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元素 - Wikipedia

元素げんそ

ある特定とくてい原子げんし番号ばんごう原子げんしにより代表だいひょうされる物質ぶっしつしゅ

元素げんそ(げんそ、: elementumえい: element)は、古代こだいから中世ちゅうせいにおいては、万物ばんぶつ物質ぶっしつ)の根源こんげんをなす不可欠ふかけつ究極きゅうきょくてき要素ようそ[1][2]しており、現代げんだいでは、「原子げんし」が《物質ぶっしつ構成こうせいする具体ぐたいてき要素ようそ》をすのにたいし「元素げんそ」は《性質せいしつ包括ほうかつする抽象ちゅうしょうてき概念がいねん》をしめ用語ようごとなった[2][3]化学かがく分野ぶんやでは、化学かがく物質ぶっしつ構成こうせいする基礎きそてき成分せいぶん要素ようそ)を概念がいねんし、これはとくに「化学かがく元素げんそ」とばれる[1][4]

現代げんだい化学かがくでの元素げんそ説明せつめい。19世紀せいき後半こうはんにその原型げんけい提唱ていしょうされた周期しゅうきひょうは、元素げんそ種類しゅるい基本きほんてき特徴とくちょう関係かんけいをその周期しゅうきてき配列はいれつなか説明せつめいするひょうである。

化学かがく物質ぶっしつ構成こうせいする基礎きそてき要素ようそと「万物ばんぶつ根源こんげんをなす究極きゅうきょくてき要素ようそ[1]としての元素げんそとはことなるが、自然しぜん科学かがくにおける元素げんそ言及げんきゅうしている文献ぶんけんでは、混同こんどう説明せつめい不足ふそくられる[注釈ちゅうしゃく 1]

概要がいよう

編集へんしゅう

古代こだいから中世ちゅうせいにおいて、万物ばんぶつ根源こんげん仮説かせつげる手段しゅだんかんがえられ、そのみなもとにある不可分ふかぶんなものを「元素げんそ」ととらえていた[2]ヨーロッパ成立せいりつした近代きんだい科学かがく成立せいりつ以降いこう物質ぶっしつ基礎きそ単位たんい原子げんし、とする理論りろん構築こうちくされてからは、原子げんしは「物質ぶっしつ構成こうせいする具体ぐたいてき要素ようそ」、元素げんそは「性質せいしつ包括ほうかつする抽象ちゅうしょうてき概念がいねん」というようにわった[2][3]

原子げんし》は構造こうぞうてき概念がいねんであるのにたいして、《元素げんそ》は特性とくせいちがいをしめ概念がいねんである[5]具体ぐたいてきには、かく元素げんそ差異さい原子げんし番号ばんごうすなわち原子核げんしかく存在そんざいする陽子ようしかず核種かくしゅ)で区分くぶんされる。したがって中性子ちゅうせいし総数そうすうにより質量しつりょうすうことなる同位どういたいおな元素げんそとしてあつかわれる[3]。これにたい原子げんし中性子ちゅうせいし個数こすう厳密げんみつとらえる。したがって、元素げんそとは原子げんし集合しゅうごう名詞めいしということもできる[2]電子でんし増減ぞうげんによってしょうじる状態じょうたいであるイオンは、原子げんし電荷でんかびた状態じょうたいとしてかんがえられる[6]英語えいご "element" は「根本こんぽんにあるもの」を意味いみする。用例ようれいでは電気でんき回路かいろの「素子そし」もおな単語たんごもちいられる[5]

いろいろなモノが一体いったいなにからできているのかという疑問ぎもん考察こうさつよう東西とうざいわず古代こだいからあり、物質ぶっしつかん自然しぜんかん世界せかいかん関連かんれんづけながらそれぞれの文明ぶんめいけん体系たいけいがなされた。それらが「」「みず」「」など自然しぜん現象げんしょうから抽出ちゅうしゅつされた少数しょうすうの「元素げんそ」であり、宗教しゅうきょう関連かんれんづけられることもあった[7]物質ぶっしつ根源こんげんが(現在げんざい方向ほうこうで)体系たいけいづけられたことはアイルランド自然しぜん哲学てつがくしゃロバート・ボイル(1627ねん–1691ねん)にはじまるといわれる(かれかんがかたこう科学かがくしゃ[注釈ちゅうしゃく 2]共通きょうつう認識にんしきとしてひろがることになった)。かれ実験じっけん測定そくてい分析ぶんせき重視じゅうしし、それらの結果けっかから「これ以上いじょうこまかくけられない物質ぶっしつ」を元素げんそ定義ていぎした[5]以後いご様々さまざま考察こうさつとそれを裏付うらづける実験じっけんおこなわれ、元素げんそを「粒子りゅうし」としてとらえる今日きょう元素げんそかんおよび原子げんしろん確立かくりつされた[5]

元素げんそ性質せいしつさいそとから電子でんしあたい電子でんし)におおきく影響えいきょうされるため、同様どうよう性質せいしつ元素げんそ元素げんそぞく元素げんそぐん)として、周期しゅうきひょうにおいてもぞく周期しゅうきひょうれつ)や系列けいれつとしてまとめられている[8]現在げんざい元素げんそは118種類しゅるい存在そんざい確認かくにんされ、いずれも国際こくさい純正じゅんせい応用おうよう化学かがく連合れんごう(IUPAC)により正式せいしき名称めいしょうあたえられている。なお、元素げんそは173番目ばんめまで存在そんざい可能かのうとのせつとなえられている[9]

 
発見はっけんされた時代じだいいろけられた周期しゅうきひょう。なお、あか古代こだいからられていた元素げんそ黄色おうしょく系統けいとうは1869ねんまでに発見はっけんされた元素げんそみどりは1923ねんまでに発見はっけんされた元素げんそあおは1945ねんまでに発見はっけんされた元素げんそ灰色はいいろは20世紀せいきまつまでに発見はっけんされた元素げんそである。

古代こだい万物ばんぶつ根元ねもとかん

編集へんしゅう
 
ぎょう思想しそうにおける5つの元素げんそ

古代こだい中国ちゅうごく

編集へんしゅう

古代こだい中国ちゅうごくにおける物質ぶっしつ根源こんげんかかわる思想しそうは、しゅうだい紀元前きげんぜん11 - 4世紀せいきごろには体系たいけいづけられた。『しゅうえき』は、自然しぜん現象げんしょうは「たかし流水りゅうすいかみなりふうみずやま」の8つの基本きほんかえし、これと陰陽いんよう思想しそう根源こんげんであるたい思想しそうかげ」と「」がわさったものとなした。物質ぶっしつ根源こんげん要素ようそには「」・「」・「」・「かね」・「みず」の5つを基本きほん物質ぶっしつである「元素げんそ」とかんがえるぎょう思想しそうき、これに陰陽いんようかかわり宇宙うちゅうのすべてがつとかんがえる陰陽いんようぎょう思想しそう構築こうちくした[7]

この思想しそう基礎きそに、未来みらい予想よそうする方法ほうほう発達はったつえきほうとなった。また道教どうきょうにもれられ、成立せいりつした陰陽いんようどう日本にっぽんにもつたわった[7]

古代こだいインド

編集へんしゅう

古代こだいインドにおける根源こんげんろんには、いにしえウパニシャッド登場とうじょうするウッダーラカ・アールニ思想しそうゆう(う、sat)の哲学てつがく」にれる。かれ思想しそうには、すべてのものは微小びしょうアートマン)だと言及げんきゅうする部分ぶぶんがある[10]

具体ぐたいてき根源こんげん物質ぶっしつかんは、『パーリ経典きょうてん経蔵きょうぞう長部おさべの『沙門しゃもんはてけい』にることができる。ここでべられているかんがえは、紀元前きげんぜん5世紀せいき前後ぜんこう釈迦しゃかどう時代じだいじんつたわる思想家しそうか集団しゅうだんである「ろく外道げどう」たちによって形成けいせいされた古代こだいインド原子げんしろんである[10]アジタ・ケーサカンバリンは「存在そんざい構成こうせいする物質ぶっしつ元素げんそは、みずふう四大しだいである」というろん主張しゅちょうした[11][12]。また、パクダ・カッチャーヤナは「生命せいめい絶対ぜったいてきみずふうらくいのちの7つの要素ようそから構成こうせいされている」といた[13][14]かれらの思想しそうは、カッチャーヤナの「ものをけんは、この要素ようそ隙間すきまとおる」という言葉ことばあらわされるとおり、元素げんそをanu(微小びしょうなもの)、paramanu(極限きょくげんまで微小びしょうなもの)と説明せつめいしており、これらが漢語かんごにおいて「極微きょくび」とやくされることから「極微きょくびろん」とうことができる[10]

インドの極微きょくびろんろく哲学てつがく宗教しゅうきょうがれていった。ニヤーヤ学派がくはヴァイシェーシカ学派がくはが4つの元素げんそ対応たいおうする4つの極微きょくび原子げんし)を想定そうていしたのにたいし、ろく外道げどう一人ひとりマハーヴィーラ創始そうししたジャイナきょうでは初期しょきころ極微ごくび種類しゅるいもうけなかったとかんがえられる。しかしジャイナきょうもやがて「蝕・あじこういろ」という性質せいしつと、「ひえ湿しめひやいぬいねつ湿しめねついぬい」というあらわかたがあるとかんがえるようになり、複数ふくすう極微きょくび想定そうていするようになった[10]

仏教ぶっきょうにおいても万物ばんぶつ構成こうせい要素ようそとして「みずふう」を「四大しだい[15]または「四大しだいしゅ[16]というかんがかたがある。ただしこれらにはそれぞれに「かたち象徴しょうちょういろ機能きのう」といった付帯ふたいてき特徴とくちょうち、様々さまざま現象げんしょう(rupa、「いろ」)の根本こんぽんという抽象ちゅうしょうてき解釈かいしゃくかたられる。この概念がいねん拡大かくだいして「そら(くう)」をくわえた五大ごだい(マウアラカキヤ)、さらに「」をくわえたろくだいへと発展はってんし、観念かんねんてき哲学てつがくてき思想しそうへと意義いぎ変化へんかさせた。これらは中国ちゅうごくぎょう思想しそうともども近代きんだいてき物質ぶっしつ要素ようそ科学かがくにはつながらなかった[7]

古代こだいギリシア

編集へんしゅう

西にしアジアやヨーロッパでも古代こだいエジプトメソポタミアなど高度こうど古代こだい文明ぶんめい発達はったつしたが、これらからは物質ぶっしつ根源こんげんかかわる記録きろく発見はっけんされておらず、唯一ゆいいつ古代こだいギリシアにおける思想しそうつたわっており、このかんがかたながくヨーロッパでれられた[7]紀元前きげんぜん6~4世紀せいき哲学てつがくしゃたちは、万物ばんぶつのあらゆる生成せいせい変化へんか根源こんげんにある原理げんりを「アルケー」などとび、これらが一体いったいなになのかをろんじた[17]

 
タレスは、「みず」に根元ねもと要素ようそ」というよりも根元ねもと性質せいしつ」を重視じゅうしした主張しゅちょうをした。

タレスは、こおり水蒸気すいじょうきなどのそうち、かたいわ風化ふうかさせる「みず」がアルケーだとろんじた[18]。これはただしくは、みずのような流体りゅうたいせいつものが根本こんぽん物質ぶっしつであるということしている[19]。タレスの孫弟子まごでしあた[20]アナクシメネスはこのかんがえをさらにふかめ、アルケーは「空気くうき」だとき、これがくなればふうくも、やがてみずいわなどに変化へんかするとべた。ただしアナクシメネスの主張しゅちょうは、タレスとおなじく流体りゅうたいせい根本こんぽんにあるとなし、生物せいぶつ呼吸こきゅうなどをふくめアルケーを的確てきかくあらわすものとして空気くうきしめしている[20]どう時代じだいには、根源こんげんとして「万物ばんぶつ流転るてんする」とべ、変化へんかして空気くうきみずまたはなどを生成せいせいするとべる[10]ヘラクレイトスあらわれた[7]。ただしかれ基本きほん物質ぶっしつではなく闘争とうそう原理げんり[21]。これらは、ひとつの原理げんり自然しぜんかい多様たようせい説明せつめいする方法ほうほうろんであった[10]

 
古代こだいギリシア、イスラム世界せかいイスラム科学かがく)、中世ちゅうせい〜18、19世紀せいきごろまでのヨーロッパ支持しじされたよんだい元素げんそせつにおける元素げんそ関係かんけい
 
エンペドクレスは、不変ふへんかつ複数ふくすう根元ねもと物質ぶっしつざりうことで自然しぜん多様たようせい説明せつめいした。

これにたいし、パルメニデスゼノンエレアは「ある」ものの不変ふへん不動ふどうせい立場たちばから、単一たんいつ原理げんりとその変化へんか多様たよう世界せかい説明せつめいすることはあやまりという主張しゅちょうおこなった[10]。このエレア論理ろんり矛盾むじゅんせずに自然しぜん多様たようせい説明せつめいした哲学てつがくしゃエンペドクレスであった。かれは、アルケーがひとつではなく4つのリゾーマタから成立せいりつするとべ、そのよんだい元素げんそに「空気くうきみず」をき、新生しんせい消滅しょうめつもしないこれらが離散りさん集合しゅうごうして多数たすう元素げんそ自然しぜんかいのできごとが成立せいりつしていると提唱ていしょうした[22]

ピタゴラス学派がくはは「万物ばんぶつかずである」とべ、よんだい元素げんそろん当時とうじ発見はっけんされていたせい多面体ためんたい対応たいおうさせ、「みず空気くうき」に「せい46820面体めんてい」をき、のちつかったせい12面体めんてい宇宙うちゅうあらわすと主張しゅちょうした[23]

プラトンよんだい元素げんそろん階層かいそうてき概念がいねん導入どうにゅうし、せい六面体ろくめんたいでもっともおもく、のリゾーマタは三角形さんかっけいからなるせい多面体ためんたいで、もっとかるいリゾーマタであり、これらはそれぞれのおもさにおうじて運動うんどうたがいにはいこんじるとかんがえた。これは、物体ぶったい物体ぶったいでしかないというかれ主張しゅちょうからみちびされた[24]。プラトンのさっかどうか疑問ぎもんされている著書ちょしょでは、4つのリゾーマタにくわえ、てん上層じょうそう構成こうせいするとして「アイテール」が導入どうにゅうされている。かれつづ一派いっぱは、物質ぶっしつ多様たようせい説明せつめいするためにイデアろん機軸きじくき、三角形さんかっけいイデアしめすかたちであり、これは分割ぶんかつができないものという「極微きょくびろん」に主張しゅちょうおこなった[24]

 
アリストテレス

紀元前きげんぜん350ねんごろ、アリストテレス無限むげん考察こうさつするさいに、これを否定ひていする論述ろんじゅつのひとつにおいて有限ゆうげん個数こすうよんだい元素げんそろんもちい、4つのリゾーマタ相互そうご反対はんたい性質せいしつち、もし無限むげん存在そんざいするならば世界せかいはどれかひとつの性質せいしつたされてしまうとべた[24]。また、『天体てんたいろん』において天上てんじょうにのみ存在そんざい円運動えんうんどうをするアイテールを、直線ちょくせんてきうごく4つのリゾーマタの上位じょういとしててた[24]アイテル語源ごげんとするアイテールは、のちの自然しぜんがくにおけるだい元素げんそとされ、宇宙うちゅうたす媒質ばいしつエーテル構想こうそうへとつながっていく。

 
デモクリトス

プラトンやアリストテレスよりもやや時代じだいてき先行せんこうするレウキッポスデモクリトスは、エンペドクレスと同様どうよう、パルメニデスらエレア論理ろんり矛盾むじゅんせずに自然しぜん多様たようせい説明せつめいしようとした。かれらは、自然しぜん構成こうせいするそれ以上いじょう分割ぶんかつできない最小さいしょう単位たんいとして「原子げんし(アトム)」が存在そんざいするとかんがえ、生成せいせい消滅しょうめつしない無数むすう原子げんし結合けつごう分離ぶんり仕方しかた原子げんしのさまざまな形状けいじょうならかたき)により多様たよう事物じぶつやその生成せいせい変化へんかしょうじるなどとろんじた。だが、かれらの「原子げんしろん」は当時とうじあまり評価ひょうかされることはく、ヨーロッパにおいてはおもよん元素げんそせつ中世ちゅうせいスコラ哲学すこらてつがく継承けいしょうされてゆくことになる[25]

中世ちゅうせい元素げんそかん

編集へんしゅう

古代こだいギリシア哲学てつがく元素げんそろん中世ちゅうせいヨーロッパに直接ちょくせつつたわらず、エジプトアラブ世界せかい経由けいゆして錬金術れんきんじゅつまれた。ここでは経験けいけんてき技術ぎじゅつ蓄積ちくせき実験じっけん手段しゅだん洗練せんれんおこなわれたが、卑金属ひきんぞくから貴金属ききんぞくをつくるという目的もくてきと、成果せいか秘匿ひとくされたために情報じょうほう孤立こりつする傾向けいこうにあり、元素げんそ探求たんきゅうにはあまり寄与きよしなかった。そのなかで、ジャービル・イブン=ハイヤーン(721ねん? - 815ねん?)やパラケルスス(1493ねん? - 1541ねん[26]となえた根源こんげん物質ぶっしつとしてのさん元素げんそつたわっているが、これは硫黄いおう水銀すいぎんしおした[7][5]。このさん元素げんそのうち硫黄いおう水銀すいぎん単体たんたいだが、しお化合かごうぶつ塩化えんかナトリウムであり、今日きょうてき元素げんそ概念がいねんからすれば意味いみい。ただし、このさん物質ぶっしつはそれぞれ共有きょうゆう結合けつごう金属きんぞく結合けつごうイオン結合けつごうという化学かがく結合けつごうおもな3種類しゅるい対応たいおうしている。しかし、ジャービルがこれを意識いしきしていたかどうかはわからない[27]

近世きんせい現代げんだい元素げんそかん

編集へんしゅう
 
現代げんだいてき元素げんそかん確立かくりつ端緒たんしょひらいたロバート・ボイル

原子げんしせつ

編集へんしゅう

物質ぶっしつ根源こんげんなにかといういをあらためて提議ていぎした人物じんぶつアイルランドまれのロバート・ボイル(1627ねん - 1691ねん)である。かれ著作ちょさく懐疑かいぎてき化学かがくしゃ』にて思索しさくだけにたよった古代こだいギリシア哲学てつがく元素げんそろん批判ひはんし、実験じっけん重視じゅうしして元素げんそ探求たんきゅうすべきという主張しゅちょうおこなった。またかれは、元素げんそに「これ以上いじょう単純たんじゅん物質ぶっしつけられないもの」という粒子りゅうしせつ[26]定義ていぎあた[注釈ちゅうしゃく 3]、さらに元素げんそ古代こだいてきかんがえの4-5ではおさまらないという先見せんけんてき予測よそくしめした[5]

ボイルの主張しゅちょう実験じっけんによって様々さまざまな「不可分ふかぶんなもの」の探求たんきゅうおこなわれた。アントワーヌ・ラヴォアジエは1789ねん著作ちょさく化学かがく原論げんろん』にて、当時とうじつかっていた33種類しゅるい元素げんそまとめたひょう採録さいろくした。ただしそのなかにはねつもとひかりがあった。また化合かごうぶつであるマグネシアアルミナなどもふくまれていたが、これは当時とうじ実験じっけん技術ぎじゅつ限界げんかいによるもので、ボイル以来いらいかんがかたそのものはただしかった、と斎藤さいとう解説かいせつした[5]

 
ドルトンの原子げんし記号きごうひだり)と原子げんしりょうみぎ数字すうじ[5]

ラヴォアジエの「質量しつりょう保存ほぞん法則ほうそく」や[26]ジョゼフ・プルーストが1799ねん発表はっぴょうした「てい比例ひれい法則ほうそく」をもとに、ジョン・ドルトンは1801-1808ねん執筆しっぴつした一連いちれん論文ろんぶんで「原子げんしせつ」をとなえた。これは、物質ぶっしつ根元ねもと原子げんし(atom)であり、これは元素げんそ種類しゅるい対応たいおうするだけのかずがある、おな原子げんし質量しつりょうおおきさが同一どういつことなる原子げんしはそれらが一致いっちしないとべ、原子げんしりょう概念がいねん提示ていじした。さらに物質ぶっしつおな原子げんしあつまりである単体たんたいことなる原子げんしあつまりである化合かごうぶつがあるとし、窒素ちっそ酸素さんそからなる5つの化合かごうぶつしめしてこれを証明しょうめいした[5]。この理論りろんは、内包ないほうした矛盾むじゅんてんジョセフ・ルイ・ゲイ=リュサックの「気体きたい反応はんのう法則ほうそく」やアメデオ・アヴォガドロの「アボガドロの法則ほうそく」などが修正しゅうせいし、ひろれられるようになった[5]

元素げんそ発見はっけん整理せいり

編集へんしゅう

古代こだいからられていた単体たんたい種類しゅるい貴金属ききんぞく炭素たんそなど11にぎなかったが、17世紀せいき以降いこうには実験じっけんつうじて様々さまざま単体たんたいられ、そのかずおうじて発見はっけんされた元素げんそ個数こすうえた。17世紀せいきにはリンなど3しゅ、18世紀せいきには水素すいそ酸素さんそからウランをふくむ13しゅ、19世紀せいきには56しゅ元素げんそつかった。20世紀せいきには自然しぜんかい存在そんざいする元素げんそのこり5種類しゅるいくわえ、人工じんこう放射ほうしゃせい元素げんそが15種類しゅるい合成ごうせいされた[29]

このような元素げんそ増加ぞうかともない、特性とくせいおうじた分類ぶんるい系統けいとうてがおこなわれた。ラヴォアジエは化合かごうぶつ性質せいしつから金属きんぞく元素げんそるい元素げんそ[注釈ちゅうしゃく 4]非金属ひきんぞく元素げんその3種類しゅるい区分くぶん提案ていあんした。さらに測定そくてい精度せいどたかまった原子げんしりょう重視じゅうししたならびから規則きそくせい周期しゅうきりつ)を見出みいだそうとするこころみも提案ていあんされた。そして、1869ねんドミトリ・メンデレーエフ提案ていあんした周期しゅうきひょう改良かいりょうかさねて原子げんし重視じゅうしした特長とくちょうならべられ、当時とうじ発見はっけん元素げんそ予言よげんするなど洗練せんれんされた系統けいとうひょうとしてひろみとめられるようになった[29]

元素げんそ正体しょうたい

編集へんしゅう
 
元素げんそ解明かいめい様々さまざま貢献こうけんたし、「原子げんし物理ぶつりがくちち」とばれるアーネスト・ラザフォード

19世紀せいきにはかく元素げんそ発見はっけん相次あいつぎ、それぞれの特徴とくちょう把握はあくされ蓄積ちくせきされたが、このような性質せいしつがどのような原理げんりしょうじるかはかっていなかった。そして、かく元素げんそ不変ふへんだとかんがえられていた。しかし19世紀せいきまつから20世紀せいき初頭しょとうにかけ、放射ほうしゃせい元素げんそ放射能ほうしゃのう発見はっけんされ、アルファ崩壊ほうかい確認かくにんされた。これによって、一部いちぶ元素げんそ原子げんしりょうひくくする方向ほうこう分裂ぶんれつすること判明はんめいした[31]

 
最新さいしん原子げんしろんえがヘリウム。この構造こうぞうについて詳細しょうさい原子げんし参照さんしょう

アルファ崩壊ほうかい発見はっけんなどで業績ぎょうせきのこしたアーネスト・ラザフォード原子核げんしかく発見はっけんし、1911ねんラザフォードの原子げんし模型もけい提唱ていしょうした。これにニールス・ボーア量子りょうし仮説かせつくわえてボーアの原子げんし模型もけい発表はっぴょうした。これによって基本きほんてき原子げんし構造こうぞう周期しゅうきりつしょうじる理由りゆうなどが説明せつめいされ、元素げんそ原子げんしという構造こうぞう物質ぶっしつとしてられるようになり[32]、その研究けんきゅう化学かがくから物理ぶつりがく素粒子そりゅうし物理ぶつりがく分野ぶんやへと発展はってんしていった。

1911ねん、ラザフォードは窒素ちっそアルファ線あるふぁせん放射ほうしゃして水素すいそイオンとそのとき検出けんしゅつされなかったが酸素さんそつくし、てい原子げんしりょう元素げんそ転換てんかんさせることに成功せいこうした。1920年代ねんだいからは様々さまざま元素げんそ人工じんこうてきえる実験じっけんおこなわれ、粒子りゅうし加速器かそくき発明はつめいされた。これらから、てい原子げんしりょう元素げんそ変換へんかんにはたかエネルギー必要ひつようになることが判明はんめいしてきた。1932ねんには以前いぜんから存在そんざい予測よそくされていた中性子ちゅうせいし発見はっけんされ、これをもちいた実験じっけんつうじて半減はんげんみじか基本きほんてき地球ちきゅうじょうには存在そんざいしない人工じんこう放射ほうしゃせい元素げんそちょうウラン元素げんそつくられるようになった。さらにこの実験じっけんつうじて1938ねんには核分裂かくぶんれつ発見はっけんされ、人類じんるい原子力げんしりょくエネルギーをにすることになった[31]

おも元素げんそ発見はっけん

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元素げんそ種類しゅるい

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凡例はんれい
金属きんぞく はん金属きんぞく 非金属ひきんぞく
アルカリ金属きんぞく アルカリるい金属きんぞく ランタノイド アクチノイド 遷移せんい金属きんぞく 普通ふつう金属きんぞく 原子げんし非金属ひきんぞく 反応はんのうせい非金属ひきんぞく ガス
水素すいそ ハロゲン

表記ひょうきほう

編集へんしゅう

元素げんそあらわすには元素げんそ記号きごう使つかわれ、これは原子げんし分子ぶんしあらわすためにももちいられる。たとえば、みず元素げんそ酸素さんそOと水素すいそHからつくられH₂Oと表記ひょうきされる。これら元素げんそ表示ひょうじ方法ほうほうラヴォアジエ命名めいめいほう提議ていぎした。元素げんそ記号きごうドルトンからはじまり、おおくの原子げんしりょう決定けっていにも貢献こうけんしたイェンス・ベルセリウス(1779ねん - 1844ねん)によって当時とうじラテン語らてんごめい頭文字かしらもじから大文字おおもじ随時ずいじ2文字もじ以降いこうから小文字こもじってわせる現行げんこう記法きほう提案ていあんされた[33]現在げんざいIUPACによってIUPACめい英名えいめい)と元素げんそ記号きごう管理かんりされている。

しん元素げんそ名称めいしょうおよ元素げんそ記号きごう暫定ざんていめい暫定ざんてい記号きごう

編集へんしゅう

しん元素げんそ名称めいしょうおよ元素げんそ記号きごうたいしては2002ねんにIUPACからの勧告かんこく[34][35]発見はっけんしゃ名前なまえ提案ていあんする権利けんりち、伝統でんとうまもるべく神話しんわ天体てんたい)や、鉱物こうぶつなど、地理ちりてき場所ばしょ元素げんそ性質せいしつ科学かがくしゃへのけんじめいいずれかによって命名めいめいされ、過去かこべつ元素げんそたいしてもちいられた名称めいしょう廃棄はいきめい)・元素げんそ記号きごうさい利用りようすべきでないとされる。金属きんぞく元素げんそは-iumで終了しゅうりょうすべきであるが、17周期しゅうき元素げんそは-ineで18周期しゅうき元素げんそは-onでそれぞれ終了しゅうりょうすべきである。一方いっぽう正式せいしきめい未定みていしん元素げんそたいしては暫定ざんていめい暫定ざんてい記号きごう命名めいめい規則きそくがIUPACによって1978ねんよりさだめられている(元素げんそ系統けいとうめい参照さんしょう[36][37]エキゾチック原子げんしたいする系統けいとうてき命名めいめいほう存在そんざいしないが、ミューオニウム (muonium、元素げんそ記号きごうMu)はIUPACで命名めいめいされており、化合かごうぶつ合成ごうせいされ命名めいめいされている[38]元素げんそ記号きごうゆうするエキゾチック原子げんしにはポジトロニウム (positronium、元素げんそ記号きごうPs)がある。

日本語にほんご表記ひょうき

編集へんしゅう
 
様々さまざま元素げんそ不正確ふせいかく日本語にほんご表記ひょうき

元素げんそめい日本語にほんご表記ひょうきについては『学術がくじゅつ用語ようごしゅう 化学かがくへん』にさだめられている。原則げんそくとしてIUPACめいを「化合かごうぶつめい日本語にほんご表記ひょうき原則げんそく」の「化合かごうぶつめいやく標準ひょうじゅんひょう」の規則きそくしたがいアルファベットのつづ機械きかいてきにカタカナとえて日本語にほんごする(わけ)。それかならずしも発音はつおん忠実ちゅうじつなカタカナ表記ひょうきにはならない。また、学術がくじゅつ用語ようごしゅう初版しょはん制定せいていにすでに日本語にほんごしているものと、すでに英語えいご以外いがい言語げんごもとわけされた用語ようごはそのまま固定こていするようにさだめたので、英語えいご以外いがい言語げんご語源ごげんとする日本語にほんご表記ひょうき存在そんざいする。つぎしめす。なお、日本語にほんご表記ひょうきされている元素げんそなかにはフッ素ふっそ弗素ふっそ)などのように漢字かんじ表記ひょうきはあるものの、使用しようしている漢字かんじ当用漢字とうようかんじ現在げんざい常用漢字じょうようかんじ)にふくまれていなかったために学術がくじゅつ用語ようごじょうではカタカナ表記ひょうきにしているものもある。

表記ひょうきれい

編集へんしゅう
日本語にほんご表記ひょうき 元素げんそ記号きごう 英語えいご(IUPACめい ドイツ ラテン語らてんご 中国ちゅうごく
水素すいそ H Hydrogen Wasserstoff Hydrogenium
ヘリウム He Helium Helium Helium
リチウム Li Lithium Lithium Lithium
ベリリウム Be Beryllium Beryllium Beryllium
ホウ素ほうそ B Boron Bor Borium
炭素たんそ C Carbon Kohlenstoff Carbonium
窒素ちっそ N Nitrogen Stickstoff Nitrogenium
酸素さんそ O Oxygen Sauerstoff Oxygenium
フッ素ふっそ F Fluorine Fluor Fluorum
ナトリウム Na Sodium Natrium Natrium
アルミニウム Al Aluminium Aluminium Aluminium
ケイ素けいそ Si Silicon Silicium Silicium
リン P Phosphorus Phosphor Phosphorus
硫黄いおう S Sulfur Schwefel Sulphur
塩素えんそ Cl Chlorine Chlor Chlorum
カリウム K Potassium Kalium Kalium
チタン Ti Titanium Titan Titanium
クロム Cr Chromium Chrom Chromium
マンガン Mn Manganese Mangan Manganum
てつ Fe Iron Eisen Ferrum てつ
どう Cu Copper Kupfer Cuprum どう
亜鉛あえん Zn Zinc Zink Zincum
ヒ素ひそ As Arsenic Arsen Arsenicum
セレン Se Selenium Selen Selenium
臭素しゅうそ Br Bromine Brom Bromum
ニオブ Nb Niobium Niob Niobium
モリブデン Mo Molybdenum Molybdän Molybdenum
ぎん Ag Silver Silber Argentum ぎん
スズ Sn Tin Zinn Stannum すず
アンチモン Sb Antimony Antimon Stibium
テルル Te Tellurium Tellur Tellurium
ヨウもと I Iodine Iod Iodum
ランタン La Lanthanum Lanthan Lanthanum
プラセオジム Pr Praseodymium Praseodym Praseodymium
ネオジム Nd Neodymium Neodym Neodymium
タンタル Ta Tantalum Tantal Tantalum
白金はっきん Pt Platinum Platin Platinum
きむ Au Gold Gold Aurum きむ
水銀すいぎん Hg Mercury Quecksilber Hydrargentum
なまり Pb Lead Blei Plumbum なまり
ウラン U Uranium Uran Uranium

参考さんこう画像がぞう

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元素げんそ誕生たんじょう

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ガモフの理論りろんとホイルの理論りろん

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20世紀せいき前半ぜんはん、「宇宙うちゅうにははじまりがなく、宇宙うちゅうおおきさは無限むげんだ」とほとんどの科学かがくしゃによってしんじられていたときに、ジョルジュ・ルメートルが、「宇宙うちゅう原始げんしてき原子げんし(primeval atom)の“爆発ばくはつ”ではじまった」とするモデルを提唱ていしょうした。ジョージ・ガモフがその理論りろん発展はってんさせるが(ビッグバン理論りろん[39]、この理論りろん提唱ていしょうされた当初とうしょ、この理論りろんはほとんどだれからもしんじられなかった[39]。1950年代ねんだいでも支持しじしゃすくなく、フレッド・ホイルからもはげしい反論はんろんがされ議論ぎろんきたが、どちらの理論りろんただしいか判定はんていしようにも、天文てんもん観測かんそく世界せかい最先端さいせんたん施設しせつであり理論りろんえる役割やくわりたしていたウィルソンやま天文台てんもんだいですら、判定はんてい必要ひつよう観測かんそくデータは1920〜1930年代ねんだいあつめられた精度せいどひくいものしかっておらず[39]本当ほんとうのところ一体いったいどちらの理論りろんぶんがあるのか、観測かんそくデータにもとづいて判定はんていできるような状態じょうたいではなかった。将来しょうらい観測かんそくおこなうことでられるであろう、より精度せいどたかいデータにこの議論ぎろん行方ゆくえがかかっているような状況じょうきょうだった[39]

ところで、どう理論りろんでジョージ・ガモフは、初期しょき宇宙うちゅうすべてが圧縮あっしゅくされ高密度こうみつどだったうえに、ちょうこう温度おんどだったとし、宇宙うちゅう膨張ぼうちょうはじまりを一種いっしゅねつかくばくだんたまだととらえ、創造そうぞう材料ざいりょう爆発ばくはつ連鎖れんさてききるかく反応はんのうによって、現在げんざい宇宙うちゅうられる様々さまざま元素げんそ転移てんいしたのだ、と説明せつめいした[39](これらの材料ざいりょうのことをガモフは「アイレム英語えいごばん」とび、それらは陽子ようし中性子ちゅうせいし電子でんしガンマ線がんません高密度こうみつどガスなどだ、とした[39])。従来じゅうらいどおりの定常ていじょう宇宙うちゅうろん支持しじするフレッド・ホイルのほうは、ライバル理論りろんであるビッグバン・モデルときそうためには、自分じぶん理論りろんのほうも炭素たんそ酸素さんそきむてつ窒素ちっそ・ウラン・なまりなどの元素げんそ存在そんざいするにいたった起源きげん説明せつめいしなければならない、ということを意識いしきするようになり、ビッグバンがくても元素げんそそうされたと説明せつめいすることができることをしめそうと、「ほし天体てんたい)ではありとあらゆる核種かくしゅ変換へんかんこっている」とするかんがかた提唱ていしょうした[39]。ホイルはこのかんがかた支持しじする証拠しょうこるために1953ねんにカリフォルニア工科こうか大学だいがくケロッグ放射線ほうしゃせん研究所けんきゅうじょ(Kellogg Radiation Lab[40])におもむいて、所長しょちょうのウィリー・ファウラーの協力きょうりょくで、あわばこもちいて3のヘリウム原子核げんしかく衝突しょうとつによる実験じっけん成功せいこうさせたのであった[39]

だが、1965ねん宇宙うちゅうマイクロ背景はいけい放射ほうしゃ発見はっけんされ、その解釈かいしゃく説明せつめいのための議論ぎろん科学かがくしゃらのあいだすすめられるようになると、徐々じょじょにビッグバン理論りろんのほうを支持しじする科学かがくしゃ割合わりあいえてゆくことになり、定常ていじょう宇宙うちゅうろんのほうは徐々じょじょ支持しじうしなってゆくことになった(その様々さまざま観測かんそくデータがされるたびに、ビッグバン理論りろんのほうはますます支持しじしゃやし、ほとんどの科学かがくしゃから支持しじされるようになった)。

ビッグバンにおける元素げんそ生成せいせい

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ビッグバン理論りろんでは、すべての根元ねもと物質ぶっしつはビッグバン開始かいしからやく10分間ふんかん創造そうぞうされた、とされる。

現在げんざい、ほとんどの科学かがくしゃから支持しじされているとってもいい)ビッグバン理論りろんでは、宇宙うちゅう開闢かいびゃくでは非常ひじょうたかいエネルギーの解放かいほうこり、ビッグバンとばれるだい爆発ばくはつとともに急速きゅうそく膨張ぼうちょうこしながら温度おんどげ、エネルギーが転移てんいしてすべての物質ぶっしつまれた、というのである[41]

近年きんねん物理ぶつり学者がくしゃ説明せつめいによると、ビッグバン発生はっせい直後ちょくごこうエネルギーのみで宇宙うちゅうたされていたが、1びょう経過けいかには温度おんどが1000おく程度ていどまでがり、陽子ようし中性子ちゅうせいし生成せいせいされ、この時点じてんでは電子でんしやニュートリノと反応はんのうこして陽子ようし中性子ちゅうせいし双方向そうほうこう変化へんかしつつ平衡へいこう状態じょうたいにあったとされる。しかしこの環境かんきょうでは、陽子ようし電子でんし反応はんのうするにはエネルギーをようするのにたいし、中性子ちゅうせいし電子でんしはん電子でんしニュートリノを放出ほうしゅつして容易ようい陽子ようしへと変化へんかした[42]。そのため、膨張ぼうちょうによる温度おんど低下ていかとともに相対そうたいてき陽子ようしかずおおくなってゆく[41]

100びょうほど温度おんどが100おく前後ぜんこうまでがると、陽子ようし中性子ちゅうせいしむすびつきはじめ、重水素じゅうすいそ原子核げんしかく生成せいせいされはじめ、さらに質量しつりょうすう4のヘリウム4Heへ原子核げんしかく反応はんのうこす。ヘリウム原子核げんしかく構成こうせいすると中性子ちゅうせいし安定あんてい崩壊ほうかいこらなくなる。この合成ごうせい進行しんこうしたころ陽子ようし中性子ちゅうせいし個数こすうは7たい1であったため陽子ようし大量たいりょうのこり、これが水素すいそとなった。宇宙うちゅうがさらにえて電子でんし元素げんそとなったさい、この陽子ようし中性子ちゅうせいしから、水素すいそとヘリウムの個数こすうはほぼ12たい1となった。これらビッグバンにおける元素げんそ生成せいせいやく10分間ふんかん終了しゅうりょうしたとわれる[41]

ただし、ビッグバンで生成せいせいされた元素げんそには、微量びりょうのリチウムも存在そんざいしたとかんがえられる。こうエネルギー元素げんそ生成せいせいされるさい若干じゃっかんながらさん重水素じゅうすいそ3Hやヘリウム3 3Heがしょうじ、これが4Heとかく融合ゆうごうすることがあり、これが質量しつりょうすう7のリチウムの同位どういたいとなった可能かのうせい指摘してきされた。宇宙うちゅう誕生たんじょう直後ちょくごまれた非常ひじょうふるだいいち世代せだいほし観測かんそくすると、恒星こうせいないでのかく融合ゆうごう外部がいぶからの元素げんそみがいためじゅう元素げんそはほとんど観測かんそくされないが、有意ゆういなリチウムの含有がんゆう確認かくにんされたれいがあり、これはビッグバンで生成せいせいされた元素げんそだとかんがえられている。ただし、理論りろん観測かんそくではそのりょうがあり、ビッグバン理論りろんには修正しゅうせいもとめられる可能かのうせいがある[41]

恒星こうせいないでのかく融合ゆうごう

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陽子ようし-陽子ようし連鎖れんさ反応はんのうしき合計ごうけい4つの陽子ようしあかだま-Proton)が3段階だんかい衝突しょうとつかえし、陽子ようし2と中性子ちゅうせいしくろだま-Neutron)2によるヘリウム原子核げんしかくとなる。その過程かていで2電子でんし白玉しらたま-Positron)とかく2ニュートリノνにゅー-Neutrino)とガンマ線がんませんγがんま-Gamma Ray)をはっする。

ほとんどが水素すいそかヘリウムであったビッグバンで生成せいせいされた元素げんそは、そのままでは宇宙うちゅうなかってしまっていたが、やがて密度みつどたか領域りょういきあつまり、高温こうおんだかあつとなった部分ぶぶんだいいち世代せだい恒星こうせいとなりかく融合ゆうごう反応はんのうはじまった。最初さいしょ恒星こうせいは、ビッグバンから2おくねんまれたとかんがえられている[43]恒星こうせいなかでは陽子ようし-陽子ようし連鎖れんさ反応はんのうによって水素すいそ陽子ようし)がヘリウムへかく融合ゆうごうこし、これによってしょうじるエネルギーでかがやほししゅ系列けいれつぼしという[44]。なお、恒星こうせいない炭素たんそ窒素ちっそ酸素さんそ媒介ばいかい陽子ようしがヘリウムへ変化へんかするCNOサイクルもエネルギー発生はっせいのメカニズムであるが、この反応はんのうでは炭素たんそなどの元素げんそ基本きほんてき増加ぞうかしない[43]

恒星こうせい水素すいそ消費しょうひしながらエネルギーをしょうじるが、それがすすむと中心ちゅうしんかくにはヘリウムがまり、水素すいそかく融合ゆうごう反応はんのうかく周辺しゅうへんおこなわれるようになる。そしてある程度ていどのヘリウムが蓄積ちくせきされ温度おんどが1おくたっすると中心ちゅうしんかくでヘリウム3かく融合ゆうごう[44]であるトリプルアルファ反応はんのうこり、炭素たんそ生成せいせいされる(ヘリウム燃焼ねんしょう過程かてい[44])。比較的ひかくてきかるほしでは膨張ぼうちょう赤色あかいろ巨星きょせいとなり、やがてほしあいだガスとして元素げんそ放出ほうしゅつしながら白色はくしょく矮星となる[43]

質量しつりょう太陽たいようの3ばい程度ていどまでの恒星こうせいでは、かく融合ゆうごう反応はんのう生成せいせいされる元素げんそ炭素たんそまりだが、よりおおきなほしではかくまった炭素たんそ酸素さんそ使つか反応はんのう炭素たんそ燃焼ねんしょう過程かてい酸素さんそ燃焼ねんしょう過程かてい)へすす[44]、ネオンやケイ素けいそとう最終さいしゅうてきてつまでが生成せいせいされる。安定あんていしたてつ原子核げんしかく電気でんき反発はんぱつりょくつよ[45]かく融合ゆうごうこさないため、恒星こうせい中心ちゅうしんではエネルギー発生はっせいまる。この段階だんかい恒星こうせいてつ中心ちゅうしん外側そとがわ段々だんだんかる元素げんそ多層たそうし、たまねぎのような構造こうぞうとなる。これが超新星ちょうしんせい爆発ばくはつ放出ほうしゅつされる[43]

中性子ちゅうせいし捕獲ほかくによる元素げんそ合成ごうせい

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キセノン起点きてんにした中性子ちゅうせいし捕獲ほかくs過程かていおよr過程かてい)のれい

恒星こうせいないかく融合ゆうごう反応はんのうでは、てつよりおも元素げんそはほとんど生成せいせいされず、ごくわずかしょうじてもすぐに分解ぶんかいしてしまう。これらは、原子核げんしかく電気でんき反発はんぱつりょくしょうじない中性子ちゅうせいし獲得かくとくするというまったべつ方法ほうほうしょうじるが、そのような反応はんのう可能かのうとなる場所ばしょかぎられる。ひとつは、すでてつなどのおも元素げんそふくだい世代せだい恒星こうせいないであり、もうひとつは超新星ちょうしんせい爆発ばくはつ瞬間しゅんかんである[45]

太陽たいようよりややおも程度ていど恒星こうせいちゅう質量しつりょうぼし)では、中心ちゅうしんかく融合ゆうごう生成せいせいされる元素げんそ炭素たんそまでにまる。このようなほし晩年ばんねんには、メカニズムははっきりかっていないがしの中性子ちゅうせいししょうじ、だい世代せだいぼし元々もともとふくんでいたじゅう元素げんそがこれを捕獲ほかくする。すると、おな陽子ようしかずながら中性子ちゅうせいしすうおお同位どういたいとなる。これが不安定ふあんてい同位どういたいとなると、中性子ちゅうせいしベータ崩壊ほうかいこして陽子ようし変化へんかし、原子げんし番号ばんごうがひとつおお元素げんそ変化へんかする。この反応はんのうかえされ、てつよりもおも元素げんそ生成せいせいされる。ちゅう質量しつりょうぼし内部ないぶでは比較的ひかくてき中性子ちゅうせいしかずすくなく、捕獲ほかくとベータ崩壊ほうかい順次じゅんじかえされる。これは「おそ過程かていs過程かてい」(s-プロセス、sはslowのりゃく)とばれる[45]。この過程かていにおいて、中性子ちゅうせいし捕獲ほかくすうまんねんからすうじゅうまんねん1個いっこであり、ビスマスまでのじゅう元素げんそ生成せいせいするとかんがえられる[44]

おそ過程かてい」にたいし、中性子ちゅうせいしすうおおくベータ崩壊ほうかい機会きかいあたえない環境かんきょうが、超新星ちょうしんせい爆発ばくはつである。太陽たいようの10ばい以上いじょう質量しつりょう恒星こうせいでは、その末期まっきになると中心ちゅうしん中性子ちゅうせいしのかたまりが形成けいせいされ、やがて重力じゅうりょく崩壊ほうかいによるだい規模きぼ爆発ばくはつこして終焉しゅうえんむかえる。このIIがた分類ぶんるいされる超新星ちょうしんせい爆発ばくはつさい中性子ちゅうせいし発生はっせいし、恒星こうせいない元素げんそ中性子ちゅうせいし捕獲ほかくこす。しかもこれはすう秒間びょうかんというみじか時間じかん大量たいりょう中性子ちゅうせいし供給きょうきゅうし、不安定ふあんてい同位どういたいにベータ崩壊ほうかいこすひまあたえず、質量しつりょうすうをどんどんやす合成ごうせいおこなう。そのため、こう質量しつりょうすうとなった同位どういたい宇宙うちゅう空間くうかん放出ほうしゅつされたのちに、崩壊ほうかいすると原子げんし番号ばんごうたか元素げんそ変換へんかんされる。これは「はや過程かていr過程かてい」(r-プロセス、rはrapidのりゃく)とばれる[45]。この過程かていでは、観測かんそくからウランよりおもいカリホルニウムの生成せいせい確認かくにんされている[44]。しかしこのメカニズムも不明ふめいてんおお[45]

その元素げんそ合成ごうせい

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過程かてい詳細しょうさい判明はんめいしていないが、ほかにも元素げんそ合成ごうせいこす宇宙うちゅう現象げんしょうがある。質量しつりょう太陽たいよう程度ていど恒星こうせい中性子星ちゅうせいしせいれんぼしになっている場合ばあい、その質量しつりょう太陽たいようやく1.4ばいになるとIaがた超新星ちょうしんせい爆発ばくはつこし、おも元素げんそ生成せいせいされる可能かのうせい指摘してきされている[46]

また、中性子星ちゅうせいしせい同士どうし衝突しょうとつしたさいにも元素げんそ合成ごうせいしょうじるとの指摘してきもある。恒星こうせい舞台ぶたい元素げんそ合成ごうせいする理論りろんだけでは説明せつめいできなかった地球ちきゅうじょう存在そんざいするかね白金はっきんなどのりょうについて、イギリスのレスター大学だいがくとスイスのバーゼル大学だいがく協同きょうどうチームはスーパーコンピュータもちいて試算しさんし、中性子星ちゅうせいしせい同士どうし衝突しょうとつすることで生成せいせい放出ほうしゅつされるせつ発表はっぴょうした[47]

元素げんそ分布ぶんぷ存在そんざい

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元素げんそ分布ぶんぷにはかたよりがあり、その存在そんざい範囲はんいによっておおきくことなる。この比率ひりつ構成こうせい元素げんそ構成こうせいばれる。

 
スース・ユーリー図表ずひょう

宇宙うちゅうでの存在そんざい

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宇宙うちゅう元素げんそ構成こうせいは、宇宙うちゅうろんにより推定すいていされ、隕石いんせき分析ぶんせきほしひかりフラウンホーファーせん解析かいせきおよび宇宙うちゅうせん調査ちょうさなど天文学てんもんがくてき観測かんそくにより裏付うらづけられる。ただし宇宙うちゅうおおきさが確定かくていしていない現在げんざいでは、かく元素げんそ絶対ぜったいりょう決定けっていできず、存在そんざいのみが推計すいけいされている。これは1956ねんにスース・ユーリー図表ずひょうとして発表はっぴょうされ、1968ねんにデータの更新こうしんけている。これによると、ビッグバンで生成せいせいされた水素すいそいでヘリウムの存在そんざいおおく、それにくらべてリチウム、ベリリウム、ホウ素ほうそ比率ひりつ極端きょくたんひくい。炭素たんそ以下いかはほぼ原子げんし番号ばんごう増加ぞうかとともに比率ひりつがってゆく傾向けいこうつが、特徴とくちょうてき部分ぶぶん原子げんし番号ばんごう偶数ぐうすう元素げんそとな奇数きすう元素げんそよりも存在そんざいおおいところにある[48]

また中性子ちゅうせいし捕獲ほかくによる元素げんそ合成ごうせいでは、原子核げんしかく存在そんざいするかずによって安定あんていする中性子ちゅうせいし魔法まほうすう影響えいきょうおよぼす。これは中性子ちゅうせいしすうが50, 82, 126とうになると、さらに中性子ちゅうせいし捕獲ほかくして原子げんしりょうたかめる反応はんのうにぶくなるもので、結果けっかてきにこれらの中性子ちゅうせいしすうつストロンチウム(陽子ようこ中性子ちゅうせいし=38:50)、バリウム(56:82)、なまり(82:126)元素げんそ比較的ひかくてきおおくなる[45]

地球ちきゅうでの分布ぶんぷ存在そんざい

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地球ちきゅう全体ぜんたい元素げんそ構成こうせいは、コアやマントルを直接ちょくせつ調査ちょうさできないため、隕石いんせき(コアとしての隕鉄、マントルとしてのアコンドライト)の分析ぶんせき地震じしんから各層かくそう弾性だんせいりつ密度みつどひとし解析かいせきわせて推計すいけいされる。これによると存在そんざい酸素さんそもっとおおく、宇宙うちゅうおお水素すいそやヘリウムの比率ひりつひくい。金属きんぞくるいおおく、ケイ素けいそ、マグネシウム、てつなどが上位じょういめる[49]。なお、硫黄いおう硫化りゅうかてつじょう広範囲こうはんい分散ぶんさんしているため、存在そんざいがはっきりかっていない[49]

地殻ちかく構成こうせいするしゅたる元素げんそは、古典こてんてき研究けんきゅう成果せいかとして質量しつりょうしめされるクラークすうひろられている。酸化さんかぶつとして地殻ちかくに、みずとして水圏すいけんに、そしてガスとして大気圏たいきけん存在そんざいする酸素さんそぜんたま存在そんざいおなじくもっとおおい。ちがいはマグネシウムやニッケルがすくなく、水素すいそやナトリウムおよびアルミニウムがおおてんがある[49]

人体じんたいでの存在そんざい

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人間にんげんからだ構成こうせいする元素げんそは、みずをつくる水素すいそ酸素さんそ圧倒的あっとうてきおおい。その存在そんざい海水かいすいとの相関そうかんせい指摘してきされている[50]。ただし、唯一ゆいいつ例外れいがいリンであり、また人体じんたい微量びりょうながら酵素こうそ活性かっせい必要ひつよう微量びりょう元素げんそ使つかわれている[50]

元素げんそ鉱物こうぶつ

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鉱物こうぶつがくにおいて、単一たんいつ元素げんそあるいは合金ごうきんからなる鉱物こうぶつのことを元素げんそ鉱物こうぶつ(げんそこうぶつ、えい: native element mineral)という[51]元素げんそ鉱物こうぶつ金属きんぞくどう白金はっきんてつきむぎん)、半金はんきんぞく砒素ひそ)、非金属ひきんぞく硫黄いおう炭素たんそ)の3グループにけられる。単体たんたいのものは元素げんそめい区別くべつするため、「自然しぜん」(native)をけて「自然しぜんきん」(native gold)、「自然しぜん蒼鉛そうえん」(native bismuth)などとばれる[52]

脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ たとえば、「図解ずかい入門にゅうもん よくわかる最新さいしん元素げんそ基本きほん仕組しくみ」。「よん元素げんそろん」をアリストテレス帰着きちゃくさせ、アリストテレスを批判ひはんしている。
  2. ^ 科学かがくしゃ」という用語ようご造語ぞうごされ、概念がいねんもちいられるようになったのはあくまで1833ねんのことである。
  3. ^ ただしボイルの定義ていぎは、元素げんそ単体たんたい区分くぶん不明瞭ふめいりょうであった[28]
  4. ^ 酸化さんかぶつしかつくらない元素げんそのこと[30]

出典しゅってん

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参考さんこう文献ぶんけん

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  • 斉藤さいとう一夫かずお元素げんそはなし』(初版しょはんだい12さつ培風館ばいふうかん、1996ねん原著げんちょ1982ねん)。ISBN 4-563-02014-1 
  • 編集へんしゅうちょう水谷みずたにひとしニュートン別冊べっさつ周期しゅうきひょうだい2はんニュートンプレス、2010ねんISBN 978-4-315-51876-4 
  • 山口やまぐち義久よしひさインドとギリシアの古代こだい原子げんしろん」 : 比較ひかく思想しそう基本きほんてき問題もんだい」『人文じんぶんがく論集ろんしゅうだい14かん大阪府立大学おおさかふりつだいがく人文じんぶん学会がっかい、1996ねん、99-117ぺーじISSN 0289-61922020ねん3がつ26にち閲覧えつらん 

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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