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嘔吐 - Wikipedia

嘔吐おうと(おうと)とは、くちから内容ないようぶつ行為こうい、または症状しょうじょうである。嘔吐おうとによりされたものを「吐瀉としゃぶつ(としゃぶつ)」、俗語ぞくごでは「ゲロ」や「反吐へど」(がる)とぶ。またしたおくゆびれたりしてもよおすことを「嘔吐おうと反射はんしゃ」という。せきくさめ(くしゃみ)、射精しゃせい同様どうよう反射はんしゃであることから、本人ほんにん意思いしでは制御せいぎょできない。

嘔吐おうと
概要がいよう
分類ぶんるいおよび外部がいぶ参照さんしょう情報じょうほう
ICD-10 R11
ICD-9-CM 787

一般いっぱん過度かど飲酒いんしゅぎ)や摂食せっしょくぎ)、腐敗ふはい変質へんしつした食品しょくひん摂取せっしゅ食中毒しょくちゅうどく)、過度かど運動うんどう体調たいちょう不良ふりょうなどのさいにまずのうないの「嘔吐おうと中枢ちゅうすう」が刺激しげきされ、「」をもよおし、それにつづいて嘔吐おうとする。ただし、とく乳幼児にゅうようじ泥酔でいすいしている場合ばあいなど、ないままいきなり嘔吐おうとする場合ばあいもある。

また、くるま船舶せんぱくゆう園地えんち遊具ゆうぐなどで長時間ちょうじかんもしくははげしくれる環境かんきょうにあった場合ばあい、「もの」が発生はっせいして嘔吐おうといた場合ばあいがある。このほか高温こうおんになる閉所、きつすぎる衣服いふくとく着物きもの)、帽子ぼうしヘルメット日本髪にほんがみかずらなどの重量じゅうりょうがあったりれたりするもの長時間ちょうじかん着用ちゃくようした場合ばあいや、他者たしゃ嘔吐おうと(いわゆる「もらいゲロ」)、吐瀉としゃぶつ排泄はいせつぶつなどをたりいたり各種かくしゅ悪臭あくしゅういだり、不快ふかい映像えいぞう音声おんせいたりいたりした場合ばあいにも、精神せいしんてきストレスから、嘔吐おうとこす場合ばあいおおい。嘔吐おうと行為こうい強制きょうせいてき停止ていしさせようとするとパニック状態じょうたいおちい場合ばあいがある。

診断しんだん

 
ラテン語らてんごかれた14世紀せいき健康けんこう指南しなんしょである『健康けんこう全書ぜんしょ』の写本しゃほんの1つより

診断しんだん手掛てがかりとなる情報じょうほうとしては24時間じかん以内いない摂取せっしゅした食物しょくもつ旅行りょこうれきほか腹痛はらいた下痢げり便秘べんぴといったその腹部ふくぶ症状しょうじょうはいガス(など)やあせ有無うむなど重要じゅうようである。はいガス、排便はいべんがなければ閉塞へいそくせい消化しょうか疾患しっかんうたがわれる。既往きおうれき腹部ふくぶ手術しゅじゅつれきしん疾患しっかん糖尿とうにょうびょう産婦人科さんふじんかてき疾患しっかんれきなどがある場合ばあいはそれが影響えいきょうしている可能かのうせいがある。周囲しゅうい同様どうよう症状しょうじょうひとがいれば食中毒しょくちゅうどく可能かのうせいもあり、アルコールいんれきはAKAの手掛てがかりとなる。内服薬ないふくやく嘔吐おうと原因げんいんがかりになる。

バイタルサインでは意識いしき障害しょうがい呼吸こきゅう不全ふぜんみとめられる場合ばあいや、高血圧こうけつあつわりじょみゃくというクッシング徴候ちょうこうみとめられる場合ばあい中枢ちゅうすうせい疾患しっかんうたがう。発熱はつねつみとめられれば感染かんせんしょうじょみゃく不整脈ふせいみゃくみとめられればこころ血管けっかん疾患しっかん呼吸こきゅう不全ふぜんみとめられるときはDKAといった代謝たいしゃせい疾患しっかんうたがう。発熱はつねつ嘔吐おうとともな消化しょうかかん感染かんせんとくうたが下痢げり症状しょうじょうがない場合ばあいずいまくえんうたがわれる。ずいまくえんうたが随意ずいい運動うんどう皮質ひしつ症状しょうじょう高熱こうねつずいまく刺激しげき症状しょうじょうみとめられる場合ばあい頭部とうぶCT撮影さつえい腰椎ようつい穿刺せんしおこなう。とく細菌さいきんせいずいまくえん緊急きんきゅう疾患しっかんである。

経口けいこう摂取せっしゅ経口けいこうやく内服ないふく不可能ふかのうであり、脱水だっすいしている場合ばあいがあるため原則げんそくとしては採血さいけつ点滴てんてきおこなう。 検査けんさでは閉塞へいそくせい疾患しっかんかんがえる場合ばあいはまずは腹部ふくぶ単純たんじゅんXせん撮影さつえいをおこなう。はいガスや排便はいべん停止ていしみとめられる場合ばあい非常ひじょう重要じゅうよう検査けんさとなる。じゅうあつし疾患しっかん見落みおとしをけるには頭部とうぶCTや心電図しんでんず尿にょう検査けんさおこなう。血糖けっとうが250mg/dlであればDKAをうたがい、動脈血どうみゃくけつえきガスや尿にょうちゅうケトンたい測定そくていする。機能きのうてき閉塞へいそく腹部ふくぶ単純たんじゅんXせん撮影さつえいかりやすい。これはかならだて撮影さつえいおこなう。機械きかいてき閉塞へいそく大腸だいちょうがんしぼ扼性イレウスをうたが場合ばあい造影ぞうえいCTを検討けんとうする。しぼ扼性イレウスの場合ばあい腹水ふくすい貯留ちょりゅうみとめられることがられ、単純たんじゅんCTでも見分みわけることができることもある。

鑑別かんべつ診断しんだん

悪心あくしん嘔吐おうと延髄えんずいにある嘔吐おうと中枢ちゅうすうによって制御せいぎょされている。消化しょうか心臓しんぞう前庭ぜんていのう実質じっしつ障害しょうがいによって嘔吐おうと誘発ゆうはつされる。中枢ちゅうすう神経しんけいけい障害しょうがいによる嘔吐おうと悪心あくしんともなわないのがひとつの特徴とくちょうである。消化しょうか異常いじょうもっとおおいがそれ以外いがい疾患しっかん数多かずおおい。とく急性きゅうせいかんむり症候群しょうこうぐん悪心あくしん嘔吐おうとのみしかみとめられないことがあり注意ちゅうい必要ひつようである。診断しんだんがくじょう下痢げりといった下部かぶ消化しょうか症状しょうじょう有無うむ重要じゅうようである。下部かぶ消化しょうか症状しょうじょうみとめられる場合ばあい中毒ちゅうどくとく薬物やくぶつではジゴキシンテオフィリン有名ゆうめい)によるもの以外いがい消化しょうか疾患しっかんである可能かのうせいたかい。とく見逃みのがすとおもあつ疾患しっかんとしてはのうない病変びょうへんとしては脳出血のうしゅっけつずいまくえんがあげられる。無痛むつうせい心筋梗塞しんきんこうそく糖尿とうにょうびょう患者かんじゃ高齢こうれいしゃおおいとされている。糖尿とうにょうびょうせいケトアシドーシス(DKA)、アルコールせいケトアシドーシス(AKA)、腎盂じんうじんえん妊娠にんしん敗血症はいけつしょうしぼ扼性イレウス急性きゅうせい胆嚢たんのうえん急性きゅうせい膵炎などが重要じゅうようである。これらの疾患しっかん下痢げりといった下部かぶ消化しょうか症状しょうじょうともなわないことがおおい。

悪心あくしん嘔吐おうとこす疾患しっかんとしては具体ぐたいてきには以下いかのような疾患しっかんかんがえられる。

分類ぶんるい 疾患しっかん
閉塞へいそくせい消化しょうか疾患しっかん イレウス幽門ゆうもん狭窄きょうさく便秘べんぴ
閉塞へいそくせい消化しょうか疾患しっかん 急性きゅうせい胃炎いえん急性きゅうせい胃腸いちょうえん急性きゅうせい膵炎消化しょうかかん穿孔せんこう急性きゅうせい胆嚢たんのうえん
感染かんせんしょう 敗血症はいけつしょうなど
眼科がんか疾患しっかん 緑内障りょくないしょうなど
耳鼻咽喉じびいんこう疾患しっかん 良性りょうせい発作ほっさせいあたまめまいしょうものなど
こころ血管けっかん疾患しっかん 急性きゅうせいかんむり症候群しょうこうぐん急性きゅうせい大動脈だいどうみゃく解離かいりなど
神経しんけい疾患しっかん のう血管けっかん障害しょうがいずいまくえん頭蓋とうがいないあつ亢進こうしんしょうなど
代謝たいしゃ内分泌ないぶんぴつ疾患しっかん 尿毒症にょうどくしょう糖尿とうにょうびょうせいケトアシドーシスアルコールせいケトアシドーシス
泌尿器ひにょうき疾患しっかん じんえん
産科さんか疾患しっかん 妊娠にんしんせい悪阻つわり
薬物やくぶつ ジゴキシンテオフィリンカルバマゼピン
中毒ちゅうどく きのこ中毒ちゅうどく
アレルギー疾患しっかん 消化しょうかかんアレルギーアナフィラキシー
精神せいしん疾患しっかん こばめしょくしょう過食かしょくしょうなど

早期そうき治療ちりょう必要ひつよう場合ばあい

  • 前述ぜんじゅつした要因よういんてはまらず、頭痛ずつうなど部位ぶい症状しょうじょうともな嘔吐おうと場合ばあいには、臓器ぞうきのう神経しんけいけい損傷そんしょうなどといった、べつ病因びょういんによる副次的ふくじてき症状しょうじょうである可能かのうせいがあり、場合ばあいによっては生命せいめい危険きけんかかわる。このため早急そうきゅう医師いし診察しんさつ必要ひつようである。
  • 一般いっぱんてき嘔吐おうとした場合ばあい吐瀉としゃぶつ胃酸いさん中心ちゅうしん内容ないようぶつである。胃炎いえん胃潰瘍いかいようなどの病気びょうきにより発生はっせいした場合ばあいには、それら以外いがい血液けつえきふく場合ばあいがある。状態じょうたいによって以下いかのような、それぞれべつ原因げんいんによるものである。
  1. 茶褐色ちゃかっしょくである(胃酸いさん反応はんのうするため)
    吐瀉としゃぶつちゅうにこのような茶褐色ちゃかっしょく血液けつえきかたまりがある場合ばあいは、消化しょうか潰瘍かいよううたがわれるため、はやめの消化しょうか内科ないかへの受診じゅしんすすめられる。嘔吐おうとによってはじめて自覚じかくされるが、普段ふだんはそのまま消化しょうかしてしまっているため、自覚じかく症状しょうじょうとぼしい。
  2. 鮮血せんけつく(あかい・りょうおおいなど)
    吐血とけつとよばれ、重大じゅうだい消化しょうか損傷そんしょううたがわれるため、嘔吐おうととはちがいより救急きゅうきゅうてき医療いりょう必要ひつようとする。消化しょうか内科ないか外科げかふく救急きゅうきゅう指定してい病院びょういんいそぐことがすすめられる。
  3. んださいにも血液けつえきこんじる
    喀血かっけつとよばれ、嘔吐おうと吐血とけつとは原因げんいんことなり、呼吸こきゅう損傷そんしょうせきたんとも血液けつえき排出はいしゅつされる。その一部いちぶはいって、吐瀉としゃぶつにもこんじることもある(茶褐色ちゃかっしょく)。感染かんせんしょう伝染でんせんびょう)もうたがわれるため、早期そうき呼吸こきゅう内科ないかへの受診じゅしんすすめられる。

かたかせかた

嘔吐おうとぶつ気管きかんはいらないようにあたましたけてかせる。くだけいてすっきりさせる。気分きぶんわるきそうだがけないなどの場合ばあいは、ゆびしたおくれるなどの嘔吐おうと反射はんしゃもちいる。とく臭気しゅうき不快ふかいかんもよおさせるため、吐瀉としゃぶつ処理しょり尿にょうなど汚物おぶつ全般ぜんぱんじゅんじ、また嘔吐おうとさいして着衣ちゃくいよごれないよう注意ちゅうい必要ひつようとする。いたのち十分じゅうぶん水分すいぶんおよび塩分えんぶん補給ほきゅうをすべきであるが、そのさいつめたいものをませるとそれが刺激しげきあたえ、さらにいてしまう場合ばあいがある。そのため、体温たいおん程度ていどあたためたスポーツドリンクなどをあたえるのがのぞましい。

意識いしきうしなっている場合ばあいや、意識いしきがはっきりしない場合ばあいなどは、嘔吐おうとのち窒息ちっそくする危険きけんせいがあるため、のどおく鼻腔びこうなか吐瀉としゃぶつまっていないか注意ちゅういする必要ひつようがある。緊急きんきゅうてきにはゆびでかきしたり、うしろからいだきかかえて鳩尾みずおちみぞおち)をななうし上方かみがたんだりするなど、のどおくにモノがまったとき同様どうよう処置しょちをする。乳幼児にゅうようじ場合ばあいなどでは、さかさにしてつよたたいたり、大人おとなくち幼児ようじはなくちおおってしたりすることもおこなわれる場合ばあいがある。

かせた、またはいたのちは、患者かんじゃ回復かいふく体位たいいらせるのがのぞましい。回復かいふく体位たいいらせるのがむずかしい場合ばあいは、嘔吐おうとぶつにより窒息ちっそくしないために、身体しんたいよこけてかせる。とく意識いしき朦朧もうろうとしている場合ばあい意識いしきうしなっている場合ばあい嘔吐おうとぶつ気管きかんはいり、窒息ちっそく危険きけんがよりたかまるために仰向あおむかせてはならない。

また、んだもの強制きょうせいてきかせるために催吐やくもちいる場合ばあいもある。

治療ちりょう

基本きほんてきには、心筋梗塞しんきんこうそくではけいがわてき冠動脈かんどうみゃく形成けいせいじゅつ(PCI)といった原因げんいん療法りょうほうおこなう。対症療法たいしょうりょうほうとしてはせい吐薬、グリセオールといったのうあつ降下こうかやく内容ないようぶつ除去じょきょとしてNGチューブの挿入そうにゅうなどがおこなわれる。せい吐薬としては消化しょうか疾患しっかんうたがわれた場合ばあいドパミン拮抗きっこうやくこうコリンやくもちいられる。ドパミン拮抗きっこうやくとしてはメトクロプラミド(プリンペラン®)、ドンペリドン(ナウゼリン®)などがよくもちいられる。これは消化しょうかかん蠕動ぜんどう運動うんどう亢進こうしんさせることで内容ないようぶつ通過つうかすることにより、嘔気が軽減けいげんする。せいちゅうすじちゅう坐薬ざやく経口けいこうといった各種かくしゅ薬剤やくざい市販しはんされている。点滴てんてきせいちゅうでは即効そっこうせいがないことがられている。こころ窩部の不快ふかいかんではなく腹痛はらいたみとめられるとき蠕動ぜんどう亢進こうしん症状しょうじょう悪化あっかすることがあり、注意ちゅうい必要ひつようである。この場合ばあいこうコリンやくであるブチルスコポラミン(ブスコパン®)がこのまれる傾向けいこうがある。こうコリンやく腸管ちょうかん蠕動ぜんどう抑制よくせいすることで悪心あくしん嘔吐おうと軽減けいげんする作用さようがある。きもかん尿にょうかんにも同様どうよう作用さようする。また内視鏡ないしきょうてき潰瘍かいよう炎症えんしょう所見しょけんみとめられない機能きのうせいディスペプシア場合ばあいセロトニン5-HT4受容じゅようたい刺激しげきやくであるモサプリド(ガスモチン®)がよくもちいられる。

またせい吐薬に分類ぶんるいされるドパミン拮抗きっこうやくスルピリド(ドグマチール®)をのぞ中枢ちゅうすう神経しんけい作用さようほとんどないとされているがまれきり体外たいがい症状しょうじょう出現しゅつげんすることがある。せん(ふるえ)、どうかたちぢみといったパーキンソン症候群しょうこうぐんかたちをとることがおおく、この場合ばあいこうコリンやくであるビペリデン(アキネトン®)などがよくもちいられる。また胃潰瘍いかいようGERDによる悪心あくしん嘔吐おうとかんしてはH2ブロッカーPPIもちいられる。その種種しゅじゅ原因げんいんこる悪心あくしん嘔吐おうとたいするせい吐薬を以下いかまとめる。

疾患しっかん分類ぶんるい もちいるせい吐薬
かた頭痛ずつう 5-HT1B/1D受容じゅようたい作動さどうやく
前庭ぜんていけいしんいんせい こうヒスタミンやく+こう不安ふあんやく
機能きのうせいディスペプシア 5-HT4受容じゅようたい作動さどうやく
便秘べんぴ 瀉下やく
こうがんざいによるacute emesis 5-HT3受容じゅようたい拮抗きっこうやくステロイド

治療ちりょう反応はんのうしなかった場合ばあい経口けいこう摂取せっしゅ不可能ふかのうであることがおおく、入院にゅういん適応てきおうとなる。治療ちりょうやく変更へんこうよりも原因げんいん疾患しっかんさい検索けんさく重要じゅうようとなる場合ばあいおおい。とく異常いじょうがなく不定ふてい愁訴しゅうそとして嘔気・嘔吐おうときる場合ばあい消化しょうか機能きのう改善かいぜんざいであるメトクロプラミドドンペリドン、ドパミン遮断しゃだん効果こうか鎮静ちんせい効能こうのうのあるこう精神病せいしんびょうやくクロルプロマジンなどの投与とうよ対症療法たいしょうりょうほうとして使用しようされる場合ばあいがある。

小児科しょうにか領域りょういき嘔吐おうと

ヒトの新生児しんせいじ生後せいご48時間じかん以内いないに1かい程度ていど嘔吐おうとすることはよくられる現象げんしょうである。たとえ正常せいじょう状態じょうたいまれてきたとしても、生後せいご48時間じかん以内いないに1かい嘔吐おうとをする新生児しんせいじ過半数かはんすうだと(6わりから8わり新生児しんせいじが1かい嘔吐おうとするとも)いわれる。新生児しんせいじ嘔吐おうと大半たいはん一過いっかせいであり、おおくともすうかい程度ていどわって嘔吐おうとしなくなるので、治療ちりょう不要ふようである。しかしながら、なかには消化しょうかかん閉鎖へいさしているなどの奇形きけい、ミルクアレルギー、分娩ぶんべんときのう損傷そんしょうしょうじた場合ばあいなどが原因げんいんである嘔吐おうと少数しょうすうながらあるために鑑別かんべつ重要じゅうようで、原因げんいん精査せいさもとめられる。吐寫ぶつ性状せいじょうみずのようなのか、血液けつえきじっているか、乳汁にゅうじゅうのようなのか、など)を確認かくにんすることが、鑑別かんべつがかりとなるため、どのようなもの嘔吐おうとしたかを観察かんさつすることが必要ひつようである。なお、成人せいじんでは消化しょうか領域りょういき感染かんせんしょう潰瘍かいようなどによってこる嘔吐おうともっとおおいのだが、小児しょうにではその疾患しっかん鑑別かんべつがってくる。先天せんてんせいちょう閉鎖へいさちょう回転かいてん異常いじょうでもこるし、輪状りんじょう膵でもこりうる。これらの疾患しっかんではその奇形きけい精査せいさ重要じゅうようとなることがある。

発症はっしょう時期じき 疾患しっかん 吐物 画像がぞう所見しょけん
出生しゅっしょう直後ちょくご 先天せんてんせい食道しょくどう閉鎖へいさしょう 泡沫うたかたさま coil up sign
出生しゅっしょうすうあいだ~1週間しゅうかん 先天せんてんせいちょう閉鎖へいさしょう 胆汁たんじゅうせい microcolon 多数たすうのniveau
出生しゅっしょうすうあいだ~1週間しゅうかん くさり   直腸ちょくちょう体温計たいおんけいはいらない、倒立とうりつ撮影さつえい
出生しゅっしょうすうあいだ~1週間しゅうかん ヒルシュスプルングびょう   megacolon caliber change narrow segment
出生しゅっしょう2,3しゅう 肥厚ひこうせい幽門ゆうもん狭窄きょうさくしょう 噴水ふんすいじょう嘔吐おうと string sign umbrella sign showlder sign
数ヶ月すうかげつ~2さい ちょうじゅうせき 胆汁たんじゅうせい黄色おうしょく吐物 かにのつめ、target sign

吐瀉としゃぶつ処理しょり

ゆかなどにされた吐瀉としゃぶつはん液状えきじょうで、悪臭あくしゅうはなち、ノロウイルスなど病原びょうげんたいふく場合ばあいがあるため、清掃せいそう不快ふかいかんとき危険きけんともなう。酔客すいきゃくらが嘔吐おうとすることがおお鉄道てつどうえきでは、水分すいぶん吸収きゅうしゅうして処理しょりしやすいおがくずがストックされていることもある。東日本旅客鉄道ひがしにほんりょかくてつどうグループのJR東日本ひがしにっぽん環境かんきょうアクセスは、かみせい吸水きゅうすいざい吐瀉としゃぶつよう掃除そうじ開発かいはつしている[1]

社会しゃかい文化ぶんか

バスいなどするひとは、あらかじめエチケットぶくろ液体えきたいとおさないビニールぶくろなど)をったり、薬局やっきょくなどでられているやく乗車じょうしゃまえんだりするとい。長距離ちょうきょりバスや観光かんこうバスなどでは、エチケットぶくろ用意よういされている場合ばあいおおい。[2]

自白じはくすること俗語ぞくごで「く」「ゲロする」とことがある。

派生はせい

小間物こまもの(こまもの)
吐瀉としゃぶつのことを婉曲えんきょくしたかたり吐瀉としゃぶつ飲食いんしょくした様々さまざま種類しゅるい食物しょくもつざっていることから、小間物こまものあつか商品しょうひんにち用品ようひん化粧けしょうひんはど)は種類しゅるいおおく、色々いろいろ商品しょうひんじっているため、それになぞらえた。また、小間物こまもの商品しょうひんひろげてせながら、商売しょうばいをしている姿すがたていることから、俗語ぞくごとして、飲食いんしょくしたものを行為こうい反吐へどくこと。また、吐瀉としゃぶつそのものをす。
小間物こまもの(こまものや)をひらく」
慣用かんようとしてもちいられる。小間物こまものひろげる」小間物こまものてん(こまものみせ)をひろげる」ともいう。飲食いんしょくしたものをすこと。反吐へどくこと。

人間にんげん以外いがい動物どうぶつ

  • ウサギ噴門ふんもん幽門ゆうもん接近せっきんしているため、嘔吐おうとすることができない。
  • カエル胃袋いぶくろごと嘔吐おうとする。そのさい胃袋いぶくろ裏返うらがえしになる。
  • ネコもよく嘔吐おうとする動物どうぶつであり、その原因げんいんもうたまだとおもわれているが、あまりに頻繁ひんぱんつづくようであればしし医師いしせたほうが場合ばあいがある。
  • ジャコウネズミ(スンクス)は、ウサギ、ネズミちが薬物やくぶつらすことでくため、嘔吐おうと反射はんしゃ研究けんきゅうもちいられる。[3][4]

脚注きゃくちゅう

関連かんれん項目こうもく

外部がいぶリンク