隕石 いんせき (いんせき、meteorite)とは、惑星 わくせい 間 あいだ 空間 くうかん に存在 そんざい する固体 こたい 物質 ぶっしつ が地球 ちきゅう などの惑星 わくせい の表面 ひょうめん に落下 らっか してきた物体 ぶったい のこと[1] [2] 。
隕石 いんせき 探 さが しで見 み つかった隕石 いんせき (2006年 ねん 、モハーヴェ砂漠 さばく )。
「隕」が常用漢字 じょうようかんじ に含 ふく まれていないため、「いん石 せき 」とまぜ書 が きされることもある。昔 むかし は「天 てん 隕石 いんせき 」「天 てん 降 くだ 石 いし 」あるいは「星 ほし 石 せき 」などと書 か かれたこともある[1] 。
惑星 わくせい 間 あいだ 空間 くうかん に存在 そんざい する固体 こたい 物質 ぶっしつ が地球 ちきゅう あるいは惑星 わくせい 表面 ひょうめん に落下 らっか してきた際 さい 、大気 たいき を通過 つうか 中 ちゅう に高熱 こうねつ で気化 きか せずに残 のこ ったものが隕石 いんせき である[1] 。
1985年 ねん までに発見 はっけん された2700個 こ の隕石 いんせき 中 ちゅう 、落下 らっか するところが目撃 もくげき されたのはおよそ45%である[2] 。南極 なんきょく では日本 にっぽん をはじめとする各国 かっこく の南極 なんきょく 観測 かんそく 隊 たい が1985年 ねん まででも7500個 こ の隕石 いんせき を回収 かいしゅう した[2] 。隕石 いんせき カタログ(Catalogue of Meteorites 2000年版 ねんばん )には2万 まん 2507個 こ (南極 なんきょく 隕石 いんせき 1万 まん 7808個 こ を含 ふく む)が掲載 けいさい されている。このうち2万 まん 1514個 こ (95.6%)が石 いし 質 しつ 隕石 いんせき 、865個 こ (3.8%)が鉄 てつ 隕石 いんせき 、116個 こ (0.5%)が石 いし 鉄 てつ 隕石 いんせき である[3] 。
放射 ほうしゃ 性 せい 同位 どうい 体 たい を用 もち いた測定 そくてい によって、隕石 いんせき の多 おお くはおよそ45億 おく 年 ねん ほど前 まえ にできたもので、太陽系 たいようけい の初期 しょき 、原始 げんし 惑星 わくせい が形成 けいせい された当時 とうじ の始原 しげん 的 てき な物質 ぶっしつ であろうと推定 すいてい されている[2] 。また、隕石 いんせき の起源 きげん 天体 てんたい と流星 りゅうせい 物質 ぶっしつ の起源 きげん 天体 てんたい は必 かなら ずしも同種 どうしゅ ではない[4] 。
大 おお きさ
今 いま のところ発見 はっけん された中 なか で最大 さいだい とされるホバ隕石 いんせき
アメリカ自然 しぜん 史 し 博物館 はくぶつかん に展示 てんじ されたウィラメッテ隕石 いんせき
地表 ちひょう に到達 とうたつ するまでに小片 しょうへん になることもあれば、大 おお きな塊 かたまり のまま到達 とうたつ することもある。
大気 たいき との衝突 しょうとつ によって多数 たすう の破片 はへん になり、楕円 だえん 形 がた の飛散 ひさん 地域 ちいき (英語 えいご 版 ばん ) (長径 ちょうけい 数 すう キロメートル から数 すう 十 じゅう キロメートル)に、数 すう 十 じゅう 個 こ から数 すう 百 ひゃく 個 こ 程度 ていど 、まれには数 すう 万 まん 個 こ 程度 ていど の微小 びしょう な物質 ぶっしつ となって落下 らっか する(「隕石 いんせき 雨 う 」と呼 よ ばれる)[1] 。この場合 ばあい は数 すう 百 ひゃく グラムから数 すう キログラム程度 ていど のものが多 おお い[1] 。
大 おお きな塊 かたまり のまま落 お ちてくることもあり、北 きた アメリカのバリンジャー隕石 いんせき 孔 あな (直径 ちょっけい 1.2キロメートル)を作 つく った隕石 いんせき は数 すう 万 まん トン から数 すう 十 じゅう 万 まん トンの質量 しつりょう だったと推定 すいてい されている[1] 。隕石 いんせき そのものが発見 はっけん された中 なか で最大 さいだい なのは(1988年 ねん の『世界 せかい 大 だい 百科 ひゃっか 事典 じてん 』出版 しゅっぱん 当時 とうじ で)ナミビア のホバ隕石 いんせき で、重 おも さ66トン、幅 はば 約 やく 3メートル である[1] 。
「隕石 いんせき 」を意味 いみ する英語 えいご "meteorite "(メテオライト)の語源 ごげん は、ギリシア語 ご で「空 そら に現 あらわ れるもの」を意味 いみ する "μετέωρον"( "meteoron"、メテオロン)で、これは「空中 くうちゅう 高 たか く」を意味 いみ する "μετέωρος"( "meteoros"、メテオロス)の形容詞 けいようし に由来 ゆらい する。
漢字 かんじ の『隕』は「天空 てんくう から落 お ちる」という意味 いみ があり、日本 にっぽん でこの漢字 かんじ を "meteor" の訳語 やくご に使 つか ったのは宮里 みやさと 正 ただし 静 せい (明治 めいじ 8年 ねん ・1875年 ねん )の「隕星石 せき 」が最初 さいしょ と考 かんが えられている[要 よう 出典 しゅってん ] 。その後 ご 、明治 めいじ 20年代 ねんだい には「隕石 いんせき 」あるいは「大 だい 隕石 いんせき 」の語 かたり が用 もち いられている(ただし、「隕石 いんせき 」という単語 たんご 自体 じたい は中国 ちゅうごく の歴史 れきし 書 しょ である「漢書 かんしょ 」で既 すで に使用 しよう されており、卷 まき 八 はち 十 じゅう 五 ご ・谷 たに 永 ひさし 杜 もり 鄴傳第 だい 五 ご 十 じゅう 五 ご に「鄴未拜 はい ,病 やまい 卒 そつ 。鄴言民 みん 訛 なまり 言行 げんこう 籌,及谷永 なが 言 げん 王者 おうじゃ 買 かい 私 わたし 田 た ,彗星 すいせい 隕石 いんせき 牡 おす 飛 ひ 之 の 占 うらない ,語 ご 在 ざい 五 ご 行 ぎょう 志 こころざし 。」とある[5] )。
金属 きんぞく 鉄 てつ (Fe) とケイ酸 けいさん 塩 しお 鉱物 こうぶつ の比率 ひりつ で大 おお きく3つに分類 ぶんるい される。
鉄 てつ 隕石 いんせき
鉄 てつ 隕石 いんせき (iron meteorite) は、主 おも に金属 きんぞく 鉄 てつ (Fe-Ni合金 ごうきん )から成 な る隕石 いんせき である。分化 ぶんか した天体 てんたい の金属 きんぞく 核 かく に由来 ゆらい する。
ニッケル含有 がんゆう 比 ひ と構造 こうぞう から、ヘキサヘドライト (hexahedrite) 、オクタヘドライト (octahedrite) 、アタキサイト (ataxite) に大 おお きく分 わ けられる。
オクタヘドライトには、数 すう 百 ひゃく 万 まん 年 ねん の時間 じかん スケールでの冷却 れいきゃく によって生 しょう じるウィドマンシュテッテン構造 こうぞう が特徴 とくちょう 的 てき な模様 もよう として現 あらわ れる。これはFe-Ni合金 ごうきん の正 せい 八 はち 面体 めんてい 型 かた 結晶 けっしょう 構造 こうぞう が出現 しゅつげん したものでオクタヘドライト と呼 よ ばれるものの特長 とくちょう である。平均 へいきん して8.59%程度 ていど のニッケル 、0.63%程度 ていど のコバルト [7] 、数 かず ppm の金 きむ 、白金 はっきん 、イリジウム などの貴金属 ききんぞく も含 ふく まれる。また少量 しょうりょう のリン および炭素 たんそ などの非金属 ひきんぞく 元素 げんそ も含 ふく まれる。
地域 ちいき によっては、農具 のうぐ などに利用 りよう されていた。日本 にっぽん 刀 がたな の原料 げんりょう (材料 ざいりょう )として使 つか われたこともある。
石 いし 鉄 てつ 隕石 いんせき
石 いし 鉄 てつ 隕石 いんせき (stony-iron meteorite) は、ほぼ等量 とうりょう のFe-Ni合金 ごうきん とケイ酸 けいさん 塩 しお 鉱物 こうぶつ から成 な る隕石 いんせき である。分化 ぶんか した天体 てんたい のマントル に由来 ゆらい する。パラサイト (pallasite) とメソシデライト (mesosiderite) に分類 ぶんるい される。
固体 こたい 惑星 わくせい に似 に た組成 そせい の小 しょう 天体 てんたい のうち、概 おおむ ね直径 ちょっけい 100キロメートル以上 いじょう のものは内部 ないぶ が融解 ゆうかい し得 え ると考 かんが えられている。小 しょう 天体 てんたい の内部 ないぶ で融解 ゆうかい が生 しょう じれば、重力 じゅうりょく によって成分 せいぶん 分離 ぶんり が起 お こり、密度 みつど の大 おお きい金属 きんぞく が中心 ちゅうしん に集 あつ まって核 かく となり、これをより密度 みつど の小 ちい さい岩石 がんせき 質 しつ の物質 ぶっしつ が包 つつ んでマントル となる。このような小 しょう 天体 てんたい が、相互 そうご 衝突 しょうとつ などによる何 なん らかの外力 がいりょく を受 う けて破壊 はかい されたものが、隕石 いんせき として地表 ちひょう に落下 らっか してくる天体 てんたい 小片 しょうへん であると考 かんが えられる。中心 ちゅうしん 核 かく が鉄 てつ 隕石 いんせき であり、マントル部 ぶ が石 いし 質 しつ 隕石 いんせき である。小 しょう 天体 てんたい の中心 ちゅうしん 核 かく とマントルは明瞭 めいりょう な境界 きょうかい があるのではなく、境界 きょうかい 領域 りょういき では金属 きんぞく 鉄 てつ と岩石 がんせき が混在 こんざい する。これが石 いし 鉄 てつ 隕石 いんせき の起源 きげん 物質 ぶっしつ であると考 かんが えられている。
トロイライト と呼 よ ばれる鈍 にぶ い金属 きんぞく 光沢 こうたく を持 も つ硫化 りゅうか 鉄 てつ 鉱物 こうぶつ を伴 ともな うことが多 おお い。
石 いし 質 しつ 隕石 いんせき (stone meteorite) は、主 おも にケイ酸 けいさん 塩 しお 鉱物 こうぶつ から成 な る隕石 いんせき である。球 たま 粒状 りゅうじょう 構造 こうぞう のコンドルール (chondrule) があるコンドライト (chondrite) と、ないエイコンドライト (achondrite) に大 おお きく分 わ けられる。
コンドライトは未 み 分化 ぶんか の天体 てんたい 、エイコンドライトは分化 ぶんか した天体 てんたい の地殻 ちかく やマントル に由来 ゆらい する。月 つき 隕石 いんせき 、火星 かせい 隕石 いんせき などはエイコンドライトに含 ふく まれる。
2013年 ねん チェリャビンスク州 しゅう の隕石 いんせき 落下 らっか では火 ひ 球 だま が目撃 もくげき され、衝撃波 しょうげきは で多数 たすう の人 ひと が負傷 ふしょう した。写真 しゃしん は火 ひ 球 だま が空中 くうちゅう に残 のこ した跡 あと 。
新 あたら しい隕石 いんせき には、回収 かいしゅう 地点 ちてん に近 ちか くにある恒久 こうきゅう 的 てき な特徴 とくちょう を有 ゆう する場所 ばしょ に因 ちな んだ、なるべく具体 ぐたい 的 てき な名前 なまえ が付 つ けられる[注 ちゅう 1] [13] 。妥当 だとう な名称 めいしょう としては河川 かせん 、山 やま 、湖 みずうみ 、湾 わん 、岬 みさき 、島 しま などの地理 ちり 的 てき 特徴 とくちょう や市町村 しちょうそん や郡 ぐん 、州 しゅう などの政治 せいじ 的 てき 特徴 とくちょう 、公園 こうえん 、史跡 しせき 、鉄道 てつどう 駅 えき などの人為 じんい 的 てき 活動 かつどう の場所 ばしょ などがあり、その他 た の建物 たてもの や商業 しょうぎょう 地域 ちいき 、学校 がっこう 、橋 はし 、道路 どうろ 、ゴルフコースなどの、主 おも に直近 ちょっきん の人為 じんい 的 てき 活動 かつどう に関連 かんれん した場所 ばしょ は一般 いっぱん 的 てき に認 みと められないが、人口 じんこう がまばらで地名 ちめい が少 すく ない地域 ちいき ではやむを得 え ず恒久 こうきゅう 的 てき でないものや極端 きょくたん な場合 ばあい には地元 じもと の非公式 ひこうしき な名称 めいしょう などが用 もち いられることもある[13] 。
同 どう 一 いち 地域 ちいき 内 ない に2個 こ 以上 いじょう の異 こと なる由来 ゆらい の隕石 いんせき が落下 らっか した場合 ばあい 、利用 りよう 可能 かのう であれば別 べつ の地理 ちり 的 てき 特徴 とくちょう を命名 めいめい に用 もち いる。そうでない場合 ばあい は(a)、(b)、(c) とアルファベットの符号 ふごう をつけて区別 くべつ する[13] 。
南極大陸 なんきょくたいりく やサハラ砂漠 さはらさばく のように、隕石 いんせき の採集 さいしゅう が密集 みっしゅう している地域 ちいき では、地理 ちり 的 てき 情報 じょうほう を伝 つた える一般 いっぱん 的 てき な接頭 せっとう 辞 じ と、適切 てきせつ な一連 いちれん の数字 すうじ の接尾 せつび 辞 じ を付 つ けるべきであるとされる[13] 。
南極 なんきょく で発見 はっけん された隕石 いんせき は、総称 そうしょう して南極 なんきょく 隕石 いんせき と呼 よ ばれる。南極 なんきょく 隕石 いんせき は同 おな じ地点 ちてん で大量 たいりょう に発見 はっけん されるため、特別 とくべつ な命名 めいめい がなされる。
日本 にっぽん の南極 なんきょく 地域 ちいき 観測 かんそく 隊 たい がやまと山脈 さんみゃく で発見 はっけん した隕石 いんせき は、総称 そうしょう してやまと隕石 いんせき (Yamato meteorites) と呼 よ ばれる。当初 とうしょ は命名 めいめい 規則 きそく どおり、 (a) 、 (b) 、 (c) などの符号 ふごう をつけて識別 しきべつ していたが、数 かず が膨大 ぼうだい になったため、現在 げんざい は「やまと75105」(Yamato 75105, Y-75105) などと番号 ばんごう で呼 よ ばれる。5桁 けた の数字 すうじ の上 うえ 2桁 けた は発見 はっけん 年 ねん を示 しめ し、残 のこ りの3桁 けた はその年 とし に発見 はっけん された隕石 いんせき の通 とお し番号 ばんごう を示 しめ している。この隕石 いんせき はやまと山脈 さんみゃく で1975年 ねん に発見 はっけん された105番目 ばんめ の隕石 いんせき であることを意味 いみ している。同様 どうよう に、あすか基地 きち 周辺 しゅうへん で発見 はっけん された隕石 いんせき は Asuka (A-)、アランヒルズ 周辺 しゅうへん で発見 はっけん された隕石 いんせき は Allan Hills (ALH-) と名 な づけられる。この命名 めいめい は、正式 せいしき な命名 めいめい 規則 きそく が決定 けってい するまで、暫定 ざんてい 的 てき に国際 こくさい 的 てき に認 みと められることになっている。
隕石 いんせき は落下 らっか 時 じ に、地球 ちきゅう の重力 じゅうりょく によって激 はげ しく分解 ぶんかい され、大気 たいき との断熱 だんねつ 圧縮 あっしゅく で激 はげ しく発熱 はつねつ する。このとき隕石 いんせき 表面 ひょうめん が融 と け、溶融 ようゆう 殻 から (Fusion crust) が出来 でき る。しかし、一般 いっぱん に隕石 いんせき かどうかの判定 はんてい は専門 せんもん 家 か でないと困難 こんなん である。また、落下 らっか 直後 ちょくご ならば見 み つけやすい。屋根 やね を突 つ き破 やぶ って落 お ちてきたり、木 き の枝 えだ が折 お れていて下 した に見慣 みな れない岩石 がんせき があったときは隕石 いんせき である可能 かのう 性 せい が高 たか い。また、火 ひ 球 だま が観測 かんそく された翌朝 よくあさ に発見 はっけん されることも多 おお い。
しかし、実際 じっさい に隕石 いんせき が発見 はっけん されるのは極 きわ めて稀 まれ である。山中 さんちゅう や川原 かわら などで隕石 いんせき のように見 み える石 いし を見 み つけても、ほとんどは地球 ちきゅう 上 じょう に存在 そんざい する鉱物 こうぶつ 、岩石 がんせき 、もしくは鉄鉱 てっこう 石 せき を人間 にんげん が加工 かこう した人工 じんこう 物 ぶつ である。いずれにしても鑑定 かんてい するには大学 だいがく の研究 けんきゅう 室 しつ やそれに類 るい する研究 けんきゅう 機関 きかん に送付 そうふ する必要 ひつよう がある。実際 じっさい の鑑定 かんてい としては、落下 らっか 直後 ちょくご ならば、隕石 いんせき 中 ちゅう に含 ふく まれる放射 ほうしゃ 性 せい 核種 かくしゅ の壊変(崩壊 ほうかい )に伴 ともな う放射線 ほうしゃせん の測定 そくてい 、また、酸素 さんそ 同位 どうい 体 たい 測定 そくてい 、希 まれ ガス同位 どうい 体 たい 測定 そくてい などの同位 どうい 体 たい 比 ひ 測定 そくてい を用 もち いる。しかし、これらの測定 そくてい は破壊 はかい 分析 ぶんせき のため用 もち いる試料 しりょう が微量 びりょう (数 かず マイクログラム から数 かず ミリグラム )必要 ひつよう となる。隕石 いんせき は大気圏 たいきけん 突入 とつにゅう 前 まえ まで宇宙 うちゅう 線 せん に曝 さら されているため、エネルギーの高 たか い宇宙 うちゅう 線 せん による隕石 いんせき 構成 こうせい 元素 げんそ の核 かく 破砕 はさい 反応 はんのう によって26 Al などさまざまな核種 かくしゅ が生成 せいせい される。これらには当然 とうぜん 放射 ほうしゃ 性 せい 核種 かくしゅ も含 ふく まれる。中 なか には極 きわ めて短 たん 寿命 じゅみょう の放射 ほうしゃ 性 せい 核種 かくしゅ も存在 そんざい するため、落下 らっか 直後 ちょくご (数時間 すうじかん 以内 いない )に測定 そくてい を行 おこな うことは、核 かく 宇宙 うちゅう 化学 かがく にとって非常 ひじょう に重要 じゅうよう である。
隕石 いんせき と称 しょう して岩石 がんせき を売 う る業者 ぎょうしゃ (国内外 こくないがい 問 と わず)があるが、本物 ほんもの である可能 かのう 性 せい は極 きわ めて低 ひく い。これも鑑定 かんてい が困難 こんなん なことに起因 きいん している。
日本 にっぽん では、一般 いっぱん に、最初 さいしょ に拾 ひろ い上 あ げた人物 じんぶつ が所有 しょゆう 権 けん を主張 しゅちょう することができるとされる。ただし、私有地 しゆうち において見 み つけた(拾 ひろ い上 あ げた)場合 ばあい 、地面 じめん にめり込 こ んでいるかいないかで所有 しょゆう 権 けん が分 わ かれ、埋 う まっている場合 ばあい は、土地 とち の所有 しょゆう 者 しゃ の物 もの とされ、埋 う まっていない場合 ばあい 、拾 ひろ い主 おも に権利 けんり がある。土地 とち の所有 しょゆう 者 しゃ が真剣 しんけん に所有 しょゆう 権 けん を主張 しゅちょう した場合 ばあい 、この限 かぎ りではない。また、同 おな じく建物 たてもの にめり込 こ んだ場合 ばあい は建物 たてもの の所有 しょゆう 者 しゃ が権利 けんり を主張 しゅちょう できる[14] 。
隕石 いんせき や化石 かせき の国外 こくがい への持 も ち出 だ しを禁 きん じている国 くに もある。
日本 にっぽん 各地 かくち には「星 ほし 」にちなんだ地名 ちめい が残 のこ り、その多 おお くが隕石 いんせき あるいは流星 りゅうせい に関 かか わる伝承 でんしょう を持 も っている。また、隕石 いんせき と思 おも われる遺物 いぶつ はしばしば信仰 しんこう の対象 たいしょう となり、日本 にっぽん のみならず海外 かいがい にも残 のこ る(一 いち 例 れい として、ヘリオガバルス 帝 みかど は太陽 たいよう 神 しん ヘーリオス の御 ご 神体 しんたい として隕石 いんせき を祀 まつ っていた)。
青 あお 龍 りゅう 寺 てら の「念仏 ねんぶつ 石 せき 」(京都 きょうと 市 し 東山 ひがしやま 区 く )
門 もん を入 はい って左手 ひだりて の石 いし の上 うえ に据 す えられている。幅 はば 50センチメートル・長 なが さ1メートル・厚 あつ さ30センチメートルほどの岩 いわ で、叩 たた くと「カーン」と金属 きんぞく 音 おん が響 ひび くところから隕鉄と考 かんが えられている。科学 かがく 的 てき 調査 ちょうさ は行 おこな われていないが、もしこれが隕鉄だとすれば日本 にっぽん で最大 さいだい 級 きゅう の隕石 いんせき となる。本堂 ほんどう 内 ない にも小型 こがた のものが収 おさ められている。これらが落下 らっか した状況 じょうきょう はもちろん、寺 てら に納 おさ められた経緯 けいい ・時期 じき も不明 ふめい である。
カアバ神殿 しんでん の御 ご 神体 しんたい 「黒石 くろいし 」(サウジアラビア メッカ )
イスラム教 いすらむきょう の聖地 せいち であるメッカのカアバ神殿 しんでん の御 ご 神体 しんたい は、もともと「月 つき からの隕石 いんせき 」であると伝 つた えられていた。
2019年 ねん 、中華人民共和国 ちゅうかじんみんきょうわこく の浦東 ほとう 国際 こくさい 空港 くうこう 税関 ぜいかん は、隕石 いんせき の虚偽 きょぎ の輸入 ゆにゅう 申告 しんこく を次々 つぎつぎ と摘発 てきはつ した。同年 どうねん 7月 がつ だけでもロシアなどから送 おく られてきた国際 こくさい 速達 そくたつ 郵便 ゆうびん 物 ぶつ から、虚偽 きょぎ および輸入 ゆにゅう 規定 きてい に違反 いはん した隕石 いんせき のかけら57個 こ 計 けい 3.86キログラムを押収 おうしゅう した。また、9月には虚偽 きょぎ 申告 しんこく により持 も ち込 こ まれた857キログラムもの隕石 いんせき が発見 はっけん されている[16] 。中国 ちゅうごく 国内 こくない で、誰 だれ がどういう目的 もくてき で隕石 いんせき を求 もと めているかは不明 ふめい 。
^ 「『最寄 もよ りの郵便 ゆうびん 局 きょく の名前 なまえ 』と『町 まち などの人口 じんこう の多 おお い場所 ばしょ の名前 なまえ 』が隕石 いんせき の名前 なまえ に用 もち いられる」という説 せつ は誤解 ごかい である。