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空転 - Wikipedia

空転くうてん(くうてん)は、鉄道てつどう車両しゃりょう自動車じどうしゃなどの車両しゃりょうにおいて、車輪しゃりん駆動くどう)が1かいころがしても車両しゃりょう車輪しゃりんの1しゅうぶん距離きょりすすまなくなる(空回からまわりする)ことをいい、車両しゃりょう正常せいじょう運行うんこう支障ししょうたすことである。自動車じどうしゃなどでは空転くうてん滑走かっそう車輪しゃりん路面ろめんとのグリップがうしなわれるてん共通きょうつうすることから、スリップとばれることがおおい。

普通ふつう鉄道てつどう線路せんろ

概要がいよう

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鉄道てつどう自動車じどうしゃなど陸運りくうん車両しゃりょうでは、車両しゃりょうがわ駆動くどうりょく制動せいどうちからじくタイヤかいしてレールアスファルト舗装ほそうつたわることにより力行りっこう加速かそく)やブレーキ減速げんそく)が可能かのうになり、安全あんぜん走行そうこうすることができる。走行そうこうには車輪しゃりんとレールあるいは舗装ほそうとのあいだ摩擦まさつちから作用さようしており、車輪しゃりん駆動くどうりょくがこの摩擦まさつりょくえると車輪しゃりん空転くうてんはじめる。

鉄道てつどう車両しゃりょう

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鉄道てつどう車両しゃりょう場合ばあい車輪しゃりんもレールもてつであるためもともと摩擦まさつ係数けいすうちいさく、空転くうてん発生はっせいしやすい状況じょうきょうにある。

要因よういん

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車輪しゃりんとレールが、ともにてつである鉄道てつどう車両しゃりょうは、そのあいだあめなどのみずぶんやレール自身じしんさび雑草ざっそう落葉らくようにはヤスデるいなどのむし介在かいざいすることにより摩擦まさつ係数けいすう大幅おおはば低下ていかし、空転くうてん発生はっせいさせる。だい都市としけんでは列車れっしゃ密度みつどたか編成へんせいながいため、レール踏面がつねみがかれた状態じょうたいになり、始発しはつ列車れっしゃのぞけば空転くうてんがさほど問題もんだいとなることはないが、すくない動輪どうりんおおきな重量じゅうりょう牽引けんいんする貨物かもつ列車れっしゃ機関きかんしゃや、もともと列車れっしゃ本数ほんすうすくなくたん編成へんせいおおカル線かるせんではおおきな問題もんだいとなる。

鉄道てつどう場合ばあい列車れっしゃのぼ勾配こうばい立往生たちおうじょうすれば後続こうぞく列車れっしゃ単線たんせんでは対向たいこう列車れっしゃにも)へ列車れっしゃ遅延ちえんなどの影響えいきょうはさけられないが、ほかにもレールのおな部分ぶぶん車輪しゃりんけずられることによる「レールあな」の発生はっせいや、気動車きどうしゃでは液体えきたい変速へんそく変速へんそくあぶら)のオーバーヒート電車でんしゃでは電動でんどう過大かだい電流でんりゅうながれるなど、線路せんろ故障こしょうから車両しゃりょう故障こしょうにまでつながる厄介やっかい問題もんだいこすのである。

対策たいさく

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ソフトめんでは運転うんてんノッチもどしやきざみノッチで対応たいおうする。ハードめんではふるくからレール踏面への撒砂(すなをまくこと)、最近さいきんではセラミック噴射ふんしゃなどが有効ゆうこう手段しゅだんとしてられている。しかし機関きかんしゃべつとして、すべての動力どうりょくしゃすな装置そうち装備そうびされているわけではなく、鉄道てつどう事業じぎょうしゃなやませつづけている。また、空転くうてん対策たいさくとしてMTげることもおこなわれる[注釈ちゅうしゃく 1]

自動車じどうしゃ

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自動車じどうしゃでは、ゴムタイヤアスファルト舗装ほそう摩擦まさつ係数けいすうがもともとおおきいため、故意こいにグリップをうしなわせる以外いがい空転くうてんしにくいが、あめはじめ、凍結とうけつあつ雪路ゆきじではたような状態じょうたいになる。

みずはけのわる路面ろめんでは、雨天うてん高速こうそく走行そうこうでタイヤの排水はいすいいつかないハイドロプレーニング現象げんしょう発生はっせいしやすく、めんあつひく場合ばあいくるまじゅうちいさい・接地せっち面積めんせきおおきい)、駆動くどうじく出力しゅつりょくおおきい場合ばあいなどは、エンジン出力しゅつりょくおさえないかぎ空転くうてんつづく。

要因よういん

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  • 外部がいぶ環境かんきょう要因よういん
    • 温度おんど
      • タイヤには良好りょうこうなグリップを発揮はっきする作動さどう温度おんどがある。なつようのタイヤを寒冷かんれい使つかったり、ふゆようのスタッドレスタイヤを夏場なつばもちいたりすると、タイヤの作動さどう温度おんど範囲はんいはずれることになり、グリップりょく低下ていかし、はなはだしいときにはタイヤの空転くうてんまねく。
    • みず存在そんざい
      • タイヤと路面ろめんとのあいだみず存在そんざいするとグリップりょく低下ていかし、はなはだしいときにはタイヤの空転くうてんまねく。また、タイヤのみぞあさときにも空転くうてんしやすくなる。
  • 車両しゃりょう要因よういん
    • デファレンシャルギア
      • 自動車じどうしゃではカーブをがりやすくするため、内外ないがい駆動くどう回転かいてん吸収きゅうしゅうするデファレンシャルギアを装備そうびしているが、操舵そうだかくいっぱいの場合ばあいなどには内側うちがわのタイヤはほぼ停止ていし外側そとがわのタイヤは空転くうてんすることになり、駆動くどうりょくつたわらなくなってしまう。オープンデフ(どう制限せいげんし)の特性とくせいとして、どちらかの駆動くどう空転くうてんすると他方たほうには動力どうりょくつたわらない。
    • きゅう加速かそくきゅう減速げんそくきゅう制動せいどう
      • きゅう加速かそくきゅう減速げんそくきゅう制動せいどうなど、「きゅう」のつく操作そうさはタイヤのグリップ喪失そうしつ誘発ゆうはつしやすく、空転くうてん滑走かっそう原因げんいんとなる。

もっと影響えいきょうおおきい被害ひがい交通こうつう事故じこである。また、事故じこいたらずとも、道路どうろじょう往生おうじょうすることになれば交通こうつう渋滞じゅうたいまねくことがある。

対策たいさく

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  • すべめの利用りよう
    • 積雪せきせつにはタイヤチェーンスタッドレスタイヤ装着そうちゃくする。
    • タイヤの性能せいのう繊細せんさいなアクセルワークだけでは勾配こうばい克服こくふくできないことから、凍結とうけつしやすい坂道さかみちにはすな道路どうろわきいてあることがよくあるので、これを利用りようする。
  • 適正てきせいなタイヤの選択せんたく
    • 作動さどう温度おんど範囲はんいかんがえて、ぶしったタイヤを選択せんたくする。また、タイヤののこみぞにも留意りゅういする。
  • リミテッド・スリップ・デファレンシャルギアを搭載とうさいする
    • 車両しゃりょうによっては、デファレンシャルギアの作動さどう規制きせいするリミテッド・スリップ・デファレンシャルギアを搭載とうさいできるものがある。泥濘でいねい荒地あれちなどを走行そうこうする車両しゃりょうにはリミテッド・スリップ・デファレンシャルギアを搭載とうさいしていると、車輪しゃりん空転くうてんから脱出だっしゅつすることが容易よういになる。ただし、摩擦まさつ係数けいすうひく路面ろめんでは、オープンデフにし、直進ちょくしんせいいちじるしく低下ていかする。
  • トラクションコントロール制御せいぎょ搭載とうさいする

意図いとてきおこなわれる場合ばあい

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  • ドラッグレースなどのスタート駆動くどうであるリアタイヤをはげしく空転くうてんさせる光景こうけいにすることができる。この行為こういをバーンアウトとび、タイヤの表面ひょうめん摩擦まさつねつによってかし、タイヤの表面ひょうめん路面ろめんをネバネバにしたり、タイヤ自体じたいをやわらかくしてグリップりょくたかめるためにおこなう。FRしゃ場合ばあい、ブレーキをフロントだけにかせるようにする「ラインロック」という装備そうび必要ひつよう場合ばあいおおい。
  • 国会こっかいなどの議会ぎかいにおいて審議しんぎ中断ちゅうだんしたまますすまず、会期かいき浪費ろうひすることを「空転くうてん」と場合ばあいがある。
  • なにかにりすぎてかえってうまくかない、やるばかりが空回からまわりしているような場合ばあいも「(やるが)空転くうてんした」などとう。

注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ たとえばJR東海とうかい313けいは、373けいおなじモーター・ギアであるが、MTは1 : 2から1 : 1にげられている。

関連かんれん項目こうもく

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