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隕石 - Wikipedia

隕石いんせき

惑星わくせいあいだ空間くうかん存在そんざいする固体こたい物質ぶっしつ地球ちきゅうなどの惑星わくせい表面ひょうめん落下らっかしてきたもの

隕石いんせき(いんせき、meteorite)とは、惑星わくせいあいだ空間くうかん存在そんざいする固体こたい物質ぶっしつ地球ちきゅうなどの惑星わくせい表面ひょうめん落下らっかしてきた物体ぶったいのこと[1][2]

隕石いんせきさがしでつかった隕石いんせき(2006ねんモハーヴェ砂漠さばく)。

「隕」が常用漢字じょうようかんじふくまれていないため、「いんせき」とまぜきされることもある。むかしは「てん隕石いんせき」「てんくだいし」あるいは「ほしせき」などとかれたこともある[1]

概説がいせつ

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惑星わくせいあいだ空間くうかん存在そんざいする固体こたい物質ぶっしつ地球ちきゅうあるいは惑星わくせい表面ひょうめん落下らっかしてきたさい大気たいき通過つうかちゅう高熱こうねつ気化きかせずにのこったものが隕石いんせきである[1]

1985ねんまでに発見はっけんされた2700隕石いんせきちゅう落下らっかするところが目撃もくげきされたのはおよそ45%である[2]南極なんきょくでは日本にっぽんをはじめとする各国かっこく南極なんきょく観測かんそくたいが1985ねんまででも7500隕石いんせき回収かいしゅうした[2]隕石いんせきカタログ(Catalogue of Meteorites 2000年版ねんばん)には2まん2507南極なんきょく隕石いんせき1まん7808ふくむ)が掲載けいさいされている。このうち2まん1514(95.6%)がいししつ隕石いんせき、865(3.8%)がてつ隕石いんせき、116(0.5%)がいしてつ隕石いんせきである[3]

放射ほうしゃせい同位どういたいもちいた測定そくていによって、隕石いんせきおおくはおよそ45おくねんほどまえにできたもので、太陽系たいようけい初期しょき原始げんし惑星わくせい形成けいせいされた当時とうじ始原しげんてき物質ぶっしつであろうと推定すいていされている[2]。また、隕石いんせき起源きげん天体てんたい流星りゅうせい物質ぶっしつ起源きげん天体てんたいかならずしも同種どうしゅではない[4]

おおきさ

 
いまのところ発見はっけんされたなか最大さいだいとされるホバ隕石いんせき
 
アメリカ自然しぜん博物館はくぶつかん展示てんじされたウィラメッテ隕石いんせき

地表ちひょう到達とうたつするまでに小片しょうへんになることもあれば、おおきなかたまりのまま到達とうたつすることもある。

大気たいきとの衝突しょうとつによって多数たすう破片はへんになり、楕円だえんがた飛散ひさん地域ちいき英語えいごばん長径ちょうけいすうキロメートルからすうじゅうキロメートル)に、すうじゅうからすうひゃく程度ていど、まれにはすうまん程度ていど微小びしょう物質ぶっしつとなって落下らっかする(「隕石いんせき」とばれる)[1]。この場合ばあいすうひゃくグラムからすうキログラム程度ていどのものがおお[1]

おおきなかたまりのままちてくることもあり、きたアメリカのバリンジャー隕石いんせきあな直径ちょっけい1.2キロメートル)をつくった隕石いんせきすうまんトン からすうじゅうまんトンの質量しつりょうだったと推定すいていされている[1]隕石いんせきそのものが発見はっけんされたなか最大さいだいなのは(1988ねんの『世界せかいだい百科ひゃっか事典じてん出版しゅっぱん当時とうじで)ナミビアホバ隕石いんせきで、おもさ66トン、はばやく3メートルである[1]

隕石いんせき」を意味いみする英語えいご "meteorite"(メテオライト)の語源ごげんは、ギリシアで「そらあらわれるもの」を意味いみする "μετέωρον"( "meteoron"、メテオロン)で、これは「空中くうちゅうたかく」を意味いみする "μετέωρος"( "meteoros"、メテオロス)の形容詞けいようし由来ゆらいする。

漢字かんじの『隕』は「天空てんくうからちる」という意味いみがあり、日本にっぽんでこの漢字かんじを "meteor" の訳語やくご使つかったのは宮里みやさとただしせい明治めいじ8ねん1875ねん)の「隕星せき」が最初さいしょかんがえられている[よう出典しゅってん]。その明治めいじ20年代ねんだいには「隕石いんせき」あるいは「だい隕石いんせき」のかたりもちいられている(ただし、「隕石いんせき」という単語たんご自体じたい中国ちゅうごく歴史れきししょである「漢書かんしょ」ですで使用しようされており、まきはちじゅうたにひさしもり鄴傳だいじゅうに「鄴未はいやまいそつ。鄴言みんなまり言行げんこう籌,及谷ながげん王者おうじゃかいわたし彗星すいせい隕石いんせきおすうらないざいぎょうこころざし。」とある[5])。

落下らっか様子ようす

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落下らっかときには巨大きょだいだま出現しゅつげんし、よるあいだそら真昼まひるのようにあかるくなることもある[1]衝撃波しょうげきはによる爆音ばくおんひび範囲はんいすうじゅうキロメートル四方しほうえることもおお[1]

伝承でんしょう

さまざまな地域ちいき隕石いんせきのことをかたったとおもわれる伝承でんしょう記録きろく数多かずおおのこされている[1]

旧約きゅうやく聖書せいしょの『ヨシュア』にはつぎのような記述きじゅつがある[1][6]

あるじてんからかれらのうえおおきないしらし、アゼカ英語えいごばんいたるまでそうしたものだから、たれてんだものかずはイスラエルの人々ひとびとけんころしたものかずよりもおおかった。 — 『ヨシュア』10しょう11せつ

ぞく日本にっぽん』の天平てんぴょうたから8ねん764ねん)9がつ18にちじょう記録きろくとして「よるゆうぼし、落于押勝うえ」という記述きじゅつがある[1]。このほかたからひさし3ねん772ねん)6がつ19にちじょうには、「きょうない隕石いんせきおおきさは柚子ゆずくらいあり、数日すうじつでやんだ」とある。

落下らっか伝承でんしょう隕石いんせき自体じたい現存げんそんするなか最古さいこのものは、861ねん福岡ふくおかけん直方のうがた落下らっかした直方のうがた隕石いんせきである[1]。ただし直方ちょくほう隕石いんせき実際じっさい落下らっかしたのは1749ねんとするせつ存在そんざいする。

分類ぶんるい

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金属きんぞくてつ (Fe) とケイ酸けいさんしお鉱物こうぶつ比率ひりつおおきく3つに分類ぶんるいされる。

てつ隕石いんせき(隕鉄)

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てつ隕石いんせき

てつ隕石いんせき (iron meteorite) は、おも金属きんぞくてつ(Fe-Ni合金ごうきん)から隕石いんせきである。分化ぶんかした天体てんたい金属きんぞくかく由来ゆらいする。

ニッケル含有がんゆう構造こうぞうから、ヘキサヘドライト (hexahedrite) 、オクタヘドライト (octahedrite) 、アタキサイト (ataxite) におおきくけられる。

オクタヘドライトには、すうひゃくまんねん時間じかんスケールでの冷却れいきゃくによってしょうじるウィドマンシュテッテン構造こうぞう特徴とくちょうてき模様もようとしてあらわれる。これはFe-Ni合金ごうきんせいはち面体めんていかた結晶けっしょう構造こうぞう出現しゅつげんしたものでオクタヘドライトばれるものの特長とくちょうである。平均へいきんして8.59%程度ていどニッケル、0.63%程度ていどコバルト[7]かずppmきむ白金はっきんイリジウムなどの貴金属ききんぞくふくまれる。また少量しょうりょうリンおよび炭素たんそなどの非金属ひきんぞく元素げんそふくまれる。 地域ちいきによっては、農具のうぐなどに利用りようされていた。日本にっぽんがたな原料げんりょう材料ざいりょう)として使つかわれたこともある。

いしてつ隕石いんせき

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いしてつ隕石いんせき

いしてつ隕石いんせき (stony-iron meteorite) は、ほぼ等量とうりょうのFe-Ni合金ごうきんケイ酸けいさんしお鉱物こうぶつから隕石いんせきである。分化ぶんかした天体てんたいマントル由来ゆらいする。パラサイト (pallasite) とメソシデライト (mesosiderite) に分類ぶんるいされる。

固体こたい惑星わくせい組成そせいしょう天体てんたいのうち、おおむ直径ちょっけい100キロメートル以上いじょうのものは内部ないぶ融解ゆうかいるとかんがえられている。しょう天体てんたい内部ないぶ融解ゆうかいしょうじれば、重力じゅうりょくによって成分せいぶん分離ぶんりこり、密度みつどおおきい金属きんぞく中心ちゅうしんあつまってかくとなり、これをより密度みつどちいさい岩石がんせきしつ物質ぶっしつつつんでマントルとなる。このようなしょう天体てんたいが、相互そうご衝突しょうとつなどによるなんらかの外力がいりょくけて破壊はかいされたものが、隕石いんせきとして地表ちひょう落下らっかしてくる天体てんたい小片しょうへんであるとかんがえられる。中心ちゅうしんかくてつ隕石いんせきであり、マントルいししつ隕石いんせきである。しょう天体てんたい中心ちゅうしんかくとマントルは明瞭めいりょう境界きょうかいがあるのではなく、境界きょうかい領域りょういきでは金属きんぞくてつ岩石がんせき混在こんざいする。これがいしてつ隕石いんせき起源きげん物質ぶっしつであるとかんがえられている。

トロイライトばれるにぶ金属きんぞく光沢こうたく硫化りゅうかてつ鉱物こうぶつともなうことがおおい。

いししつ隕石いんせき

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いししつ隕石いんせき (stone meteorite) は、おもケイ酸けいさんしお鉱物こうぶつから隕石いんせきである。たま粒状りゅうじょう構造こうぞうコンドルール (chondrule) があるコンドライト (chondrite) と、ないエイコンドライト (achondrite) におおきくけられる。

コンドライトは分化ぶんか天体てんたい、エイコンドライトは分化ぶんかした天体てんたい地殻ちかくマントル由来ゆらいする。つき隕石いんせき火星かせい隕石いんせきなどはエイコンドライトにふくまれる。

有史ゆうし以降いこうおも被害ひがい

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2013ねんチェリャビンスクしゅう隕石いんせき落下らっかではだま目撃もくげきされ、衝撃波しょうげきは多数たすうひと負傷ふしょうした。写真しゃしんだま空中くうちゅうのこしたあと

日本にっぽん保有ほゆうする隕石いんせき

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日本にっぽん落下らっかした隕石いんせき薩摩さつま隕石いんせき白萩しらはぎ隕鉄、曽根そね隕石いんせき米納津よのうづ隕石いんせき気仙けせん隕石いんせき田上たうえ隕鉄国分寺こくぶんじ隕石いんせき美保関みほのせき隕石いんせきなど。国立こくりつ科学かがく博物館はくぶつかん展示てんじ
 
中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこく落下らっかしたみなみ隕石いんせきなか最大さいだい破片はへん。1710kg。国立こくりつ科学かがく博物館はくぶつかん展示てんじ[11]

くに全体ぜんたい面積めんせきちいさい日本にっぽんでは、落下らっかする隕石いんせきかずはそれほどおおくないものの、人口じんこう密度みつどたかさゆえ、隕石いんせき落下らっかともなだま目撃もくげき落下らっかした隕石いんせき回収かいしゅうりつたか[10]隕石いんせき認定にんていされたものは50ほどである。最古さいこのものは、861ねん5月19にちさだかん3ねん4がつ7にち)に福岡ふくおかけん直方のうがた落下らっかし、須賀すか神社じんじゃ保存ほぞんされている直方のうがた隕石いんせき (472グラム) である。これは落下らっか記録きろくのこるものとしては現存げんそん最古さいこである[10]従来じゅうらい1492ねん11月7にちアルザスエンシスハイム英語えいごばん落下らっかしたエンシスハイム隕石いんせき (127キログラム) だった[12]。ただし直方ちょくほう隕石いんせき実際じっさい落下らっかしたのは1749ねん7がつ13にち寛延かんえい2ねん5月29にち)とするせつ存在そんざいする。

南極なんきょく地域ちいき観測かんそくたいが1969ねんやまと山脈さんみゃくのふもとに集積しゅうせきしていた9隕石いんせき採集さいしゅうしたことにはしはっし、その南極大陸なんきょくたいりく特定とくてい場所ばしょ基本きほんてきには山脈さんみゃくのふもと)に氷河ひょうがうごきにより隕石いんせき集積しゅうせきするのがあきらかになり、現在げんざいまで1まん6700極地きょくちけんより)の隕石いんせき発見はっけん回収かいしゅうした結果けっか日本にっぽん世界せかい番目ばんめおおくの隕石いんせき保有ほゆうするくにとなった。南極なんきょく発見はっけんされた隕石いんせき大半たいはん国立こくりつ極地きょくち研究所けんきゅうじょ南極なんきょく隕石いんせき研究けんきゅうセンターが保管ほかんしており、分類ぶんるい研究けんきゅうすすめられている(詳細しょうさいは「南極なんきょく隕石いんせき」を参照さんしょう)。

に、海外かいがい発見はっけんされた隕石いんせき博物館はくぶつかんなどが保有ほゆうしているものもある。

命名めいめい

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あたらしい隕石いんせきには、回収かいしゅう地点ちてんちかくにある恒久こうきゅうてき特徴とくちょうゆうする場所ばしょちなんだ、なるべく具体ぐたいてき名前なまえけられる[ちゅう 1][13]妥当だとう名称めいしょうとしては河川かせんやまみずうみわんみさきしまなどの地理ちりてき特徴とくちょう市町村しちょうそんぐんしゅうなどの政治せいじてき特徴とくちょう公園こうえん史跡しせき鉄道てつどうえきなどの人為じんいてき活動かつどう場所ばしょなどがあり、その建物たてもの商業しょうぎょう地域ちいき学校がっこうはし道路どうろ、ゴルフコースなどの、おも直近ちょっきん人為じんいてき活動かつどう関連かんれんした場所ばしょ一般いっぱんてきみとめられないが、人口じんこうがまばらで地名ちめいすくない地域ちいきではやむを恒久こうきゅうてきでないものや極端きょくたん場合ばあいには地元じもと非公式ひこうしき名称めいしょうなどがもちいられることもある[13]

どういち地域ちいきないに2以上いじょうことなる由来ゆらい隕石いんせき落下らっかした場合ばあい利用りよう可能かのうであればべつ地理ちりてき特徴とくちょう命名めいめいもちいる。そうでない場合ばあいは(a)、(b)、(c) とアルファベットの符号ふごうをつけて区別くべつする[13]

南極なんきょく隕石いんせき命名めいめい

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南極大陸なんきょくたいりくサハラ砂漠さはらさばくのように、隕石いんせき採集さいしゅう密集みっしゅうしている地域ちいきでは、地理ちりてき情報じょうほうつたえる一般いっぱんてき接頭せっとうと、適切てきせつ一連いちれん数字すうじ接尾せつびけるべきであるとされる[13]

南極なんきょく発見はっけんされた隕石いんせきは、総称そうしょうして南極なんきょく隕石いんせきばれる。南極なんきょく隕石いんせきおな地点ちてん大量たいりょう発見はっけんされるため、特別とくべつ命名めいめいがなされる。

日本にっぽん南極なんきょく地域ちいき観測かんそくたいやまと山脈さんみゃく発見はっけんした隕石いんせきは、総称そうしょうしてやまと隕石いんせき (Yamato meteorites) とばれる。当初とうしょ命名めいめい規則きそくどおり、 (a) 、 (b) 、 (c) などの符号ふごうをつけて識別しきべつしていたが、かず膨大ぼうだいになったため、現在げんざいは「やまと75105」(Yamato 75105, Y-75105) などと番号ばんごうばれる。5けた数字すうじうえ2けた発見はっけんねんしめし、のこりの3けたはそのとし発見はっけんされた隕石いんせきとお番号ばんごうしめしている。この隕石いんせきはやまと山脈さんみゃく1975ねん発見はっけんされた105番目ばんめ隕石いんせきであることを意味いみしている。同様どうように、あすか基地きち周辺しゅうへん発見はっけんされた隕石いんせきは Asuka (A-)、アランヒルズ周辺しゅうへん発見はっけんされた隕石いんせきは Allan Hills (ALH-) とづけられる。この命名めいめいは、正式せいしき命名めいめい規則きそく決定けっていするまで、暫定ざんていてき国際こくさいてきみとめられることになっている。

発見はっけんおこな手続てつづ

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隕石いんせき落下らっかに、地球ちきゅう重力じゅうりょくによってはげしく分解ぶんかいされ、大気たいきとの断熱だんねつ圧縮あっしゅくはげしく発熱はつねつする。このとき隕石いんせき表面ひょうめんけ、溶融ようゆうから (Fusion crust) が出来できる。しかし、一般いっぱん隕石いんせきかどうかの判定はんてい専門せんもんでないと困難こんなんである。また、落下らっか直後ちょくごならばつけやすい。屋根やねやぶってちてきたり、えだれていてした見慣みなれない岩石がんせきがあったときは隕石いんせきである可能かのうせいたかい。また、だま観測かんそくされた翌朝よくあさ発見はっけんされることもおおい。

しかし、実際じっさい隕石いんせき発見はっけんされるのはきわめてまれである。山中さんちゅう川原かわらなどで隕石いんせきのようにえるいしつけても、ほとんどは地球ちきゅうじょう存在そんざいする鉱物こうぶつ岩石がんせき、もしくは鉄鉱てっこうせき人間にんげん加工かこうした人工じんこうぶつである。いずれにしても鑑定かんていするには大学だいがく研究けんきゅうしつやそれにるいする研究けんきゅう機関きかん送付そうふする必要ひつようがある。実際じっさい鑑定かんていとしては、落下らっか直後ちょくごならば、隕石いんせきちゅうふくまれる放射ほうしゃせい核種かくしゅの壊変(崩壊ほうかい)にともな放射線ほうしゃせん測定そくてい、また、酸素さんそ同位どういたい測定そくていまれガス同位どういたい測定そくていなどの同位どういたい測定そくていもちいる。しかし、これらの測定そくてい破壊はかい分析ぶんせきのためもちいる試料しりょう微量びりょうかずマイクログラムからかずミリグラム必要ひつようとなる。隕石いんせき大気圏たいきけん突入とつにゅうまえまで宇宙うちゅうせんさらされているため、エネルギーのたか宇宙うちゅうせんによる隕石いんせき構成こうせい元素げんそかく破砕はさい反応はんのうによって26Alなどさまざまな核種かくしゅ生成せいせいされる。これらには当然とうぜん放射ほうしゃせい核種かくしゅふくまれる。なかにはきわめてたん寿命じゅみょう放射ほうしゃせい核種かくしゅ存在そんざいするため、落下らっか直後ちょくご数時間すうじかん以内いない)に測定そくていおこなうことは、かく宇宙うちゅう化学かがくにとって非常ひじょう重要じゅうようである。

隕石いんせきしょうして岩石がんせき業者ぎょうしゃ国内外こくないがいわず)があるが、本物ほんものである可能かのうせいきわめてひくい。これも鑑定かんてい困難こんなんなことに起因きいんしている。

日本にっぽんでは、一般いっぱんに、最初さいしょひろげた人物じんぶつ所有しょゆうけん主張しゅちょうすることができるとされる。ただし、私有地しゆうちにおいてつけた(ひろげた)場合ばあい地面じめんにめりんでいるかいないかで所有しょゆうけんかれ、まっている場合ばあいは、土地とち所有しょゆうしゃものとされ、まっていない場合ばあいひろおも権利けんりがある。土地とち所有しょゆうしゃ真剣しんけん所有しょゆうけん主張しゅちょうした場合ばあい、このかぎりではない。また、おなじく建物たてものにめりんだ場合ばあい建物たてもの所有しょゆうしゃ権利けんり主張しゅちょうできる[14]

隕石いんせき化石かせき国外こくがいへのしをきんじているくにもある。

地名ちめい伝承でんしょうとの関連かんれん

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日本にっぽん各地かくちには「ほし」にちなんだ地名ちめいのこり、そのおおくが隕石いんせきあるいは流星りゅうせいかかわる伝承でんしょうっている。また、隕石いんせきおもわれる遺物いぶつはしばしば信仰しんこう対象たいしょうとなり、日本にっぽんのみならず海外かいがいにものこる(いちれいとして、ヘリオガバルスみかど太陽たいようしんヘーリオス神体しんたいとして隕石いんせきまつっていた)。

隕石いんせき落下らっかにまつわるもの

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隕石いんせきかんする遺物いぶつ

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  • あおりゅうてらの「念仏ねんぶつせき」(京都きょうと東山ひがしやま
    • もんはいって左手ひだりていしうええられている。はば50センチメートル・ながさ1メートル・あつさ30センチメートルほどのいわで、たたくと「カーン」と金属きんぞくおんひびくところから隕鉄とかんがえられている。科学かがくてき調査ちょうさおこなわれていないが、もしこれが隕鉄だとすれば日本にっぽん最大さいだいきゅう隕石いんせきとなる。本堂ほんどうないにも小型こがたのものがおさめられている。これらが落下らっかした状況じょうきょうはもちろん、てらおさめられた経緯けいい時期じき不明ふめいである。
  • カアバ神殿しんでん神体しんたい黒石くろいし」(サウジアラビア メッカ
    • イスラム教いすらむきょう聖地せいちであるメッカのカアバ神殿しんでん神体しんたいは、もともと「つきからの隕石いんせき」であるとつたえられていた。

2019ねん中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこく浦東ほとう国際こくさい空港くうこう税関ぜいかんは、隕石いんせき虚偽きょぎ輸入ゆにゅう申告しんこく次々つぎつぎ摘発てきはつした。同年どうねん7がつだけでもロシアなどからおくられてきた国際こくさい速達そくたつ郵便ゆうびんぶつから、虚偽きょぎおよび輸入ゆにゅう規定きてい違反いはんした隕石いんせきのかけら57けい3.86キログラムを押収おうしゅうした。また、9月には虚偽きょぎ申告しんこくによりまれた857キログラムもの隕石いんせき発見はっけんされている[16]中国ちゅうごく国内こくないで、だれがどういう目的もくてき隕石いんせきもとめているかは不明ふめい

脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ 「『最寄もよりの郵便ゆうびんきょく名前なまえ』と『まちなどの人口じんこうおお場所ばしょ名前なまえ』が隕石いんせき名前なまえもちいられる」というせつ誤解ごかいである。

出典しゅってん

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  1. ^ a b c d e f g h i j k l m 平凡社へいぼんしゃ世界せかいだい百科ひゃっか事典じてん』1988年版ねんばん vol.2, p.42 「隕石いんせき」。武田たけだひろし + 村田むらた定男さだお 執筆しっぴつ
  2. ^ a b c d 培風館ばいふうかん物理ぶつりがく辞典じてん』1992、 p.108 「隕石いんせき
  3. ^ リチャード・ノートンちょ江口えぐちあとかやく隕石いんせきコレクター 鉱物こうぶつがく岩石がんせきがく天文学てんもんがくかす「宇宙うちゅうからのいし」』 築地つきじしょかん、2007ねん 4ページ
  4. ^ 渡部わたなべ潤一じゅんいちへん『シリーズ現代げんだい天文学てんもんがく9 太陽系たいようけい惑星わくせい日本にっぽん評論ひょうろんしゃ、2008ねん、p.140, p.163-164ISBN 978-4-535-60729-3
  5. ^ 漢書かんしょ : まきはちじゅう·たにひさしもり鄴傳だいじゅう - 中國ちゅうごく哲學てつがくしょ電子でんしけい
  6. ^ ヨシュア(口語こうごやく)#10:11
  7. ^ Brown and Patterson, J. Geol. 56, 87, 1948.
  8. ^ たからくじよりたかい? 隕石いんせきたって死亡しぼうするかくりつ. ナショナルジオグラフィック. (2016ねん2がつ15にち). https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/16/021200052/ 2020ねん2がつ16にち閲覧えつらん 
  9. ^ “「隕石いんせき死亡しぼう」190ねんぶり不運ふうん インド南部なんぶ宇宙うちゅうごみの可能かのうせいも”. サンケイビズ. (2016ねん2がつ11にち). https://web.archive.org/web/20190424173901/http://www.sankeibiz.jp/express/news/160211/exd1602110000001-n2.htm 2020ねん2がつ16にち閲覧えつらん 
  10. ^ a b c d e f “ロシア隕石いんせき落下らっか衝撃しょうげき. 東京とうきょう海上かいじょう日動にちどうリスクコンサルティング. (2013ねん4がつ3にち). http://www.tokiorisk.co.jp/risk_info/up_file/201304031.pdf 2016ねん2がつ10日とおか閲覧えつらん 
  11. ^ 国立こくりつ科学かがく博物館はくぶつかん みなみ隕石いんせき
  12. ^ エンシスハイム隕石いんせき画像がぞう (JPG)
  13. ^ a b c d GUIDELINES FOR METEORITE NOMENCLATURE”. THE METEORITICAL SOCIETY. pp. 4-6. 2020ねん6がつ23にち閲覧えつらん
  14. ^ だま一部いちぶ習志野ならしの隕石いんせき」はだれのもの? 千葉ちばのマンションで発見はっけんおく取引とりひき事例じれい 弁護士べんごしドットコム 2020ねん7がつ24にち閲覧えつらん
  15. ^ 日本にっぽん天文てんもん史料しりょうした. はら書房しょぼう. (1978) [1935] 
  16. ^ 上海しゃんはい税関ぜいかん虚偽きょぎ申告しんこく隕石いんせき850キロちょう押収おうしゅう”. AFP (2019ねん9がつ8にち). 2019ねん9がつ28にち閲覧えつらん

参考さんこう文献ぶんけん

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関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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