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科学者 - Wikipedia

科学かがくしゃ

科学かがく専門せんもんとするひと学者がくしゃ

科学かがくしゃ(かがくしゃ、英語えいご: scientist)とは、科学かがく専門せんもんとするひと学者がくしゃのことである[1][2]とく自然しぜん科学かがく研究けんきゅうするひとをこう傾向けいこうがある[2][1]

名称めいしょう歴史れきし

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もともと自然しぜん対象たいしょうとした探求たんきゅうは「自然しぜん哲学てつがく」(ラテン語らてんご: philosophia naturalis英語えいご: natural philosophy)とばれ、それにたずさわる人々ひとびと1800ねんごろでもnatural philosopher自然しぜん哲学てつがくしゃ」やsavan知者ちしゃ」などとばれていた[3]。 だが、philosophyのばれていた知識ちしき一般いっぱんなかから、独自どくじ性質せいしつまれたと認知にんちされ、そのぶのにラテン語らてんごscientia、えいscienceの名称めいしょうもちいられるようになったことや、その探求たんきゅうする専門せんもん家集かしゅうだんみずからの存在そんざい集団しゅうだん区別くべつしてかたはじめたことを反映はんえいして、1834ねんウィリアム・ヒューウェルがscientiaから派生はせいさせるかたちでscientistというかたり造語ぞうご、scienceにたずさわる人々ひとびとscientist(サイエンティスト)ぶことを提案ていあんした[4]。それが定着ていちゃく現在げんざいいたっている。

科学かがくしゃ歴史れきし

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さかのぼれば古代こだいギリシャ古代こだいローマひとしにおいても自然しぜんかんする探求たんきゅう(=自然しぜん哲学てつがくphilosophia naturalis)はおこなわれていた。だが当時とうじ哲学てつがくさい重要じゅうよう課題かだいえば、人間にんげんかた集団しゅうだんのありかたかんする倫理りんりてき思索しさくであり、自然しぜん哲学てつがくはあくまでその哲学てつがく体系たいけいのごく一部いちぶという位置いちづけであり、自然しぜん哲学てつがくだけが単独たんどくおこなわれるということはすくなかった。したがって自然しぜん哲学てつがくたずさわる哲学てつがくしゃはどうしても脇役わきやくてき存在そんざいとなり、社会しゃかいてき重視じゅうしされることはほとんどなかった。

16-17世紀せいきヨーロッパ科学かがく革命かくめいばれる近代きんだい科学かがく成立せいりつうごきがあったことや、自然しぜん哲学てつがく研究けんきゅうのための学会がっかいアカデミー成立せいりつし、そこにたかった人々ひとびと様々さまざま活動かつどうをしたことで、はじめて自然しぜん哲学てつがくしゃには、哲学てつがくしゃとはなにかしらことなった役割やくわりがあることが理解りかいされるようになった。だが、その科学かがく革命かくめいのちでも自然しぜん哲学てつがくしゃたちは自然しぜん哲学てつがくそのもので収入しゅうにゅうていたわけではなく、生計せいけい基盤きばんがあった。たとえば、元々もともと広大こうだい領地りょうち貴族きぞくまれであったり、だい商人しょうにんであったり、聖職せいしょくしゃひとしとしての生活せいかつ基盤きばんっていたりしており、つまり現在げんざいうところのアマチュア・サイエンティストであり、かれらにとって自然しぜん哲学てつがく知的ちてき好奇心こうきしんたす趣味しゅみとしての性質せいしつっていた。

19世紀せいきはいると、自然しぜん哲学てつがくないし科学かがく高度こうどとともに、大学だいがくひとし教育きょういく機関きかん科学かがく教育きょういくのための講座こうざ・コースがもうけられ正規せいき教育きょういく体系たいけいとしてあつかわれるようになり、そのコースで指導しどう教官きょうかんした体系たいけいてき科学かがく習得しゅうとくした若者わかものされるようになった。また、研究所けんきゅうじょ設置せっちされるようになり、かれらのはたら場所ばしょ出現しゅつげんした。このようにして科学かがくしゃ専門せんもんてき職業しょくぎょうひとつとして確立かくりつし、それをあらわすかのようにヒューウェルによりサイエンティストという名称めいしょう使用しよう提唱ていしょうされたのである。

現代げんだい科学かがくしゃのほとんどは、18世紀せいきまでのアマチュア・サイエンティストのようにひとりで趣味しゅみてき自然しぜん探求たんきゅうしているのではなく、大学だいがくあるいはなんらかの研究けんきゅう機関きかん雇用こよう契約けいやくむすび、給料きゅうりょう支払しはらわれ、研究けんきゅう設備せつび使用しよう許可きょかされ、研究けんきゅうてられている。

近年きんねん科学かがくしゃ共同きょうどうたい競争きょうそう原理げんり

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現代げんだい科学かがくしゃは、おおきな科学かがく共同きょうどうたいなかかされているようなめんがある。各人かくじん専門せんもんされた学会がっかい所属しょぞくしたり、学術がくじゅつひとし講読こうどくすることで科学かがくしゃ研究けんきゅうによりあきらかになったあたらしい科学かがくてき知識ちしきることができる。また、科学かがくしゃ学会がっかい学術がくじゅつ研究けんきゅう成果せいか発表はっぴょうすることで、科学かがくしゃからの評価ひょうかける必要ひつようがある。

それらの研究けんきゅう成果せいかによりたか評価ひょうかものは、次第しだい優秀ゆうしゅう科学かがくしゃ認知にんちされるようになり、それにともなたか地位ちい潤沢じゅんたく研究けんきゅう助手じょしゅ社会しゃかいからの賞賛しょうさんなどが結果けっかとしてあたえられることがおおい。だがそのぎゃく研究けんきゅう成果せいかしめすことができないものひく評価ひょうかあたえられ、研究けんきゅうけずられ、社会しゃかいてきにも次第しだい不本意ふほんい状況じょうきょうかれることがおおい。

研究けんきゅう成果せいか評価ひょうか基準きじゅんのひとつとして、研究けんきゅう成果せいかあたらしい科学かがくてき発見はっけんふくまれているかどうか、というてんがある。これをべつ角度かくどかられば、おな内容ないよう研究けんきゅうをしどう程度ていど努力どりょくしていても、なにかをさき発見はっけんしたもの、つまりpriorityプライオリティ先取せんしゅけん)を確保かくほしたものたか評価ひょうかされ、おくれて発見はっけんしたとされるものはたとえ独自どくじ発見はっけんしたとしても大抵たいてい場合ばあい評価ひょうかされないという原理げんりはたらいていることも意味いみする。たとえばノーベルしょうなどでも先取せんしゅけんものしょう賞金しょうきん授与じゅよされる。このような原理げんり背景はいけいとして、先取せんしゅけんめぐって科学かがくしゃ(のグループ)同士どうしはげしいあらそいとなることがある。

この競争きょうそう原理げんりは、一方いっぽう科学かがく知識ちしき進歩しんぽ促進そくしんしてきたという効果こうかみとめられている。他方たほう科学かがくしゃたいしては他者たしゃ先駆さきがけて研究けんきゅう成果せいかさなければならないという心理しんりてき圧力あつりょくかんじさせることで、科学かがくしゃによる様々さまざま不正ふせい行為こうい病理びょうりてき行動こうどう原因げんいんともなっている。

科学かがくしゃによる不正ふせい行為こうい

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上記じょうき構図こうずなか心理しんりてきめられた科学かがくしゃ一部いちぶこす一連いちれん病理びょうりてき行動こうどうpublish or perish syndrome発表はっぴょうするか症候群しょうこうぐん」などとばれることがある。

科学かがくしゃ道徳どうとくてきかどうか、または不道徳ふどうとく不正ふせい行為こういおこな可能かのうせいがあるかどうかについての研究けんきゅうがあった。この研究けんきゅうは、厳密げんみつなジャーナルであるPLOS ONEで発表はっぴょうされた。結論けつろんとしては、科学かがくしゃ本質ほんしつてき不道徳ふどうとくではないが、不道徳ふどうとく行動こうどう可能かのうせいがあるだけである[5]

科学かがくしゃ一部いちぶには、こうこげるあまりに不正ふせい行為こういおこなものがいる。不正ふせい行為こうい内容ないようとしては、実験じっけんデータのかいざん・捏造ねつぞうアイディア盗用とうよう論文ろんぶん盗用とうよう試料しりょう窃盗せっとう実験じっけんデータ記録きろく媒体ばいたい窃盗せっとうなどがある。このような不正ふせい行為こういは、内容ないようによっては科学かがくかいるがす事件じけんとなったり、さらにはマスコミつうじてひろ一般いっぱん人々ひとびとにもられることもある。

また論文ろんぶん成立せいりつなん直接ちょくせつ貢献こうけんしていないものが、ただ研究けんきゅうしつ責任せきにんしゃ立場たちばにいるというだけで論文ろんぶん共同きょうどう執筆しっぴつしゃとしてつらねるという不正ふせい行為こういがある。このように立場たちばつよものかげ政治せいじてき影響えいきょうりょく行使こうししてつらねさせる場合ばあいもあれば、ぎゃく論文ろんぶん執筆しっぴつしゃがわが、だれかからなんらかの利益りえき供与きょうよされることを期待きたいして共同きょうどう執筆しっぴつしゃとして表示ひょうじする機会きかい提供ていきょうしている場合ばあいもある。またどういちグループない複数ふくすう科学かがくしゃ共犯きょうはんてき相互そうご論文ろんぶん共同きょうどう執筆しっぴつしゃとしてつらね、たがいの業績ぎょうせきすう水増みずましするようなこともおこなわれることがある。これらの共同きょうどう執筆しっぴつしゃかかわる不正ふせい行為こうい科学かがくしゃあいだではその不正ふせい性質せいしつ隠蔽いんぺいするかたちでhonorary authorship「名誉めいよのオーサーシップ」やgift authorship「ギフトオーサーシップ」などとばれることがある、が名称めいしょうなにであれ不正ふせい行為こういにはわりないというのが公的こうてき機関きかん公式こうしき見解けんかいである。

また、科学かがくしゃ既得きとく権益けんえきしゃとなってしまった場合ばあいあたらしい研究けんきゅう成果せいからしてかんがえをえることはとく困難こんなんである[6]。これはべつ法的ほうてき不正ふせい行為こういではないが、結果けっかとして学界がっかい不利ふりになる。科学かがく革命かくめいによれば、科学かがく活動かつどう全般ぜんぱん進歩しんぽするなかで、研究けんきゅう手法しゅほう科学かがく全体ぜんたい大前提だいぜんていわるというパラダイムシフトがしばしばこる。そして、この大前提だいぜんてい変化へんかは、たいてい若者わかもの分野ぶんや専門せんもんによってもたらされる。このため、若手わかて分野ぶんや専門せんもんとく有用ゆうようであるはずだ[7]

たとえばかく省庁しょうちょう関連かんれん公的こうてき機関きかんたいして提出ていしゅつする研究けんきゅう申請しんせい書類しょるい上記じょうきのような不正ふせい利用りようし、それにより支給しきゅうされた研究けんきゅう使つかった場合ばあいなどは、もはや科学かがくという学問がくもん内部ないぶ規範きはん問題もんだいではまず、公文書こうぶんしょ偽造ぎぞうおよび公金こうきん横領おうりょうという重大じゅうだい違法いほう行為こういあきらかな犯罪はんざい行為こういであるので、そのようなことをおこなったもの逮捕たいほ処罰しょばつされる可能かのうせいがある。

最近さいきん科学かがくしゃによる不正ふせい行為こういれいとして、「ファン・ウソク」や「ヘンドリック・シェーン」、「小保こぼかた晴子はるこ」のこう参照さんしょう

科学かがくしゃ行為こうい責任せきにん

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現代げんだいでは科学かがく技術ぎじゅつ軍事ぐんじ外交がいこう政治せいじ経済けいざい社会しゃかい個人こじん生活せいかつにまでおよぼす影響えいきょうおおきく、そして深刻しんこくになっている。たとえば核兵器かくへいき開発かいはつにより、だい世界せかい大戦たいせんなかすうじゅうまんにんいのちとしただけでなく(原爆げんばくこう参照さんしょう)、その冷戦れいせん時代じだいいちあやまれば人類じんるい滅亡めつぼうしかねない状況じょうきょうきた。そのため、科学かがくしゃ個人こじんとしての活動かつどうであれ、集団しゅうだんとしての活動かつどうであれ、その活動かつどう行為こうい責任せきにん社会しゃかいてき責任せきにんこえが、科学かがくしゃ自身じしんからも科学かがくしゃ以外いがい人々ひとびとからもはっせられ、ひろ議論ぎろんとなった。このような議論ぎろんまえ、1980ねん日本にっぽん科学かがくしゃたちは「科学かがくしゃ憲章けんしょう」を発表はっぴょうした。

この憲章けんしょうのちも、科学かがくしゃ社会しゃかいてき責任せきにん行為こうい責任せきにんへの人々ひとびと関心かんしんたかく、科学かがくしゃ活動かつどうのありかた今後こんごわれつづけることであろう。

科学かがくしゃとエンジニア

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科学かがくしゃ基礎きそてき研究けんきゅうおこな傾向けいこうがあるのにたいして、エンジニアのほうががいして時間じかんてき限定げんていされたなか具体ぐたいてき成果せいか活動かつどうおこなっている傾向けいこうがあると、おおまかに区別くべつすることは可能かのうだが、科学かがくしゃとされるひときわめてエンジニアてき活動かつどうおこなっていることもあるし、ぎゃくにエンジニアとされるひと高度こうど科学かがくてき発見はっけん学会がっかいとう公表こうひょうすることもあり、つね境界きょうかいがはっきりとあるわけではない。

現代げんだいにおいて、科学かがく人々ひとびとから賞賛しょうさんされているのは、かならずしも科学かがくしゃばれる人々ひとびと活動かつどう評価ひょうかされているからではなく、エンジニアいたるおこなっている活動かつどう、すなわち人々ひとびと具体ぐたいてき要望ようぼう組織そしき要求ようきゅう事項じこう理解りかいしようとする努力どりょくしまず、その要望ようぼうこたえて成果せいか制限せいげん時間じかんない着実ちゃくじつ活動かつどうが、個人こじん生活せいかつ企業きぎょう活動かつどうなかおおいに評価ひょうか賞賛しょうさんされていて、その波及はきゅう効果こうか科学かがくしゃ全体ぜんたい評価ひょうかたかめられているという側面そくめんがあることも見逃みのがしてはならないだろう。 「エンジニア」のこう参照さんしょうのこと。

科学かがくしゃ創造そうぞうてき思考しこう

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意外いがいなことに、記憶きおくりょく科学かがくしゃは、自分じぶん記憶きおくりょく過信かしんして、あたらしい研究けんきゅう成果せいか無視むしする傾向けいこうがある[8]短期たんき記憶きおく苦手にがてひとは、一見いっけん無関係むかんけい現象げんしょうにつながりを発見はっけんする傾向けいこうがある。あたらしいことをまなぶのがおそひとは、あたらしいことをまなぶのがはやひとよりも、その学習がくしゅう過程かていからおもいがけない発見はっけんをしやすい[9][10]創造そうぞうせいについては、おおくの研究けんきゅうがなされている。創造そうぞうせいは、あたらしい分野ぶんや挑戦ちょうせんしたり変化へんかもとめたりするさいに、無能むのうかんひるまないことと関連かんれんしている[11]。したがって、社会しゃかいてき協調きょうちょうせい欠如けつじょ集団しゅうだんせい傾向けいこうは、あたらしい経験けいけんたいする開放かいほうせい同様どうように、たか創造そうぞうせい関連かんれんしている[12]しんじられないことに、内向ないこうてき内気うちき人々ひとびと比較的ひかくてき創造そうぞうてきである[9]

著名ちょめい科学かがくしゃ

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Category:科学かがくしゃ参照さんしょうのこと。特筆とくひつあたいする科学かがくしゃとう百科ひゃっか事典じてん記事きじとなっている。

科学かがくしゃ信仰しんこう

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1914ねん心理しんり学者がくしゃジェームズ・リューバ英語えいごばんが、米国べいこくのおよそ1000にん科学かがくしゃたいして信仰しんこうについてのアンケート調査ちょうさおこなったところ、42%の科学かがくしゃかみしんじていると回答かいとうし、42%の科学かがくしゃしんじていないと回答かいとうした、との結果けっか[13]

リューバの調査ちょうさからおよそ80ねん1996ねんに、科学かがく研究けんきゅうしゃのEdward Larsonが、どう調査ちょうさ同数どうすう科学かがくしゃたいして、まったくおな質問しつもん内容ないよう調査ちょうさをおこなったところ、40%の科学かがくしゃかみしんじていると回答かいとうし、45%の科学かがくしゃしんじていないと回答かいとうした[13]

2009ねんピュー・リサーチセンター英語えいごばんが、全米ぜんべい科学かがく振興しんこう協会きょうかい(AAAS)のメンバーの科学かがくしゃたいして(今度こんど上記じょうきとはすこことなった つぎのような質問しつもんぶんもちいて)調査ちょうさおこなったところ、「(I) believe in God しんしんじる」としたひとが33%、「(I)don't believe in God, but do believe in a universal spirit or higher power しんしんじないが、ユニバーサルなスピリットあるいは超越ちょうえつてきちからしんじている」としたひとが18%、「(I)don't believe in either どちらもしんじない」としたひとが41%、「(I)don't know / Refused “わたしにはからない”もしくは回答かいとうせず」が7%であった[13]。この調査ちょうさ結果けっかからすると、調査ちょうさ対象たいしょうになった科学かがくしゃのちょうど半数はんすうほど(51%)が、かみあるいはなんらかの超越ちょうえつてきちからしんじている、と回答かいとうしたことになる[13]。(参考さんこうまでに比較ひかく対象たいしょうとして、2006ねんどうリサーチセンターがアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくじん全般ぜんぱん対象たいしょうとして調査ちょうさおこなった結果けっかは、95%がなんらかのかみ超越ちょうえつてきちからしんじている、と回答かいとうしたのであった。また、41%の科学かがくしゃが「かみしんじない」と回答かいとうしたわけだが、それと比較ひかくするとアメリカじん全般ぜんぱんではわずか4%がそう回答かいとうしただけであった[13]。)

一方いっぽう、『利己りこてき遺伝子いでんし』での進化しんか生物せいぶつ学者がくしゃリチャード・ドーキンスによると、破壊はかいてき危険きけんな「ミーム」の典型てんけいれい宗教しゅうきょうであり、

信仰しんこう精神せいしん疾患しっかんひとつとしての基準きじゅんたしているようにえる

という[14]。ドーキンスは、文化ぶんかてき自己じこ複製ふくせい「ミーム」の理論りろんかんして

哲学てつがくてきだろうが、そうでなかろうが、わたし主張しゅちょう欠陥けっかんがあるとはだれ指摘してきできていないのが事実じじつである。

ともべている[15]。『利己りこてき遺伝子いでんし』の邦訳ほうやくしゃ一員いちいんである進化しんか生態せいたい学者がくしゃきしゆかりは、40周年しゅうねん記念きねんばん(2018ねん刊行かんこう)の後書あとがきでこのほんを「名著めいちょ」とび、つぎのように評価ひょうかしている[16]

よんねんいた本書ほんしょは、現代げんだい進化しんかろんてき生態せいたいがく視野しやをみごとに紹介しょうかいする学術がくじゅつしょ当該とうがい分野ぶんや研究けんきゅう批評ひひょうこころざもの必読ひつどく入門にゅうもんしょとして、評価ひょうか確定かくていしたとってよいだろう。[16]

計算けいさん科学かがくもの(コンピュータ科学かがくしゃ)・数理すうり論理ろんり学者がくしゃ哲学てつがく博士はかせ(Ph.D. in Philosophy)であるトルケル・フランセーン[17]は、哲学てつがくしゃたちによる数学すうがくてき言及げんきゅうおおくが

ひどい誤解ごかい自由じゆう連想れんそうもとづいている

批判ひはんしている[18]。フランセーンによると、“不完全性ふかんぜんせい定理ていり数学すうがく理論りろんの「不完全性ふかんぜんせい」を証明しょうめいした”といった誤解ごかいや、“数学すうがくには「不完全ふかんぜん」な部分ぶぶんがあると証明しょうめいみであり、数学すうがく以外いがい分野ぶんやに「不完全ふかんぜん」な部分ぶぶんがあってもおかしくない”といった誤解ごかい一般いっぱん社会しゃかい哲学てつがく宗教しゅうきょう神学しんがくひとしによってひろまり、誤用ごようされている[19]

なお、うつびょう有無うむ血液けつえきちゅうPEA濃度のうど)で計測けいそくする検査けんさほう開発かいはつし、臨床りんしょう現場げんばでももちいている心療内科しんりょうないか川村かわむら則行のりゆき

ひとしべている[20]

なお物理ぶつり学者がくしゃカール・セーガンは、著書ちょしょ[21]なかで「一般いっぱんてき科学かがくしゃとは権威けんいある地位ちいとみられがちであるが、たんなる専門せんもんしょくであり、科学かがくにおいて権威けんいというものは意味いみさず、かえって邪魔じゃまハロー効果こうか)になる」とべた[ちゅう 1]

関連かんれん文献ぶんけん

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脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ 逸話いつわ理論りろん物理ぶつり学者がくしゃリチャード・ファインマン相手あいて大家たいか権威けんいであろうとも意見いけんへんだとおもえば『いや、ちがう、ちがう。あんたは間違まちがっているぞ』とか『でもふれたか(You must be crazy.)』などと、つっけんどんな反論はんろんおこなった。ロス・アラモス研究所けんきゅうじょ在籍ざいせきちゅうハンス・ベーテや、当時とうじ物理ぶつりかい大物おおものとしてられたニールス・ボーアは、かれらの名声めいせいにおののいて本音ほんねおうとしない周囲しゅうい科学かがくしゃたちにくらべて、率直そっちょく本音ほんねしかわない若手わかてのファインマンをり、個人こじんてき相談そうだん相手あいてとして起用きようしていた。

出典しゅってん

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  1. ^ a b 広辞苑こうじえん
  2. ^ a b 大辞泉だいじせん
  3. ^ 井山いやま弘幸ひろゆき金森かなもりおさむ現代げんだい科学かがくろん』(だい1)しん曜社、2000ねん、17ぺーじISBN 4-7885-0740-4 
  4. ^ 井山いやま弘幸ひろゆき金森かなもりおさむ現代げんだい科学かがくろん』(だい1)しん曜社、2000ねん、17~18ぺーじISBN 4-7885-0740-4 
  5. ^ Bastiaan T. Rutjens, S. Heine (2016). “The Immoral Landscape? Scientists Are Associated with Violations of Morality”. PLoS ONE. 
  6. ^ Uncommon Sense Teaching: Part 2, Building Community and Habits of Learning”. Coursera. 2022ねん6がつ6にち閲覧えつらん
  7. ^ The Structure of Scientific Revolutions”. 2022ねん6がつ6にち閲覧えつらん
  8. ^ 2: Introduction to Critical Thinking from a Neuroscientific Perspective - Week 3: Intellectual Humility, Critical Thinking, and Bias”. Coursera. 2022ねん6がつ5にち閲覧えつらん
  9. ^ a b 1: Race Cars, Hikers, and Intellectual Humility - Week 3: Intellectual Humility, Critical Thinking, and Bias”. Coursera. 2022ねん6がつ5にち閲覧えつらん
  10. ^ 1-2 The Value of Being a Slow Learner - Change IS possible”. Coursera. 2022ねん6がつ2にち閲覧えつらん
  11. ^ 1-4 The Value of Your Past - Change IS possible”. Coursera. 2022ねん6がつ2にち閲覧えつらん
  12. ^ Optional Interview with Dr. Robert Bilder on Creativity and Problem Solving - What is Learning?”. Coursera. 2022ねん6がつ2にち閲覧えつらん
  13. ^ a b c d e PewResearchCenter "Scientists and Belief"”. 2012ねん11月16にち閲覧えつらん
  14. ^ ドーキンス 2018, p. 536.
  15. ^ ドーキンス 2018, p. 527.
  16. ^ a b ドーキンス 2018, pp. 554–555.
  17. ^ フランセーン 2011, p. おくけ.
  18. ^ フランセーン 2011, p. 4.
  19. ^ フランセーン 2011, p. 4, 7, 126-127.
  20. ^ 佐田さた 2019, p. 4.
  21. ^ 青木あおきかおる わけひとはなぜエセ科学かがくだまされるのか』(新潮社しんちょうしゃ、2000ねん

参照さんしょう文献ぶんけん

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関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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