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ウサギ - Wikipedia

ウサギ

広義こうぎにはウサギ狭義きょうぎにはウサギ総称そうしょう

ウサギうさぎうさぎ)は、もっと広義こうぎにはうさぎがた[2][3]狭義きょうぎにはウサギ[4][5]、さらに狭義きょうぎにはウサギもしくはノウサギ Leporinae[2]総称そうしょうである。

ウサギ
アナウサギ Oryctolagus cuniculus
分類ぶんるい
ドメイン : かく生物せいぶつ Eukaryota
さかい : 動物界どうぶつかい Animalia
もん : 脊索せきさく動物どうぶつもん Chordata
もん : 脊椎動物せきついどうぶつもん Vertebrata
つな : 哺乳ほにゅうつな Mammalia
: うさぎがた Lagomorpha
: ウサギ Leporidae
: ウサギ Leporinae
学名がくめい
Leporinae Trouessart, 1880[1]

ここではおもウサギについて記述きじゅつする。現在げんざい分類ぶんるいでは、ウサギにはすべての現生げんなまウサギふくめるが、かつては一部いちぶふくめない分類ぶんるいもあった。うさぎがたはウサギ以外いがいに、ナキウサギサルデーニャウサギなど。

形態けいたい

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しししての特徴とくちょうとしては、みみかい大型おおがたなことがげられる。うさぎがたないではみみかいがあまり発達はったつしていないしゅでも、哺乳ほにゅうつな分類ぶんるいぐんとの比較ひかくにおいてはみみかい比率ひりつおおきいといえる。おとふうほうみみ正面しょうめんくよう、みみかいうごかすことができる。また、毛細血管もうさいけっかんけてえるこのおおきなみみかいふうてることで体温たいおん調節ちょうせつ役立やくだてるともいう。

頭部とうぶ上部じょうぶ側面そくめんにありひろ視野しや確保かくほすることができ、夜間やかん薄明はくめい薄暮はくぼ活動かつどうてきしている。はなにはたてがあり、上部じょうぶ皮膚ひふ可動かどうさせることで鼻孔びこう開閉かいへいすることができる。門歯もんし発達はったつし、一生いっしょうつづける。かつてはこの門歯もんし特徴とくちょうをもってネズミとおなかじなか位置いちづけられていた。しかし、上顎じょうがく門歯もんし裏側うらがわくさびがた門歯もんしがあるものをウサギとして独立どくりつした分類ぶんるいがなされるようになった(かじきんえん仲間なかまではある)。れつ じゅん門歯もんし犬歯けんししょう臼歯きゅうしだい臼歯きゅうし上下じょうげ上下じょうげあご)で、けい28ほんつ。

かつてネズミ仲間なかま分類ぶんるいされていたように、肉食にくしょくであるネコイヌとはことなるてんおおく、おおくのたねのウサギのあしうらにはにくだまはなく、あつやわらかい体毛たいもうえている。前肢ぜんしよりも後肢あとあしながく、跳躍ちょうやくはしてきしている。前肢ぜんしゆびは5ほん後肢あとあしの趾は4ほんで、ゆび趾にはつめ発達はったつする。からだ全体ぜんたいまるみをび、尻尾しっぽみじかい。ただ、盲腸もうちょうながい。

生態せいたい

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草原そうげんはん砂漠さばく地帯ちたい雪原せつげん森林しんりん湿原しつげんなどに生息せいそくする。アナウサギ地中ちちゅう複雑ふくざつあなって集団しゅうだん生活せいかつする。縄張なわば意識いしき比較的ひかくてきつよく、あごにおいせんをこすりつけることでにおいをつけてテリトリーを主張しゅちょうする。ノウサギあなでの生活せいかつはしない。

しょくせいおおくのたね植物しょくぶつしょくで、くさ樹皮じゅひ果実かじつ牧草ぼくそう野菜やさいなどをべる。一部いちぶ野生やせいしゅ昆虫こんちゅうなどもべるという。カイウサギであれば、屋外おくがいのアリなどもめながらべる。

胎生たいせいネコなどとおなじく、交尾こうびにより排卵はいらん誘発ゆうはつされる交尾こうび排卵はいらん動物どうぶつ妊娠にんしん期間きかん最長さいちょうユキウサギやく50にちで、おおくのたねは30・40にちいち出産しゅっさんで1・6とう(ないしそれ以上いじょう)を出産しゅっさんする。

アナウサギはしゅうねん繁殖はんしょく動物どうぶつ繁殖はんしょくたない動物どうぶつ)に分類ぶんるいされ、年中ねんじゅう繁殖はんしょくすることが可能かのうであり[6][7]多産たさん繁殖はんしょくりょくたか動物どうぶつである。ノウサギは春先はるさきからあきまで、長期ちょうきてきなゆるい繁殖はんしょくっている。

天敵てんてきヘビキツネイタチをはじめしょう中型ちゅうがた肉食にくしょくじゅう猛禽もうきんるいひとカラス

種類しゅるいにもよるが、時速じそく60-80kmではしることができ、うごきははやい。

声帯せいたいたないため滅多めったくことはないが、わりに言語げんごコミュニケーションをもちいる。代表だいひょうてきなものは発達はったつしたのちあし地面じめんつよけるスタンピングで、そのおも動機どうき天敵てんてき接近せっきんした場合ばあい仲間なかま警戒けいかいうながすためであるが、不快ふかい感情かんじょうあらわさいにもこの行動こうどうをとることがある。

ウサギの唾液だえきには、衛生えいせい状態じょうたいたも成分せいぶんふくまれている。かおぜんあしおおうようにでたりみみでる仕草しぐさかけるが、ぜんあしあらかじ付着ふちゃくさせておいたみずからの唾液だえき目的もくてき部位ぶい全体ぜんたいわたらせることで衛生えいせい状態じょうたいたもっているのである。

特徴とくちょうてきながみみ代表だいひょうされるようにひいでた聴力ちょうりょく一方いっぽうで、視力しりょくにはおとり、食物しょくもつべるとき安全あんぜんせい確認かくにんする場合ばあいも、視覚しかくより嗅覚きゅうかく駆使くしする。

ストレスには非常ひじょうよわく、えず周囲しゅうい警戒けいかいしている。ほねくずれやすくもろいという弱点じゃくてんもある。

ニンジンなどの根菜こんさいべるイメージがあるが、糖分とうぶんたか自然しぜんかいではべない。飼育しいく環境かんきょう少量しょうりょうあたえられる程度ていどである[8]おもべるのはチモシーアルファルファなどの牧草ぼくそうであるが、チモシーにアレルギーをこすひとるので、時々ときどき飼育しいく問題もんだいになる。

時折ときおりまるめて直接ちょくせつ肛門こうもんくちっていき、くちをモグモグとする行動こうどう観察かんさつできるが、これは「しょくくそ行動こうどう」といい、消化しょうかになった植物しょくぶつ繊維せんいとうふくんだくそ再度さいどべて消化しょうか栄養えいようさい吸収きゅうしゅううなが行為こういであり、異常いじょう行動こうどうではない。

ペット飼育しいく

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ペットとしてのウサギ

捕食ほしょくされるがわである草食そうしょく動物どうぶつのため、いえいする場合ばあいもその本能ほんのう残存ざんそんしており、部屋へや目立めだった場所ばしょず、カーテン裏側うらがわつくえした部屋へやすみっこなどに陣取じんどることがおおい。

ウサギはデリケートなものでもあり、ペット飼育しいくされているウサギにはストレスをかんじたときまれ自分じぶん体毛たいもうむし行動こうどうられるが、ほかのペット動物どうぶつでもありうることである。

前歯まえばつづけることも手伝てつだい、いえいするとき屋内おくないのコードというコードをかたぱしからかじってしまうこともおおい。ほんたたみ木材もくざい家具かぐいたってはそのものをべてしまうこともある。とく家電かでん製品せいひんのコードるい感電かんでんおそれもあるので、なるべくとどかないところに設置せっちすべきである。

排泄はいせつ場所ばしょは、きれいきのため、きちんとしつけければ、特定とくてい場所ばしょ排泄はいせつおこなうようになる。すみかくれられる場所ばしょ排泄はいせつ場所ばしょくべきである。

寿命じゅみょう
5–11ねんまれにそれ以上いじょう:ネザーランドドワーフで最高さいこう年齢ねんれい13さい記録きろくがある。※ギネス記録きろくは18さい10かげつ
体温たいおん
ウサギの平均へいきん体温たいおんは38–40℃とかなり高温こうおんまでが正常せいじょう範囲はんい。39℃だい体温たいおん正常せいじょう判断はんだん対処たいしょする必要ひつようがある。体温たいおんがりすぎる場合ばあいみみみずかる湿しめらせタオルで全身ぜんしんいたうえからアイスボトルなどでやし、ぎゃく体温たいおんが37.7℃以下いか場合ばあいあたたかいぬの全身ぜんしんつつみカイロなどでそのうえからあたためる。
心拍しんぱくすう
130–325/ぶん
呼吸こきゅうすう
32–60/ぶん
ぜん血液けつえきりょう
57–65 mL/kg
血圧けつあつ
90–130 / 60–90 mmHg
食物しょくもつ消費しょうひりょう
5–100 g/個体こたいおおきさによる)
飲水のみみず消費しょうひりょう
5–10 ml/にち・100 g/(あるいはそれ以上いじょう
腸管ちょうかん通過つうか時間じかん
4-5あいだ

南極大陸なんきょくたいりく一部いちぶ離島りとうのぞ世界中せかいじゅう陸地りくち分布ぶんぷしている。ペットとしてまれたものもおおく、オーストラリア大陸たいりくマダガスカルとうには元々もともと生息せいそくしていなかった。とくに、オーストラリア大陸たいりくひろ分布ぶんぷするようになったウサギは、入植にゅうしょくしゃトーマス・オースティン狩猟しゅりょうようんだ24ひきのウサギが、オーストラリアの環境かんきょう適応てきおうして爆発ばくはつてきえたものであることがられている[9]

日本にっぽんでは、各地かくち縄文じょうもん時代じだい貝塚かいづかからウサギのほね出土しゅつどすることや、古事記こじきの「因幡いなば白兎しろうさぎ」などに登場とうじょうすることなどから、そのころにはすでにかなりのかず棲息せいそくしていたものとかんがえられる。灰色はいいろ褐色かっしょくとう毛色けいろゆうし、積雪せきせつ地帯ちたいではふゆにはしろわる在来ざいらいしゅニホンノウサギは、日本にっぽん固有こゆうしゅとしてられている。また、絶滅ぜつめつ危惧きぐしゅでありくに特別とくべつ天然記念物てんねんきねんぶつアマミノクロウサギは、世界せかいでも奄美あまみ群島ぐんとう一部いちぶのみに生息せいそくする。

狩猟しゅりょう

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ウサギと子羊こひつじあしジャン=バティスト・ウードリーによる油彩ゆさい(1742ねんクリーブランド美術館びじゅつかん所蔵しょぞう[10]

ウサギはむかしから食料しょくりょう毛皮けがわ遊興ゆうきょうなどの目的もくてき狩猟しゅりょう対象たいしょうとされている。とく欧米おうべいでは、ウサギのハンティングは文化ぶんかてきなスポーツとしてあつかわれている。

狩猟しゅりょうさいにウサギをいかけるときはかなら斜面しゃめんうえからいかけると有利ゆうりぎゃく斜面しゃめんのぼかたちいかけると不利ふりとされている。なぜならウサギの身体しんたいてき特徴とくちょうとしてうしあしなが前足まえあしみじかいため、ウサギはのぼざかではからだかたむ具合ぐあい水平すいへいになるためさかのぼるのにつよく、くだざかではまえかがみのようになってしまうためさかくだるのは苦手にがてだからである。

上野公園うえのこうえんにある西郷さいごう隆盛たかもりぞうは、愛犬あいけん「ツン」をつれて趣味しゅみうさぎりをしているときの姿すがたである。

食肉しょくにく

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狩猟しゅりょう養殖ようしょくによってられたウサギのにくは、食用しょくようとして利用りようされてきた。古代こだいマンモスなどの大型おおがた獲物えものすくなくなるにつれ、ウサギをはじめとする小型こがたですばしっこい動物どうぶつは、人類じんるいにとって重要じゅうよう獲物えものとなっていった。ネアンデルタールじんは、このようなちいさな獲物えものるための適応てきおう出来できなかったため、ほろんだとのせつがある[11]

 
ウサギのソテーとリゾット

ウサギはやわらかい食肉しょくにくとなる。ウサギのフィレ・ステーキという料理りょうりもあるが、1とうのフィレ部分ぶぶんはホタテかい貝柱かいばしら程度ていど寸法すんぽうしかなくすうとうぶんのフィレにく使つかうことになる。挽肉ひきにくにすると粘着ねんちゃくせいたかいので、ソーセージプレスハムゆいざいとして使つかわれることがある。

日本にっぽんでも、古来こらいより狩猟しゅりょう対象たいしょうであり、食用しょくようとされてきた。縄文じょうもん時代じだい貝塚かいづかからほねつかることはそれを示唆しさするものであるとかんがえられ、江戸えど時代じだい徳川とくがわ将軍家しょうぐんけでは、正月しょうがつさんにちにウサギじるべる風習ふうしゅうがあったという[12][13]日本にっぽん獣肉じゅうにくしょく歴史れきし#江戸えど時代じだいおよびしょくのタブー#ウサギ参照さんしょう)。秋田あきたけん一部いちぶ地域ちいきでは「まるにく」とばれ、旅館りょかん料理りょうりとしてされることがある。このまるにくという名称めいしょうは、一説いっせつによると、明治めいじ日本にっぽん品種ひんしゅ改良かいりょうされて定着ていちゃくしたしろ赤目あかめ日本にっぽん白色はくしょくしゅが、あたかもまる色彩しきさい具現ぐげんしたような動物どうぶつであったことによるともいわれる。明治めいじはいり、うさぎ輸入ゆにゅうはじまる。うさぎ種類しゅるいにくよう(ベルジアン、バタゴニアン)、よう(アンゴラ)、毛皮けがわよう(ヒマラヤン、シベリヤン)、愛玩あいがんよう(ロップイヤー、ポーリッシュ、ダッチ)がある。ロップイヤーの平均へいきん体重たいじゅうは9きん(5.4kg)である。また秋田あきたけん一部いちぶマタギには、ウサギの消化しょうか内容ないようぶつとも料理りょうりしてべる「スカ料理りょうり」がつたわっている[14]

20世紀せいきはいり、一般いっぱん消費しょうひしゃスーパーマーケットなどで豚肉ぶたにく牛肉ぎゅうにく手軽てがる購入こうにゅうできるようになっても、ウサギにく単独たんどく店頭てんとうなられいはほぼないが、1960年代ねんだいにはぶた挽肉ひきにくにウサギにく混入こんにゅうする事例じれい横行おうこうした。1969ねんには農林省のうりんしょう原材料げんざいりょう明記めいきするよう業界ぎょうかい指導しどうしたことがある[15]

欧州おうしゅう各地かくちでも古来こらいより食用しょくようとされ、フランス料理りょうりでは、伝統でんとうてき一般いっぱんてき料理りょうり使用しようするものは、カイウサギラパン (Lapin)ノウサギリエーヴル (Lièvre)[ちゅう 1]という区別くべつ食肉しょくにくとして愛好あいこうされてきた。ラパンはしばしばにわとりなどと同様どうよう家禽かきんるいとしてあつかわれる。にくからももにくまでが主要しゅよう部位ぶいで、内臓ないぞうにくとしては腎臓じんぞう、レバーなどをべる[16]

北米ほくべいでは、ウサギにくはフライよう(fryer)、ローストよう(roaster)、内臓ないぞう(giblets)の3等級とうきゅう分類ぶんるいされている。生後せいご9しゅうまで、体重たいじゅう4.5-5ポンドのにくはフライよう体重たいじゅう5-8ポンド、月齢げつれい8ヵ月かげつまでのにくをローストようさだめている。ローストようはフライようよりもにくかたいとされている。肝臓かんぞう心臓しんぞうなども食用しょくようにする。

ユダヤきょうでは、ウサギは「きよくない動物どうぶつ」、すなわちカーシェール (כָּשֵׁר, Kāšēr) とされ、べてはならない動物どうぶつさだめられている。日本にっぽんでも一部いちぶ地域ちいき埼玉さいたまけん群馬ぐんまけんなど、後述こうじゅつ)において、にんうさぎにくべることを禁忌きんきとするかんがかたがある[17]

狩猟しゅりょう養殖ようしょくによってられたウサギの毛皮けがわは、服飾ふくしょくひんとしても利用りようされてきた。

防寒ぼうかんようとして世界せかい各地かくちでその毛皮けがわもちいられてきたほか、一種いっしゅ装飾そうしょくようとしてももちいられる。

また、毛皮けがわとしてではなくあしながいウサギの羊毛ようもうのようにって織物おりものよう繊維せんいとして利用りようすることもおこなわれてきた。アジア原産げんさんのアンゴラ山羊やぎアンゴラ兎あんごらうさぎ使つかったモヘヤられているが、欧州おうしゅうではアンゴラウサギ (Angora rabbitという繊維せんい利用りよう専用せんよう品種ひんしゅつくられた。日本にっぽんでも、明治めいじから太平洋戦争たいへいようせんそう時代じだいにかけて軍需ぐんじゅ毛皮けがわ生産せいさんする目的もくてきからウサギの飼育しいくさかんになり、日本にっぽんアンゴラしゅという品種ひんしゅつくられた。

毛皮けがわのみを目的もくてきとした品種ひんしゅまれレッキスやアンゴラウサギくらいである。そのは、精肉せいにく目的もくてき副産物ふくさんぶつであり、ながさがふゆ以外いがいではまばらとなるかわで、毛皮けがわとしてのしつたかくない[18]

西洋せいようでは、ウサギのあし幸運こううんのシンボルとして剥製はくせいされて使用しようされる。

ウサギのかわ煮込にこんでられるにかわは、テンペラもちいられてきた。アクリル絵具えのぐ発達はったつした21世紀せいき初頭しょとうでもなお、ふる絵画かいが修復しゅうふくくことのできない材料ざいりょうである。

実験じっけん動物どうぶつ

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家畜かちくされたアナウサギカイウサギ)が、実験じっけん動物どうぶつとしてひろ使つかわれる(ドレイズ試験しけん)[19][20]

税金ぜいきん

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日本にっぽんでは明治めいじ時代じだいはいり、ウサギの売買ばいばい飼育しいくさかんになったことから、1873ねん明治めいじ6ねん)に東京とうきょうより「うさぎ取締とりしまり」が布達ふたつされた。ウサギいちとうにつき、1えんせられ、許可きょか飼育しいくすると2えん罰金ばっきんせられた[21]

家畜かちく

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カイウサギの品種ひんしゅひとつ、ネザーランド・ドワーフ

ウサギの一種いっしゅであるアナウサギ家畜かちくしたものはカイウサギばれ、ひろ利用りようされている。ペットとして人気にんきたかネザーランド・ドワーフロップイヤー毛皮けがわようにも使つかわれるレッキス日本にっぽん実験じっけんようによく使つかわれるジャパニーズホワイトなどおおくの品種ひんしゅがあるが、分類ぶんるいがくまとにはアナウサギと同種どうしゅとみなされ、学名がくめいおなOryctolagus cuniculusである。

利用りよう目的もくてきようにくよう愛玩あいがんようなど多岐たきにわたる。ペットよう品種ひんしゅ改良かいりょうされたものはしばしばイエウサギとばれ、一般いっぱん家庭かていでの飼育しいく可能かのうである。実験じっけん動物どうぶつとしては、薬品やくひん化粧けしょうひん安全あんぜんせい試験しけんや、医学いがく研究けんきゅうモデル生物せいぶつとして使つかわれるが動物どうぶつ実験じっけん結果けっかをそのまま人間にんげんには適用てきようできない事例じれいもあるだけでなく、倫理りんりじょう観点かんてんからも問題もんだいされており、徐々じょじょ動物どうぶつ実験じっけん廃止はいしするうごきがひろまりつつある[22]

日本にっぽん大久野島おおくのしま前島まえじまニュージーランドオーストラリアでは逸出いっしゅつしたカイウサギの野生やせいこっている。オーストラリアでは、野生やせいしたカイウサギが生態せいたいけい農業のうぎょうあたえる悪影響あくえいきょう問題もんだいされている。

明治めいじ時代じだい、そのあいくるしさからウサギをうことがだい流行りゅうこうし、ウサギの価格かかく高騰こうとう闇取引やみとりひきすることがおお政府せいふまるほどの一大いちだいムーブメントがきていた。

ARBA (American Rabbit Breeders Association) は世界せかい最大さいだい規模きぼのウサギ協会きょうかい純血じゅんけつしゅ保護ほごするため毎年まいとしブリーダーや一般いっぱんぬしったウサギを品種ひんしゅごとに基準きじゅんさだ品評ひんぴょうかいおこなっている。

 
不思議ふしぎくにのアリス』に登場とうじょうするしろウサギのイラスト

ウサギは生息せいそくいきひろひるぎょうせい繁殖はんしょくりつたかひとにふれやすいため、したしみやすく、擬人ぎじんされて童話どうわ説話せつわのモチーフとして使つかわれている。漫画まんがやマスコットとうのキャラクターとして登場とうじょうする。ピーター・ラビット作者さくしゃビアトリクス・ポターは、みずからがっていたウサギを詳細しょうさいにデッサン、スケッチして解剖かいぼう学的がくてきにも研究けんきゅうしてえがいている。

西洋せいよう東洋とうようわず、ども用品ようひんあつか企業きぎょうのマスコットやシンボルマークにウサギを使用しようしている[ちゅう 2]

シンボルとしてのウサギ

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むかしからわれつづけてた、つきのシンボル

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日本にっぽんから月面げつめん模様もようふるくからもちつきをするウサギにえていたことから、日本にっぽんには古来こらい、ウサギがつきむという説話せつわ仏教ぶっきょう道教どうきょう説話せつわあるいは民間みんかん説話せつわとしてつたわっている。

たとえば、仏教ぶっきょうてき説話せつわおお題材だいざいにとる『今昔こんじゃく物語ものがたりしゅうだいかんだいじゅうさんさんしし菩薩ぼさつみちぎょうじ、うさぎかたり」には、つぎのような捨身しゃしん慈悲じひ滅私めっし献身けんしん象徴しょうちょうとしてウサギがえがかれる。

むかしむかし、天竺てんじく現在げんざいインド)にウサギ・キツネサルの3ひきししがあり、ともに熱心ねっしん仏教ぶっきょう修行しゅぎょうはげんでいた。そこに、いまにもたおれそうなるからにみすぼらしい老人ろうじんあらわれ、やしなってくれる家族かぞくもなくまずしくべるものもないと3ひきうったえた。そこで、サルはのぼってをとってきたり、さと里人さとびと果物くだもの野菜やさいをかすめてきて老人ろうじんあたえ、キツネは川原かわらってさかなをとってきたり、はかそなえてあったもちめしをかすめてきて老人ろうじんあたえた。サルはえだひろあつめ、キツネがそれにをつけて、食事しょくじ支度したくはじめる。その一方いっぽうで、ウサギはけずりまわり東西とうざい南北なんぼくあちこちをさがもとめたが、老人ろうじんあたえるものはつけられず、ぶらでかえってくるしかなかった。そんなウサギをて、サルやキツネそして老人ろうじんまでもが、ウサギを嘲笑ちょうしょうし、ののしった。しかしウサギはう。「たしかにおのれにはものうばってってくるちからはなかった。ですから、このいておべください」と。そううがはやいか、ウサギはなかにとびこんだ。この様子ようすていた老人ろうじんは、たちまちにして本来ほんらい帝釈天たいしゃくてん姿すがたもどり、すべてのものたちにこのウサギの善行ぜんこう姿すがたせるために、つきなかにウサギをうつした。いまでもつきにはけむりのようなくもかげとウサギの姿すがたがあるのはそのためである。すべてのひとが、つきるたびにこのウサギの行動こうどうおもこすように。

以上いじょうが、「いまむかし天竺てんじくうさぎきつねさるさん(みつ)のししありて、ともまことしんはつ(おこ)して菩薩ぼさつみち(どう)をくだりひけり」にはじまり、「まん(よろづ)のひとつきむごとに此のうさぎことおもひいづべし」でわる説話せつわのあらすじである。

平安へいあん時代じだい末期まっきごろに原型げんけい成立せいりつしたとされ、江戸えど時代じだいにはひろまれていた『今昔こんじゃく物語ものがたりしゅう』に採録さいろくされたこの仏教ぶっきょう説話せつわは、釈尊しゃくそん前世ぜんせいエピソードをあつめたふるいインドの物語ものがたりジャータカ中国ちゅうごくの『だいから西域せいいき』などの影響えいきょうけているとみられる。この仏教ぶっきょう説話せつわがいつごろ日本にっぽんつたわり各地かくちひろまったかはさだかではないが、奈良なら時代じだい以前いぜんつくられた法隆寺ほうりゅうじ玉虫たまむし厨子ずし台座だいざ背後はいご須弥山しゅみせんでは、帝釈たいしゃく天宮てんぐうみぎじょうつきなかにおそらくウサギか蟾蜍ひきがえる(ひきがえる))と、左上ひだりうえ太陽たいようなかさんほんあしがらす)がすでにえがかれている。また、そのころにつくられたとされるなか宮寺みやでら天寿てんじゅこく繍帳にも、つき意味いみするえんなかに、不老不死ふろうふしくすりつぼ月桂樹げっけいじゅえだとともにウサギがしゅうされている。なお、中国ちゅうごく由来ゆらい道教どうきょう神仙しんせん思想しそうにおいて、つき西王母せいおうぼという仙女せんにょおさめる世界せかいであり、そこでは永久えいきゅうれない月桂樹げっけいじゅ)のもとで不老不死ふろうふしくすりをウサギがつくっているとされ、そこをおとずれた美女びじょ蟾蜍ひきがえるせんじょえられがつにとどめられているという説話せつわがある[ちゅう 3]

平安へいあん時代じだいの『延喜えんぎしき』には、「さんほんあしがらすにちしらげ也。白兎しろうさぎつきしらげ也」という記述きじゅつがすでにみられ、ウサギはつき象徴しょうちょうとして為政者いせいしゃ日本にっぽん寺社じしゃでも認識にんしきされていたことがうかがえる。ほかにも、「きむがらすだまうさぎ(きんうぎょくと)」という言葉ことばがあるが、日本にっぽんでは江戸えど時代じだいまでは、太陽たいようつき、すなわちぜん宇宙うちゅう天皇てんのうべるという意識いしきのもと、朝廷ちょうていのハレの儀式ぎしきのときには日月じつげつあらわのぼり(のぼり)をかならてることとしていた。こののぼりにはきむがらすたまうさぎがそれぞれ太陽たいようつき象徴しょうちょうとしてえがかれていたとされる[ちゅう 4]。また、『ぞく日本にっぽん天平てんぺい4ねん732ねん正月しょうがつじょうに「大極殿たいきょくでん受朝。天皇てんのうはじめふく冕服。」とある。このとし正月しょうがつ聖武天皇しょうむてんのう大極殿たいきょくでん朝賀ちょうがけたが、天皇てんのうが「袞冕(こんべん)」という礼服れいふく着用ちゃくようしたのはこのときはじめてであるという内容ないようであるが、以後いご天皇てんのう礼服れいふくとなるこの袞冕(べん)には、赤地あかじころも左肩ひだりかた部分ぶぶん金糸きんしえん(そのなかくろがらす)、右肩みぎかた部分ぶぶん銀糸ぎんしえん(そのなかにウサギと蟾蜍ひきがえる)をしゅうしてある。中国ちゅうごく皇帝こうてい黒地くろじ左肩ひだりかたつき右肩みぎかた太陽たいよう礼服れいふくもちいていたことの影響えいきょうかんがえられる。

こうしたつき象徴しょうちょうとしてのウサギは、仏教ぶっきょう道教どうきょうてき背景はいけい意匠いしょうにとどまらず、日本にっぽん素朴そぼく民間みんかん神事しんじにもあらわれている。

日本にっぽん中国ちゅうごくインドアイヌ東南とうなんアジアアフリカなど各地かくちつたわる「神話しんわ」とばれるものがある。本来ほんらいなら、ひとつであるはずの太陽たいようかずえすぎて猛暑もうしょだい旱魃かんばつとなり、こまった人間にんげんたちは知恵ちえしぼり、えすぎたにせ太陽たいようとすというものである。日本にっぽんでも各地かくちたてまつさい(オビシャ、オコナイなどともいう)とばれるゆみ神事しんじ民間みんかんおこなわれてきた。現在げんざいでも、滋賀しがけん利根川とねがわしも流域りゅういき茨城いばらき南部なんぶから千葉ちばけんなどでひろおこなわれているが、太陽たいようしたてきつきしたまと用意よういし、太陽たいようしたてきだけを、弓矢ゆみや射抜いぬ行事ぎょうじである。太陽たいようまとにはさんほんあしがらすえがかれ、つきまとにはウサギがえがかれることがおおい。

ウサギはつき化身けしんであり神聖しんせいなシンボルとしてひろもちいられてきたのである。

やまのシンボル

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ウサギを「やまかみ」とどういち、あるいは「やまかみ使つかい(かみ使)」やものとする伝承でんしょう日本にっぽん各地かくちひろられる。

滋賀しがけん高島たかしまぐんでは、やまかみ祭日さいじつにはやまかみしろいウサギにってやまめぐる、やまかみしろウサギの姿すがたをしているとされ、京都きょうと愛宕あたごぐんでは氏神うじがみさんりん神社じんじゃ境内けいだいまつられるやまかみの2がつ祭日さいじつにはしろウサギがいねたねき、11月の祭日さいじつにはしろウサギがいね落穂おちぼひろうというので、しろウサギはけっしてってはならないとされている。また、福井ふくいけん三方みかたぐんではウサギはやまかみ使つかいとされやまかみ祭日さいじつやまはいることのいましめとともにつたわっている。

 
吾妻あづまゆきうさぎ

また、福島ふくしまけんでは吾妻山あづまやま斜面しゃめん雪解ゆきど模様もようのこったゆきしろくある部分ぶぶん)をしろいウサギのかたち見立みたてて、「ゆきうさぎ」あるいは「たねまきウサギ」とんで、これを苗代なわしろたねまきの合図あいずとした。福島ふくしまには「吾妻小富士あづまこふじした残雪ざんせつがうさぎがたられるころになると晩霜ばんそう心配しんぱいがない」という天気てんきことわざもあり、また、日照ひでりのさいトンビにさらわれたウサギがやまかみとなったという説話せつわつたわっている。

こうしてウサギが各地かくちやまかみ同一どういつされてきたのは、人間にんげんらすさとかみ動物どうぶつのいるやまとを身軽みがるすることからの境界きょうかいえるものとしての崇拝すうはい多産たさん繁殖はんしょくりょくむことから豊穣ほうじょうつかさど意味いみ、そして東日本ひがしにっぽんのノウサギはふゆには毛皮けがわしろ変化へんかすることからしろ動物どうぶつ神聖しんせいするかんがかた白鳥はくちょうなどを神聖しんせいする古来こらいしろへの信仰しんこう)、西日本にしにほんのノウサギはしろくはないのであるが突然変異とつぜんへんいしろくなった動物どうぶつ瑞兆ずいちょうとしたかんがかた白蛇しろへびしろ鹿しか白亀しらかめなどが朝廷ちょうてい献上けんじょうされたれいなどにもられる希少きしょうしろへの信仰しんこう)などさまざまな背景はいけいがあるとかんがえられる。

 
大黒だいこくうさぎ出雲いずも大社たいしゃ

また、月読つきよみいのちゆたかさん祈願きがん)やだいおのれ貴命きめい大国たいこく主命しゅうめい)、しょくしん五穀豊穣ごこくほうじょう)などを祭神さいじんとする寺社じしゃではその祭神さいじん性格せいかくからウサギをかみ使つかいとするところもおおい。『古事記こじき』には大国たいこく主命しゅうめいたすけられるウサギのはなしとして「因幡いなばうさぎ」のはなしつたわっている。

ウサギは道教どうきょう陰陽いんよう思想しそう影響えいきょうけた十二支じゅうにしなまあやかひとつでもあり、「(う)」としてこよみ方角ほうがくをもあらわしてきた(ただし東南とうなんアジアではネコってわる)。

多産たさん豊穣ほうじょうせいのシンボル

編集へんしゅう

アングロ・サクソン多産たさん豊穣ほうじょうをつかさどるはる女神めがみエオストレ英語えいごばんは、その化身けしんあるいは使つかいがウサギである。

ウサギは、ふゆうしなわれた生命せいめい復活ふっかつ草木くさき芽吹めぶはな々が再生さいせいはるのシンボルである。たまご宇宙うちゅう根源こんげんのシンボルであり、宇宙うちゅうたまごからまれ、からうえ半分はんぶんてんになり、した部分ぶぶんになったことをあらわす。絵画かいがとうでも女神めがみかならずといっていいほどウサギをともなった姿すがたえがかれ、このウサギがたまごをもたらすとされる。たまごのほうは絵画かいがにはあらわれないが、ウサギとたまご関係かんけいについて、このウサギは女神めがみふゆつばさこおってしまったとりをウサギにえたものなので、特別とくべつとりのようにたまごめるのであるとするはなしや、ウサギが春色しゅんしょくけたきれいなたまごをプレゼントしたところ女神めがみ大変たいへんよろこび、みなにもくばるようめいじたというはなし、ウサギがどもたちをよろこばせるためにニワトリのたまごにわかくしてさがさせてみようとしたところ、そのうし姿すがたどもたちにられてしまったはなしなどがつたわっている。欧米おうべいでは現在げんざいはるまつりの余興よきょうとして、子供こどもたちやまねかれたきゃくがあらかじめ招待しょうたいぬしかくしておいたにわたまごさがしをすることがあるという。

同様どうようはなしは、オスタラ (Ostera) アスタルテー (Astarte) イシュタル (Ischtar) イナンナ (Inanna) などの女神めがみ欧州おうしゅう各地かくち神話しんわ伝説でんせつにあり、さかのぼれば、ギリシャのアフロディーテやローマのビーナスなどにもつうじ、古代こだいエジプト、ペルシャ、ローマなどでははるまつりにたまご着色ちゃくしょくしてべる習慣しゅうかんすでにあったという。のちに、キリストきょうはいってきたときに、キリストの復活ふっかつはるいわ女神めがみ信仰しんこうが「生命せいめいへの希望きぼう」という共通きょうつうてんむすびつき、エオストレ (Eostre) は復活ふっかつさい (Easter) の名前なまえ由来ゆらいとなった。

 
イースター・バニーたまご

こうした経緯けいいから、キリスト教会きょうかいおこなわれる復活ふっかつさい(イースター)では、生命せいめい復活ふっかつ象徴しょうちょうたまごとウサギにもとめて、イースターエッグイースターバニー行事ぎょうじにシンボルモチーフとして登場とうじょうさせる。ただし、正教会せいきょうかいにおいてはイースターエッグのみであり、異教いきょう女神めがみ色濃いろこむすびつくイースターバニーのほう排除はいじょされてしまった。

こうした背景はいけいなかで、べいえい中心ちゅうしんとする西欧せいおう世界せかいではイソップ物語ものがたり不思議ふしぎくにのアリスなどに登場とうじょうするウサギのように、秩序ちつじょからはずれた存在そんざいあらわ役目やくめをあてがわれ、あわてしゃなまものことかいさそものトリックスターとしてえがかれることもおおい。

 
バニーガール

天敵てんてきおおいアナウサギはのこりのために発情はつじょうをなくして年中ねんじゅう生殖せいしょく行為こうい可能かのうである[ちゅう 5]

年中ねんじゅう発情はつじょうしているししはヒトとウサギ(アナウサギ)くらいであるというイメージから、性的せいてき誘惑ゆうわくのシンボルとしてウサギがえらばれ、大人おとな世界せかいのディズニーランドというコンセプトを目指めざした米国べいこく高級こうきゅうナイトクラブであるプレイボーイクラブのウェイトレス正式せいしきコスチュームとして、「バニーガール」が、1960ねん採用さいようされ、カジノバーなどで女性じょせいコスチュームにひろ採用さいようされるようになった。成人せいじんPLAYBOY』でも、連動れんどうして1960ねんからオスのウサギのあたまをデザインした「ラビットヘッド」がキャラクターとしてもちいられている[ちゅう 6]

ラビットフット(うさぎあしという魔除まよけけのおまもりが、1940-1960年代ねんだいにアメリカのヒッチハイカーなどのあいだ局地きょくちてき流行りゅうこうしたとされる。その起源きげんケルト一族いちぞくけていた幸運こううんのおまもりであり、ウサギの繁殖はんしょくりょく神聖しんせいしていた一族いちぞくが、ウサギの男根だんこん象徴しょうちょうしているウサギのあしミイラけて繁栄はんえいねがったものであったとされている。

このように古来こらいからウサギは多産たさん豊穣ほうじょう繁栄はんえいのシンボルとして、よう東西とうざいわず女性じょせいどもとかかわりのふか動物どうぶつであり、1960年代ねんだいごろから男性だんせい成人せいじんけのキャラクターとしてももちいられるようになった。

今日きょう日本にっぽんでは、つきよんがつはるであること、月見つきみをするのが現在げんざいあきであることから、イメージとしてははるともあきともむすけられている。俳句はいくにおいては、野兎やとゆきうさぎふゆ季語きごとされている。

はやさのシンボル

編集へんしゅう

うごきのはやいものの象徴しょうちょうとして使つかわれることもままある。

種類しゅるいによってもちがうが、ノウサギは、天敵てんてきからるために時速じそく60-80キロほどのスピードではしることができる。人間にんげん場合ばあい、100mはし世界せかい記録きろく保持ほじしゃであっても時速じそくにすれば40キロにもたっしない(しかもさい高速こうそくるのは一瞬いっしゅんだけ)ことをかんがえると、いかにウサギが俊足しゅんそくであるかがかる(アナウサギ場合ばあいには、かくれるあな用意よういしてあるためそこまではや速度そくどげる能力のうりょく発達はったつしておらず、時速じそく35キロほどいわれている)。

ウサギは、機械きかい設備せつび高速こうそく動作どうさあらわすシンボルとしてもちいられている。Henry Dreyfuss Symbols Sourcebook(1972ねん)の時点じてんですでにもの変速へんそく機構きこうのデザインとして確立かくりつされていることが指摘してきされている[23]設備せつびるいもちいられるぞうさだめる ISO 7000 にしたがえば、動作どうさ速度そくどはやじゅんにウサギ[24]、カメ[25]、カタツムリ[26]のシルエットをもちいてあらわすことになる[27]JIS規格きかく同様どうようで、たとえば建設けんせつ機械きかい変速へんそく機構きこう操作そうさにはウサギとカメのえがかれる[28]ほか、ミシンの速度そくど調節ちょうせつとしてもウサギとカメがもちいられている。

また日産自動車にっさんじどうしゃのブランド「ダットサン」の「ダット」の部分ぶぶんかんして、関係かんけいしゃのイニシャルとともにはやはしることのたとえである「脱兎だっと」が由来ゆらいになっているとされる。

鉄道てつどうにおいても、近畿日本鉄道きんきにほんてつどう昭和しょうわ30年代ねんだい登場とうじょうさせた近鉄きんてつ6800けい電車でんしゃなどのこう加速かそく通勤つうきん電車でんしゃに「ラビットカー」と命名めいめいしていて、現在げんざいでも関西かんさい鉄道てつどうファンを中心ちゅうしんひろ浸透しんとうしている。

献身けんしんのシンボル

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仏教ぶっきょう世界せかいにおいては献身けんしんのシンボルとされる。これは仏教ぶっきょう説話せつわしゅうジャータカjātaka)のなかに、ウサギがとうじて仙人せんにん布施ふせする物語ものがたり(ササジャータカ:sasajātaka)があるためである。ちなみに#むかしからわれつづけてた、つきのシンボルしるしたように、つきめん模様もようをウサギに見立みたてることも、ここからきている。

宗教しゅうきょうのシンボル

編集へんしゅう
 
ドイツパーダーボルンだい聖堂せいどうさんのウサギ英語えいごばんまど (Dreihasenfenster)。さんのウサギは、ユダヤきょうキリスト教きりすときょうとうせいなる場所ばしょかけるさんうさぎいかけあっているつきしょう繁殖はんしょくりょく関係かんけいしているというせつがある。

神道しんとう世界せかいにおいてはかみ使つかいとされることがある。大阪おおさか住吉すみよし大社たいしゃ埼玉さいたま調しらべ神社じんじゃ京都きょうと岡崎おかざき神社じんじゃなどのかみ使としてられている。調しらべ神社じんじゃ岡崎おかざき神社じんじゃには狛犬こまいぬではなくこまウサギがある。

組織そしきのシンボル

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縁起えんぎ動物どうぶつとして、企業きぎょう団体だんたいのシンボルマークにもちいられることもおおい。

  • エスエス製薬えすえすせいやくでは、1952ねん昭和しょうわ27ねん)からウサギをシンボルマークとしている。これは、因幡いなば白兎しろうさぎ物語ものがたりてくる治療ちりょう日本にっぽん文献ぶんけんじょうにおけるはじめての治療ちりょうやくらしき描写びょうしゃであること、さらに「しろい」という清潔せいけつかん、「とび・ねる」という躍動やくどうかんをもつことひとしからである[29]
  • 全日本ぜんにほん不動産ふどうさん協会きょうかいでは、的確てきかく情報じょうほうをキャッチするみみ未来みらい躍進やくしんするジャンプりょくのあるあしをもつことから、ウサギを協会きょうかいのシンボルマークとしている[30]
  • ラビット (Rabbit)は、終戦しゅうせん直後ちょくごの1946ねんから1968ねんにかけて富士産業ふじさんぎょう(のちの富士重工業ふじじゅうこうぎょうSUBARU)が生産せいさんしたスクーターのブランドめいにもなった。そのボディデザインがウサギのイメージとかさなり、また、スクーターという軽快けいかいものが、ねるうさぎの姿すがた連想れんそうさせるところから命名めいめいしたものである。一部いちぶモデルは海外かいがいへも輸出ゆしゅつされた。車体しゃたいにつけられたブランドマークには、楕円だえんなかねるようなウサギの全身ぜんしんえがかれている。

物語ものがたりなかのウサギ

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わらべうたとして「うさぎ うさぎ なにねる 十五夜じゅうごやつきさま ねる」(成立せいりつねん作詞さくし作曲さっきょくしょう)とふるくからうたわれてきたし、ウサギは昔話むかしばなしにもよく登場とうじょうする身近みぢか動物どうぶつであった。日本にっぽん昔話むかしばなしとしては、ウサギが機智きちはたらかせてあく象徴しょうちょうであるタヌキらしめる「かちかちやまがた説話せつわがよくられており、そこではウサギは知恵ちえのあるもの、あるいはあく懲罰ちょうばつするものとして存在そんざいしている。ただし、ウサギの賢明けんめいさがときには狡猾こうかつほぐされることもある。たとえば「かちかちやま」の後日ごじつたんというべき『おや敵討かたきうちはらつづみ』(おやのかたきうてやはらつづみ)(ともまことどう喜三二きさんじ さく)では、ウサギはかつておのれにかけたタヌキのかたきとしてつけねらわれている。

一方いっぽう、「タヌキとウサギとキツネのぼたもちけ」という民話みんわでは、ウサギはタヌキとともに、狡猾こうかつキツネだまされる役柄やくがらとなっている。

西欧せいおうイソップ物語ものがたり原型げんけいとして明治めいじ以降いこうひろめられた「ウサギとカメ」の説話せつわでは、得意とくい分野ぶんや相手あいてあなどってやぶれたおろものとしてえがかれる。

そのほか、つきへの民間みんかん信仰しんこうとのかかわりもあってか、そのあいらしい姿すがたをデザインしたものはふるくから安産あんざん女性じょせい子供こどもまもがみとしてひろれられ、郷土きょうど玩具おもちゃそのさまざまな道具どうぐ意匠いしょうもちいられてきた。ほかにも、謡曲ようきょくのう)で『竹生島ちくぶしま(ちくぶじま)』で「つき海上かいじょうかんでは うさぎなみを奔るか 面白おもしろしま景色けしきや」とうたわれたことなどから、江戸えど時代じだいにはなみうえねるウサギが瑞祥ずいしょう文様もんようとして庶民しょみん着物きもの文様もんよう建築けんちく意匠いしょう使つかわれている。

迷信めいしん

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うさぎとフランスのふね
フランスでは、「ふねわざわいをもたらす」とわれておりおおくのふね禁止きんしである[31][8]。この迷信めいしんは17世紀せいきにまでさかのぼり、食用しょくようとしてはこばれたウサギがすため船体せんたいみついてあなけ、沈没ちんぼつさせるからだとされる。
ウサギはさびしいと
現代げんだい日本にっぽんにおいて「ウサギはさびしいとぬ」という迷信めいしん都市とし伝説でんせつがあるが、科学かがくてきにはなん根拠こんきょもない。この迷信めいしんひろまった理由りゆうとして、ウサギは草食そうしょくであり胃腸いちょうつねうごいている必要ひつようがあるため、12時間じかん以上いじょうなにべずにいると胃腸いちょううごきが停滞ていたいすることがあり、飼育しいくちゅうのウサギの世話せわすう日間にちかんおこたると死亡しぼうすることや[32]飼育しいくちゅう病気びょうきにかかってもぬしにはわからず、ぬし外出がいしゅつちゅう突然とつぜん死亡しぼうすることがあること[33]、また、1993ねん放送ほうそうされたテレビドラマ『ひとつ屋根やねした』のヒロイン・柏木かしわぎ小雪こゆきの「うさぎってさびしいとんじゃうんだから」というセリフの影響えいきょうなどが指摘してきされている[33]。また、きゃくに2以上いじょう購入こうにゅうさせることを意図いとしてウサギ販売はんばい業者ぎょうしゃ販売はんばい促進そくしんのために、つくした迷信めいしんであるというせつもある[34]
伝説でんせつじょう生物せいぶつ

漢字かんじコード

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うさぎ異体いたいうさぎ」をあらわShift_JISコードは0x995cであり、2バイトめが 0x5c、すなわち1バイト文字もじにおける「¥」(「えん記号きごう」あるいは「バックスラッシュ」)に該当がいとうする通称つうしょうダメ文字もじ」のひとつである。1バイト文字もじ0x5cには、しばしば特殊とくしゅ機能きのうてられているため、マルチバイト文字もじ入力にゅうりょくされることを想定そうていしていない(または想定そうていしていても対応たいおう不備ふびがある)プログラムは、マルチバイト文字もじふくまれている0x5cをあやま認識にんしき適切てきせつ動作どうさしない可能かのうせいがある。

日本語にほんご助数詞じょすうしはね

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ウサギの日本語にほんごにおける助数詞じょすうしは、かつて1、2とり同様どうようの「はね(わ)」を使用しようしていた。この由来ゆらいには諸説しょせつあるが、おもに以下いかのようなものがある。

  • しし肉食にくしょく禁止きんしされていた時代じだいおおきくながみみ形状けいじょうとりはね連想れんそうさせることから「ウサギはししではなくとりだ」となして食肉しょくにくとしていたとするせつ
  • おなじくしし肉食にくしょく禁止きんしされていた時代じだい、「ウサギは)とサギさぎ)にけられるからとりだ」とこじつけて食肉しょくにくとしていたとするせつ
  • 獲物えものみみたばねてあるき、いちつかみにすることをいち(いちわ)、(にわ)とかぞえたことからのちはね(わ)につながったとするせつ
  • 千葉ちばいさおなんじは『狩猟しゅりょう伝承でんしょう』(1975) において、山裾やますそ仕掛しかけたあみにウサギを狩猟しゅりょうほうが、とり狩猟しゅりょう共通きょうつうするために「はね」とかぞえたというせつ紹介しょうかいしている。

はね』は哺乳類ほにゅうるいではなく鳥類ちょうるいかぞえるときの助数詞じょすうしであり、『あたま』は人間にんげんよりもおおきな動物どうぶつ、『ひき』は人間にんげんよりもちいさな動物どうぶつ使つかうという傾向けいこうからすれば、うさぎは『ひき』とかぞえるのが自然しぜんであり、『NHK放送ほうそうのことばハンドブック』では、(文学ぶんがく食肉しょくにくとしてあつか場合ばあいのぞき)きたウサギは「ひき」をもちいるのがふさわしいとしている。愛玩あいがんようのウサギは日常にちじょうてきには「ひき」または「はね」であるが、しょう取引とりひきでは「あたま」が使つかわれる場合ばあいもある。なお、自然しぜん科学かがく分野ぶんやでは、動物どうぶつ全般ぜんぱんについて、動物どうぶつおおきさで区別くべつせず画一かくいつてきあたま使用しようするのが原則げんそくであり(鳥類ちょうるいちいさな昆虫こんちゅうでも、いちとうとうかぞえる)、NHKのニュースにおいても生物せいぶつがくてき話題わだいとして報道ほうどうする場合ばあいには、「奄美あまみ大島おおしま生息せいそくするクロウサギは~現在げんざいではわずか600とう確認かくにんされているにぎない」のように表現ひょうげんする場合ばあいがある。

慣用かんよう、ことわざなど

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日本にっぽん
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脱兎だっと(だっと)のいきお
きわめて迅速じんそくなさま。
うさぎかく(とにかく)・うさぎすみ(ともかく)・兎角とかく(とかく)[35]
仏教ぶっきょう用語ようごうさぎ角亀つのかめ(とかくきもう)」(後述こうじゅつ)に由来ゆらいする夏目なつめ漱石そうせき使用しようして一般いっぱん定着ていちゃくしたとされる。
うさぎすればきつねこれをかなしむ
明日あした
うさぎ祭文さいぶん
なん効果こうかもないこと。
うさぎくそ
長続ながつづきしないことの形容けいよう
うさぎ兵法ひょうほう
実用じつようてきでないこと。
うさぎ股引ももひき
つづかないこと。
いぬうさぎあらそ
当事とうじしゃあらそっているあいだ第三者だいさんしゃ横取よこどりされる。
うさぎのぼざか
前足まえあしくらべてうしあしながうさぎは、さかのぼるのが得意とくいであることから、状況じょうきょうめぐまれ、ちから発揮はっきすることをす。
中国ちゅうごく
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はじめは処女しょじょごと脱兎だっとごと
出典しゅってんは『孫子まごこきゅうだい11[36]はじめ如處おんな てきじんひらき 如脫うさぎ てき」(はじめは処女しょじょごとてきじんひらかせ、脱兎だっとごと素早すばや攻撃こうげきせよ、てき防御ぼうぎょわない)という兵法ひょうほう脱兎だっとのごとく、とは素早すばやくの意味いみ
兎角とかくかめ(とかくきもう)
出典しゅってんは『じゅつ』の「大亀おおかめせい、而兎せいかくかぶとへいはたきょうちょうわけ大亀おおかめえたり、うさぎかくえたりしたら、それは戦乱せんらんこるきざしである=意味いみ通常つうじょうならば、かめえたりうさぎかくえたりすることはないので、戦争せんそうなどというものはこらない)」。『じゅつこと』には、かめせんねんきるとえ、せんねんかみひさしいちまんねんれいかめばれるようになるともしるされている。通常つうじょうであればかめせんねんきないので、「うさぎ角亀つのかめ」はこりうるはずのないことのたとえに使つかわれる。とはいえ、かりにそのようにえたかめがいるとすればそれは長寿ちょうじゅ瑞兆ずいちょう象徴しょうちょうということであり、日本にっぽんでもげん武神ぶしんかめつるひさし瑞祥ずいしょう文様もんようにはえたかめ意匠いしょうもちいられる。もともとは仏教ぶっきょう用語ようごでもあり、現実げんじつにはないのにあると錯覚さっかくしたり実体じったいのないものをとうとぶことをいましめるとして「人間にんげん兎角とかくかめのごときものである。」(『毘婆すなろん(びばしゃろん)』)などのようにもちいられ、さとりにいた以前いぜんまよいの現世げんせいあらわ言葉ことばとなっている[37]
うさぎおこり鶻落
出典しゅってんの『ぶんあずかえがきし篔簹だにの偃竹の』。いきおいがあるさま。
獅子しし搏兎
出典しゅってんりく象山ぞうさんの『象山ぞうざん先生せんせい全集ぜんしゅう』。容易よういなことにも全力ぜんりょく努力どりょくする。
狡兎こうとさんくつ
出典しゅってんは『戦国せんごくさく』11かんひとしさく4ひとしじんゆう馮諼しゃ[38]の「ずるうさぎゆうさんくつ 僅得めん其死みみ」。ずるかしこもの用心深ようじんぶかなんのがれるのが上手うまい。
狡兎こうとんで(りょういぬが烹られる
ようんだ有能ゆうのう部下ぶかころされる。
  • 狡兎こうと走狗そうく」:司馬しば史記しき』「えつおう踐世
  • ずるうさぎ りょういぬ」:司馬しば遷『史記しき』92かん淮陰こう列伝れつでんかんしん[39]
  • ずるうさぎつきそくりょういぬ」:『韓非子かんぴしないもうかせつ[40]
守株しゅしゅかぶまもる)
出典しゅってんは『韓非子かんぴし』49かん[41]そうじんゆう耕田こうだしゃ 田中たなかゆうかぶ うさぎはしさわかぶ おり頸而 いんしゃく其耒而守株しゅしゅ 冀復とくうさぎ うさぎ不可ふかふくとく 而身ためそうこくわらい」という「守株しゅしゅまちうさぎ(しゅしゅたいと)」説話せつわかぶにウサギがぶつかってんだのをそうじんが、ひたすらウサギがふたたかぶにぶつかるのをったことから、旧慣きゅうかんにこだわるおろかしさを意味いみする。北原きたはら白秋はくしゅう作詞さくし山田やまだ耕筰こうさく作曲さっきょく童謡どうようちぼうけ」はこの故事こじもとにしている。
ウサギとげながら猟犬りょうけんりをする (run with the hare and hunt with hounds)
両方りょうほう味方みかたをする。信念しんねん節操せっそうのないひと
さんがつウサギのようにくるっている (Mad as a March hare)
きのない様子ようす。イギリスにおいて春先はるさきのオスのウサギがくるったようになるようから。
さかなくちがもとでぬ、ウサギはがもとでらえられる。(Por la boca muere el pece, y la liebre tomanla a diente)
くちわざわいいのもと」の
おもいもしなかったところからウサギがびだす (De donde no se piensa, salta la liebre)
灯台とうだいくらし」の
二兎にとうものはいちうさぎをもず(ひきうさぎともいう)
欲張よくばっていちに2つのものをねらうとかえってどちらともの目的もくてきたせなくなってしまうこと。

動植物どうしょくぶつ名前なまえにみるウサギ

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ウサギを連想れんそうするような、しろくてまるかたちをした動植物どうしょくぶつに、ウサギの名前なまえかんせられることがある。

たとえば、かいなかでもまるくてしろっぽいかいウミウサギガイ名付なづけられており、ウサギをふくんだがつけられている。ウミウサギ、マメウサギ、ウサギアシカワボタンガイなど。これらの貝殻かいがらはその外観がいかんうつくしさからうみのジュエリーとしてダイバーや貝殻かいがら愛好あいこうからの人気にんきたか[42]

つきうさぎみみ(つきとじ)(Kalanchoe tomentosa)という多肉植物たにくしょくぶつは、しろおおわれたちょう楕円だえんがたがウサギのみみおもわせることによる[43]

ウサギゴケという食虫植物しょくちゅうしょくぶつは、そのしろはな見事みごとみみをぴんとたてたウサギのかたちをしていることによる。ウサギギクは、ちょう楕円だえんがたがウサギのみみおもわせることによる。

また、兎馬うさぎうま(ウサギウマ)はロバを意味いみするが、これはロバのおおきなみみがウサギをおもわせることからきているとかんがえられる。

符号ふごう位置いち

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記号きごう Unicode JIS X 0213 文字もじ参照さんしょう 名称めいしょう
🐰 U+1F430 - 🐰
🐰
RABBIT FACE
🐇 U+1F407 - 🐇
🐇
RABBIT

脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ さらに雌雄しゆう区別くべつする場合ばあいにはゆうのノウサギをLièvre、めすのノウサギはアズ (Hase) とぶ。
  2. ^ たとえば、フランスのベビー&キッズ木製もくせい玩具おもちゃメーカーJANOD(ジャノー)や、日本にっぽんのベビー&キッズ&マタニティ服飾ふくしょく雑貨ざっか販売はんばいメーカー西松屋にしまつやなど。
  3. ^ 嫦娥じょうが参照さんしょう
  4. ^ ぞく日本にっぽん大宝たいほう元年がんねん(701ねん正月しょうがつおつついたちじょうに「天皇てんのう大極殿たいきょくでん受朝。其儀、於正もんじゅがらすがた幢。ひだり ぞうあおりゅう朱雀すざくはたみぎ がつぞう玄武げんぶ白虎びゃっこはた。」とある。文武ぶんぶ天皇てんのう大極殿たいきょくでん朝賀ちょうが挨拶あいさつけ、その儀式ぎしきでは、正門せいもんがらすかたちをした幢(どう)をて、左側ひだりがわにちぞう(じつぞう)、あおりゅう朱雀すざくはた(ばん)をて、右側みぎがわつきぞう(げつぞう)、玄武げんぶ白虎びゃっこはたてたというものであった。がらすかたちをしたどうせいかざりのついたながぼうのようなものをて、その左側ひだりがわに、太陽たいようあらわ円盤えんばんさんほんあしとりえがいたものをつけたながぼうのようなもの、あおりゅうえがいたいたをつけたながぼうのようなもの、朱雀すざくえがいたいたをつけたながぼうのようなもののけいさんほんて、右側みぎがわには、つきあらわ円盤えんばんにウサギをえがいたものをつけたながぼうのようなもの、玄武げんぶえがいたいたをつけたながぼうのようなもの、白虎びゃっこえがいたいたをつけたながぼうのようなもののけいさんほん全部ぜんぶななほんぼうてたのである。
  5. ^ 一方いっぽうノウサギの発情はつじょう春先はるさきからあきであり、発情はつじょうはじまった3がつごろのオスのウサギがかなくなるようして「さんがつウサギ」というイギリスのことわざがまれた。
  6. ^ ウサギには“快活かいかつで、あそごころ茶目ちゃめがある”というイメージから、「ユーモラスであり、セクシーさの象徴しょうちょう」としてウサギをマスコットにえらんだと、マークをデザインしたデザイナーはかたっている[よう出典しゅってん]

出典しゅってん

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  2. ^ a b 今泉いまいずみ吉晴よしはる ちょ「ウサギ」、下中しもなか直人なおと へん世界せかいだい百科ひゃっか事典じてん』(2009ねん改定かいてい新版しんぱん平凡社へいぼんしゃ、2009ねん 
  3. ^ うさぎうさぎ(うさぎ)とは? 意味いみ使つかかた - コトバンク[出典しゅってん無効むこう]
  4. ^ 「ウサギ」『ブリタニカ国際こくさいだい百科ひゃっか事典じてん しょう項目こうもく事典じてん』(だい2はん改訂かいていばんティービーエス・ブリタニカ、1993ねん 
  5. ^ 山本やまもとおさむ ちょ「ウサギ」、フランク・B・ギブニー へんブリタニカ国際こくさいだい百科ひゃっか事典じてん』(だい2はん改訂かいていばんティービーエス・ブリタニカ、1993ねん 
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  11. ^ “ネアンデルタールじんうさぎれず絶滅ぜつめつ?”. ナショナルジオグラフィック. (2013ねん3がつ12にち). http://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/news/14/7690/ 2016ねん6がつ13にち閲覧えつらん 
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参考さんこう文献ぶんけん

編集へんしゅう
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  • 大野おおのみずほ『ザ・ウサギ 最新さいしん品種ひんしゅ飼育しいく・エサ・繁殖はんしょく医学いがくがすべてわかる』まことぶんどう新光しんこうしゃ〈ペット・ガイド・シリーズ〉、2004ねん8がつ20日はつかISBN 978-4-416-70451-6 
  • つじ調ちょうグループつじ静雄しずお料理りょうり教育きょういく研究所けんきゅうじょ 編著へんちょ『フランス料理りょうりハンドブック』柴田しばた書店しょてん、2012ねん4がつISBN 978-4-388-35340-8 
  • 福井ふくい栄一えいいち『かわいいだけがウサギじゃない』技報堂ぎほうどう出版しゅっぱん、2010ねん、43-61ぺーじISBN 978-4765542432 
  • 町田まちだおさむ 監修かんしゅう へん『うさぎ ながく、たのしくらすためのほん池田いけだ書店しょてん〈もっとわかる 動物どうぶつのことシリーズ〉、2009ねん11月24にちISBN 978-4-262-13126-9 
  • East, George (2007-11-01), French Lessons, Mill of the Flea, La Puce Publications, ISBN 978-0-9523635-8-3 

外部がいぶリンク

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