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地下水 - Wikipedia

地下水ちかすい

地表ちひょうめんよりしたにあるみず

地下水ちかすい(ちかすい)とは、広義こうぎには地表ちひょうめんよりしたにあるみず総称そうしょうであり、狭義きょうぎでは、とく地下水ちかすいめんよりふか場所ばしょではおびすいそうばれる地層ちそうみずたされて飽和ほうわしており、このようなみずだけが「地層ちそうすい」や「地下水ちかすい」とばれ、地下水ちかすいめんよりあさ場所ばしょみずは「土壌どじょうすい」とばれる。このような狭義きょうぎでは、両者りょうしゃふくめた地表ちひょうめんよりしたにあるみず全体ぜんたいは「地中ちちゅうすい」とばれる。広義こうぎ地下水ちかすいたいして、河川かせん湖沼こしょう、ためいけといった陸上りくじょうにあるみずは「おもて流水りゅうすい」とばれる[1][2][3]

地下水ちかすいのモニタリング

関連かんれん用語ようごるい

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地盤じばん水分すいぶん吸収きゅうしゅうする能力のうりょく性質せいしつ)をっており、これを浸透しんとうのうというが、この浸透しんとうのうにより地中ちちゅう地下水ちかすいたくわえられることとなる。地下水ちかすいは、地表ちひょう流出りゅうしゅつして河川かせんいけみずうみなどの地表ちひょうすい形成けいせいする。また、生活せいかつ用水ようすい農業のうぎょう用水ようすい工業こうぎょう用水ようすいなどに使用しようされたり、水温すいおんたかいものは温泉おんせんとして利用りようされたりするなど、人間にんげん生活せいかつ活動かつどう経済けいざい活動かつどうささえる重要じゅうよう資源しげんとされている。人間にんげん井戸いどによって地下水ちかすいることがおおい。一方いっぽう地下水ちかすい斜面しゃめん崩壊ほうかいすべり土石流どせきりゅうなど自然しぜん災害さいがい原因げんいんともなっている。

地下水ちかすいあつか研究けんきゅう分野ぶんやには、みず文学ぶんがくみず理学りがくなどがある。

なお、廃棄はいきぶつ最終さいしゅう処分しょぶんじょうにおいて、その土壌どじょうふくまれるみずについては地下水ちかすいとはばず、保有ほゆうすいという。処分しょぶんじょう構造こうぞうじょう一般いっぱん環境かんきょうから隔離かくりされており、その内部ないぶにのみ保有ほゆうされているという意味いみである。

みず循環じゅんかん

編集へんしゅう

地球ちきゅう限定げんていすれば、みず地上ちじょう地下ちか、そして大気たいきちゅうなが時間じかんをかけて循環じゅんかんしており、地下ちかふかくに浸透しんとうしたみずが「涵養かんよう」「流動りゅうどう」「流出りゅうしゅつ」という過程かていてふたたび地上ちじょう出現しゅつげんするおおきな循環じゅんかんけい構成こうせいしている。このような地球ちきゅう規模きぼでのおおきなスケールの循環じゅんかんでは、地表ちひょうめん大気たいきちゅうみず循環じゅんかんは「地表ちひょうすい循環じゅんかんけい」とばれ、地面じめんよりしたみず循環じゅんかんは「地下水ちかすい循環じゅんかんけい」とばれる[3]

涵養かんよう

編集へんしゅう

地下水ちかすいだい部分ぶぶん大気たいきちゅう水分すいぶんあめゆきなどのかたちで地表ちひょうめん降水こうすいとなってることで、地面じめんした流入りゅうにゅうする。降水こうすいかぎらずこのようになんらかのみず地下ちかへの流入りゅうにゅうすることが「涵養かんよう」である。天水てんすいともばれる降水こうすいは、地表ちひょう浸透しんとうのうによっておおくが地中ちちゅう浸透しんとうする[3]

海水かいすい由来ゆらいとする地下水ちかすいもある。太古たいこうみだった地域ちいきが、なが年月としつきあいだりくとなり、海水かいすい地中ちちゅう残存ざんそんして地下水ちかすいとなったものである。こうした地下水ちかすい化石かせき海水かいすい(かせきかいすい)といい、アメリカ中西部ちゅうせいぶプレーリー平原へいげん化石かせきすい代表だいひょうてきなものである。化石かせき海水かいすいは、すうせんまんねん - すうおくねんまえ形成けいせいされたとられている。化石かせき海水かいすいはもともと海水かいすいだったため、塩分えんぶん多量たりょうふく塩水えんすいであることがおおく、人間にんげんにとって利用りようしにくい地下水ちかすいである。しかしながら、日本にっぽん関東かんとう地方ちほう南部なんぶ地層ちそうちゅう化石かせき海水かいすいは、メタンヨウもと多量たりょうふくむため、千葉ちばけん中心ちゅうしんに、資源しげんとして産業さんぎょうてき利用りようされている(南関東みなみかんとうガス)。東京とうきょう都区とく川崎かわさき横浜よこはま市内しない温泉おんせんもまた、おな化石かせき海水かいすい利用りようしている(2007ねん渋谷しぶや温泉おんせん施設しせつ爆発ばくはつ事故じこは、化石かせき海水かいすいから分離ぶんりしたメタンガスを適切てきせつ処理しょりしなかったことが原因げんいんであった)。

また、プレートテクトニクス由来ゆらいする地下水ちかすいもある。大陸たいりくプレートが海溝かいこうなどで大陸たいりくプレートの下部かぶもぐさい周辺しゅうへん海水かいすい一緒いっしょきずりまれる。地殻ちかく内部ないぶきずりまれた海水かいすいは、マグマねつなどにより、地表ちひょうちかくへ上昇じょうしょうして地下水ちかすいとなるものもある。こうした地下水ちかすいは、高温こうおんであることがおおく、温泉おんせん形成けいせいすることがよくられる。

流動りゅうどう

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地下ちか構造こうぞう(おびすいそうなん透水とうすいそう)
1.おびすいそう 2.なん透水とうすいそう 3.飽和ほうわたい 4.地下水ちかすいめん 5.あつ地下水ちかすい 6.あつ地下水ちかすい 7.ふか井戸いど 8.浅井あさい 9.自噴じふん

地中ちちゅう浸透しんとうした直後ちょくご地下水ちかすいは、その完全かんぜんまるようなことはほとんどなく、飽和ほうわすいであれば比較的ひかくてき早期そうき地上ちじょう蒸発じょうはつしたりしたりするが、さらにふか浸透しんとうして飽和ほうわすいとなれば粒子りゅうしあいだをゆっくりとながれて土中どちゅうとおくまで移動いどうしてゆくことになる。流量りゅうりょうおお地下水ちかすいは「循環じゅんかん地下水ちかすい」とばれ、流量りゅうりょうすくなくいち箇所かしょ滞留たいりゅうしたままの地下水ちかすいは「化石かせきすい」とばれて区別くべつされることがある[3]

地表ちひょうちかくのなが
地中ちちゅう浸透しんとうした地下水ちかすいは、ふたたび地表ちひょう湧出ゆうしゅつして河川かせん池沼ちしょうのような地表ちひょうすいとなるか、地下ちかのまま海岸かいがんせんくぐけて沿岸えんがん海底かいている。地中ちちゅう浸透しんとうせずに地表ちひょうすいとなる水流すいりゅうホートン地表ちひょうりゅうというが、地表ちひょう浸透しんとうのう非常ひじょうたかいため、舗装ほそうおお都市としなどでないかぎり、降水こうすいのほとんどはホートン地表ちひょうりゅうとなることなく、いち地中ちちゅうまれて地下水ちかすいとなる。同位どういたいもちいたみずぶん調査ちょうさ結果けっかによると、洪水こうずいときでさえも、地表ちひょうすい地下水ちかすいから供給きょうきゅうされていることが判明はんめいしている。すなわち、地中ちちゅう浸透しんとうできなかった降水こうすいによって洪水こうずい発生はっせいするのではなく、多量たりょう降水こうすい地中ちちゅう浸透しんとうし、それまでの地下水ちかすいされて洪水こうずい発生はっせいするのである。

流速りゅうそく

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おびすいそう[注釈ちゅうしゃく 1]なか地下水ちかすいはゆっくりとながれ、おおむね1にちすうcmからすうひゃくメートル、平均へいきんでは1メートル/ほどである。一般いっぱんあつ地下水ちかすい後述こうじゅつ)はあつ地下水ちかすいくらべてはやながれ、とく河川かせん沿ってながれる地下水ちかすい地上ちじょうながれにうごきで比較的ひかくてきはやながれる。反対はんたいあつ地下水ちかすいながれはおそく、ほとんど停滞ていたいしているものもある[3]

地下水ちかすい流速りゅうそくもとめるには、1856ねんにフランスじん技術ぎじゅつしゃ、アンリ・ダルシー(1803-1858)が発見はっけんしたダルシーの法則ほうそくもちいられる。

地下水ちかすい流速りゅうそく = 透水とうすい係数けいすう × どうすい勾配こうばい
  • 透水とうすい係数けいすう地層ちそうみずとお度合どあ
  • どうすい勾配こうばい:2てんあいだみずあたま距離きょりることで、かたむきとしてあらわしたもの

透水とうすい係数けいすうどうすい勾配こうばいはその地層ちそう地質ちしつ構造こうぞう左右さゆうされるが、地質ちしつ構造こうぞうあきらかとするには実際じっさい現地げんち調査ちょうさおこなうほかない。そのため、地下水ちかすい実態じったい把握はあくには、現地げんち調査ちょうさ重要じゅうようである。

その調査ちょうさ方法ほうほうとしては、井戸いどボーリングあなって地中ちちゅう調しらべる方法ほうほう地中ちちゅう電流でんりゅうとおして電気でんき伝導でんどうりつ調しらべる方法ほうほうpH水温すいおん弾性だんせい調しらべる方法ほうほうなどがあるが、もっと効果こうかげているのが、地下水ちかすいふくまれる水素すいそ同位どういたいであるトリチウム測定そくていして調査ちょうさする方法ほうほうである[3]。この同位どういたい測定そくていほうにより、実際じっさい地下水ちかすい流速りゅうそく流動りゅうどう方向ほうこうなどが、地域ちいきによってはかなり詳細しょうさい判明はんめいすることもある。

地下水ちかすいめん

編集へんしゅう

地中ちちゅう観察かんさつすると、すな粒子りゅうし間隙かんげきみず浸透しんとうしている。このとき、みず完全かんぜんたされていない状態じょうたい飽和ほうわ状態じょうたい)であれば「土壌どじょうすい」とばれ、粒子りゅうし間隙かんげきみず完全かんぜんたされた状態じょうたい飽和ほうわ状態じょうたい)であれば「地層ちそうすい」や「間隙かんげきすい」、「地下水ちかすい」とばれる。土壌どじょうすい地下水ちかすいとの境界きょうかい地下水ちかすいめんばれる。地下水ちかすいめんには、井戸いどまたは掘削くっさくあなちゅうあらわれる水面すいめんとしての定義ていぎもある [4]

地下水ちかすいめんさかいとして、上部じょうぶ土壌どじょうすい存在そんざいする部分ぶぶん)を飽和ほうわたい下部かぶ地下水ちかすい存在そんざいするところ)を飽和ほうわたいまたはおびすいそうぶこともある。さらに飽和ほうわたい二分にぶんし、その下部かぶ毛管もうかんすいたい、その上部じょうぶ懸垂けんすいすいたいぶこともある。おびすいそうあつみや状態じょうたいみず自身じしん流動りゅうどうによって地下水ちかすいめんたかさには凹凸おうとつしょうじる[3]

地下水ちかすいめんよりうえ飽和ほうわたいない地下水ちかすいめんにあるみずは、飽和ほうわたいない土壌どじょう間隙かんげき地上ちじょうつうじているために大気たいきあつとほぼおな圧力あつりょく状態じょうたいにあり、「あつ地下水ちかすい」や「自由じゆう地下水ちかすい」とばれる。地下水ちかすいめんよりしたにある飽和ほうわたいないみずは、周囲しゅうい土壌どじょうみず自身じしんおもみによって圧力あつりょくけるために大気たいきあつよりたか圧力あつりょく状態じょうたいとなっており、「あつ地下水ちかすい」とばれる[3]

地下水ちかすいめんよりした地下水ちかすいは、めんてきあるいは空間くうかんてき存在そんざいしている。「地下水ちかすいみゃく」という概念がいねんがあるが、地下水ちかすいせんてきなものとしてとらえるのは正確せいかくではない。ただし、カルストなどの岩盤がんばんちゅう地下水ちかすいせんてきそんじょうきょうしめ場合ばあいもある。

平野へいやにはすうじゅうメートルをえる井戸いど多数たすう存在そんざいし、揚水ようすいおこなっている。また、地下水ちかすい地層ちそう構造こうぞうによりだい一帯いったいすいそうだいたいみずそうとういくそうにもかれてかさなっている。地下水ちかすいりゅうむかいどういち平面へいめん位置いちであってもかくおびすいそうによってことなる場合ばあいおおく、まったぎゃく方向ほうこうりゅうむかいめずらしくない。

貯留ちょりゅうりょう

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一定いってい地域ちいきない存在そんざいする地下水ちかすいりょうは、涵養かんようから地下ちか経由けいゆしての流入りゅうにゅうによって増加ぞうかし、地表ちひょうへの流出りゅうしゅつ地下ちか経由けいゆしての流出りゅうしゅつによって減少げんしょうする。このような地下水ちかすいりょうは、地上ちじょうでのダムなどと同様どうよう貯留ちょりゅうりょう表現ひょうげんされる。地下ちかふかくにまっている大量たいりょう地下水ちかすいなかには、流入りゅうにゅうりょうすくないものがあり、井戸いどなどによって人工じんこうてき大量たいりょうみずすと貯留ちょりゅうりょう急速きゅうそく減少げんしょうし、場合ばあいによっては枯渇こかつする[3]

滞留たいりゅう時間じかん

編集へんしゅう

地下水ちかすい地下ちかとどまっている平均へいきん時間じかんは「滞留たいりゅう時間じかん」とばれ、想定そうていされる貯留ちょりゅうりょう流動りゅうどうりょうから計算けいさんされる。オーストラリアだい鑽井盆地ぼんちでは110まんねん以上いじょう黒部川くろべがわ扇状地せんじょうち砂丘さきゅうでは0.14ねん推定すいていされている[注釈ちゅうしゃく 2]

滞留たいりゅう時間じかんれい
地域ちいき おびすいそう 滞留たいりゅう時間じかん
オーストラリア だい鑽井盆地ぼんち 1,100,000ねん最大さいだい
エジプト サハラ砂漠さはらさばく北東ほくとう 45,000ねん最大さいだい
シナイ半島しないはんとう 西端せいたんいずみうみちかくの井戸いど やく30,000ねん
中央ちゅうおうヨーロッパ 深度しんど100-800m 10,000-10,500ねん
ベネズエラ マラカイボ 4,000-35,000ねん
みなみアフリカ カラハリ砂漠さばく 430-33,700ねん
きゅうチェコスロバキア 山河さんがしょう流域りゅういきからの地下水ちかすい 2.5ねん
ニュージーランド ワイコロププいずみ 0-20ねん
米国べいこくテキサスしゅう カリゾ砂岩さがん 27,000ねん最大さいだい
米国べいこくハワイしゅう オアフとう 100ねん
米国べいこくインディアナしゅう 氷河ひょうが堆積たいせきぶつ 25ねん
韓国かんこく 済州さいしゅうとう 2-9ねん
東京とうきょう湾岸わんがん 深度しんど200-2,000m 2,840-36,750ねん
岩手いわて火山かざん 山麓さんろく湧水わきみず 17-38ねん
八ヶ岳やつがたけ 山麓さんろく湧水わきみず 1-100ねん
会津盆地あいづぼんち 自噴じふん深度しんど30m 13ねん
千葉ちばけん市原いちはら 養老川ようろうがわ流域りゅういき1520m以浅 0-30ねん
瀬戸内海せとないかい小島こじま 花崗岩かこうがん基盤きばん 0-30ねん
黒部川くろべがわ扇状地せんじょうち 芦崎あしさき砂丘さきゅう 0.14ねん
那須岳なすだけ周辺しゅうへん ていみず河川かせんすい 2-3ねん以上いじょう
[3]

地下水ちかすいポテンシャル

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地下水ちかすいポテンシャル流体りゅうたいポテンシャル、みずポテンシャルともいう)とは、ある地中ちちゅうてんにおける地下水ちかすい存在そんざい状態じょうたいのことである。みず理学りがくでは、ポテンシャル概念がいねんみずあたまぶ。

地下水ちかすいポテンシャルは、速度そくど密度みつど高度こうど圧力あつりょくの4つの物理ぶつりりょう変数へんすうスカラー)とするが、現実げんじつてきに、速度そくど無視むしできるほど非常ひじょうおそいので除外じょがい出来できる。また、観測かんそく対象たいしょう地域ちいきかく観測かんそくてん密度みつどちがいも無視むしできるほどであるため、地下水ちかすいポテンシャルは高度こうど位置いちエネルギー)と圧力あつりょくのポテンシャルの、すなわちつぎ数式すうしき近似きんじできる。

  • 地下水ちかすいポテンシャルみずすいあたま)= 重力じゅうりょくポテンシャル位置いちすいあたま)+圧力あつりょくポテンシャルあつ力水ちからみずあたま

ある地下水ちかすいが、地下水ちかすいポテンシャルのたか観測かんそくてんAからひく観測かんそくてんBに移動いどうした場合ばあい、ABあいだ地下水ちかすいポテンシャルのは、運動うんどうエネルギー、および、りょう地点ちてんあいだにある地層ちそうによる摩擦まさつけてねつエネルギーとなる。エネルギー保存ほぞん法則ほうそくから、観測かんそくてんBの地下水ちかすいポテンシャル、運動うんどうエネルギー、および、発生はっせいしたねつエネルギーのは、観測かんそくてんAの地下水ちかすいポテンシャルとひとしい。すなわち、地下水ちかすい運動うんどうエネルギーは地下水ちかすいポテンシャルのによってしょうじ、地下水ちかすいは、地下水ちかすいポテンシャルのたかほうからひくほうながれるといえる。これを慣例かんれいてきポテンシャルながという[5]

地下水ちかすいポテンシャルは、井戸いどることで測定そくていすることができる。ある任意にんい基準きじゅんめんから井戸いどなか水位すいいまでのたかさが、地下水ちかすいポテンシャルのたかさをあらわす。このとき、井戸いどなか水位すいい地下水ちかすいということもある。地下水ちかすいポテンシャル = 地下水ちかすいは、どういち地点ちてんであっても深度しんど方向ほうこうによってことなる。たとえば、ひく標高ひょうこう平野へいやでは、あさ地層ちそうよりもふか地層ちそうほう地下水ちかすいポテンシャル = 地下水ちかすいたか場合ばあいおおく、ふか井戸いどると地下水ちかすい地表ちひょうめんよりたかくなることさえある。こうした自噴じふんする井戸いど自噴じふんという。

地下水ちかすい地下水ちかすいめんは、よく用語ようごであるが厳密げんみつにはことなる。地下水ちかすいは、地下水ちかすいポテンシャルのおおきさをあらわ用語ようごであるのにたいし、地下水ちかすいめんは、地下水ちかすいおびすいそう上部じょうぶ境界きょうかいしめ用語ようごである。短期たんきてきれば、地下水ちかすいめん位置いち一定いっていだが、地下水ちかすい深度しんどによってことなる。なお、地下水ちかすいめんは、地下水ちかすいポテンシャル = 重力じゅうりょくポテンシャルとなるてん連続れんぞくめん定義ていぎすることもでき、地下水ちかすいめんじょうでは、地下水ちかすいめん地下水ちかすいひとしくなる。

流出りゅうしゅつ

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透水とうすいそう地上ちじょうめん露出ろしゅつしていたり[注釈ちゅうしゃく 3]井戸いどなどの設備せつび人工じんこうてきげたりすることで地下水ちかすい流出りゅうしゅつしょうじる。また、とくふか地下ちかにあってなん透水とうすいそうはさまれた透水とうすいそうないみずは、かなりたか圧力あつりょくけることがあり、この透水とうすいそう地表ちひょうめんちかくになるとわずかなふかさの井戸いどでも地表ちひょうみずがる「自噴じふん」(じふんせい)となる。あつ地下水ちかすい自由じゆう地下水ちかすい)の存在そんざいする地下ちかまでられた比較的ひかくてきあさ井戸いどは「浅井あさい」、あつ地下水ちかすい存在そんざいする地下ちかまでられた比較的ひかくてきふか井戸いどは「深井ふかい」とばれることがある[3]

分類ぶんるい

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地下水ちかすいは、特徴とくちょうみず対比たいひとう目的もくてきとして、いくつかの視点してんから分類ぶんるいされている。なお地下水ちかすいそん状態じょうたい区分くぶんについては、おびすいそう参照さんしょうのこと。ここでは水質すいしつ区分くぶんについて記述きじゅつする。

主要しゅよう成分せいぶん濃度のうど

編集へんしゅう

ちょん塩類えんるい濃度のうどにより、以下いかの3つにけることはもっとおおおこなわれている。

主要しゅよう成分せいぶんとうりょう

編集へんしゅう

塩水えんすい海水かいすい化石かせき塩水えんすい化石かせき海水かいすいともいう))との交換こうかん塩基えんき置換ちかん、などの水質すいしつ変化へんか進行しんこう現象げんしょう解釈かいしゃくするさいに、以下いかのようなとうりょう区分くぶんする。

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これらにより、塩基えんき置換ちかん炭酸たんさん変化へんか有機物ゆうきぶつ分解ぶんかい酸化さんか還元かんげんなどを、地下水ちかすい地層ちそう接触せっしょく時間じかんや、滞留たいりゅう時間じかんとう解析かいせきとしてもちいられる。

主要しゅよう塩類えんるい

編集へんしゅう

溶存ようぞん成分せいぶんにより、仮想かそうてき結合けつごうかんがえ、その塩類えんるいによって区分くぶんおこなう。これは温泉おんせん区分くぶんおこなわれている方法ほうほうであるのかもしれない

人間にんげん活動かつどう

編集へんしゅう
 
日本にっぽんにおける地下水ちかすい利用りようじょうきょう

鉱工業こうこうぎょう発展はってんともな地下水ちかすい汚染おせんされるれいおお地域ちいきでみられる。日本にっぽんにおいては、汚染おせんすい地下ちか浸透しんとうさせることを禁止きんししてからあまり年月としつきっていない。たとえば、大阪おおさか鉱山こうざん保安ほあんほう適用てきよう事業じぎょうしょ (OAP) において地下ちか55m付近ふきんもの深部しんぶにおいて汚染おせん確認かくにんされており、人間にんげん経済けいざい活動かつどう清浄せいじょう地下水ちかすい利用りようし、汚染おせんしてきた歴史れきし悪例あくれいである。さらに、健全けんぜんみず循環じゅんかん人間にんげん活動かつどうおこなうえ必須ひっす条件じょうけんであり、都市としえども緊急きんきゅうにおいては清浄せいじょう地下水ちかすい確保かくほ生命せいめいせんとなるので、都市としにおける地下水ちかすい環境かんきょう保全ほぜんもとめられている。

世界せかいてきにみれば、20おくにん以上いじょう飲用いんようすいやかんがい用水ようすい地下水ちかすい依存いぞんするなど、地下水ちかすいげんへのかんようりょう上回うわまわみず利用りようおこなわれており、「環境かんきょう時限じげんばくだん」ともばれている。今後こんご100ねん以内いない完全かんぜん補充ほじゅうされる地下水ちかすいは、供給きょうきゅうりょう全体ぜんたい半分はんぶんにとどまるという研究けんきゅう結果けっか提示ていじされている[6]

探査たんさほう

編集へんしゅう

地下水ちかすい専門せんもんとする学問がくもん分野ぶんやとして「地下水ちかすいがく」があり[注釈ちゅうしゃく 4]地下水ちかすいがくでの地下水ちかすいかんする資源しげん探査たんさ方法ほうほうつぎの3つに大別たいべつできる。

文献ぶんけん資料しりょう
文献ぶんけん資料しりょうによって河川かせん湖沼こしょう湧水わきみずといったものの過去かこ状況じょうきょうることができる。
現地げんちでの地勢ちせい確認かくにん
地上ちじょうあらわれている土地とち凹凸おうとつ河川かせん湖沼こしょうなどの流水りゅうすい現況げんきょうることで地下ちか状況じょうきょう推察すいさつするがかりとする。
地下ちか調査ちょうさ
実際じっさいにボーリングをおこなって土壌どじょうみず採取さいしゅする物理ぶつりてき方法ほうほうや、地面じめん抵抗ていこうはかったり[注釈ちゅうしゃく 5]地下ちかけた電磁波でんじはからしょうじる電流でんりゅうてき電磁波でんじは測定そくていする電気でんき磁気じきてき方法ほうほう[注釈ちゅうしゃく 6]かられるガスを測定そくていする化学かがくてき方法ほうほう地球ちきゅう引力いんりょくわずかなから岩石がんせき種類しゅるい推定すいていする重力じゅうりょくもちいた方法ほうほう、などがもちいられる[3]

特徴とくちょう

編集へんしゅう

地下水ちかすい長期ちょうきにわたって最大さいだい利益りえきるように利用りようするために、地下水ちかすい保全ほぜんする視点してん必要ひつようがある。とく地下水ちかすいは、地下水ちかすい特徴とくちょうからくる制約せいやく事項じこうがある。

  1. 地下水ちかすい貯留ちょりゅうりょうおおきいが、地下ちかそんしているが、それを直接ちょくせつすることができない。また貯留ちょりゅうりょうおおきいが利用りようする(揚水ようすい)にさいして、その反応はんのうあらわれるまでに時間じかんようする。したがって、地下水ちかすい管理かんりする場合ばあいは、長期ちょうきてき視点してん必要ひつようがある。
  2. 地下水ちかすいへの涵養かんよう(かんよう)りょう貯留ちょりゅうりょうくらべてわずかであり、揚水ようすいりょう涵養かんようりょうよりも上廻うわまわっている場合ばあい貯留ちょりゅう減少げんしょう安定あんていてき利用りようできなくなることにくわえ、地盤じばん沈下ちんか発生はっせいする。

地下水ちかすい資源しげんりょうかんがかた

編集へんしゅう

利用りようできる地下水ちかすいりょうは、かならずしも涵養かんようりょうひとしくない。地下水ちかすい揚水ようすいにより様々さまざま障害しょうがい発生はっせいしないりょうが、利用りようりょうすなわち資源しげんりょうとなる。たとえば南関東みなみかんとう地域ちいき濃尾平野のうびへいやでみられる広域こういき地盤じばん沈下ちんかは、涵養かんようされにくい粘土ねんどそうちゅう間隙かんげきすい揚水ようすいによりしぼすことで発生はっせいした。みず循環じゅんかんにおける涵養かんようりょうえなくとも、地盤じばん沈下ちんか発生はっせいする。この場合ばあい資源しげんりょうは、地盤じばん沈下ちんか発生はっせいさせない地下水ちかすい低下ていかりょう揚水ようすいりょう)が地下水ちかすい資源しげんりょうとなる。また個別こべつ井戸いど揚水ようすいりょうではなく、地域ちいき揚水ようすいりょうとなることにも注意ちゅうい必要ひつようである。

日本にっぽんにおけるおおやけ水論すいろんわたし水論すいろん

編集へんしゅう

昭和しょうわ40年代ねんだいごろより、地下水ちかすいは、公共こうきょうざいてき性格せいかくつよい(地下水ちかすい流動りゅうどう私有地しゆうち滞留たいりゅうしているものではない(みず循環じゅんかん一翼いちよくになう)、周辺しゅうへんふくめた土地とち環境かんきょう機能きのう根幹こんかんをなす)とする立場たちばの「おおやけ水論すいろん」と、土地とち所有しょゆうしゃ井戸いどなどを設置せっちして個人こじんてき利用りようできるものであることから私的してき財産ざいさんふくまれるとする「わたし水論すいろん」が議論ぎろんされている。昭和しょうわ30年代ねんだいごろよりはげしくなった地盤じばん沈下ちんか原因げんいんが、地下水ちかすい揚水ようすいによるものと結論けつろんづけられた昭和しょうわ40年代ねんだいごろよりはじまった議論ぎろんである。

法的ほうてきには土地とち所有しょゆうけんについて「法令ほうれい制限せいげんないいて土地とち上下じょうげおよぶ」(民法みんぽう207じょう)としていることから、地下水ちかすい私有しゆう財産ざいさんとされているが、おおやけすいとする判例はんれいもでている。現在げんざいまでくにかく省庁しょうちょうによる議論ぎろんおこなわれてきたが、さだまった・統一とういつされた地下水ちかすいかんするかんがかたはない。

同様どうよう議論ぎろん土壌どじょうとく土壌どじょう汚染おせん対策たいさくにおいて土壌どじょう環境かんきょう機能きのう将来しょうらいにわたり制限せいげんしてしまうことについて、土壌どじょう環境かんきょう機能きのう公共こうきょうせいと、土地とちそのものを構成こうせいする物質ぶっしつとしての私有しゆう財産ざいさん議論ぎろんがある。土壌どじょう地下水ちかすいのように移動いどうせず、また土地とち構成こうせいする主体しゅたいであることから、公共こうきょうせいについては概念がいねんのみ提案ていあんされている。

1990年代ねんだい中頃なかごろより地下水ちかすい汚染おせん各地かくち表面ひょうめんし、それまでの地盤じばん沈下ちんか防止ぼうし対策たいさく、そして世論せろん環境かんきょう意識いしき向上こうじょうにより、地下水ちかすいおおやけすいとしてかんがえる社会しゃかいてき背景はいけい形成けいせいされてきている。一方いっぽう土地とち所有しょゆうけん地盤じばん所有しょゆうする権利けんりという視点してんてば、地下水ちかすい地盤じばん構成こうせいするさん要素ようそ(1.岩石がんせき粒子りゅうしとう固体こたい、2.地下水ちかすいとう液体えきたい、3.空気くうきとう気体きたい)のうちのひとつとかんがえられることから、地下水ちかすい土地とち所有しょゆうけん付随ふずいするものという概念がいねんは、いまなおのこされていることに留意りゅうい必要ひつようである。なお地下水ちかすいは、自由じゆう流動りゅうどうする液体えきたいであることから、私有しゆう財産ざいさん相当そうとうしないとするかんがかたもある。

参考さんこう文献ぶんけん

  • しょ外国がいこくおよくににおける地下水ちかすいほう制度せいどとう調査ちょうさ平成へいせい3年度ねんど地下水ちかすい利用りよう評価ひょうか調査ちょうさ報告ほうこくしょ)」国土庁こくどちょう長官ちょうかん官房かんぼうすい資源しげん平成へいせい4ねん3がつ)p.314

環境かんきょう問題もんだい

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地盤じばん沈下ちんか地下水ちかすい回復かいふく

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日本にっぽんでは、戦前せんぜんだい世界せかい大戦たいせんまえ)より工業こうぎょう用水ようすいとして安価あんか地下水ちかすい利用りようされてきた。工業こうぎょうすす1960年代ねんだいごろより、関東かんとうとう地域ちいき広域こういき地盤じばん沈下ちんか[注釈ちゅうしゃく 7]確認かくにんされ、海面かいめんよりもひく地域ちいき海抜かいばつゼロメートル地帯ちたい)が出現しゅつげんした。地下水ちかすいだい規模きぼ公害こうがい問題もんだいとして注目ちゅうもくされた最初さいしょれいである。地盤じばん沈下ちんかではおおくで不等ふとう沈下ちんかき、相対そうたいてきがる埋設まいせつぶつもある[注釈ちゅうしゃく 8][3]各地かくち地下水ちかすい揚水ようすい規制きせいする条例じょうれい制定せいていされ、地盤じばん沈下ちんか沈静ちんせいしていった。

揚水ようすい規制きせいおこなわれた以降いこう低下ていかしていた地下水ちかすい回復かいふくられはじめた。沈下ちんか抑制よくせいされる一方いっぽう地下水ちかすいひく時期じき地下ちか設置せっちされた構造こうぞうぶつに、いくつかの問題もんだい発生はっせいはじめた。たとえば東京とうきょうでは、地下ちかしつ浮上ふじょう東京とうきょうえき地下ちかエリア)や、地下ちか埋設まいせつかんへの地下水ちかすい流入りゅうにゅうなどが発生はっせいし、対策たいさく工事こうじおこなわれている。

人為じんい由来ゆらい

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産業さんぎょう活動かつどうにともなう各種かくしゅ化学かがく物質ぶっしつひとしによる汚染おせん各所かくしょ発生はっせいしている。たとえば農業のうぎょう使用しようする農薬のうやくや、工業こうぎょうとうにより排出はいしゅつされる廃棄はいきぶつ地中ちちゅう浸潤しんじゅんすることで、地下水ちかすい汚染おせん発生はっせいしている。

自然しぜん由来ゆらい

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そこしつ汚染おせん

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有害ゆうがい物質ぶっしつふく地下水ちかすいかわいけとうながれこむと地下水ちかすいふくまれていた有害ゆうがい物質ぶっしつ凝集ぎょうしゅう沈殿ちんでんし、水底みなそこ堆積たいせきする。そこしつおおくの有害ゆうがい物質ぶっしつ蓄積ちくせきされるとそこしつ汚染おせんこされる。水底みなそこそこしつきる動植物どうしょくぶつ体内たいない有害ゆうがい物質ぶっしつ濃縮のうしゅく蓄積ちくせきし、食物しょくもつ連鎖れんさとおしてさらにこう濃度のうど有害ゆうがい物質ぶっしつ動物どうぶつ体内たいない形成けいせいさる。これらをひとしょくすることで、ひとへの健康けんこう被害ひがい懸念けねんされている。

水源すいげんりん保護ほご課題かだい

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近年きんねん日本にっぽん国内こくない良質りょうしつ地下水ちかすいおもて流水りゅうすい一部いちぶふくむとわれている)を輸出ゆしゅつするため、国外こくがい企業きぎょうが、経済けいざいてき疲弊ひへいしている林業りんぎょう事業じぎょうしゃからだい規模きぼ森林しんりん(みず保水ほすい供給きょうきゅうするという意味いみでの水源すいげんりん)を購入こうにゅうしていることがあきらかとなった。日本にっぽんには規制きせいする法令ほうれいとう整備せいびであることから、大量たいりょうみずおこなわれ、大量たいりょうけいがいされることによりみず循環じゅんかん阻害そがいすること危惧きぐされている[7]

2019ねん農林水産省のうりんすいさんしょう外国がいこく資本しほんによる森林しんりん買収ばいしゅう事例じれいについて調査ちょうさおこなった結果けっか、2018ねん居住きょじゅう国外こくがいにある個人こじん法人ほうじん森林しんりん買収ばいしゅうしたケースは合計ごうけい30けん373haにとどまった。2006ねんから2018ねんまでの累計るいけいでも223けん、2076haであり[8]日本にっぽん全体ぜんたい森林しんりん面積めんせきやく2510まんhaからくらべるとわずかなにとどまっている。

脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ おびすいそう」とは、みずふくみやすく流通りゅうつう比較的ひかくてき容易ようい土壌どじょうそういきである「透水とうすいそう」のなかでもとくみず大量たいりょうふくまれてそれ以上いじょうすことができない飽和ほうわ状態じょうたいにある地層ちそうす。透水とうすいそうのすべてがおびすいそうになるとはかぎらない。
  2. ^ 地下水ちかすい年代ねんだい測定そくてい考古学こうこがく調査ちょうさなどと同様どうよう炭素たんそ14半減はんげんから推定すいていする放射ほうしゃせい炭素たんそ年代ねんだい測定そくていほうもちいられている。
  3. ^ 透水とうすいそう地上ちじょうめん露出ろしゅつした箇所かしょから地下水ちかすい流出りゅうしゅつするほかに、地下ちか鍾乳洞しょうにゅうどうのような地下ちか洞内ほらない流出りゅうしゅつする場合ばあいもある。
  4. ^ 地下水ちかすいがく」では、地表ちひょうめんよりした飽和ほうわたい飽和ほうわたいみず全体ぜんたいくるめてあつかう。
  5. ^ ければすうキロのあいだいくほん電極でんきょく地面じめんんで電流でんりゅうなが地面じめん抵抗ていこうはかる「電気でんき探査たんさ」では、水平すいへい方向ほうこうでの地下ちか状況じょうきょうかんするがかりをることができ、これとボーリングによって垂直すいちょく方向ほうこうでの電気でんき探査たんさ測定そくていデータをかさわせる「抵抗ていこうトモグラフィー」もおこなわれている。
  6. ^ 電磁波でんじはもちいた地上ちじょう探査たんさでは、発信はっしんがわ受信じゅしんがわの2箇所かしょ以上いじょう作業さぎょうおこなう。発信はっしんがわでは1kmほどのながさの電線でんせんばしりょうはし電極でんきょくから電流でんりゅう地下ちかながして順番じゅんばん複数ふくすうちょう周期しゅうき波長はちょう電磁波でんじはつくる。受信じゅしんがわは、発信はっしんがわ対向たいこうして4-8kmほどはなれた地点ちてんで1-1.5kmほど直線ちょくせんじょう数箇所すうかしょに20mほどのながさの電場でんじょうセンサーと1個いっこ磁気じきセンサーを用意よういし、地下ちかからしょうじる電気でんき磁気じき変化へんか測定そくていする。このような地上ちじょう探査たんさ作業さぎょう手間てまがかかり広域こういき探査たんさするには長期間ちょうきかんかかるため、ヘリコプターからセンサーをげておこなう「空中くうちゅう電磁波でんじは探査たんさ」が普及ふきゅうしている。空中くうちゅう電磁波でんじは探査たんさではふかさ150m程度ていどまでと限界げんかいがある。
  7. ^ 地盤じばん沈下ちんか」は、涵養かんようによる流入りゅうにゅうりょうすくない地下ちかから地下水ちかすい過剰かじょうげることによりみずふくおびすいそうそのものの体積たいせき変化へんかしないまま、おびすいそうせっする、通常つうじょううわなどに存在そんざいする粘土ねんどそうのような強固きょうこ構造こうぞうたないなん透水とうすいそうちゅう地下水ちかすいおびすいそう移動いどうすることでしぼされ、これにより透水とうすいそう収縮しゅうしゅくすることで地上ちじょうでは地面じめん沈下ちんかする現象げんしょうである。このような収縮しゅうしゅくとくに「あつみつ」とばれる。おびすいそう透水とうすいそう)が直接ちょくせつ収縮しゅうしゅくするのではない。
  8. ^ 地盤じばん沈下ちんかによって地上ちじょう付近ふきん埋設まいせつぶつ相対そうたいてき浮上ふじょうすることを「がり」とぶ。

出典しゅってん

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  1. ^ 日本にっぽん地下水ちかすい学会がっかい[リンク]
  2. ^ 地下水ちかすい - Yahoo!辞書じしょ[リンク]
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m 日本にっぽん地下水ちかすい学会がっかい井田いだ徹治てつじちょえない巨大きょだい水脈すいみゃく 地下水ちかすい科学かがく』、講談社こうだんしゃ、2009ねん5がつ20日はつかだい1さつ発行はっこうISBN 9784062576390
  4. ^ 地下水ちかすいがく用語ようご辞典じてん, 1986. 古今ここん書院しょいん
  5. ^ かやいさむ地下水ちかすい世界せかい日本にっぽん放送ほうそう出版しゅっぱん協会きょうかい、1992、p57-62
  6. ^ 世界せかい地下水ちかすいに「環境かんきょう時限じげんばくだん」、研究けんきゅう論文ろんぶん警告けいこく”. AFP (2019ねん1がつ22にち). 2019ねん3がつ24にち閲覧えつらん
  7. ^ 日本にっぽん水源すいげんりん危機きき グローバル資本しほん参入さんにゅうから『もりみず循環じゅんかん』をまもるには」(2009)、「グローバルする国土こくど資源しげんみどりみず)と土地とち制度せいど盲点もうてん 日本にっぽん水源すいげんりん危機きき II」(2010)、いずれも東京とうきょう財団ざいだん
  8. ^ 外国がいこく資本しほんによる森林しんりん買収ばいしゅうかんする調査ちょうさ結果けっかについて” (PDF). 農林水産省のうりんすいさんしょう (2019ねん5がつ31にち). 2021ねん3がつ9にち閲覧えつらん

参考さんこう文献ぶんけん

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  • かやいさむ地下水ちかすい世界せかい日本にっぽん放送ほうそう出版しゅっぱん協会きょうかい <NHKブックス>、1992、ISBN 4140016515

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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