砂すな

砂すな（すな、英えい: sand）は、砕屑物ぶつのうち、礫つぶてとシルトの中間ちゅうかん（粒つぶ径みちが2 ミリメートル (mm) - 1/16 mm (62.5マイクロメートル (µm)) の粒子りゅうし）のものをいう。岩石がんせきが風化ふうか・侵食しんしょく・運搬うんぱんされる過程かていで生しょうじた岩片いわかたや鉱物こうぶつ片へんなどの砕屑物ぶつ（砕屑性せい堆積たいせき物ぶつ）から構成こうせいされ、サンゴ・貝殻かいがらなどの石灰せっかい質しつの化石かせき片へんを含ふくむこともある。砂漠さばく、河川かせんの下流かりゅう、河口かこう、海岸かいがん、海底かいていなど、様々さまざまな堆積たいせき環境かんきょう下したで観察かんさつされる。

海浜かいひんの砂すな

カリフォルニア州しゅうピズモビーチの砂すな

また、岩石がんせきを人工じんこう的てき手段しゅだんで破砕はさいした破砕はさい物ぶつのうち、上記じょうき定義ていぎに該当がいとうする粒つぶ度どのものを指さす場合ばあいもある。

分類ぶんるい

地質ちしつ学がくの分野ぶんやにおいては、砂すなは粒つぶ度ど、構成こうせい鉱物こうぶつ、円えん摩ま度ど、成因せいいん、堆積たいせき環境かんきょう等とうで分類ぶんるいされる。

粒つぶ径みちによる分類ぶんるいでは、以下いかのように細こまかく分わけられる。粗そ砂すな（2 mm - 0.2 mm）と細ほそ砂すな（0.2 mm - 0.02 mm）に分わける場合ばあいもある。

粒つぶ径みちによる分類ぶんるい

名称めいしょう	英名えいめい	粒つぶ径みち
極ごく粗あら粒つぶ砂すな	very coarse sand	2 mm - 1 mm
粗あら粒つぶ砂すな	coarse sand	1 mm - 1/2 mm (1,000 µm - 500 µm)
中ちゅう粒つぶ砂すな	medium sand	1/2 mm - 1/4 mm (500 µm - 250 µm)
細ほそ粒つぶ砂すな	fine sand	1/4 mm - 1/8 mm (250 µm - 125 µm)
極細ごくぼそ粒つぶ砂すな	very fine sand	1/8 mm - 1/16 mm (125 µm - 62.5 µm)

• 粒つぶ径みちの参考さんこう画像がぞう
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  粗あら粒つぶ砂すな
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  中ちゅう粒つぶ砂すな
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  細ほそ粒つぶ砂すな

構成こうせい鉱物こうぶつによる分類ぶんるいでは、主おもに石英せきえい、長石ちょうせき、岩片いわかた、有色ゆうしょく鉱物こうぶつに着目ちゃくもくして行おこなわれる（石英せきえい砂すななど）。構成こうせい鉱物こうぶつの比率ひりつは、砂すなの供給きょうきゅう源げんとなった母はは岩がんを推定すいていする上じょうで重要じゅうような手てがかりとなる。量的りょうてきに最もっとも多おおいのは石英せきえいで、次つぎに炭酸たんさんカルシウム (サンゴ・貝かいの破片はへん等とう)である。

山やま砂すなや川砂せんさ、火山かざん砂すななど、堆積たいせき環境かんきょうや成因せいいんに着目ちゃくもくした分類ぶんるいも行おこなわれる。

砂すなによる地形ちけい

• 砂漠さばく - 砂すなが広ひろがり植物しょくぶつが極端きょくたんに少すくない地形ちけい。世界せかい的てきに見みれば砂すなより岩石がんせきや礫つぶてが多おおい。
• 砂浜すなはま - 砂すなの堆積たいせきする海岸かいがん。サンゴ礁さんごしょうなどに見みられる砂浜すなはまなどはサンゴの破砕はさい物ぶつである。
• 砂丘さきゅう - 砂すなが丘おか状じょうに堆積たいせきする地形ちけい。
• 砂嘴さし - 砂すなが海うみに堆積たいせきしてできる、くちばし型がたの地形ちけい。
• 砂州さす - 砂すなが海うみに細長ほそながく堆積たいせきして出来できる地形ちけい。

主おもな利用りよう法ほう

砂すなを使用しようするブルキナファソの祈祷きとう師し

• コンクリートなどの原料げんりょう（細ほそ骨ほね材ざい）として用もちいられる。
• 粘着ねんちゃく式しき鉄道てつどうでは砂すな撒まき装置そうちなどを用もちいて空転くうてんや滑走かっそうを防止ぼうしする。
• 道路どうろや歩道ほどうでは凍結とうけつ面めんに散布さんぷして滑すべり止どめ（摩擦まさつの増加ぞうか）に用もちいられる。
• アルコール類るいの火災かさい発生はっせい時じに、窒息ちっそく消火しょうか法ほうによる消火しょうかに使つかう。ただしかなりの量りょうをかける必要ひつようがある。
• 砂場すなばや砂浜すなはまなどで砂遊すなあそびをする。
• 砂時計すなどけいの中なかで使つかわれる。
• 芸術げいじゅつ作品さくひんの素材そざいとされることがある（砂絵すなえ・サンドアート・サンドパフォーマンス・砂すなアニメ）。

別名べつめいなど

• 鉄てつ（鉄鉱てっこう石せき）や金きむが砂すなとなったものは「砂鉄さてつ」「砂金さきん」と呼よぶ。
• 石英せきえいを中心ちゅうしんとする砂すな（「珪砂けいしゃ」）には、音おとの出でる「鳴なり砂すな、鳴なき砂すな」と呼よばれるものがある。
• 砂すなと小石こいしが混まざったものは「砂利じゃり」と呼よばれる。
• 砂すなでできた堆積たいせき物ぶつが続ぞく成なり作用さようにより岩石がんせき（堆積岩たいせきがん）になったものを「砂岩さがん」と呼よぶ。

参考さんこう文献ぶんけん

• 国立こくりつ天文台てんもんだい編へん 編へん「構成こうせい粒子りゅうしの径みちと砕セツ岩がん」『理科りか年表ねんぴょう 平成へいせい20年ねん』丸善まるぜん、2007年ねん、654頁ぺーじ。ISBN 978-4-621-07902-7。 
• 原田はらだ憲一けんいちほか 著ちょ、砕屑性せい堆積たいせき物ぶつ研究けんきゅう会かい編へん 編へん『堆積たいせき物ぶつの研究けんきゅう法ほう : 礫つぶて岩がん・砂岩さがん・泥どろ岩がん』地学ちがく団体だんたい研究けんきゅう会かい〈地学ちがく双書そうしょ〉、1983年ねん。OCLC 673531170。全国ぜんこく書誌しょし番号ばんごう:84023898。 

関連かんれん項目こうもく

• 砕屑物ぶつ
• 砂岩さがん（堆積岩たいせきがん）
• 土ど、石いし
• 土質どしつ力学りきがく、海岸かいがん工学こうがく
• 砂漠さばく
• 流砂りゅうしゃ
• 星ほしの砂すな - 一ひとつ一ひとつの粒つぶが星ほし形がたをしている。日本にっぽん沖縄諸島おきなわしょとう、台湾たいわん澎湖諸島しょとうなどの名産めいさん。正確せいかくには有ゆう孔あな虫ちゅうという生物せいぶつの殻からで、砂すなではない。
• 砂すなの採掘さいくつ - 建設けんせつや研磨けんまに使用しようできる砂すなは限かぎられることから、世界中せかいじゅうで違法いほう採掘さいくつや環境かんきょう保護ほごが指摘してきされる。
• 砂すなマフィア

外部がいぶリンク

• 須藤すとう定じょう久ひさ (2008年ねん3月がつ25日にち). “須藤すとう定じょう久ひさ研究けんきゅう室しつ　骨ほね材ざい 砕石さいせき 砂利じゃり コンクリート 粘土ねんど 地質ちしつ学がく 鉱物こうぶつ資源しげん 世界せかいの砂すなと日本にっぽんの砂すな”. 産業さんぎょう技術ぎじゅつ総合そうごう研究所けんきゅうじょ地質ちしつ調査ちょうさ総合そうごうセンター. 2012年ねん9月がつ21日にち閲覧えつらん。
• 『砂すな』 - コトバンク

砕屑物ぶつと砕屑岩がん

粒つぶ径みち (mm)	砕屑物ぶつ		砕屑岩がん		火山かざん砕屑物ぶつ	火山かざん砕屑岩がん
64 以上いじょう	礫つぶて		礫つぶて岩がん		火山岩かざんがん塊かたまり	火山かざん角かく礫つぶて岩がん、凝しこり灰はい角かく礫つぶて岩がん
64 - 2					火山かざん礫つぶて	ラピリストーン、火山かざん礫つぶて凝灰岩ぎょうかいがん
2 - 1⁄16	砂すな		砂岩さがん		火山灰かざんばい	凝灰岩ぎょうかいがん
1⁄16 - 1⁄256	シルト	泥どろ	シルト岩がん	泥どろ岩がん
1⁄256 以下いか	粘土ねんど		粘土ねんど岩がん
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