この項目 こうもく では、栄養素 えいようそ について説明 せつめい しています。体 からだ の組織 そしき については「脂肪 しぼう 組織 そしき 」をご覧 らん ください。
脂肪 しぼう (しぼう)は、物性 ぶっせい 上 じょう の本来 ほんらい の意味 いみ では油脂 ゆし (動植物 どうしょくぶつ に含 ふく まれるもの)のうち、常温 じょうおん で個体 こたい のものをいう[ 1] 。栄養 えいよう 学 がく 上 うえ では、広義 こうぎ には中性 ちゅうせい 脂肪 しぼう 、複 ふく 合 あい 脂質 ししつ 、ステロール類 るい など有機 ゆうき 溶媒 ようばい に溶 と ける一 いち 群 ぐん の有機 ゆうき 化合 かごう 物 ぶつ の総称 そうしょう (脂質 ししつ )をいう[ 2] 。狭義 きょうぎ には、このうち中性 ちゅうせい 脂肪 しぼう のみを指 さ す[ 2] 。
脂肪 しぼう の主成分 しゅせいぶん はトリアシルグリセロール (トリグリセリド)でグリセロールの3つの水酸基 すいさんき に脂肪酸 しぼうさん が
エステル結合 けつごう したものであるが、脂肪酸 しぼうさん は炭素 たんそ 数 すう あるいは二 に 重 じゅう 結合 けつごう の位置 いち や数 かず によって多様 たよう な種類 しゅるい がある[ 1] 。脂肪酸 しぼうさん のうち二 に 重 じゅう 結合 けつごう をもたないものを飽和 ほうわ 脂肪酸 しぼうさん 、二 に 重 じゅう 結合 けつごう をもつものを不 ふ 飽和 ほうわ 脂肪酸 しぼうさん という[ 1] 。動植物 どうしょくぶつ 中 ちゅう の油脂 ゆし の場合 ばあい 、動物 どうぶつ の油脂 ゆし は飽和 ほうわ 脂肪酸 しぼうさん の割合 わりあい が多 おお く常温 じょうおん で固体 こたい のものが多 おお いのに対 たい し、植物 しょくぶつ の油脂 ゆし は不 ふ 飽和 ほうわ 脂肪酸 しぼうさん を多 おお く含 ふく んでいるために常温 じょうおん で液体 えきたい のものが多 おお く、これらを区別 くべつ せずに「脂肪 しぼう 」と呼 よ ぶことも多 おお い[ 1] 。
脂質 ししつ は、炭水化物 たんすいかぶつ 、たんぱく質 しつ と共 とも に「三 さん 大 だい 栄養素 えいようそ 」と総称 そうしょう され、生命 せいめい 活動 かつどう のエネルギー源 げん であり、その組織 そしき を構築 こうちく するための材料 ざいりょう にもなっている[ 1] 。疫学 えきがく 調査 ちょうさ や動物 どうぶつ 実験 じっけん 、臨床 りんしょう 研究 けんきゅう から食事 しょくじ 中 ちゅう の脂肪 しぼう (食事 しょくじ 脂肪 しぼう )が血清 けっせい 脂質 ししつ に影響 えいきょう を及 およ ぼしていることは知 し られているが、その作用 さよう や影響 えいきょう の機構 きこう については分 わ かっていない点 てん も多 おお い[ 3] 。
食事 しょくじ 調査 ちょうさ は、牛 うし や豚 ぶた 、牛乳 ぎゅうにゅう など動物 どうぶつ 性 せい 食品 しょくひん に多 おお い飽和 ほうわ 脂肪酸 しぼうさん の摂取 せっしゅ が心 しん 疾患 しっかん など病気 びょうき との関連 かんれん を見出 みいだ しており、脂肪 しぼう の細 こま かい区別 くべつ を周知 しゅうち させることは難 むずか しいと考 かんが えた栄養 えいよう 学者 がくしゃ たちが、「脂肪 しぼう は良 よ くない」という単純 たんじゅん なメッセージを作 つく ったが、実際 じっさい には一価 いっか 不 ふ 飽和 ほうわ 脂肪酸 しぼうさん や多 た 価 あたい 不 ふ 飽和 ほうわ 脂肪酸 しぼうさん の摂取 せっしゅ 量 りょう が多 おお くてもそうしたリスクを下 さ げる傾向 けいこう がみられている[ 4] 。こうした科学 かがく 的 てき 検証 けんしょう の蓄積 ちくせき により2015年 ねん のアメリカの食生活 しょくせいかつ 指針 ししん は脂肪 しぼう を30%に控 ひか えるという指針 ししん を撤廃 てっぱい した[ 5] 。
20世紀 せいき 初頭 しょとう までに、タンパク質 たんぱくしつ と炭水化物 たんすいかぶつ は必要 ひつよう な食品 しょくひん 成分 せいぶん だと知 し られていたが、脂肪酸 しぼうさん は炭水化物 たんすいかぶつ から合成 ごうせい できるので優 すぐ れたエネルギー源 げん ではあるが、必要 ひつよう 不可欠 ふかけつ ではないと考 かんが えられていた[ 6] 。20世紀 せいき 初頭 しょとう の技術 ぎじゅつ では食物 しょくもつ から脂肪 しぼう を完全 かんぜん に抽出 ちゅうしゅつ できず、脂肪 しぼう を除去 じょきょ してラットに与 あた える実験 じっけん では、実際 じっさい には脂肪 しぼう が残留 ざんりゅう していた[ 6] 。1912年 ねん にトマス・バー・オズボーン (英語 えいご 版 ばん ) とラファイエット・メンデル (英語 えいご 版 ばん ) はそうした技術 ぎじゅつ によってラットでの脂肪 しぼう は不要 ふよう だと確認 かくにん し、1920年代 ねんだい までに必要 ひつよう 不可欠 ふかけつ ではないので必要 ひつよう 最小限 さいしょうげん は非常 ひじょう に少 すく なくすべきとの見解 けんかい を示 しめ し、同 どう 時代 じだい の研究 けんきゅう 者 しゃ は多 おお くはこの見解 けんかい に従 したが った[ 6] 。オズボーンは全米 ぜんべい 科学 かがく アカデミーのメンバーで食物 しょくもつ タンパク質 たんぱくしつ で国際 こくさい 的 てき に著名 ちょめい なアメリカの生化学 せいかがく 者 しゃ であり、メンデルはアメリカ栄養 えいよう 研究所 けんきゅうじょ の初代 しょだい 所長 しょちょう など、両者 りょうしゃ は国際 こくさい 的 てき にも権威 けんい 的 てき に他 ほか にも数々 かずかず の地位 ちい を占 し めていたためである[ 6] 。
1929年 ねん には、ミネソタ大学 だいがく のジョージ・オズワルド・バー(George Oswald Burr)が ω おめが -6系 けい の多 た 価 あたい 不 ふ 飽和 ほうわ 脂肪酸 しぼうさん であるリノール酸 さん のラットでの欠乏症 けつぼうしょう を確認 かくにん し、必須 ひっす 栄養素 えいようそ だと報告 ほうこく された[ 6] 。この見解 けんかい は栄養 えいよう 研究所 けんきゅうじょ の見解 けんかい と対立 たいりつ したので疑義 ぎぎ されたが、数 すう 年 ねん を経 へ て追試 ついし が行 おこな われ受 う け入 い れられていった[ 6] 。また1931年 ねん にジョージ・オズワルド・バーは、ω おめが -3系 けい のα あるふぁ リノレン酸 さん がラットで合成 ごうせい されなかったことを報告 ほうこく し、これも必須 ひっす 脂肪酸 しぼうさん だと結論 けつろん した[ 6] 。しかし、欠乏症 けつぼうしょう 実験 じっけん にてリノール酸 さん と競合 きょうごう する結果 けっか が確認 かくにん されるため、長 なが い間 あいだ α あるふぁ リノレン酸 さん でも確実 かくじつ だとみなされなかった[ 6] 。
1960年 ねん までにはカルフォルニア大学 だいがく ロサンゼルス校 こう のジム・ミードが、リノール酸 さん がアラキドン酸 さん に変換 へんかん されることを確認 かくにん した[ 6] 。1964年 ねん にはカロリンスカ研究所 けんきゅうじょ で、アラキドン酸 さん がプロスタグランジンに変換 へんかん されたことが確認 かくにん された[ 6] 。
1960年代 ねんだい のアメリカでの食事 しょくじ 調査 ちょうさ は、飽和 ほうわ 脂肪酸 しぼうさん の摂取 せっしゅ が血 ち 中 ちゅう コレステロールの濃度 のうど を上昇 じょうしょう させ、植物 しょくぶつ 油 ゆ と魚油 ぎょゆ が低下 ていか させることを明 あき らかにし、その後 ご の食事 しょくじ 指導 しどう は総 そう 脂肪 しぼう 量 りょう を減 へ らすのではなく、飽和 ほうわ 脂肪酸 しぼうさん の代 か わりに不 ふ 飽和 ほうわ 脂肪酸 しぼうさん を摂取 せっしゅ することが重要 じゅうよう だとし、不 ふ 飽和 ほうわ 脂肪酸 しぼうさん の摂取 せっしゅ 量 りょう が増加 ぞうか した結果 けっか 1970-1980年代 ねんだい にはアメリカ人 じん の虚 きょ 血 ち 性 せい 心 こころ 疾患 しっかん の発生 はっせい 率 りつ を低下 ていか させた[ 4] 。
だが、脂肪 しぼう の細 こま かい区別 くべつ を周知 しゅうち させることは難 むずか しいのではと考 かんが えた栄養 えいよう 学者 がくしゃ たちは、脂肪 しぼう がよくないという単純 たんじゅん なメッセージを生 う み出 だ した[ 4] 。アメリカ農務 のうむ 省 しょう の意図 いと とは、アメリカにて低 てい 脂肪 しぼう 食 しょく にすることで必然 ひつぜん 的 てき に飽和 ほうわ 脂肪酸 しぼうさん の摂取 せっしゅ 量 りょう を減 へ らすということであった[ 4] 。
1994年 ねん の世界 せかい 保健 ほけん 機関 きかん による、「人間 にんげん 栄養 えいよう 学 がく における脂肪 しぼう と油 あぶら 」(Fats and oils in human nutrition )では、トランス脂肪酸 しぼうさん による飽和 ほうわ 脂肪酸 しぼうさん に似 に た影響 えいきょう が報告 ほうこく された[ 7] 。2003年 ねん にはトランス脂肪酸 しぼうさん を1%未満 みまん にすべきとした[ 8] 。
脂肪酸 しぼうさん の比率 ひりつ よりも、飽和 ほうわ 脂肪酸 しぼうさん の摂取 せっしゅ 量 りょう の方 ほう が重要 じゅうよう という科学 かがく 的 てき な検証 けんしょう によって、2015年 ねん のアメリカの食生活 しょくせいかつ 指針 ししん は、以前 いぜん に示 しめ した脂肪 しぼう を30%に控 ひか えるという指針 ししん を撤廃 てっぱい した[ 5] 。
脂質 ししつ は、生命 せいめい 活動 かつどう のエネルギー源 げん であるとともに、その組織 そしき を構築 こうちく するための材料 ざいりょう にもなっており、動物 どうぶつ は食餌 しょくじ から直接 ちょくせつ 脂質 ししつ を得 え るほか、炭水化物 たんすいかぶつ をもとに体内 たいない で合成 ごうせい している[ 1] 。なお、不 ふ 飽和 ほうわ 脂肪酸 しぼうさん には一価 いっか 不 ふ 飽和 ほうわ 脂肪酸 しぼうさん や多 た 価 あたい 不 ふ 飽和 ほうわ 脂肪酸 しぼうさん があるが[ 9] 、ヒトなどの哺乳類 ほにゅうるい は特定 とくてい の多 た 価 あたい 不 ふ 飽和 ほうわ 脂肪酸 しぼうさん を体内 たいない で生成 せいせい できないため必須 ひっす 脂肪酸 しぼうさん と呼 よ ばれることもある[ 1] 。
脂肪 しぼう を生物 せいぶつ が利用 りよう する他 ほか のエネルギー源 げん と比較 ひかく すると、炭水化物 たんすいかぶつ のグルコース (ブドウ糖 ぶどうとう )などに比 くら べて単位 たんい 重量 じゅうりょう あたりのエネルギー(熱量 ねつりょう )ははるかに大 おお きい[ 1] 。さらに実際 じっさい の生体 せいたい 内 ない では、グルコースは多数 たすう 連 つら なったグリコーゲンとして多 おお くの水分 すいぶん 子 こ と結合 けつごう して存在 そんざい しているのに対 たい し、脂肪 しぼう は疎水 そすい 性 せい をもっており、水 みず を含 ふく めた実質 じっしつ 的 てき な単位 たんい 重量 じゅうりょう あたりのエネルギーを比較 ひかく すると脂肪 しぼう はグリコーゲンの約 やく 6倍 ばい となる[ 1] 。
生成 せいせい された脂肪 しぼう は脂肪 しぼう 組織 そしき で構成 こうせい する脂肪 しぼう 細胞 さいぼう に蓄積 ちくせき される[ 1] 。
空腹 くうふく や運動 うんどう などでエネルギーが必要 ひつよう となったときは、脂肪 しぼう 細胞 さいぼう で蓄積 ちくせき されていた脂肪 しぼう が脂肪酸 しぼうさん とグリセロールに加水 かすい 分解 ぶんかい されて血 ち 中 ちゅう に放出 ほうしゅつ され、これを脂肪 しぼう 動員 どういん という[ 1] 。脂肪酸 しぼうさん はタンパク質 たんぱくしつ のアルブミン と結合 けつごう して血液 けつえき で体 からだ の各 かく 組織 そしき へと送 おく られ、細胞 さいぼう 内 ない のミトコンドリア で完全 かんぜん に酸化 さんか されてエネルギーを放出 ほうしゅつ する[ 1] 。
安静 あんせい 時 じ や強度 きょうど の低 ひく い運動 うんどう 時 じ には脂肪 しぼう の方 ほう が糖 とう よりも多 おお く使 つか われている。血糖 けっとう やグリコーゲン は利用 りよう しやすいが貯蔵 ちょぞう 量 りょう は多 おお くはないので安静 あんせい 時 じ などではあまり多 おお くは使 つか われず、強度 きょうど の高 たか い運動 うんどう 時 じ などに糖 とう が優先 ゆうせん 的 てき に使 つか われるようになる[ 10] 。
運動 うんどう 時 じ には脂肪 しぼう よりもグリコーゲンが優先 ゆうせん 的 てき に利用 りよう される[ 1] 。また、脂肪酸 しぼうさん の酸化 さんか には大量 たいりょう の酸素 さんそ を必要 ひつよう とするため脂肪 しぼう の消費 しょうひ には持続 じぞく 的 てき な有 ゆう 酸素 さんそ 運動 うんどう が有効 ゆうこう とされる[ 1] 。
タンパク質 たんぱくしつ ・脂肪 しぼう ・炭水化物 たんすいかぶつ のカロリーベースでの摂取 せっしゅ バランスのことを、それぞれの頭文字 かしらもじ をとってPFCバランス という。
心 こころ 血管 けっかん 系 けい のリスクを上 あ げる飽和 ほうわ 脂肪酸 しぼうさん の摂取 せっしゅ が多 おお い食事 しょくじ 状 じょう 況 きょう であれば、脂質 ししつ 全体 ぜんたい の摂取 せっしゅ 量 りょう を減 へ らすことでそのリスクを回避 かいひ するという目的 もくてき は達成 たっせい される。
しかし飽和 ほうわ 脂肪酸 しぼうさん を心 しん 血管 けっかん 系 けい のリスクを下 さ げる種類 しゅるい の脂肪酸 しぼうさん に置 お き換 か えても目的 もくてき は達成 たっせい され、脂質 ししつ 全体 ぜんたい の摂取 せっしゅ 比率 ひりつ が上 あ がっている[ 4] 。
1994年 ねん の世界 せかい 保健 ほけん 機関 きかん による「人間 にんげん 栄養 えいよう 学 がく における脂肪 しぼう と油 あぶら 」(Fats and oils in human nutrition )は、成人 せいじん の脂質 ししつ の摂取 せっしゅ 量 りょう は15%以上 いじょう とし、下回 したまわ る集団 しゅうだん においては確保 かくほ の努力 どりょく が必要 ひつよう だとされた[ 7] 。
厚生 こうせい 労働省 ろうどうしょう の1999年 ねん の栄養 えいよう 所要 しょよう 量 りょう の6次 じ 改定 かいてい では、脂質 ししつ はエネルギー比率 ひりつ で成人 せいじん で20-25%の範囲 はんい が望 のぞ ましい。飽和 ほうわ 脂肪酸 しぼうさん 、一価 いっか 不 ふ 飽和 ほうわ 脂肪酸 しぼうさん 、多 た 価 あたい 不 ふ 飽和 ほうわ 脂肪酸 しぼうさん の望 のぞ ましい摂取 せっしゅ 割合 わりあい は、おおむね3:4:3であり、ω おめが -6脂肪酸 しぼうさん とω おめが -3脂肪酸 しぼうさん の比 ひ は、健康 けんこう 人 じん では4:1程度 ていど である[ 11] 。
一 いち 日 にち のエネルギー必要 ひつよう 量 りょう を仮 かり に、男性 だんせい では2660(kcal)、女性 じょせい では1995(kcal)とすると、脂肪 しぼう のエネルギー量 りょう は9 kcal/gであり、仮 かり に20%の値 ね を当 あ てはめると、以下 いか のとおりとなる。
男性 だんせい では、2660 kcal/日 にち x 0.2 / 9 kcal/g =60 g/日 ひ (植物 しょくぶつ 油 ゆ 大 だい 匙 さじ 4杯 はい /日 にち に相当 そうとう )
女性 じょせい では、1995 kcal/日 にち x 0.2 / 9 kcal/g =45 g/日 ひ (植物 しょくぶつ 油 ゆ 大 だい 匙 さじ 3杯 はい /日 にち に相当 そうとう )
調理 ちょうり に使 つか う油脂 ゆし 類 るい における各 かく 脂肪酸 しぼうさん の比率 ひりつ 。
食品 しょくひん 中 ちゅう の総 そう 脂肪 しぼう は各種 かくしゅ 脂肪 しぼう の混合 こんごう 物 ぶつ からなる[ 9] 。飽和 ほうわ 脂肪 しぼう 及 およ び総 そう 脂肪 しぼう (トランス脂肪酸 しぼうさん 、多 た 価 あたい 不 ふ 飽和 ほうわ 脂肪 しぼう 及 およ び一価 いっか 不 ふ 飽和 ほうわ 脂肪 しぼう を含 ふく む値 ね )を栄養 えいよう 表示 ひょうじ 欄 らん に記載 きさい する国 くに もある[ 9] 。
動物 どうぶつ の油脂 ゆし は飽和 ほうわ 脂肪酸 しぼうさん の割合 わりあい が多 おお く常温 じょうおん で固体 こたい のものが多 おお い[ 1] (動物 どうぶつ 性 せい 脂肪 しぼう )。乳 ちち 脂肪 しぼう がより多 おお く、魚類 ぎょるい の脂肪 しぼう には多量 たりょう の不 ふ 飽和 ほうわ 脂肪酸 しぼうさん を含 ふく むものが多 おお い。
植物 しょくぶつ の油脂 ゆし は不 ふ 飽和 ほうわ 脂肪酸 しぼうさん を多 おお く含 ふく んでいるために常温 じょうおん で液体 えきたい のものが多 おお い[ 1] (植物 しょくぶつ 油 ゆ )。ただし、ヤシ油 ゆ (ココナッツ油 ゆ )やカカオバター のように飽和 ほうわ 脂肪酸 しぼうさん を大量 たいりょう に含 ふく む油 あぶら もある。
各 かく 脂肪酸 しぼうさん の総 そう 脂肪 しぼう に対 たい する比率 ひりつ (%)[ 12]
食品 しょくひん
飽和 ほうわ 脂肪酸 しぼうさん
一価 いっか 不 ふ 飽和 ほうわ
多 た 価 あたい 不 ふ 飽和 ほうわ
食用 しょくよう 油 ゆ
菜種油 なたねあぶら (キャノーラ)
08
64
28
ヤシ油 ゆ (ココナッツ)
87
13
01
コーン油 ゆ
13
24
59
綿実油 めんじつゆ [ 13]
27
19
54
オリーブ・オイル [ 14]
14
73
11
パーム核 かく 油 ゆ [ 13]
86
12
02
パーム油 ゆ [ 13]
51
39
10
ピーナッツオイル [ 15]
17
46
32
こめ油 ゆ
25
38
37
サフラワー油 あぶら 高 だか オレイン [ 16]
06
75
14
サフラワー油 あぶら 高 だか リノール [ 13] [ 17]
06
14
75
大 だい 豆油 ご
15
24
58
サフラワー油 ゆ [ 18]
11
20
69
乳製品 にゅうせいひん
乳 ちち 脂肪 しぼう (バター)[ 13]
66
30
04
チーズ 、レギュラー
64
29
03
チーズ、ライト
60
30
00
アイスクリーム、グルメ
62
29
04
アイスクリーム、ライト
62
29
04
牛乳 ぎゅうにゅう 、全 ぜん 乳 ちち
62
28
04
牛乳 ぎゅうにゅう 、2%低 てい 脂肪 しぼう
62
30
00
*ホイップクリーム [ 19]
66
26
05
肉 にく
牛肉 ぎゅうにく
33
38
05
ひき肉 にく
38
44
04
ポークチョップ
35
44
08
ハム
35
49
16
鶏 にわとり 、胸 むね
29
34
21
鶏 にわとり
34
23
30
ターキー 、胸 むね
30
20
30
ターキー、下 しも 脚 あし
32
22
30
魚 さかな 、オレンジラフィー
23
15
46
鮭 さけ (シャケ)
28
33
28
ホットドッグ、牛肉 ぎゅうにく
42
48
05
ホットドッグ、ターキー
28
40
22
バーガー、ファーストフード
36
44
06
チーズバーガー、同 どう
43
40
07
チキン・サンドイッチ、パン粉 ぱんこ 焼 や き
20
39
32
チキン・サンドイッチ、グリル
26
42
20
ソーセージ、ポーリッシュ
37
46
11
ソーセージ、ターキー
28
40
22
ピザ、ソーセージ
41
32
20
ピザ、チーズ
60
28
05
種子 しゅし とナッツ
亜麻 あま の実 み 、挽 ひ き
08
23
65
ゴマ
14
38
44
ダイズ
14
22
57
アーモンド 、乾燥 かんそう 焼 や き
09
65
21
カシューナッツ 、乾燥 かんそう 焼 や き
20
59
17
マカダミア 、乾燥 かんそう 焼 や き
15
79
02
マカダミア 、乾燥 かんそう 焼 や き
14
50
31
ペカン 、乾燥 かんそう 焼 や き
08
62
25
クルミ 、乾燥 かんそう 焼 や き
09
23
63
菓子 かし とベーカリー
チョコレートバー
59
33
03
キャンデー、果物 くだもの 味 あじ チュウ
14
44
38
クッキー、オートミール・レーズン
22
47
27
クッキー、チョコチップ
35
42
18
ケーキ、イエロー(スポンジ)
60
25
10
ペイストリー 、デニッシュ
50
31
14
調理 ちょうり 中 ちゅう および卓上 たくじょう 油 ゆ
バター 、棒状 ぼうじょう
63
29
03
バター、ホイップ
62
29
04
マーガリン 、棒状 ぼうじょう
18
39
39
マーガリン、容器 ようき
16
33
49
マーガリン、ライト・容器 ようき
19
46
33
ラード
39
45
11
ショートニング
25
45
26
鶏 にわとり 油 ゆ
30
45
21
牛脂 ぎゅうし
41
43
03
ドレッシング、ブルーチーズ
16
54
25
ドレッシング、イタリアン・ライト
14
24
58
他 た
卵黄 らんおう 油 ゆ (英語 えいご 版 ばん ) [ 20]
36
44
16
アボカド [ 21]
16
71
13
脂質 ししつ のうち、ω おめが -6脂肪酸 しぼうさん とω おめが -3脂肪酸 しぼうさん が必須 ひっす 脂肪 しぼう である。ω おめが -6とω おめが -3系 けい のバランスについては必須 ひっす 脂肪酸 しぼうさん #バランス参照 さんしょう 。
飽和 ほうわ 脂肪酸 しぼうさん は、バター 、乳製品 にゅうせいひん 、脂肪 しぼう の多 おお い肉 にく 、多 おお くの加工 かこう 食品 しょくひん の主要 しゅよう 脂肪 しぼう である[ 9] 。飽和 ほうわ 脂肪酸 しぼうさん は植物 しょくぶつ 油 ゆ には多 おお くはないが、パーム油 ゆ やココナッツ油 ゆ のように例外 れいがい もある[ 9] 。
不 ふ 飽和 ほうわ 脂肪酸 しぼうさん のうち、一価 いっか 不 ふ 飽和 ほうわ 脂肪 しぼう はオリ おり ーブ油 ぶゆ 、カノーラ油 ゆ (キャノーラ油 ゆ )、アボカド 、ナッツ などに多 おお く含 ふく まれる[ 9] 。一方 いっぽう 、不 ふ 飽和 ほうわ 脂肪酸 しぼうさん のうち、多 た 価 あたい 不 ふ 飽和 ほうわ 脂肪 しぼう の主要 しゅよう なものにω おめが -6脂肪酸 しぼうさん とω おめが -3脂肪酸 しぼうさん があり、ω おめが -6脂肪酸 しぼうさん の摂取 せっしゅ 源 げん としてヒマワリ 、ベニバナ 、大豆 だいず 、ゴマ油 ごまあぶら など、ω おめが -3脂肪酸 しぼうさん の摂取 せっしゅ 源 げん としてカノーラ油 ゆ (キャノーラ油 ゆ )やマーガリン 、魚介 ぎょかい 類 るい などがある[ 9] 。
飽和 ほうわ 脂肪酸 しぼうさん は、肉 にく や乳製品 にゅうせいひん に多 おお く有害 ゆうがい なLDLコレステロールを増加 ぞうか させ、保護 ほご 的 てき なHDLコレステロールも増加 ぞうか させる、水素 すいそ 添加 てんか された油 あぶら であるトランス脂肪酸 しぼうさん は有害 ゆうがい なLDLの増加 ぞうか と保護 ほご 的 てき なHDLの低下 ていか であり、一方 いっぽう で植物 しょくぶつ 油 ゆ 、ナッツ、全粒粉 ぜんりゅうこ 、魚 さかな に豊富 ほうふ な一価 いっか 不 ふ 飽和 ほうわ 脂肪酸 しぼうさん や多 た 価 あたい 不 ふ 飽和 ほうわ 脂肪酸 しぼうさん 、特 とく にそのうちのω おめが -3脂肪酸 しぼうさん は有害 ゆうがい なLDLを減少 げんしょう させ、保護 ほご 的 てき なHDLを増加 ぞうか させ、またインスリン抵抗 ていこう 性 せい を改善 かいぜん し、心臓 しんぞう のリズムを安定 あんてい させる[ 22] 。トランス脂肪酸 しぼうさん と飽和 ほうわ 脂肪酸 しぼうさん が少 すく なく、それを不 ふ 飽和 ほうわ 脂肪酸 しぼうさん に変 か えることで心臓 しんぞう 病 びょう や糖尿 とうにょう 病 びょう のリスクが減少 げんしょう する[ 22] 。
脂肪 しぼう の摂取 せっしゅ 量 りょう が多 おお い場合 ばあい に、虚 きょ 血 ち 性 せい 心 こころ 疾患 しっかん が生 しょう じるリスクが高 たか まるという関係 かんけい が見 み られるのは飽和 ほうわ 脂肪酸 しぼうさん のみであり、一価 いっか 不 ふ 飽和 ほうわ 脂肪酸 しぼうさん や多 た 価 あたい 不 ふ 飽和 ほうわ 脂肪酸 しぼうさん の割合 わりあい を多 おお く摂取 せっしゅ する集団 しゅうだん ではそのリスクは低 ひく い[ 4] 。そのため、ギリシャのクレタ島 とう では脂肪 しぼう の摂取 せっしゅ カロリーが40%と多 おお いが心臓 しんぞう 病 びょう の発生 はっせい 率 りつ は日本 にっぽん の伝統 でんとう 食 しょく のように低 ひく い[ 4] 。ギリシャの食事 しょくじ については地中 ちちゅう 海食 かいしょく を参照 さんしょう 。ナッツ類 るい の脂肪 しぼう は主 おも に不 ふ 飽和 ほうわ 脂肪 しぼう であり、血 ち 中 ちゅう のコレステロールの比率 ひりつ を改善 かいぜん させ、ナッツを食 た べている人 ひと では肥満 ひまん は少 すく ない[ 4] 。
トランス脂肪酸 しぼうさん (TFA)の多 おお い食品 しょくひん は、「悪玉 あくだま 」LDLコレステロールを増加 ぞうか させ、「善玉 ぜんだま 」HDLコレステロールを減少 げんしょう させるといわれている[ 9] 。
^ a b c d e f g h i j k l m n o p 大隅 おおすみ 隆 たかし 「脂肪 しぼう の代謝 たいしゃ とその調節 ちょうせつ ―からだのエネルギーバランス―」 - 兵庫 ひょうご 県立 けんりつ 大学 だいがく 理学部 りがくぶ 大学院 だいがくいん 理学 りがく 研究 けんきゅう 科 か
^ a b 脂肪 しぼう - 日本 にっぽん 栄養士 えいようし 会 かい
^ 亀井 かめい 正治 しょうじ 「食事 しょくじ 脂肪 しぼう と血清 けっせい 脂質 ししつ ─動脈 どうみゃく 硬化 こうか を防 ふせ ぐ食生活 しょくせいかつ をめざして─ 」『生活 せいかつ 衛生 えいせい 』第 だい 37巻 かん 第 だい 5号 ごう 、社団 しゃだん 法人 ほうじん 大阪 おおさか 生活 せいかつ 衛生 えいせい 協会 きょうかい 、1993年 ねん 、197-213頁 ぺーじ 。
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