか式しき発電はつでん所しょでは地中ちちゅうを掘削くっさくし断面だんめんをキノコ形かたちに刳くり貫ぬくという方式ほうしきが採とられていたが、今市いまいち発電はつでん所しょでは新あらたにタマゴ形かたちとする方式ほうしきが採用さいようされた。地下ちか発電はつでん所しょ掘削くっさく時じに排出はいしゅつされた岩石がんせきは、今市いまいちダム堤つつみ体たいコンクリートの骨ほね材ざいとして利用りよう。並行へいこうして進すすめられた栗山くりやまダム建設けんせつ工事こうじも完了かんりょうし、今市いまいち発電はつでん所しょは1988年ねん（昭和しょうわ63年ねん）に発電はつでん機き1台だいで一部いちぶ運用うんよう開始かいし（35万まんキロワット）。1991年ねん（平成へいせい3年ねん）に残のこり2台だい（70万まんキロワット）を設置せっちし、これをもって完成かんせいとされた。

フランシス形かたちポンプ水車みずぐるまを採用さいようした、1台だいあたり最大さいだい35万まんキロワットの水車みずぐるま発電はつでん機きを3台だい据すえ付つけ、総そう出力しゅつりょくは105万まんキロワット。発生はっせいした電力でんりょくは50万まんボルトという高たかい電圧でんあつで送電そうでんしている。この50万まんボルトという超ちょう高圧こうあつ送電そうでんは、東京電力とうきょうでんりょくの水力すいりょく発電はつでん所しょとしては初はじめての試こころみであった。以後いご新設しんせつされる同社どうしゃの揚水ようすい発電はつでん所しょ（塩原しおばら・葛野川かずのがわ・神流川かんながわ）はすべて50万まんボルト送電そうでん線せんに接続せつぞくされている。

周辺しゅうへん

日光にっこう宇都宮うつのみや道路どうろ今市いまいちインターチェンジより国道こくどう121号ごうを鬼怒川温泉きぬがわおんせん方面ほうめんへ直進ちょくしんし、途中とちゅうで支流しりゅうの砥川とがわ沿ぞいを上流じょうりゅうに向むかって進すすめば今市いまいちダムが見みえてくる。

国道こくどう121号ごう沿ぞいには、東京電力とうきょうでんりょくのピーアール施設しせつであるテプコ鬼怒川きぬがわランドがあった。東武鉄道とうぶてつどう鬼怒川線きぬがわせん鬼怒川温泉きぬがわおんせん駅えきにも徒歩とほで15分ふん程度ていどと近ちかい立地りっちであった。館内かんない見学けんがく時間じかんは40分ふん程度ていどと見積みつもられ、栃木とちぎ県内けんないの水力すいりょく発電はつでんについて解説かいせつされていた。今市いまいち発電はつでん所しょおよび今市いまいちダムの見学けんがくツアーも主催しゅさいしており、事前じぜん予約よやくが必要ひつようであったが無料むりょうで参加さんかできた。近隣きんりんの小中学校しょうちゅうがっこうの社会しゃかい科か見学けんがくの訪問ほうもん先さきとされることも多おおかった。同どう施設しせつは福島ふくしま第だい一いち原子力げんしりょく発電はつでん所しょ事故じこによる広報こうほう自粛じしゅくなどのため2011年ねん春はるに閉鎖へいさ・廃止はいしされた