日常 にちじょう 的 てき な日本語 にほんご では、同 おな じ液体 えきたい の水 みず でも温度 おんど によって名称 めいしょう を変 か えて呼 よ び分 わ ける。低温 ていおん や常温 じょうおん では水 みず と呼 よ ぶが、温度 おんど が高 たか くなると湯 ゆ ( ゆ ) と呼 よ び[注 ちゅう 3] 、別 べつ の漢字 かんじ を宛 あ てる。しかし、英語 えいご (water)やフランス語 ふらんすご (eau)やスペイン語 ご (agua)などでは、液体 えきたい であれば温度 おんど によらず名称 めいしょう は不変 ふへん である[注 ちゅう 4] 。
日本語 にほんご では、湯 ゆ などから立 た ち上 のぼ った水蒸気 すいじょうき が凝結 ぎょうけつ して空気 くうき 中 ちゅう に細 こま かな粒 つぶ として存在 そんざい する水 みず は、湯気 ゆげ と言 い う。
用途 ようと 、性質 せいしつ 、存在 そんざい する場所 ばしょ などによる呼 よ び分 わ けも行 おこな われている。例 たと えば、水 みず の中 なか でも、特 とく に飲用 いんよう に供 きょう せるものを飲料 いんりょう 水 すい と言 い う。海 うみ にある塩分 えんぶん などを多 おお く含 ふく む水 みず は海水 かいすい 、地下 ちか に存在 そんざい する水 みず は地下水 ちかすい と呼 よ び、地下水 ちかすい を汲 く みボトルに詰 つ めた製品 せいひん をボトルウォーター と呼 よ ぶ。また、用途 ようと によって、農業 のうぎょう 用水 ようすい 、工業 こうぎょう 用水 ようすい などの呼称 こしょう もある。機能 きのう と水質 すいしつ に基 もと づく、上水 じょうすい 、中 ちゅう 水 みず 、下水 げすい という呼称 こしょう もある。
古代 こだい ギリシア語 ご では「ὕδ でるた ω おめが ρ ろー 」。発音 はつおん は時代 じだい と共 とも に変遷 へんせん しており、紀元前 きげんぜん 5世紀 せいき はIPA : /hý.dɔːr/ 「ヒュドール」、紀元前 きげんぜん 1世紀 せいき は IPA: /ˈ(h)y.dor/ 「ヒュドル」あるいは「ユドル」であった。
なお、近 きん ・現代 げんだい の学問 がくもん で水 みず 関連 かんれん の事物 じぶつ についての造語 ぞうご をする場合 ばあい 、古代 こだい ギリシア語 ご の「ὕδ でるた ω おめが ρ ろー 」を接頭 せっとう 語 ご として用 もち いるために(若干 じゃっかん 変形 へんけい させて)「hydro- 」[注 ちゅう 5] が使用 しよう されることがある(例 れい : 英 えい : hydrogen 「水素 すいそ 」〈「水 みず を生 う むもの」「水 みず のもと」といった意味 いみ の造語 ぞうご 〉、ハイドロプレーニング現象 げんしょう )。この学術 がくじゅつ 的 てき 接頭 せっとう 辞 じ の発音 はつおん は、言語 げんご ごとに異 こと なり、英語 えいご では/haɪdrə/ 「ハイドロ」、フランス語 ふらんすご では/idʁɔ/ 「イドロ」である。
ラテン語 らてんご ではaqua 「アクア 」である。これも伝統 でんとう 的 てき に学術 がくじゅつ 用語 ようご に、さらに非 ひ 学術 がくじゅつ 的 てき 分野 ぶんや (商用 しょうよう も含 ふく む)でも造語 ぞうご に用 もち いられ、様々 さまざま な言語 げんご で「aqua- 」「アクア~」といった語 かたり や表現 ひょうげん が多数 たすう 存在 そんざい する。
その他 た の言語 げんご では
である。
ウィクショナリーの「
みず 」の
項 こう も
参照 さんしょう
水 みず の概念 がいねん を自然 しぜん 科学 かがく 的 てき に拡張 かくちょう して、化学 かがく 式 しき で
H
2
O
{\displaystyle {\ce {H2O}}}
と表現 ひょうげん できる物質 ぶっしつ を広義 こうぎ の「水 みず 」とすれば、固体 こたい は氷 こおり 、液体 えきたい は水 みず 、気体 きたい は水蒸気 すいじょうき 、ということになる。
IUPAC系統 けいとう 名 めい はオキシダン (oxidane) だが、ほとんど用 もち いられない。また、一酸化 いっさんか 二 に 水素 すいそ 、一酸化 いっさんか 水素 すいそ 、酸化 さんか 水素 すいそ 、水 みず 酸 さん 、水酸化 すいさんか 水素 すいそ といった呼 よ び方 かた をすることも可能 かのう である。(→水素 すいそ 化物 ばけもの )
不純物 ふじゅんぶつ をほとんど含 ふく まない水 みず を「純 じゅん 水 みず 」と呼 よ ぶ(たとえば、加熱 かねつ してできた水蒸気 すいじょうき を凝結 ぎょうけつ した蒸留 じょうりゅう 水 すい など)。特 とく に純度 じゅんど の高 たか い水 みず は「超 ちょう 純 じゅん 水 みず 」という呼称 こしょう もある。
水 みず の化学 かがく 式 しき
H
2
O
{\displaystyle {\ce {H2O}}}
の水素 すいそ が2つとも同位 どうい 体 たい の重水素 じゅうすいそ である水 みず を重水 じゅうすい と呼 よ び、化学 かがく 式 しき
D
2
O
{\displaystyle {\ce {D2O}}}
で表 あらわ す。水素 すいそ の1つが重水素 じゅうすいそ であり、もう1つが軽 けい 水素 すいそ である水 みず は、半 はん 重水 じゅうすい と呼 よ び、
DHO
{\displaystyle {\ce {DHO}}}
で表 あらわ す。水素 すいそ の1つが三 さん 重水素 じゅうすいそ (トリチウム)である水 みず は、トリチウム水 すい (または三 さん 重水素 じゅうすいそ 水 すい )と呼 よ び、
HTO
{\displaystyle {\ce {HTO}}}
で表 あらわ す。重水 じゅうすい ・半 はん 重水 じゅうすい とトリチウム水 すい を併 あわ せ、さらに酸素 さんそ の同位 どうい 体 たい と水素 すいそ の化合 かごう 物 ぶつ である水 みず も含 ふく めて、単 たん に重水 じゅうすい と呼 よ ぶこともある。この広義 こうぎ の重水 じゅうすい に対 たい して、普通 ふつう の水 みず は、軽水 けいすい と呼 よ ばれる。
軽水 けいすい と重水 じゅうすい は電子 でんし 状態 じょうたい が同 おな じなので、化学 かがく 的 てき 性質 せいしつ は等 ひと しい。しかし、質量 しつりょう が2倍 ばい 、3倍 ばい となる水素 すいそ の同位 どうい 体 たい の化合 かごう 物 ぶつ である水 みず では、結合 けつごう や解離 かいり 反応 はんのう の速度 そくど などの物性 ぶっせい に顕著 けんちょ な差 さ が表 あらわ れる。(→速度 そくど 論 ろん 的 てき 同位 どうい 体 たい 効果 こうか )
気象 きしょう に関 かん する用語 ようご では、水 みず の粒 つぶ の大 おお きさによって、霧 きり や靄 (もや)と呼 よ ぶ(これらを総称 そうしょう した一般 いっぱん 用語 ようご として霞 かすみ もある)。それらが上空 じょうくう にある状態 じょうたい では、雲 くも と呼 よ ぶ。雲 くも から凝縮 ぎょうしゅく して大 おお きめの水滴 すいてき となって地上 ちじょう に落 お ちてくる水 みず は雨 あめ と呼 よ ぶ。上空 じょうくう で水蒸気 すいじょうき が凝固 ぎょうこ して結晶 けっしょう となった氷 こおり は雪 ゆき と呼 よ ばれ、一体 いったい の結晶 けっしょう になっていない粒 つぶ は、大 おお きさによって霰 (あられ)や雹 (ひょう)と呼 よ ぶ。それらが水 みず と混合 こんごう した状態 じょうたい になっていれば、霙 (みぞれ)と呼 よ ばれる。
古代 こだい ギリシアの哲学 てつがく 者 しゃ 、一般 いっぱん に最初 さいしょ の哲学 てつがく 者 しゃ とされる、紀元前 きげんぜん 6世紀 せいき 頃 ころ の人物 じんぶつ ミレトス のタレス は、万物 ばんぶつ の根源 こんげん アルケー を探求 たんきゅう する中 なか で「アルケーは水 みず である」と述 の べたと伝 つた えられている[3] [注 ちゅう 6] 。
同 おな じく古代 こだい ギリシア のエンペドクレス は、火 ひ 、空気 くうき 、水 みず 、土 ど (古代 こだい ギリシア語 ご : π ぱい υ うぷしろん ρ ろー , αήρ, ὕδ でるた ω おめが ρ ろー , γ がんま η いーた [注 ちゅう 7]
、ギリシア語 ご : φωτιά, αέρας, νερό, γ がんま η いーた 、羅 ら : ignis, aer, aqua, terra )を4つのリゾーマタ(古代 こだい ギリシア語 ご : ῥι いおた ζ ぜーた ὤματα 、「根 ね の物質 ぶっしつ 」の意 い で今日 きょう の元素 げんそ のこと)とし、それの集合 しゅうごう や離散 りさん によって自然 しぜん 界 かい のできごとを説明 せつめい する、いわゆる四 よん 元素 げんそ 説 せつ を唱 とな えた[3] 。これはアリストテレス に継承 けいしょう された。
古代 こだい インド でも、地 ち 、水 みず 、火 ひ 、風 ふう およびこれに空 そら を加 くわ えた五大 ごだい の思想 しそう が唱 とな えられていた[3] 。また中国 ちゅうごく においても、万物 ばんぶつ は木 き ・火 ひ ・土 ど ・金 きむ ・水 みず の5種類 しゅるい の元素 げんそ から成 な るとする五 ご 行 ぎょう 説 せつ が唱 とな えられた。
つまり、洋 よう の東西 とうざい を問 と わず、水 みず は、基本 きほん 的 てき な4~5種 しゅ の元素 げんそ の1つだと考 かんが えられていた。こうした水 みず の理解 りかい は、2000年 ねん 以上 いじょう 、18世紀 せいき 後半 こうはん の時点 じてん でも、ごく一般 いっぱん 的 てき であった。
こうした理解 りかい に変化 へんか が生 しょう じ始 はじ めたのは18世紀 せいき 末 まつ である[3] 。人類 じんるい の歴史 れきし の中 なか で見 み ても、ごく最近 さいきん のことである。18世紀 せいき 末 まつ に、キャベンディッシュ が、金属 きんぞく と酸 さん とが反応 はんのう した時 とき に、軽 かる い謎 なぞ の気体 きたい (現在 げんざい では水素 すいそ と呼 よ ばれているもの)が発生 はっせい し、それは簡単 かんたん に燃 も えて水 みず になることを発見 はっけん した[3] 。また、ラボアジエ が、この燃焼 ねんしょう で化合 かごう する相手 あいて が空気 くうき 中 ちゅう の酸素 さんそ であることを確 たし かめた[3] 。これによって「水 みず は元素 げんそ ではなかった」という考 かんが え方 かた が登場 とうじょう した。ただし、ラボアジエの実験 じっけん があっても、人々 ひとびと の考 かんが え方 かた が直 ただ ちに変化 へんか したわけではない。人々 ひとびと や学者 がくしゃ らもおおむね四 よん 元素 げんそ の考 かんが え方 かた をそれまでどおり用 もち いていた、と科学 かがく 史家 しか たちは指摘 してき している。18世紀 せいき までの文献 ぶんけん に現 あらわ れる「aqua」「water」「水 みず 」などは、基本 きほん 元素 げんそ としての水 みず であると理解 りかい するのが妥当 だとう である。
その後 ご 、19世紀 せいき 初頭 しょとう 、イギリスのドルトン が実験 じっけん の結果 けっか 、水素 すいそ と酸素 さんそ が重量 じゅうりょう 比 ひ で1:7で化合 かごう するとし(後 のち に正 ただ しくは1:8と判明 はんめい )、1805年 ねん にはゲイ・リュサック やフンボルト などがそれぞれ、体積 たいせき 比 ひ で2:1で化合 かごう することを見出 みいだ した[3] 。さらに1811年 ねん に、アボガドロ が分子 ぶんし 説 せつ を唱 とな え、その枠組 わくぐ みの中 なか で水 みず の分子 ぶんし が
H
2
O
{\displaystyle {\ce {H2O}}}
と定 さだ められた。この19世紀 せいき の初頭 しょとう に、西欧 せいおう の学者 がくしゃ たちの水 みず の理解 りかい が変 か わったと科学 かがく 史家 しか らによって指摘 してき されており、同 どう 世紀 せいき を通 とお して一般 いっぱん の人々 ひとびと の理解 りかい も変化 へんか していったと考 かんが えてよい[注 ちゅう 8] 。
分子 ぶんし 説 せつ の成立 せいりつ と共 とも にあったという点 てん などで、水 みず は近代 きんだい 化学 かがく の発展 はってん のきっかけを作 つく った物質 ぶっしつ である[3] 。この時期 じき は、おおむねphilosophia(哲学 てつがく )を母胎 ぼたい としてscientia(科学 かがく )が生 う まれつつあった時期 じき と一致 いっち している。こうした新 あたら しい独特 どくとく の哲学 てつがく を行 おこな う人 ひと の数 かず が徐々 じょじょ に増 ふ え、彼 かれ らが自分 じぶん 達 たち のことを他 た の哲学 てつがく 者 しゃ と区別 くべつ するためにscientist(科学 かがく 者 しゃ )という用語 ようご がヒューウェル によって1833年 ねん に造語 ぞうご され その使用 しよう が提唱 ていしょう された。
水 みず と氷 こおり の近代 きんだい 以降 いこう の主要 しゅよう な研究 けんきゅう の年譜 ねんぷ
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年譜 ねんぷ を読 よ むには右 みぎ の[表示 ひょうじ ]をクリック
17世紀 せいき 初頭 しょとう - ベルギー のファン・ヘルモント は植物 しょくぶつ 成長 せいちょう に関 かん する実験 じっけん により、水 みず を元素 げんそ と結論 けつろん づけた。あらかじめ重量 じゅうりょう を測定 そくてい した鉢植 はちう えに水 みず だけを与 あた え、4年 ねん 後 ご に重量 じゅうりょう を測定 そくてい すると重量 じゅうりょう が増加 ぞうか していた。すなわち水 みず 元素 げんそ が木 き 元素 げんそ に変換 へんかん したことになる。ヘルモントはガス という用語 ようご を作 つく り出 だ した。ビール の発酵 はっこう 、石炭 せきたん の燃焼 ねんしょう 、炭酸 たんさん 塩 しお から発生 はっせい するガスが全 すべ て同 おな じ物質 ぶっしつ であり、命名 めいめい もしていたが、彼 かれ 自身 じしん の実験 じっけん と彼 かれ のガスの関係 かんけい には気 き づいていなかった。
1765年 ねん - イギリスのキャベンディッシュ 、水 みず を材料 ざいりょう に熱 ねつ の研究 けんきゅう を行 おこ ない、蒸発 じょうはつ 熱 ねつ や潜熱 せんねつ を測定 そくてい した。
1766年 ねん - キャベンディッシュが、「人工 じんこう 空気 くうき の実験 じっけん を含 ふく む三 さん 論文 ろんぶん 」を発表 はっぴょう 。第 だい 1論文 ろんぶん で「可燃 かねん 性 せい 空気 くうき 」すなわち水素 すいそ の発見 はっけん を発表 はっぴょう 。ただし、水素 すいそ の燃焼 ねんしょう 物 ぶつ が何 なに であるかを理解 りかい していなかった。
1781年 ねん - 酸素 さんそ の発見 はっけん 者 しゃ の一人 ひとり であるイギリスのプリーストリー は、水素 すいそ の燃焼 ねんしょう 物 ぶつ が水 みず であることを見 み いだし、キャベンディッシュに確認 かくにん を求 もと めた。
1784年 ねん - キャベンディッシュが「空気 くうき に関 かん する諸 しょ 実験 じっけん 」を発表 はっぴょう 。水 みず の組成 そせい を確認 かくにん する実験 じっけん について記述 きじゅつ されている。実験 じっけん には2年 ねん を要 よう した。水素 すいそ と酸素 さんそ を電気 でんき 火花 ひばな によって反応 はんのう させると大量 たいりょう の反応 はんのう 熱 ねつ を出 だ すため、生成 せいせい 物 ぶつ にどうしても窒素 ちっそ の酸化 さんか 物 ぶつ である硝酸 しょうさん が混入 こんにゅう してしまうためであった。彼 かれ の論文 ろんぶん では水素 すいそ と酸素 さんそ を可燃 かねん 性 せい 空気 くうき と脱 だっ フロギストン 空気 くうき としているものの、水素 すいそ 2容積 ようせき と酸素 さんそ 1容積 ようせき から水 みず が生成 せいせい することを確認 かくにん している。フロギストンによらない説明 せつめい を最初 さいしょ に与 あた えたのは酸素 さんそ という名 な を命名 めいめい したラボアジェ であった。
1785年 ねん - ラボアジェが赤熱 しゃくねつ した鉄管 てっかん に水 みず を通 とお すと水素 すいそ が発生 はっせい することを示 しめ し、水素 すいそ 、酸素 さんそ こそが元素 げんそ であって、水 みず は化合 かごう 物 ぶつ であることを最終 さいしゅう 的 てき に確認 かくにん した。
1791年 ねん - イタリアのボルタ が酸素 さんそ と水素 すいそ が一定 いってい の比率 ひりつ で化合 かごう する性質 せいしつ を利用 りよう し、逆 ぎゃく にこれらの気体 きたい の分量 ぶんりょう を測定 そくてい するユージオメーターを開発 かいはつ した。
1800年 ねん - ボルタが、化学 かがく 反応 はんのう による電流 でんりゅう の発生 はっせい に成功 せいこう 。これが化学 かがく 電池 でんち の原型 げんけい であり「ボルタの電 でん 堆 うずたか 」と呼 よ ばれる。
1801年 ねん - イギリスのウィリアム・ニコルソン が「ボルタの電 でん 堆 うずたか 」を用 もち いて、初 はじ めて水 みず を電気 でんき 分解 ぶんかい した。陰極 いんきょく に水素 すいそ が2容積 ようせき 、陽極 ようきょく に酸素 さんそ が1容積 ようせき 発生 はっせい することを示 しめ した。
1920年 ねん - この頃 ころ までに水素 すいそ 結合 けつごう の概念 がいねん が提唱 ていしょう された。
1933年 ねん - バナール が、水 みず のX線 せん 構造 こうぞう 解析 かいせき を行 おこな った。
1935年 ねん - ポーリング 、氷 こおり の残余 ざんよ エントロピー の理論 りろん 。
1936年 ねん - 中谷 なかたに 宇吉郎 うきちろう が雪 ゆき の結晶 けっしょう を人工 じんこう 的 てき に世界 せかい で初 はじ めて作成 さくせい 。
1958年 ねん - アイゲン 、水中 すいちゅう のプロトン 移動 いどう に関 かん するモデルを提唱 ていしょう 。
1971年 ねん - ラーマン により、水 みず の分子 ぶんし 動力 どうりょく 学 がく 法 ほう によるシミュレーションが行 おこな われた。
1971年 ねん - ペイジ が、水 みず の中性子 ちゅうせいし による構造 こうぞう 解析 かいせき を行 おこな った。
1994年 ねん - 三島 みしま 修 おさむ が、2 つのアモルファス 氷 こおり の間 あいだ (低 てい 密度 みつど ⇔高密度 こうみつど )の一 いち 次 じ 相 あい 転移 てんい を発見 はっけん 。
2005年 ねん - R. J. D. Miller らにより、水 みず にレーザーパルス 照射 しょうしゃ で生 しょう じさせた構造 こうぞう 変化 へんか は 50 フェムト秒 びょう 以内 いない に失 うしな われることが報告 ほうこく された[4] 。
水 みず の
物理 ぶつり 的 てき および
化学 かがく 的 てき な
性質 せいしつ については「
水 みず の性質 せいしつ 」を
参照 さんしょう
水 みず は生命 せいめい の維持 いじ に欠 か かせない
様々 さまざま な生命 せいめい が宿 やど るサンゴ礁 さんごしょう
極地 きょくち の風景 ふうけい
生物 せいぶつ 体 たい を構成 こうせい する物質 ぶっしつ で、最 もっと も多 おお くを占 し める物質 ぶっしつ は水 みず である。核 かく や細胞 さいぼう 質 しつ で最 もっと も多 おお い物質 ぶっしつ でもあり、細胞 さいぼう 内 ない の物質 ぶっしつ を代謝 たいしゃ する際 さい の媒体 ばいたい としても利用 りよう されている。通常 つうじょう 、質量 しつりょう にして生物 せいぶつ 体 たい の70 % – 80 %が水 みず によって占 し められており、そのうちわずか数 すう パーセントでも不足 ふそく すると生命 せいめい 活動 かつどう に不都合 ふつごう が現 あらわ れる場合 ばあい がある。
生 い きている細胞 さいぼう には(理想 りそう 的 てき な溶媒 ようばい である)水 みず が多 おお く含 ふく まれており、生命 せいめい 現象 げんしょう を司 つかさど る化学 かがく 反応 はんのう の場 ば を提供 ていきょう し、また水 みず そのものが種々 しゅじゅ の化学 かがく 反応 はんのう の基質 きしつ となっている。体液 たいえき として、体内 たいない の物質 ぶっしつ 輸送 ゆそう や分泌 ぶんぴつ 物 ぶつ 、粘膜 ねんまく に用 もち いられる。また高分子 こうぶんし 鎖 くさり とゲル 化 か することで体 からだ を支 ささ える構造 こうぞう 体 からだ やレンズ にも利用 りよう されている。クマムシ のように厳 きび しい環境 かんきょう にも耐 た えられる生物 せいぶつ は、体内 たいない の水分 すいぶん を放出 ほうしゅつ し、不 ふ 活性 かっせい な状態 じょうたい を作 つく り出 だ すことができる。
なお、「生物 せいぶつ は太古 たいこ の海 うみ で誕生 たんじょう した」とされることがある。生物 せいぶつ の化学 かがく 組成 そせい と海水 かいすい の組成 そせい が似 に ていることもその説 せつ の根拠 こんきょ の1つである。地上 ちじょう の生物 せいぶつ もその先祖 せんぞ をたどれば水中 すいちゅう 生活 せいかつ を送 おく っていた、とされる。
陸上 りくじょう のように、常 つね に水 みず に浸 つ かっていない環境 かんきょう では、生物 せいぶつ にとって最 もっと も重要 じゅうよう な問題 もんだい の1つが水 みず の確保 かくほ である。陸上 りくじょう の無 む 脊椎動物 せきついどうぶつ では、周囲 しゅうい が湿 しめ っていなければ活動 かつどう できない種 たね も多 おお い。陸上 りくじょう 生物 せいぶつ に見 み られる進化 しんか 的 てき 形態 けいたい の多 おお くが、水 みず の確保 かくほ や自由 じゆう 水 すい が限 かぎ られた環境 かんきょう への適応 てきおう である。クマムシの場合 ばあい も、頻繁 ひんぱん に乾燥 かんそう にさらされる環境 かんきょう への適応 てきおう として、休眠 きゅうみん の能力 のうりょく が発達 はったつ したと考 かんが えられている。
地球 ちきゅう 外 がい 生命 せいめい の探査 たんさ においても、液体 えきたい の水 みず が星 ほし 表面 ひょうめん または内部 ないぶ に安定 あんてい して存在 そんざい している星 ほし である事 こと が生物 せいぶつ が存在 そんざい する条件 じょうけん の一 ひと つとして考 かんが えられている。水 みず 以外 いがい を溶媒 ようばい とした生物 せいぶつ も理論 りろん 上 じょう は考 かんが えられるが、低 ひく 過 す ぎる沸点 ふってん や存在 そんざい 量 りょう の不足 ふそく など何 なん らかの問題 もんだい を持 も っており、水 みず より生物 せいぶつ は発生 はっせい しにくいだろうと考 かんが えられている(代 か わりの生化学 せいかがく )。
人体 じんたい における水分 すいぶん 量 りょう は年齢 ねんれい ・性別 せいべつ によって異 こと なり、新生児 しんせいじ で約 やく 80 %、成人 せいじん で60 %前後 ぜんご 、高齢 こうれい 者 しゃ は50 %台 たい となる。また女性 じょせい は男性 だんせい に比 くら べて体内 たいない の脂肪 しぼう 分 ぶん が多 おお い関係 かんけい で水分 すいぶん 量 りょう は同年代 どうねんだい の男性 だんせい に比 くら べてやや少 すく ない[9] 。そして「その人体 じんたい の水 みず のうち45 %までが、細胞 さいぼう 内 うち に封 ふう じ込 こ められた水 みず で、残 のこ り15 %が血液 けつえき ・リンパ液 りんぱえき など細胞 さいぼう の外 そと にある水 みず [10] 」と言 い われている。この細胞 さいぼう 内 ない 液 えき 、細胞 さいぼう 外 がい 液 えき の両者 りょうしゃ を総称 そうしょう して体液 たいえき と呼 よ ぶ。この体液 たいえき が生命 せいめい の維持 いじ 、活動 かつどう に重要 じゅうよう な役割 やくわり を果 は たす。
なおニッスイ によると、1日 にち に排出 はいしゅつ される水 みず の量 りょう は体重 たいじゅう 60 kgの成人 せいじん 男性 だんせい で2500 mLであり、内訳 うちわけ としては尿 にょう が1400 mL、糞 くそ 100 mL、汗 あせ 500 mL、肺 はい からの呼気 こき 500 mLである。また、1日 にち に必要 ひつよう な水 みず の量 りょう は当然 とうぜん 2500 mLで、一般 いっぱん に飲料 いんりょう 水 すい から1200 mL、食物 しょくもつ から1000 mLが摂取 せっしゅ され、残 のこ りは体内 たいない で行 おこな われた代謝 たいしゃ の結果 けっか 生 しょう じた水 みず を300 mL得 え ているという[9] 。一方 いっぽう で、ハーバード健康 けんこう 出版 しゅっぱん 局 きょく は1日 にち に必要 ひつよう な水 みず の摂取 せっしゅ 量 りょう を約 やく 1400 - 1900 mLとしており、そこには食事 しょくじ によって得 え られる水分 すいぶん も含 ふく まれる[11] 。
水 みず は強力 きょうりょく な水素 すいそ 結合 けつごう で水分 すいぶん 子 こ 同士 どうし が引 ひ き合 あ っているために蒸発 じょうはつ 潜熱 せんねつ が多 おお い。このため汗 あせ が蒸発 じょうはつ することにより、非常 ひじょう に効率 こうりつ 良 よ く体温 たいおん を放散 ほうさん できる。しかし、発汗 はっかん しても液体 えきたい として流 なが れ落 お ちる量 りょう が多 おお い時 とき は、この限 かぎ りではない。
脱水 だっすい 症 しょう
体内 たいない の水分 すいぶん 量 りょう が不足 ふそく した状態 じょうたい を医学 いがく 的 てき には脱水 だっすい と呼 よ ぶ。水分 すいぶん 喪失 そうしつ 量 りょう に対 たい して水分 すいぶん 摂取 せっしゅ 量 りょう が不足 ふそく することによって起 お こる。脱水 だっすい 症状 しょうじょう が長引 ながび くと、尿 にょう 路 ろ 感染 かんせん 症 しょう 、腎臓 じんぞう 結石 けっせき 、便秘 べんぴ などの特定 とくてい の症状 しょうじょう のリスクが高 たか まるほか、持続 じぞく 的 てき な注意 ちゅうい や作業 さぎょう 記憶 きおく などの認知 にんち スキルを弱 よわ めることがわかった[12] 。水分 すいぶん 摂取 せっしゅ 不足 ふそく 、あるいは水分 すいぶん 喪失 そうしつ 過剰 かじょう 、あるいは水分 すいぶん 摂取 せっしゅ 不足 ふそく と水分 すいぶん 喪失 そうしつ 過剰 かじょう の同時 どうじ 進行 しんこう によって起 お きる。具体 ぐたい 的 てき には、高温 こうおん の環境 かんきょう 、重 じゅう 作業 さぎょう 、激 はげ しい運動 うんどう 、発熱 はつねつ 、下痢 げり 、嘔吐 おうと 、食事 しょくじ 不足 ふそく などが原因 げんいん となって起 お きる。
水 みず 中毒 ちゅうどく
人体 じんたい が過剰 かじょう な水分 すいぶん を投与 とうよ された場合 ばあい 、細胞 さいぼう 外 がい 液 えき の浸透 しんとう 圧 あつ が異常 いじょう に下 さ がり、低 てい ナトリウム血 ち 症 しょう によって悪心 あくしん 、頭痛 ずつう 、間代 まだい 性 せい の痙攣 けいれん 、意識 いしき 障害 しょうがい などの症状 しょうじょう を引 ひ き起 お こす。これを水 みず 中毒 ちゅうどく と言 い い、輸液 ミス、心 しん 因 いん 性 せい 多 た 飲 いん 、SIADH などの結果 けっか として見 み られる。なお致死 ちし 量 りょう は体重 たいじゅう 65 kgのヒトで10 – 30 L/日 ひ である。
十分 じゅうぶん な水 みず を飲 の むことは多 おお くの理由 りゆう で重要 じゅうよう である。細胞 さいぼう に栄養素 えいようそ を供給 きょうきゅう し、体温 たいおん と血圧 けつあつ を調節 ちょうせつ し、関節 かんせつ を滑 なめ らかにし、感染 かんせん を防 ふせ ぎ、臓器 ぞうき が正 ただ しく機能 きのう し続 つづ けるのを助 たす ける。水 みず はまた、食物 しょくもつ が消化 しょうか 管 かん を通 とお って移動 いどう し続 つづ け、腎臓 じんぞう の健康 けんこう をサポートする。全米 ぜんべい 医学 いがく アカデミー は、健康 けんこう な男性 だんせい が1日 にち あたり13カップの水分 すいぶん を摂取 せっしゅ することを示唆 しさ しているが、そのすべてが水 みず や液体 えきたい や無 む 糖 とう の炭酸 たんさん 水 すい である必要 ひつよう はない。多 おお くの食品 しょくひん にはかなりの量 りょう の水分 すいぶん が含 ふく まれている。尿 にょう の色 いろ は、水分 すいぶん 摂取 せっしゅ 量 りょう を監視 かんし する簡単 かんたん な方法 ほうほう である。水分 すいぶん 補給 ほきゅう されているとき、尿 にょう は透明 とうめい と軽 かる いわらの色 いろ の間 あいだ にあるべきである。濃 こ い黄色 きいろ または琥珀 こはく 色 しょく は、より多 おお くの水 みず を飲 の む必要 ひつよう があることを示 しめ している[12] 。
安全 あんぜん な水 みず を飲 の めるかどうか、ということは人間 にんげん の健康 けんこう に大 おお きな影響 えいきょう を及 およ ぼしている。汚物 おぶつ などに触 ふ れた不衛生 ふえいせい な水 みず を飲 の むと、感染 かんせん 症 しょう (コレラ や腸 ちょう チフス 、赤痢 せきり など)で命 いのち を落 お とす者 もの が出 で る。そしてこれらの病気 びょうき は伝染 でんせん する。体力 たいりょく の弱 よわ い乳幼児 にゅうようじ は、不衛生 ふえいせい な水 みず を摂 と ると、しばしば酷 ひど い下痢 げり を起 お こし脱水 だっすい 症状 しょうじょう で死亡 しぼう する。老人 ろうじん も免疫 めんえき 力 りょく が弱 よわ く、不衛生 ふえいせい な水 みず で命 いのち を落 お としやすい。また、不衛生 ふえいせい な水 みず は寄生虫 きせいちゅう の問題 もんだい も引 ひ き起 お こす。
古代 こだい でも中世 ちゅうせい でも、人類 じんるい のほとんどは水道 すいどう 無 な しで生活 せいかつ していたと考 かんが えて良 よ い。都市 とし で暮 く らすにしても上水道 じょうすいどう が無 な かった。安全 あんぜん な水 みず を飲 の む方法 ほうほう として古代 こだい から行 おこな われている1つの方法 ほうほう は、煮沸 しゃふつ (しゃふつ)してから口 くち に入 い れる方法 ほうほう である。他 ほか にも、太陽光 たいようこう による殺菌 さっきん を行 おこな う太陽 たいよう 水 すい 殺菌 さっきん などがある。
水 みず は基本 きほん 的 てき な消火 しょうか 剤 ざい でもある
スイミング をする人 ひと
現代 げんだい の水道 すいどう の蛇口 じゃぐち
水 みず の使用 しよう 形態 けいたい は大 おお きく都市 とし 用水 ようすい と農業 のうぎょう 用水 ようすい に分 わ けられ、さらに都市 とし 用水 ようすい は生活 せいかつ 用水 ようすい と工業 こうぎょう 用水 ようすい に分 わ けられる[13] 。
世界 せかい の水 みず の使用 しよう 量 りょう は、1995年 ねん の段階 だんかい で年間 ねんかん 約 やく 3570 km3 で、内訳 うちわけ としては、農業 のうぎょう 用水 ようすい が約 やく 2503 km3 /年 とし で約 やく 7割 わり を占 し め最大 さいだい 、工業 こうぎょう 用水 ようすい が約 やく 715 km3 /年 とし 、生活 せいかつ 用水 ようすい が約 やく 354 km3 /年 とし だった、とも推定 すいてい されている。水 みず 使用 しよう 量 りょう は1950年 ねん から1995年 ねん までで2.6倍 ばい になっているともされ、2025年 ねん には30億 おく 人 にん 以上 いじょう が水 みず の量 りょう と質 しつ の限界 げんかい (水 みず ストレス)に直面 ちょくめん する、とも予想 よそう されている[14] 。仮想 かそう 水 すい という指標 しひょう で水 みず の使用 しよう 量 りょう が計算 けいさん されている。
家庭 かてい での水 みず の使用 しよう 状 じょう 況 きょう と用途 ようと
編集 へんしゅう
家庭 かてい での水 みず の使用 しよう 量 りょう は、地域 ちいき によって著 いちじる しく異 こと なる。途上 とじょう 国 こく の中 なか には、1日 にち 1人 にん 当 あ たり数 すう リットル程度 ていど の国 くに も見 み られる。その一方 いっぽう で、先進 せんしん 国 こく では1日 にち 1人 にん 当 あ たり数 すう 百 ひゃく リットルという国 くに が多 おお く、途上 とじょう 国 こく と先進 せんしん 国 こく の間 あいだ には大 おお きな差 さ がある。日本 にっぽん の家庭 かてい の使用 しよう 量 りょう も他 た の先進 せんしん 諸国 しょこく と同様 どうよう 、特 とく に多 おお い部類 ぶるい に入 はい る[注 ちゅう 9] 。
日本 にっぽん での使用 しよう 状 じょう 況 きょう の1例 れい として東京 とうきょう の家庭 かてい でのそれを挙 あ げると、1日 にち で1人 ひとり 当 あ たり242 Lの水 みず を使 つか っている(2005年 ねん 現在 げんざい 、東京 とうきょう 都 と 水道局 すいどうきょく 調 しら べ)。家庭 かてい での水 みず の使用 しよう 量 りょう のうち、28 %がトイレ、24 %が風呂 ふろ 、23 %が炊事 すいじ 、17 %が洗濯 せんたく であった(2002年 ねん 、東京 とうきょう 都 と 水道局 すいどうきょく )[15] 。
古代 こだい ローマ の水道 すいどう 橋 きょう であるフランス のポン・デュ・ガール 。
ロ ろ ーマ帝国 まていこく (古代 こだい ローマ)は、土木 どぼく 技術 ぎじゅつ に秀 ひい でており、ローマに水 みず を引 ひ くべく水道 すいどう を建設 けんせつ した。これのおかげでローマの住 す むローマ市民 しみん は公衆 こうしゅう 浴場 よくじょう を利用 りよう することができた。ローマには公共 こうきょう の水洗 すいせん トイレ もあった。石 いし 製 せい のベンチ状 じょう の物 もの の下 した を水 みず が流 なが れており、ベンチには穴 あな があいており、そこにこしかけて用 よう をすれば、排泄 はいせつ 物 ぶつ が流 なが れてゆくのである。ローマのように水 みず がふんだんにある都市 とし 生活 せいかつ は世界 せかい 的 てき に見 み て例外 れいがい 的 てき であり、他 た に類 るい を見 み ない状態 じょうたい であった。 ロ ろ ーマ帝国 まていこく の時代 じだい 、ローマという都市 とし に住 す む人々 ひとびと は風呂 ふろ に頻繁 ひんぱん に入 はい っていたわけだが、その後 ご 、彼 かれ ら(かつてのロ ろ ーマ帝国 まていこく の中核 ちゅうかく 的 てき 市民 しみん 。今 いま のローマ市民 しみん やイタリア人 じん )は頻繁 ひんぱん に風呂 ふろ に入 はい る習慣 しゅうかん は失 うしな った[注 ちゅう 10] 。
都市 とし では、都市 とし で生活 せいかつ する者 もの に安全 あんぜん な飲料 いんりょう 水 すい をいかにして届 とど けるかということは、都市 とし を治 おさ める者 もの 、政治 せいじ を行 おこな う者 もの にとって大 おお きな問題 もんだい である。
日本 にっぽん の江戸 えど では、水不足 みずぶそく の状態 じょうたい を改善 かいぜん するために、1652年 ねん に玉川上水 たまがわじょうすい の建設 けんせつ が計画 けいかく され、翌 よく 1653年 ねん 、まずは本線 ほんせん が建設 けんせつ された。難 なん 工事 こうじ で幕府 ばくふ の用意 ようい した資金 しきん は底 そこ をついてしまい、玉川 たまがわ 兄弟 きょうだい は自宅 じたく を売 う って建設 けんせつ を続行 ぞっこう したという。承 うけたまわ 応 おう 3年 ねん (1654年 ねん )6月 がつ から、江戸 えど 市 し 中 ちゅう への通 つう 水 すい が開始 かいし された。
京都 きょうと では1885年 ねん (明治 めいじ 18年 ねん )に琵琶湖 びわこ 第 だい 1疏水 そすい を着工 ちゃっこう し、1890年 ねん (明治 めいじ 23年 ねん )に完成 かんせい した。
ヨーロッパの小 しょう 都市 とし の広場 ひろば などにある 「fonteフォンテ」 や「fontaineフォンテーヌ」(=「泉 いずみ 」)の例 れい 。
中世 ちゅうせい ヨーロッパ では、各 かく 都市 とし は外敵 がいてき を防 ふせ ぐべく壁 かべ を建設 けんせつ し(城塞 じょうさい 都市 とし )、自治 じち が行 おこな われ、独立 どくりつ 性 せい が高 たか く、小 ちい さな国 くに のような様相 ようそう を呈 てい する都市 とし が多 おお かった。ヨーロッパの都市 とし では、街 まち の広場 ひろば などに、都市 とし の近 ちか くの山 やま などから水道 すいどう で水 みず を引 ひ き、その水 みず を出 だ す fonte フォンテ (イタリア語 ご 、ポルトガル語 ご 。フランス語 ふらんすご では fontaine フォンテーヌ、日本語 にほんご では「泉 いずみ 」)を設置 せっち して、飲料 いんりょう 水 すい を市民 しみん に提供 ていきょう している都市 とし が多 おお かった。市民 しみん は桶 おけ を持 も って広場 ひろば にやってきて、この「泉 いずみ 」で水 みず を汲 く んで、水 みず が入 はい った重 おも い桶 おけ を持 も って家 いえ まで運 はこ び、各 かく 家 いえ でそれを使 つか うのである。つまり「水道 すいどう 」があるといってもそういう程度 ていど のことであったのであり、基本 きほん 的 てき に各 かく 家 いえ まで引 ひ かれていたわけではない。
中 ちゅう 近世 きんせい のヨーロッパの水 みず 事情 じじょう を理解 りかい するための例 れい の1つとして、フランスの首都 しゅと のパリ の水 みず 事情 じじょう について説明 せつめい すると、パリの水 みず 事情 じじょう は劣悪 れつあく であった。16世紀 せいき ・17世紀 せいき ・18世紀 せいき と、パリ市民 しみん は安全 あんぜん な飲料 いんりょう 水 すい をたっぷりと確保 かくほ できていたわけではない。基本 きほん 的 てき に、風呂 ふろ に入 はい る、などということは考 かんが えられない状態 じょうたい であった。やることと言 い えば、布 ぬの に水 みず や湯 ゆ を含 ふく ませて身体 しんたい を拭 ふ くということだったり、せいぜいやるとしても、身体 しんたい があまりに臭 くさ くなったら、桶 おけ やたらい (金 きむ たらい )を用意 ようい して、服 ふく を脱 ぬ いでその中 なか で立 た って、桶 おけ にくんだ水 みず をチョロチョロと身体 しんたい にかけて流 なが し、数 すう 分 ふん 後 ご にはそそくさと身体 しんたい を拭 ふ く、という程度 ていど であった。
汚水 おすい の扱 あつか いも酷 ひど い状態 じょうたい で、パリに下水道 げすいどう が整備 せいび されていなかったため、市民 しみん は、汚物 おぶつ を家 いえ (アパルトマン)の前 まえ の街路 がいろ に捨 す てていた。当時 とうじ 、パリの街路 がいろ は道 みち の端 はし や真 ま ん中 なか に水 みず が集 あつ まるようにしてあり、雨 あめ になるとそこを雨水 あまみず が流 なが れるのだが、そこに汚物 おぶつ が大量 たいりょう に流 なが れ、街 まち 全体 ぜんたい に悪臭 あくしゅう が漂 ただよ っていたのである。そのような状態 じょうたい が常態 じょうたい 化 か すると、終 おわり いには、建物 たてもの の3階 かい ・4階 かい などに住 す み、いちいち1階 かい まで歩 ある いて降 お りる手間 てま を面倒 めんどう に感 かん じる者 もの などでは桶 おけ に入 はい った汚物 おぶつ を窓 まど から直接 ちょくせつ 放 ひ り投 な げるような不届 ふとど き者 しゃ すらもいた。パリの街 まち を歩 ある くには、足元 あしもと の汚水 おすい にも気 き を付 つ けなければならないし、同時 どうじ に、頭上 ずじょう にも注意 ちゅうい を払 はら って汚物 おぶつ をかけられないように気 き を付 つ ける必要 ひつよう すらあったのである。
この状況 じょうきょう が変 か わったのは19世紀 せいき のことで、オスマンが行 おこな ったパリ改造 かいぞう (オスマニザシオン)の成果 せいか であり、オスマンは、パリ市民 しみん のために安全 あんぜん な水 みず を豊富 ほうふ に確保 かくほ するために、パリから100 kmも離 はな れた水源 すいげん からパリに水 みず を引 ひ くという決断 けつだん を行 おこな い、それが成功 せいこう し、各 かく 家庭 かてい に充分 じゅうぶん に水 みず を届 とど けることが可能 かのう になり、その結果 けっか 、当時 とうじ 、パリの各 かく 家庭 かてい でバスタブ を置 お き風呂 ふろ に入 はい るということがちょっとした流行 りゅうこう になった[16] 。
地域 ちいき によっては現代 げんだい でも水道 すいどう が無 な い国 くに が多 おお い。毎日 まいにち 水 すい をバケツ などで家 いえ まで運 はこ ぶ地域 ちいき もある。さらに、水源 すいげん が遠 とお いため自力 じりき で長距離 ちょうきょり を歩 ある かなければならず、その労働 ろうどう を担 にな う子供 こども が通学 つうがく さえままならない地域 ちいき もある[要 よう 出典 しゅってん ] 。
日本 にっぽん では行 おこな われていないが、国 くに や地域 ちいき によっては、虫歯 むしば の予防 よぼう のために水道 すいどう 水 すい にフッ化物 ばけもの が添加 てんか されている。一方 いっぽう 、ほとんどのボトル入 い り飲料 いんりょう 水 すい にはフッ化物 ばけもの が含 ふく まれていないため、こうした地域 ちいき では水道 すいどう 水 すい を飲 の んだ方 ほう が口腔 こうくう の健康上 けんこうじょう 望 のぞ ましいと考 かんが えられている[17] 。
噴水 ふんすい
水 みず は人類 じんるい にとって最 もっと も身近 みぢか で重要 じゅうよう な物質 ぶっしつ であり、かつ様々 さまざま な態様 たいよう を見 み せることから、水 みず をモチーフとした数々 かずかず の芸術 げいじゅつ 作品 さくひん が生 う み出 だ されている。
水 みず そのものを取 と り入 い れた作品 さくひん として、庭園 ていえん における池 いけ や噴水 ふんすい などがある。
水掛 みずか け論 ろん - 双方 そうほう が主張 しゅちょう をいい解決 かいけつ しない議論 ぎろん のこと。田 た に水 みず が欲 ほ しい双方 そうほう が、水 みず を掛 か け合 あ ってまで争 あらそ う様 よう に由来 ゆらい する成句 せいく だと言 い われている。
湯水 ゆみず のように(ごとく) - 大量 たいりょう に使 つか うことを指 さ し、通常 つうじょう は無駄遣 むだづか いや乱費 らんぴ の表現 ひょうげん として用 もち いられる。日本 にっぽん ではかつて「水 みず と安全 あんぜん はタダ」など言 い われ、水 みず は非常 ひじょう に安価 あんか または無料 むりょう の代名詞 だいめいし であった。茶道 さどう の点前 てまえ で茶道具 ちゃどうぐ を清 きよ めるために大量 たいりょう の湯水 ゆみず を使 つか うことに由来 ゆらい する。
水商売 みずしょうばい (またはその略称 りゃくしょう 「お水 みず 」) - 飲食 いんしょく 業 ぎょう または風俗 ふうぞく 業 ぎょう の別称 べっしょう 。1日 にち の客数 きゃくすう が安定 あんてい しない(水物 みずもの である)から。一説 いっせつ に、酒 さけ の水割 みずわ り用 よう の水道 すいどう 水 すい に値段 ねだん を付 つ ける(金 かね を取 と る)ことから。
水 みず に流 なが す - 過去 かこ の因縁 いんねん を忘 わす れること。汚 よご れ物 ぶつ は水 みず に溶 と かして流 なが れ去 さ るに任 まか せるのが古来 こらい の流儀 りゅうぎ である。実際 じっさい に、多 おお くの汚物 おぶつ は水中 すいちゅう における自然 しぜん の浄化 じょうか 作用 さよう とその人工 じんこう 的 てき 応用 おうよう である汚水 おすい 処理 しょり によって処理 しょり される。
他 ほか にも、世間 せけん や市場 いちば に普遍 ふへん 的 てき な物 もの (貨幣 かへい や情報 じょうほう など)を水 みず に喩 たと えて、「洪水 こうずい のような」「氾濫 はんらん する」などと表現 ひょうげん されることがある。
^ エンジンの「冷却 れいきゃく 水 すい 」など水 みず 以外 いがい の物質 ぶっしつ が多 おお く含 ふく まれた混合 こんごう 物 ぶつ も水 みず と呼 よ ばれる場合 ばあい がある。日本語 にほんご 以外 いがい でも、しばしば液体 えきたい 全般 ぜんぱん を指 さ している。例 たと えば、フランス語 ふらんすご ではeau de vie (オー・ドゥ・ヴィ=命 いのち の水 みず )がブランデー 類 るい を指 さ すなど、eau(水 みず )はしばしば液体 えきたい 全般 ぜんぱん を指 さ している。そうした用法 ようほう は、様々 さまざま な言語 げんご でかなり一般 いっぱん 的 てき である。
^ ただし、これはメタファー であって、物理 ぶつり 学 がく 的 てき な言葉 ことば の使 つか い方 かた とは異 こと なる。
^ 特 とく に温度 おんど の高 たか い水 みず は熱湯 ねっとう ( ねっとう ) と呼 よ ぶ。理 り ・工学 こうがく 的 てき な分野 ぶんや では熱 ねつ 水 すい ( ねっすい ) という語 かたり も用 もち いられる。対 たい して、技術 ぎじゅつ 用語 ようご では高 たか い温度 おんど の湯 ゆ に相当 そうとう する物 もの も水 みず と呼 よ ぶ場合 ばあい がある(例 れい :冷却 れいきゃく 水 すい )。アイヌ語 ご では、低温 ていおん の水 みず のことをワッカ、高温 こうおん の水 みず (湯 ゆ )のことをウセイ と言 い う。
^ 英語 えいご では、温度 おんど が高 たか い場合 ばあい でも名詞 めいし (water)は変化 へんか せず、形容詞 けいようし を付加 ふか する(hot water)。
^ 純粋 じゅんすい な水 みず のみならず、高温 こうおん で溶解 ようかい したものではなく低温 ていおん で凝固 ぎょうこ していない液体 えきたい 、もしくは「液状 えきじょう 物 ぶつ 全般 ぜんぱん 」を指 さ す場合 ばあい がある
^ これを伝 つた えているのは、アリストテレス の書 しょ などである。
^ これらは「η いーた 」が「e」に変化 へんか し、「-o」が付 つ くことで現代 げんだい の接頭 せっとう 辞 じ となっている。
^ 「共通 きょうつう に支持 しじ されている理論 りろん 体系 たいけい と矛盾 むじゅん する断片 だんぺん 的 てき な発見 はっけん がいくつあっても人々 ひとびと の考 かんが え方 かた の体系 たいけい (理論 りろん 体系 たいけい )は基本 きほん 的 てき に変化 へんか せず、それが変 か わるのは、あくまで別 べつ の理論 りろん 体系 たいけい が現 あらわ れた時 とき だけである」とする考 かんが え方 かた は、20世紀 せいき の科学 かがく 哲学 てつがく 者 しゃ クーン がパラダイムシフト という用語 ようご を用 もち いて提唱 ていしょう した。
^ 家庭 かてい での水 みず の使用 しよう 状 じょう 況 きょう と用途 ようと についての関連 かんれん 資料 しりょう 。
^ この辺 あた りの経緯 けいい ・事情 じじょう はヤマザキ・マリなども調 しら べており『テルマエ・ロマエ 』に書 か いている。
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